『四日市競輪開設55周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:2月5日


 四日市競輪場開設55周年記念「泗水杯争奪戦」は、後半戦となる3日目に突入した。この日のメインレースは優出への最後の関門となる準決勝4個レース。トップクラスの激突で、激しいレースの連続となったが、小嶋敬二をはじめ、平原康多や佐藤慎太郎らファイナリスト9名が決定。明日はいよいよ決勝戦が争われる。
  また、最終日も場内では様々なファンサービス、イベントが予定されています。この機会に是非、四日市競輪場に足をお運びください。

<8R>
佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 

 8レースの準決勝Cを制して決勝一番乗りを果たしたのは佐藤慎太郎(写真)。成田和也のまくりを直線できっちり差し切り、ファンの圧倒的な支持に応えた。
  「今日はある程度前に任せて付いていくだけでしたね。いい位置を取ってくれたし、展開が良かった。森川(剛)がカマして来たけど、成田はさばくこともできるので、心配はしていなかった。初めての準決Cで緊張したけど、成田のお陰で決勝に乗ることができました。人気に応えられてホッとしています。今日は脚の感じも悪くなかったです」
  成田和也も優秀戦で落車した影響を感じさせない走りで2着に入り、納得の表情を浮かべる。
  「やることはやったし、差されたのは仕方がない。ワンツーが決まって良かったです。昨日の落車で首と腰を少し痛めたんですが、思い通りのレースができたし、初日の2着よりも感じ良く踏めたと思います」



<9R>
三宅達也選手
三宅達也選手
   9レースの準決勝Bは落車のアクシデントもあったが、人気の岡山コンビで連を独占。八番手から豪快なまくりを決めた三宅達也(写真)は満面の笑みで汗を拭う。
  「後方に置かれても仕方がないと思っていたし、脚を溜めて落ち着いて仕掛けました。久しぶりの記念決勝なんで、本当に嬉しい。ちょっとの差で乗れないレースが続いていましたからね。昨日の怪我の影響で、ちょっと体がだるかったけど、踏んだ感じは悪くなかった。踏み出しも初日より全然良かったですね」
  2着に流れ込んだ井上剛も笑顔が絶えない。
  「(三宅)達也さんは昨日落車したのに、調子が上がっている感じ。レース前はオーラが出ていたし、安心して付いていました。八、九番手になったけど、踏み出した瞬間にまくれると思いましたね。今日は何もしていないし、全て達也さんのお陰。記念決勝は2回目なんですが、追い込みに変わって、ようやく結果が出せました」
  先制した松山桂輔ラインの四番手から先まくりを決めた関一浩だが、惜しくも3着で決勝進出を逃した。
  「仕掛けたほうがいいのか迷ったんですが、2着権利だし、かぶったら厳しいので、早めに踏ませてもらいました。決勝に乗れたと思ったのに、悔しいですね。去年鎖骨を折った影響で、成績はずっと悪かったけど、ようやく調子が戻ってきました。ここに来る前に練習量を増やした成果も出ています」


<10R>

平原康多選手
平原康多選手
高木隆弘選手
高木隆弘選手

 

 10レースの準決勝Aは平原康多(写真)が三番手確保から鋭く追い込み、細切れの激戦を制した。
  「1回斬って、誰も来なければそのまま先行するつもりだったけど、すかさず丸山(啓一)さんが来ましたからね。昨日は内をすくわれたりしたので、今日は内と外をしっかり見ていました。昨日のレースがいい勉強になりました。2コーナーから仕掛けたかったんですが、ホーム過ぎで一旦バックを踏まされたので、仕掛けられなかったです」
  丸山啓一の番手から追い込んだ渡辺晴智が2着。
  「平原の脚が違ったね。丸山が頑張ってくれたお陰で決勝に乗れました。やっぱり競輪はラインですね。残せなかったのは自分の器量不足です」
  平原マークの高木隆弘(写真)も3着で決勝進出。
  「平原が何回も踏んだり止めたりするので、いつ仕掛けるのかと思ってましたよ。仕掛けが遅かったし、3着でも仕方がない」
  先行した丸山啓一は「1回斬って北津留(翼)が来るのを待っていたけど、来る気配がなかったので、腹をくくって先行しました。前回の競輪祭に比べれば、飛躍的に状態が上がっているし、力を出し切れたから納得しています」と振り返る。
  まくり不発に終わった北津留翼は「やっぱりホームで仕掛けるべきでしたね。海田(和裕)さんの動きに期待してしまった」と悔やむ。



<11R>
宗景祐樹選手
宗景祐樹選手
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
   最終11レースは小嶋敬二と佐藤友和の力勝負に注目が集まったが、単騎の宗景祐樹(写真)がまくって波乱の決着となった。
  「セッティングを変えて今回は感じがいい。視界が広くなり、レースが良く見えています。長い距離は踏めないセッティングなんですが、後閑(信一)さんを追いかけながら踏んでいく形でしたからね。記念決勝は初めてなので、明日は力を出し切りたい」
  2着には宗景とほぼ同時に中団からまくった堤洋が入った。
  「宗景がまくるとは思わなかった。ずっと宗景と併走する形だったし、スピードも思ったより良かったので、捕らえられなかった。今回は初日からずっと感じがいいし、自分のレースができている。記念の決勝は3年ぶりなんで、本当に嬉しいね」
  人気の小嶋敬二(写真)は辛くも3着で久々の記念優出を果たした。
  「1番(堤)と8番(宗景)がまくったし、さすがにその外をまくるのは厳しいと思い、1に付け直しました。ヒヤヒヤしたけど、良く届いたと思います。やっと記念の決勝に乗れた感じだし、これが今の自分の実力なのかな。これを機にまた流れを変えていきたいですね。脚的には優勝を狙える出来だと思うので、明日は勝てるように走りたい」
  先行した佐藤友和は僅差の4着で敗退。
  「小嶋さんを七番手に置く組み立てを考えていたし、途中までは良かったんですが…。後ろが競りで離れることも予想していたけど、やっぱり厳しかったですね。それでも自分に脚があれば、残れたはずだし、力不足を認識しました」
  佐藤の番手勝負に出た渡辺航平は「競り勝ったけど、脚がなくて追えなかった。佐藤は2コーナーからグングンかかっていきましたからね。自分のレースはできたし、これから足りないものを補っていきたい」。

   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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