ナイターで実施されている四日市競輪開設74周年記念「泗水杯争奪戦(GIII)」は、11月1日が大会2日目。メインの二次予選では、寬仁親王牌覇者の嘉永泰斗がまくりを止められて勝ち上がりを逸する波乱はあったものの、そのレースを除けば本命サイドでの決着が続いた。古性優作、眞杉匠、犬伏湧也、岩本俊介、松浦悠士のS級S班5名に、寺崎浩平、深谷知広、山口拳矢、浅井康太は危なげなく二次予選をクリア。11月2日はいよいよシリーズも佳境で、ファイナリスト9名を決する準決が行なわれる。
記念開催中は毎日、先着来場者プレゼント、井上茂徳さん、内林久徳さん、山口幸二さん、村上義弘さん、まーちんさんによる日替わりでメンバーを入れ替えてのトークショー&レース展望などが予定されています。さらに11月2日は「はなわ」エンタメステージや、恐竜プレイランド、選手会三重支部イベントもあります。四日市競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。
<6R>

深谷知広選手
8番手から上昇した栗山和樹を、深谷知広(写真)が赤板過ぎに突っ張る。栗山はどこにも降りられずに後退し、他の仕掛けはない。打鍾前から絶妙なペースで駆ける深谷を前にして、別線は釘付け。最終ホームで本格的にペースを上げた深谷が、隊列を一本棒にして駆けて行く。周回中から4番手の佐々木豪が、2コーナー過ぎからまくり上げるが、深谷と間合いを取った佐々木龍が3コーナーで厳しくブロック。佐々木豪の勢いは鈍り、援護を受けた深谷はさらに踏み直す。ゴールまで力強く踏み切った深谷が、逃げ切りで準決へと駒を進めた。
「突っ張りが想定でした。しっかり自分のペースで踏めたし、今日(2日目)は良かったと思います。(佐々木)豪が来るならここだなっていうタイミングで踏み上げて、(佐々木龍と)2人でけん制できました。昨日(初日)走った感じがかなりマズかったんで、セッティングをいじって、今日の朝は山賀(雅仁)さんに体を見てもらった。かなり良くなったし、自信になりましたね。でも、膝の状態が良くないので、そこは慎重に調整したい」
佐々木豪のまくりを止めた佐々木龍が2着。厳しいブロックで深谷を援護したが、ライン3番手の山賀雅仁が勝ち上がれず、レース後は浮かれずにインタビューに応えた。
「深谷さんが全部やってくれました。後ろも来れないペースだったと思います。サラ脚の(佐々木)豪が4番手だったんで、かなり良いスピードで来ると思った。僕はとにかくそこを止めようと思って動いてしまった。前が深谷さんですし、横ばかりじゃなくて前に付いていくことを考えていれば、山賀さんまで決められたと思うんで、申し訳ないです」
「突っ張りが想定でした。しっかり自分のペースで踏めたし、今日(2日目)は良かったと思います。(佐々木)豪が来るならここだなっていうタイミングで踏み上げて、(佐々木龍と)2人でけん制できました。昨日(初日)走った感じがかなりマズかったんで、セッティングをいじって、今日の朝は山賀(雅仁)さんに体を見てもらった。かなり良くなったし、自信になりましたね。でも、膝の状態が良くないので、そこは慎重に調整したい」
佐々木豪のまくりを止めた佐々木龍が2着。厳しいブロックで深谷を援護したが、ライン3番手の山賀雅仁が勝ち上がれず、レース後は浮かれずにインタビューに応えた。
「深谷さんが全部やってくれました。後ろも来れないペースだったと思います。サラ脚の(佐々木)豪が4番手だったんで、かなり良いスピードで来ると思った。僕はとにかくそこを止めようと思って動いてしまった。前が深谷さんですし、横ばかりじゃなくて前に付いていくことを考えていれば、山賀さんまで決められたと思うんで、申し訳ないです」
<7R>

山田英明選手
後ろ攻めから武田亮が押さえて、前受けから下げた嘉永泰斗は3番手に収まる。7番手となった根田空史は動かず、5番手の藤井栄二が赤板2コーナー過ぎに先に仕掛ける。根田は近畿勢を追いかけた勢いのままに仕掛けて、最終ホームで藤井を叩いて主導権を奪う。南関勢にスイッチするようにして仕掛けた嘉永は、前のあおりを受けて1コーナーで浮きながらも、2コーナーの下りで加速して強引にまくり上げる。じわじわと迫った嘉永だったが、岩本俊介に3コーナーでけん制されて勢いが鈍ってしまう。嘉永が若干外に浮くと、山田英明(写真)は、2センターで嘉永の内を突いて直線へ。山田は、根田の番手から抜け出す岩本を、外から抜き去って1着をつかんだ。
「細切れだったんで、(前を取っても)順番が回って(仕掛けが)間に合うんじゃないかなって。(嘉永は)タイトルを獲って気持ちもあんまり落ち着いていないなかで頑張ってくれた。(岩本のブロックは)ちょっと危なかったですね。自分はスピードをもらって踏んだだけなので。競輪祭が控えていますし、点数がないといけないんで。そういうところを意識しながら。(状態は)悪くはないと思います」
根田を援護した岩本俊介は、直線で前に踏み込むも、山田に外を行かれて2着。
「根田君が2番車だったので、外枠よりもいい位置が取れたらなって思っていたので、想定内の位置でした。力強かったですね。根田君らしい。飛びつかれないように行ってくれたので、あとは車間を切ってフォローしようと思っていました。うまく体で止められれば、ラインで決められたと思うんですけど。どうしても嘉永君が強いっていうイメージがあった。自分の技術不足ですね」
「細切れだったんで、(前を取っても)順番が回って(仕掛けが)間に合うんじゃないかなって。(嘉永は)タイトルを獲って気持ちもあんまり落ち着いていないなかで頑張ってくれた。(岩本のブロックは)ちょっと危なかったですね。自分はスピードをもらって踏んだだけなので。競輪祭が控えていますし、点数がないといけないんで。そういうところを意識しながら。(状態は)悪くはないと思います」
根田を援護した岩本俊介は、直線で前に踏み込むも、山田に外を行かれて2着。
「根田君が2番車だったので、外枠よりもいい位置が取れたらなって思っていたので、想定内の位置でした。力強かったですね。根田君らしい。飛びつかれないように行ってくれたので、あとは車間を切ってフォローしようと思っていました。うまく体で止められれば、ラインで決められたと思うんですけど。どうしても嘉永君が強いっていうイメージがあった。自分の技術不足ですね」
<8R>

寺崎浩平選手
ジワリと押さえた嵯峨昇喜郎が、赤板過ぎに前に出る。北日本勢を受けた寺崎浩平(写真)は、車を下げ切らずに3番手内で森田優弥と併走になる。もつれを見た嵯峨が、ペースを上げずにいると、単騎で最後方にいた水谷良和が、打鐘3コーナーでインを切る。この動きで出やすくなった森田は、2センターから踏み上げて先行態勢に。包囲網を敷かれた寺崎は、7番手で最終周回に入る。前との間合いを詰めた寺崎は、2コーナー過ぎから持ち出して発進。そこからとてつもないスピードでまくっていく。森田マークの中島詩音が2センターで外に振ったが、それを避けた寺崎は4コーナーから再加速。森田を直線でまくり切って、1着でゴール線を駆け抜けた。
「思ったよりも赤板のピッチが緩くて、そこで毎回引いているようじゃ今後は厳しいと思った。まずしっかり(中団で)勝負しました。考えうる中で一番悪い展開でした。でも、踏み出した時に届く感触があったし、最近はまくってなかったけど、まくりでも行けるなって感じがした。ブロックされてもいいように、準備しながらまくりました。久々の1着ですね。最近は取れてなかったし、本当は先行で1着を取りたいけど、まあまあ、良かったです」
稲川翔が、寺崎のハイスピードのまくりに食らい付いた。
「(寺崎が)強い上に、タイムも出る展開になった。本人もいろんなレースをしていこうっていう自覚があるし、そのなかで出し惜しみをしないレースをしてくれる。僕らはそこに必死に食らい付いていくだけ。かと言って、付いているだけじゃこっちも成長していかない。同じ立場でレースに臨めるようになっていかないと」
「思ったよりも赤板のピッチが緩くて、そこで毎回引いているようじゃ今後は厳しいと思った。まずしっかり(中団で)勝負しました。考えうる中で一番悪い展開でした。でも、踏み出した時に届く感触があったし、最近はまくってなかったけど、まくりでも行けるなって感じがした。ブロックされてもいいように、準備しながらまくりました。久々の1着ですね。最近は取れてなかったし、本当は先行で1着を取りたいけど、まあまあ、良かったです」
稲川翔が、寺崎のハイスピードのまくりに食らい付いた。
「(寺崎が)強い上に、タイムも出る展開になった。本人もいろんなレースをしていこうっていう自覚があるし、そのなかで出し惜しみをしないレースをしてくれる。僕らはそこに必死に食らい付いていくだけ。かと言って、付いているだけじゃこっちも成長していかない。同じ立場でレースに臨めるようになっていかないと」
<9R>

浅井康太選手
赤板で勢いよく小畑勝広が切って、前受けの山口拳矢は3番手に飛びつく。関東勢を追っていた岩谷拓磨は、併走を嫌って下げて、2コーナー過ぎに仕掛けた高橋晋也が、打鐘3コーナーで主導権を握る。5番手となった山口拳矢は、最終ホームから早めに反撃を開始する。山口は、2コーナーの下りから本格的に加速し、バック過ぎに高橋をとらえる。2センターでは中部ライン3車が出切って、最後は番手の浅井康太(写真)が鮮やかに差し切った。
「全体的に若手の先行型がそろっていて、そのなかで(山口)拳矢がいいレースをしてくれて、中部勢にとっていい結果になりましたね。赤板過ぎに小畑君(ライン)の後ろを取って。岩谷君が下がっていったんで、高橋君を逃がさせてっていう感じだったと思います。和田(圭)君のけん制をよけて、良く伸びていきましたね。拳矢は前回も強かったですし、引き続き調子がよさそうですよね。全面的に信頼していました。(ゴール前は)いっぱいでした。ハンドル投げだけでギリギリ抜けました」
最終ホームから仕掛けた山口拳矢が2着。中部ライン3人で確定板を独占した。
「積極的な選手が多かったんで、流れでっていう感じでした。(最終ホームで車間が)詰まったのでいったんですけど。一番嫌なところで和田さんに並ぶなって思ったので、一瞬回してから(バックの)直線で捕らえられるようにいきました。ラインで決められて良かったです」
「全体的に若手の先行型がそろっていて、そのなかで(山口)拳矢がいいレースをしてくれて、中部勢にとっていい結果になりましたね。赤板過ぎに小畑君(ライン)の後ろを取って。岩谷君が下がっていったんで、高橋君を逃がさせてっていう感じだったと思います。和田(圭)君のけん制をよけて、良く伸びていきましたね。拳矢は前回も強かったですし、引き続き調子がよさそうですよね。全面的に信頼していました。(ゴール前は)いっぱいでした。ハンドル投げだけでギリギリ抜けました」
最終ホームから仕掛けた山口拳矢が2着。中部ライン3人で確定板を独占した。
「積極的な選手が多かったんで、流れでっていう感じでした。(最終ホームで車間が)詰まったのでいったんですけど。一番嫌なところで和田さんに並ぶなって思ったので、一瞬回してから(バックの)直線で捕らえられるようにいきました。ラインで決められて良かったです」
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犬伏湧也選手
前受けの橋本優己が、誘導と車間を切って、赤板過ぎに犬伏湧也(写真)を突っ張る。一旦後方に下がった犬伏は、2コーナー過ぎに再度進撃を開始する。橋本も合わせてペースを上げるが、力ずくでねじ伏せた犬伏が打鐘4コーナーで叩き切る。犬伏ライン3番手の中村良二は離れて、叩かれた橋本は3番手に飛び付く。最終ホームで仕掛けた鈴木竜士は、バックで橋本の外に追い上げるまでで、犬伏を脅かすまでには至らない。犬伏は直線に入っても力強く踏み直して、そのまま押し切った。
「車番が悪くて思うような位置は取れないと思ってたけど、しっかり仕掛けられるところで仕掛けようと思ってました。雰囲気を見てだったけど、(橋本が)突っ張る気満々だったんで、落ち着いて。でも、踏み合ったとしても、ジャンで叩ければ決まるかなと思ってた。昨日(初日)も良くなかったし、GIの疲れが残ってる中で、体調もパッとしていないけど、ラインの厚みを生かせればと。3人で出切れなかったんで、そこだけですね」
桑原大志は、犬伏の強烈な加速に食らい付いて2着。初日に河端朋之に離れた悪夢を払拭した。
「前からが良いなって思ってたんで、頑張って出たけど無理でした。(犬伏は)突っ張られても(仕掛けて)行けるし、落ち着いて行ってくれた。すごい加速でした。バックぐらいで、中切れしていくかと思った。差しにいく脚も残ってなかった。昨日(初日)の反省を生かしながらしっかり走ろうと思って、ギリギリ追走できた。こういう強い人と走る事の喜びを噛みしめて走っています」
「車番が悪くて思うような位置は取れないと思ってたけど、しっかり仕掛けられるところで仕掛けようと思ってました。雰囲気を見てだったけど、(橋本が)突っ張る気満々だったんで、落ち着いて。でも、踏み合ったとしても、ジャンで叩ければ決まるかなと思ってた。昨日(初日)も良くなかったし、GIの疲れが残ってる中で、体調もパッとしていないけど、ラインの厚みを生かせればと。3人で出切れなかったんで、そこだけですね」
桑原大志は、犬伏の強烈な加速に食らい付いて2着。初日に河端朋之に離れた悪夢を払拭した。
「前からが良いなって思ってたんで、頑張って出たけど無理でした。(犬伏は)突っ張られても(仕掛けて)行けるし、落ち着いて行ってくれた。すごい加速でした。バックぐらいで、中切れしていくかと思った。差しにいく脚も残ってなかった。昨日(初日)の反省を生かしながらしっかり走ろうと思って、ギリギリ追走できた。こういう強い人と走る事の喜びを噛みしめて走っています」
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神山拓弥選手
谷口遼平が赤板過ぎに切って、中団から下げた眞杉匠は、2コーナー過ぎに仕掛けて打鐘で前に出る。シッティングのまま踏み上げた眞杉は、徐々にペースアップ。4番手の谷口も、7番手の兼本将太も、全く動けないまま最終周回に入る。2コーナーから仕掛けた兼本は、4番手外までで、3コーナーでいっぱい。中団の谷口も仕掛け切れない。番手で好展開を迎えた神山拓弥(写真)は、4コーナーから目いっぱい踏み込んで眞杉を差し切り、連勝を決めた。
「余裕はなかったので、真横にきたら止めようと思って前だけ見ていました。(眞杉は)後半がタレたというよりも、(最終)2コーナーからの踏み返しがいつもの強い感じじゃなかった。終わったあとに伝えました。(眞杉は)超一流なんで、修正してくると思います」
前日は急遽セッティングを変更した眞杉匠。そこから調整を加えて、手応えは良化した様子。
「スタートは負けましたね。でも、前か中団で考えていたので。自転車の感じは昨日(初日に新しいサドルに)変えてよかったので、もうちょっと煮詰めれば(さらに)良くなると思う。道中の感じとかは、前に先行できていた時にだいぶ近づいていると思う。後半は力んでしまって失速してしまったんですけど。もう少しフィーリングを合わせていければ」
「余裕はなかったので、真横にきたら止めようと思って前だけ見ていました。(眞杉は)後半がタレたというよりも、(最終)2コーナーからの踏み返しがいつもの強い感じじゃなかった。終わったあとに伝えました。(眞杉は)超一流なんで、修正してくると思います」
前日は急遽セッティングを変更した眞杉匠。そこから調整を加えて、手応えは良化した様子。
「スタートは負けましたね。でも、前か中団で考えていたので。自転車の感じは昨日(初日に新しいサドルに)変えてよかったので、もうちょっと煮詰めれば(さらに)良くなると思う。道中の感じとかは、前に先行できていた時にだいぶ近づいていると思う。後半は力んでしまって失速してしまったんですけど。もう少しフィーリングを合わせていければ」
<12R>

三谷竜生選手
6番手から上昇した河端朋之が、4番手の鈴木涼介にフタをする。河端は、赤板2コーナーから踏み込んで、中四国勢を受けた古性優作が4番手を確保する。7番手となった鈴木が、打鐘手前から巻き返すが、河端はすでにペースを上げており、鈴木は突っ張られてしまう。五日市誠が、4番手に降りようと古性と併走するが、古性は最終1コーナーで一発でどかして、北日本の2車が後退する。古性は、2コーナー過ぎからスパートすると、隊列をなめるように鮮やかにまくっていく。一切のロスなくまくった古性が4コーナーで先頭に躍り出て、最後は番手から三谷竜生(写真)が鋭く差し切った。
「古性君に任せてて、(河端の先行は)考えてる内の一つだったと思います。しっかり位置を取って、勝負がついたところで仕掛けてくれたんで、頼もしかったです。自分も調子自体は良いので、1着が取れて良かったです」
古性優作は、近畿ラインワンツースリーを演出。それでもレース後は厳しい口ぶりだった。
「(組み立ては)特に(考えてなかった)。力不足ですね。練習不足だと思います」
「古性君に任せてて、(河端の先行は)考えてる内の一つだったと思います。しっかり位置を取って、勝負がついたところで仕掛けてくれたんで、頼もしかったです。自分も調子自体は良いので、1着が取れて良かったです」
古性優作は、近畿ラインワンツースリーを演出。それでもレース後は厳しい口ぶりだった。
「(組み立ては)特に(考えてなかった)。力不足ですね。練習不足だと思います」