『第1回大阪・関西万博協賛競輪in福井(GIII)レポート』 2日目編

配信日:6月11日

 福井と松山のリレーGIII。「第1回大阪・関西万博協賛競輪(GIII)」は、6月11に2日目が行われた。二次予選では野田源一が初日特選から連勝を飾り、柴崎淳、渡部幸訓の特選組も白星で準決に進出。地元からは鷲田佳史、伊原克彦が勝ち上がった。12日の3日目は、準決の3個レースではファイナルをかけて熾烈なバトルが繰り広げられる。
 福井競輪場にご来場の際は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。本場だけでなく、テレビ、インターネット中継などでも観戦をお楽しみください。

<6R>

堤洋選手
堤洋選手
 3番手の藤井昭吾にフタをした山田諒が、ギリギリまで仕掛けを我慢してから踏んで打鐘手前で主導権を握る。中部ラインに中田雄喜が続いて、藤井は3コーナー過ぎからすかさず巻き返す。最終ホームを通過して、藤井は宮越孝治のブロックで不発。自力に転じた川村晃司の上を小玉拓真がまくるも2センターでいっぱい。小玉マークの堤洋(写真)が、中のコースを鋭く伸びた。
 「小玉君は(最終)ホームくらいから仕掛けるっていう感じだった。内に川村君もいたし、どうかなと思ったらのみ込んでいったんで強かった。小玉君が止まったんで、自分はコースを探してですね。調子もいい」
 逃げた山田を利した宮越孝治が2着。
 「ホームの風が向かいで(山田は)ちょっとモタついている感じもあったけど、バックからは伸びていった。体調はいいし、練習の成果が出ている。堤さんは思い切り踏み込める位置だったんで、あれは仕方がないですね」


<7R>

渡部幸訓選手
渡部幸訓選手
 打鐘手前で先頭に立った染谷幸喜がペースを上げて、巻き返した小森貴大はいったん空いた4番手に入って最終ホームを通過する。1センター過ぎから小森がまくるが、渡部幸訓(写真)が張りながらバックで踏み込む。逃げた染谷を利した渡部が、早めの追い込みで抜け出して小野大介と福島ワンツー。
 「(染谷が)頑張ってくれたのに、技量不足でした。一発もっていって、その時にスピード差があったので、もう1回いくべきでした。自分と小野はワンツーだったけど、染谷君を残せなかった。脚も気持ちも好調だけに、そういうところが今後の課題」
 ゴール前で渡部に並んだ小野大介は、8分の1輪差の2着。
 「前の渡部さんの判断で出ていったんだと思う。自分は落ち着いて、外、内を見ていた。抜ければ良かったですけどね。自分の調子よりも先行してくれた染谷君のおかげです」


<8R>

吉本卓仁選手
吉本卓仁選手
 7番手まで引きかけた脇本勇希が、中部勢の内から盛り返して仕掛けるが、堀内俊介も抵抗する。強引に主導権を奪った脇本後位に堀内が飛び付き、酒井拳蔵と併走。西岡正一は付け切れない。前団がもつれて5番手で車間を空けていた吉本卓仁(写真)が、一気のまくりで快勝。連勝で準決に進んだ。
 「まくれて良かったです。(堀内は)あんなにやり合うイメージはなかった。自分は最初の位置取りに失敗して、(周回中で)後方になった時点で変に中団にこだわってまくり不発になるより後方から(仕掛けよう)っていうのがあった。前検日が最悪の状態で入ったんで、前検日、初日に比べたら全然いい。間に合ったっていう言い方がいいのか。そこが悪かったぶん、良く感じますね」
 危なげなく続いた合志正臣だが、準決以降を見据えてこう振り返る。
 「5、6番手があれば(吉本)卓仁が仕掛けるから、自分にも権利はあるかなと。卓仁を信頼してるし、ワンツーだったんで良かった。ただ、あの伸びだといまの自分のセッティングじゃ嫌だなっていうのがあった。脚は問題ないけど、セッティングですね。(3日目以降に)ゲンちゃん(野田源一)と一緒になったらこれはキツいなっていうのがある。(このあと)そこをさわろうかと」


<9R>

野田源一選手
野田源一選手
 一戸康宏も合わせて踏み上げるが、打鐘の2センターから反撃に出た岡崎智哉がねじ伏せる。岡崎ラインに反応して踏んだ野田源一(写真)が、望月永悟に張られて、7番手で立て直す。消耗してピンチかに思われた野田だったが、最終3コーナーからもう一度まくって抜け出した。
 「一発もらって万事休すだったけど、伊原が車間を空けていたから詰まっていったのでまた行けた。脚は悪くない。でも、組み立てが良くない。最終バックでは中団以内にいるように組み立てないと。9割終わったところからだった。でも、思った以上に出た」
 一戸が叩かれると近畿勢にスイッチした小林大介は、布居寛幸、さらに外をけん制した伊原克彦の内を突いて2着に追い込んだ。
 「最後は踏み上がらずに、スピード差で(野田に)行かれましたね。ギリギリの戦い。まだ物足りないし、まだまだ底上げをしていかないと」


<10R>

柴崎淳選手
柴崎淳選手
 じわりと先頭に立った青野将大がペースを握り、吉田茂生は6番手に構えて反撃のタイミングをうかがう。最終ホーム過ぎに単騎の菊地圭尚が最後方からインを進出すると、吉田が2コーナー手前からまくりを打つ。逃げる青野を吉田が4コーナーでとらえて、続いた柴崎淳(写真)が余裕をもって交わした。
 「苦しい感じもなかったし、昨日(初日)に比べたら全然、力を出し切れた。(前々回の)松阪から(配分の間隔が)詰まってたんでレース勘というか、レース脚みたいのはアタリが続いたままで前回、前々回と変わらない。ただ、本当のいいころからするとまだ6割くらいですかね」
 青野が徐々にペースを上げて逃げるが、吉田茂生がまくりで仕留めて中部ラインでの上位独占をメイクした。
 「2分戦みたいな形だったし、(柴崎)淳さんも落ち着いてやればっていう感じでした。(最終)ホームで行こうかと思ったけど、まくれるかなと思ったんで構えさせてもらった。(菊地)圭尚さんが(内から)来るだろうっていうのもあったんで、そこも問題なかったです」


<11R>

西田雅志選手
西田雅志選手
 赤板2コーナーから山降ろし気味に踏んだ佐伯亮輔が、先行策に出る。4番手を確保した福永大智は最終2コーナーからまくるが、室井竜二のブロックでスピードが鈍る。番手の西田雅志(写真)が、逃げる佐伯を利して追い込んだ。
 「(佐伯が)風が強いなかで仕掛けてくれたおかげです。昨日(初日)は割られているし、今日は割られてはいかんと思っていた。ホームが向かい風だからゴール前も風が強くて必死に踏んでいっぱい、いっぱい。今回は状態と展開がいい」
 福永は不発。冷静に脚をためてコースを選んだ鷲田佳史は、2着で地元シリーズを勝ち上がった。
 「(福永が)止まってから見て、3コーナーで行こうと思った。(三谷)政史さんが入っていったので、どうなるかも見ていたので冷静でしたね。最後の最後に直線で踏んで自転車は進んだし、昨日よりは感じがいい」


<12R>

末木浩二選手
末木浩二選手
 押さえて出た高久保雄介がペースを落として、末木浩二(写真)が難なく打鐘の3コーナーで主導権を握る。波をつくりながら加速していった末木の掛かりがいい。4番手の高久保は、最終バックを通過しても空いた車間がなかなか詰まらない。番手から追い込む稲村成浩を微差で退けた末木が1着。
 「高久保さんが僕のところでフタをするのかと思ったけど、すぐにいったんで出させてくれるかと。今日(2日目)は風が強くて先行が決まってなかったんで、(逆に)積極的に行ってみようかと。(そうすれば)脚を使わないで先行ができるかなっていうのもあった。(最終)バックでもう1回踏み上がるようにして、4コーナーを回って残れるかと」
 関東ラインでの上位独占。稲村成浩は末木を称えて笑みを浮かべる。
 「彼(末木)は去年からレベルがだいぶ上がっていて、会うたび、会うたびに強くなっている。今日もすごく力を出し切るレースをしてくれた。同期の金子(真也)も固めてくれたし、オジサン2人が付いていたから、彼もプレッシャーがあったんじゃないですかね(笑)」