『四日市競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:12月2日

 四日市競輪場で開催されている開設67周年記念「泗水杯争奪戦(GIII)」は、12月2日に2日目が行われた。メインの優秀「フォーリンカップ」では、中団からまくり気味に追い込んだ和田真久留が白星を飾り、準決に弾みをつけた。3日目はファイナル進出をかけて、メインの準決3個レースで熾烈なバトルが繰り広げられる。
 本場では開催中の毎日、先着でスピードくじを配布(3日目、最終日はオリジナルクオカードなどが当たる)、現金やクオカードが当たる未確定車券抽選会、選手会カフェなどの選手会三重支部主催のイベント、四日市とんてき、たこ焼きなどの移動販売車の来場などが行われます。また、3日目には、アイドル諜報機関「LEVEL7(レベルセブン)」によるライブパフォーマンス、専門記者によるレース展望なども予定されています。四日市競輪場では様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

<6R>

廣田敦士選手
廣田敦士選手
 前受けの山中秀将を打鐘手前で押さえた廣田敦士が主導権。別線の動きを確認しながら、落ち着いてペースを握る。中団に畑段嵐士が入り、山中は7番手まで下げる。先行に迷いのない廣田は、徐々に踏み上げて絶妙なペースで駆ける。最終ホームから反撃に出た山中は、畑段のけん制もあって中団までで不発。番手から追い込んだ松崎貴久が、ゴール寸前でわずかに出て1着。
 「展開がいいだけですね、前が頑張ってくれた。廣田君は落ち着いて駆けてくれたし、めちゃくちゃ強かった。あんだけいってくれてるんで、自分もなにかしてあげないとっていう思いはあった。だけど、なにもする必要がなかった。記念の(初日、2日目の)連勝なんで10年くらい前(07年1月1176着)の立川以来ですよ」
 中部3番手の光岡義洋が外から追い込んで2着。逃げた廣田敦士(写真)もきっちり粘り込んで3着に入り、廣田がラインでの上位独占をメイクした。
 「どこまでもつかなって思ってた。でも、風は全然感じなかったし、バンク(コンディション)も体の方もいいですね。展開的には、だいたいああなるなっていうのがあった。(ホームバンクのシリーズでは)いままでで一番いい」


<7R>

堤洋選手
堤洋選手
 伊藤裕貴を7番手に置いて、前団との車間を空けた山田久徳が赤板の2コーナー過ぎから踏み込む。伊藤も巻き返すが、山田が突っ張り両者の踏み合い。脚を溜めた池田憲昭は、最終2コーナーからまくりを打つ。池田があっさりと前団を仕留めて、堤洋(写真)の追走。3番手以下が大きく離れて、堤がゴール前で池田を交わした。
 「池田サマサマですね。めっちゃ強いよ。あのスピードはマーク屋では出せない。池田が自力の時に付くのは初めてだと思うけど、ちぎれんようにと。(自分の調子は)悪かったらちぎれていると思うしいいですよ」
 絶好のまくり展開が巡ってきた池田憲昭は、仕掛けどころを逃すことなく踏んで二次予選にコマを進めた。
 「(山田と伊藤が踏み合って)恵まれました。山田も近畿の自力屋だから伊藤を潰しにいくこともあるかもと。あの展開もあると思っていましたね。差しよりもまくりの決まり手が多くなったのは、僕のことを誰も相手にしないからでしょう(笑)」


<8R>

坂本亮馬選手
坂本亮馬選手
 山下一輝に合わせて踏んだ坂本亮馬(写真)が、すんなり中団を確保する。鈴木庸之は一本棒の7番手で、中団の九州勢との車間が大きく空く。前団を射程圏に入れた坂本が、タイミング良くまくって後続を振り切った。
 「あの展開をつくるしかないでしょう。(最終)ホーム線で詰まったら仕掛けようかと思っていた。作戦は1個しか考えていなかったから、やりやすかったですね。山下君との戦いにしたのが勝因だと思う」
 後方から外を伸びた鈴木庸之だったが、3着に入るのがやっとだった。
 「(坂本)亮馬が1番車だったので、自分としてはやりづらかった。亮馬は絶対に駆ける気がないし、車番もいいのでレースをつくれますからね。仕掛けようと思えばいつでも行けたけど、無理やり仕掛けてしまうと1車で叩くことになってしまう。ラインでしっかり後ろも連れていけるように仕掛けたかった」


<9R>

庄子信弘選手
庄子信弘選手
 青板の2センターから南潤が上昇する。山田庸平は南の1車を受けて番手で粘る。前団の隊列が短くなると、単騎の庄子信弘(写真)がカマシ気味に先頭に立って奇襲に出る。南は庄子に続いた望月裕一郎を張りながら、すかさず巻き返して主導権を奪い返す。南の先行に庄子、望月が続いて、山田が4番手で最終ホーム。逃げる南と番手に飛び付いた庄子との直線勝負は、追い込んだ庄子に軍配が上がった。
 「1回切ってゴチャゴチャになれば、入れるところと思ってました。(自分が仕掛けた時に南は)たぶん見えてないですよね。出てからは流して、(南が)来たら踏もうと思った。そしたらすぐに来た。展開も良かった。でも、抜けるとは思わなかったんで、調子はいい」
 庄子に出られてもケレン味のない組み立てを貫いた南潤は、すぐさま打鐘の4コーナーで主導権を奪って風を切った。
 「警戒はしていたんですけど、単騎だったからどうなんやろって。ラインだったらもっと警戒はしていた。(庄子が)カマして来た時はスピードが違ったし踏み遅れた。出られてしまったけど、先行はするつもりだった。いまは目の前のこと(結果)より楽を覚えんようにと。長い距離をあえて行った方が、先につながる。ただ、レースはヘタクソですね、バタバタして無駄脚を使っている」
 「前々に勝負して合ったところでと思ってた」とは、山田庸平。イン粘りから展開が動くと、最終ホームでは4番手で立て直して3着に届いた。
 「いつもだとあれで乗り越えられずに4着なんですけど、たまたま3着に入れた。単騎の人がいっぱいいたんで、(庄子も動きは)読めなかった」


<10R>

竹内雄作選手
竹内雄作選手
 赤板前から先頭に立った松川高大が、竹内雄作を意識しながらペースを落とすと単騎の高橋雅之が内から進出して松川後位に入る。前団がもつれたところを後方の竹内が踏み込んで松川を叩く。坂上樹大は離れて、竹内に吉田敏洋まで出切る。空いた車間を詰める松川との間合いを計った吉田が、直線で踏んできっちり竹内を交わした。
 「(竹内)雄作のダッシュがすごすぎて、踏み出しに少し離れてしまった。あれは付いていけない。練習でもあんなんはない。(初日に落車してるんで)見た目はなにもないようだけど、変なところが痛い。でも、人気に応えられて良かった」
 1周半を踏み切って吉田とのワンツーを決めた竹内雄作(写真)だが、反省を忘れずにこう振り返る。
 「(赤板の)1センターでなにも考えずに、(仕掛けて)行けば良かった。相手が先行屋だったら突っ張られていた。高橋さんがしゃくってくれて、見えないぞってところで行った。出切って残れているし悪くないけど、1着かなって感じで交わされている。もう少しかなって思います」


<11R>

山本伸一選手
山本伸一選手
 押さえて先頭に立った渡邉豪大は、早めに先行の腹を固めて打鐘をかなりのペースで通過する。4番手を手に入れた山本伸一が最終2コーナーからまくると、人気の太田竜馬がその上を踏み上げる。桑原大志は付け切れず、後続をちぎった太田が上がりタイム11秒0のまくりで圧勝。
 「絶対に警戒されると思っていたし、ああいう展開になるのかなと。(山本が中団まくりで)あの上を行けるか行けないかだと思ってました。スピードは出ていて、脚もきれいに回った。自転車が流れているんで、それなりにいいかなと思います」
 中団からの先まくりで対抗した山本伸一(写真)だったが、太田にスピードの違いを見せつけられて2着。
 「あれが自分にはベストの組み立て。ラインで決まる展開かなって思ってました。あとはかぶる前に仕掛けようと思って、太田君よりも先に行こうと。太田君のスピードが良かったですね。今回は競輪祭から自転車のセッティングをガラっと変えていたので、まだ微調整が必要。足りない部分もわかったんで、もう少し良くなりそうな感じがあります」


<12R>

和田真久留選手
和田真久留選手
 青板の2コーナーから早めに上昇した和田真久留(写真)が誘導後位に収まると、中団は稲毛健太(イン)と吉田拓矢の併走でレースは流れる。吉田は赤板の2コーナーから再度、踏み込んで主導権を握る。和田が4番手をキープして、地元勢を付けた稲毛だが7番手で動けない。そのまま吉田がペースを上げて、最終2コーナーから仕掛けた稲毛は5番手でいっぱい。4番手の和田がまくり気味に追い込んで、直線で木暮安由に踏み勝った。
 「(吉田が出たあと)すぐに中近が横に来ると思って…。ちょっと中近を意識しすぎました。(まくりの)間合いが取れなくて、(4番手で)消極的だった。ただ、吉田君もすんなり駆けてたし、展開的にはそんなに楽ではなかった。木暮さんも前に踏んでましたし、そのなかで勝てたんで」
 逃げた吉田の番手で車間を空けた木暮安由は、和田を外に振りながら合わせて踏み込んだが2着。
 「(吉田が)掛かったんで、これは残るなって思ったんですけどね。自分はコンディションの方が、徐々に良くなってきていると思う。あとは自転車とのマッチングですね。そこをもうちょっと修正していきたい」
 「山賀(雅仁)と反対のコースと思ってた」とは、南関3番手から外を踏んだ岡村潤。直線で和田に迫り3着に伸びた。
 「自分は道中もキツくなかったし、(前回の)競輪祭から流れが良くなっている。それに体調も楽になっている。自転車も出ているんでいいですね」