『奈良競輪開設75周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:2月4日
 奈良競輪場で開設75周年記念「春日賞争覇戦(GIII)」が、2月5日から始まる。新S級S班の阿部拓真に菅田壱道、高橋築、松井宏佑、取鳥雄吾、小倉竜二、小川勇介ら各地区から力のある選手が集まった。地元勢は、将太、竜生の三谷兄弟をはじめ、中井太祐、山本伸一、田中大我が結束力を高めて、33バンクでの4日間シリーズを盛り上げる。2月4日の前検日は、選手それぞれが翌日からの戦いに備えて入念な調整を行った。
 記念シリーズは開催中の毎日、先着300人に来場者プレゼント。豪華ゲストによる場内予想会・トークショー、人気の地元グルメがやってくる「冬のおいしいグルメ」、未確定車券抽選会などが予定されています。奈良競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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木村皆斗選手
木村皆斗選手
 木村皆斗(写真)は、今年に入ってFI戦を3場所走り、6勝の固め打ち。特に、前回の1月広島FIは、連勝での決勝進出と、抜群の動きを見せていた。ただ、本人の手応えはいいものではなく、自身が感じている現状をこう話した。
 「走っている全ての場所で、最悪の状態だなと感じています。調子が悪いのと、成績は必ずしも連動はしない。結果はいいんですけど、練習の状態は良くないと感じています。去年の8月末くらいに交通事故にあって、練習ができない期間が長かったのが大きく影響しています。事故にあう以前のような状態ではないです。走るからには、車券に貢献するのが義務なので、その意識で走りぬきたいです」
 諸橋愛が、木村をマークする。年始の1月宇都宮FIの後に、約1カ月の欠場を経て、今回が復帰戦だ。
 「インフルエンザになって、2週間くらい動けなかった。やっと(体調が)戻ったと思って練習を再開して、1週間くらいは乗れました。治ってすぐにレースを走ってたら、(成績は)ボロボロだったと思う。練習をしてから復帰を決めて良かった。(回復してからの練習で)それなりに地獄を見てきたよ」


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 12月小田原FIで落車した佐々木豪は、39日間の欠場を挟んで今回が復帰戦。昨年の高松宮記念杯での落車では頭部を強打していたこともあり、慎重に時間をかけて復帰した。ここから大事な1年のスタートを切る。
 「また頭部打撲で、脳震盪をやってしまったんで、大事をとってしっかり治してから復帰することにしました。今年は地元の松山でオールスターがあって、選考期間の今は大事な時期。12月は成績が悪かったし、1月は休んでしまったんで、ここからが勝負だと思っています。オールスターの出場を決めたいし、3月には地元記念もあるんで、気持ちを入れていきたい」
 原田亮太は、半年間のA級を経験し、今期からS級にカムバック。先行へのこだわりは強いが、前回の1月四日市で挙げた今年初勝利は、まくりによるものだった。
 「(S級に復帰して)いい感じで走れたのは、始めのいわき平ぐらいですね。このまま行けるかなっていう手応えがあったのは。でも、そのあと初日だけはクリアできている。もっとうまく走れればいいんですけどね。前回の初日はまくりで勝てましたし、まくりが出ることはわかった。最悪、そこも組み立てに入れて、考えて走っていければ」


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纐纈洸翔選手
纐纈洸翔選手
 纐纈洸翔(写真)は、大宮記念で2勝をマークしたものの、勝ち上がりは二次予選までにとどまった。今節からは新車を投入するようで、それが噛み合えば今節は勝ち上がりにも期待できそうだ。
 「大宮は1着を2回取れたけど、勝ち上がれていないんで、いい開催ではなかったです。最終日は詰まったところで行けたけど、それ以外は行けていない。そこの修正だけですね。いつもならしっかり踏まないと詰まらないところが、楽に踏んで詰まったんですよね。調子がいいからそうなるんだと思うんですけど、そのせいで変なところで詰まってしまって、仕掛けが下手くそになっています。その辺にうまく対応したい。新車が来たので、それに乗って練習していたら感じが良かった。今回は新車で走ります」
 木村佑来は、前回のいわき平記念を9199着。1着もあったものの、大敗が目立つ成績だった。本人の課題は明確だ。
 「毎年、冬場のこの時期は成績を落としてしまうんですよね。脚質的なものもあるし、もともと寒いのが苦手っていうのもあります。どうにかしないとと思っているんですけど、難しいですね。地脚がないのもこの時期に弱い原因だと思うので、練習ではそこを意識してやっています。今回は阿部(拓真)さんがいるんで、勝ち上がって一緒に走れるように頑張りたいです」


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 今年に入っての3場所は苦戦している恩田淳平だが、本人の手応えは成績ほど悪くはない様子。立川記念の3日目や、1月玉野FIの最終日はまくりで1着をつかんでいるように、本人の言葉通りに動き自体は悪くない。
 「苦しい展開が続いていて、成績は良くないですね。ただ、展開上ではあるんですけど、まくりが出ているので、車の進み自体はいいと思います。練習自体はいつもと変わらずにしっかりやってきたので、状態は大丈夫です。奈良のイメージがあんまりなくて、イメージがないってことは相性が良くないのかな。たしかに、同じ33バンクでも前橋の方がいいです」
 一時はスランプに苦しんだ朝倉智仁だが、昨年後半から徐々に成績が良化。バック数も増加して、本来の姿を取り戻しつつある。
 「(調子は)悪くないような感じはしています。着はそんなになんですけど、状態は悪くない。前々回、前回と、バックを2本ずつ取れていますし、やりたいようなレースはできているので。去年は悔しい感じの1年でしたし、今年は前期、後期とどっちも1班の点数を取りたいです」


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 伊藤颯馬は、今年最初のシリーズの1月武雄FIを大敗続きで終わってしまうも、次の熊本FIは決勝進出。ただ、初日特選と準決勝は番手戦で、自力だった決勝は5着と、評価が難しい。本人も現状には満足しておらず、慎重に口を開いた。
 「(前回の)決勝は自力で戦ったけど、きつかったですね。ここ最近は体に不調が出ていて良くないです。左手に、首からくるしびれが出ていて、力が入らない感じがしますね。そのなかでなんとかやれることをやりたいです」
 上野優太は、決勝進出を果たした佐世保記念のあとに、40日間の欠場。前回の1月小田原FIが復帰二場所目で、2着2回で優出した。
 「佐世保記念が終わって、腰痛で休んでました。(治ってから)練習はできたって感じですね。復帰一場所目は噛み合わなかったけど、次の小田原はそれよりも良かったと思います。よく走れていたと思うし、あとは、判断と、少しだけ脚力が足りていない部分があるかなと。そこはこれからって感じですかね」


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田中大我選手
田中大我選手
 地元のトップバッターは田中大我(写真)。地元の大砲が、初めての春日賞に挑む。練習と調整は万全で、あとは力を出し切るだけだ。
 「(調子は)いい方だと思っています。奈良記念を走るのは初めてなので、新鮮な気持ちですね。しっかり練習して、疲れも抜いてこられました。石垣島に支部合宿に行って、いい練習が積めました。(奈良は)得意とは思ってないんですけど、成績はかなりいいですね。力を出し切って勝ち上がっていきたいです」
 阪本和也は、安定感ある成績を残して、直近4カ月の競走得点は105点台をキープ。ただ、S級での初優勝はまだで、ステップアップを目指している。
 「12月にインフルエンザになって、そこから回復して、今は体調はいいです。(昨年は8月小倉GIIIで)決勝に乗れたのは良かったんですけど、開設記念ではなかったですし、(脚力が上がったかと言われると)自分のなかではどうかなと思っている。今年は優勝を目標にしているので、そこをクリアできるように頑張りたいです。奈良はすごく特徴のあるバンクなので、指定練習でしっかりたしかめたいです」


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櫻井祐太郎選手
櫻井祐太郎選手
 12月前橋FIで落車して、鎖骨骨折の怪我を負った櫻井祐太郎(写真)は、前回のいわき平記念で復帰。1勝を含む2連対と、まずまずの滑り出しだった。
 「左鎖骨を折ったんですけど、練習して普通にもがけたので、復帰しました。(前回は)思っていたよりも走れたなっていう印象ですね。まだ(骨が)くっついていないんで、(違和感は)少し感じるんですけど、レースに支障はないと思っています。前回が終わって、いわき平でそのまま北日本の合宿があって、上位の人ともがいてきた。上位の人の練習を見るだけでも、いい合宿ができたと思います。強い人ともがきすぎて自信をなくしたけど、競走では自信を持って走りたいです」
 渡邉一成が、櫻井に前を任せていく。競走のなかで、番手の感覚を培っていきたいようだ。
 「最近は番手回りも増えてきていて、自力で戦うときに自信をもって仕掛けられていないですね。だから、ずっと練習をしているよりも、走ってレースの中でつかんで行ければと思って追加を受けました。番手回りでの経験も積んでいかないと。櫻井君とは久々の連係ですけど、(24年11月)大宮FIで優勝をさせてもらった以来だと思います」


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 山本伸一は、昨年の当大会で決勝に進出した。今年も地元ファンの声援に応えるべく、一戦入魂の走りを見せる。
 「最近の成績はパッとしないんですけど、感覚的なものは徐々に良くなっていると思います。ここに向けて調整した感じではないんですけど、練習はやれることをやってきました。通過点ではあるんですけど、結果を出したいですね。ファンの方々に喜んでもらえるように、いい結果を出したいです」
 河合佑弥は、和歌山記念から22日空いたゆとりのローテーションで今節に参加する。充実した練習を積めたようで、ここもペースをつかめば面白い。
 「追加の連絡とかもあったんですけど、年末に競走が詰まり過ぎていたので、しっかり練習がしたいと思って断っていました。街道練習と、バンクと、室内と、やりたい練習はひと通りできました。街道練習を取り入れるようにしてから成績が上向いたので、乗り込みができたのは良かったです。直前の練習の感じは良かったです。33バンクは得意ですし、出し惜しみせずに走りたいですね」


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齋木翔多選手
齋木翔多選手
 齋木翔多(写真)は、和歌山記念で活躍。準決勝まで勝ち上がり、初めて郡司浩平に前を任された。ただ、次の1月松戸FIは初日に失敗しており、今回はもう一度気持ちを入れ直して挑む。
 「和歌山記念はそれなりに良かったんですけど、次の松戸が微妙だったので、満足はしていないです。1班の点数を取りたい気持ちはありますけど、僕はそこよりもGIを目指している。GIに届く点数を取って、それを維持したいです。自力一本の競走には昨年で一区切りつけたので、今年からはなんでもやろうと思っています。自力が基本ですけど、必要な時は自在にも走りたい」
 内藤秀久は、前回の1月熊本FI初日に今年初勝利をマーク。セッティングを試行錯誤した結果が出てきたようで、自信をのぞかせる。
 「前回は感じ自体は良かったです。ただ、3日目は疲労で力が残っていなかった。挟まれるような感じにもなったし、最終日はだめでした。でも、初日、2日目の感覚は良かったんで、期待してもらっていいと思います。ハンドルポストを変えたんですよ。小原(太樹)とか、郡司(浩平)とかのハンドルを真似てみたのが良かったんだと思います」


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中井太祐選手
中井太祐選手
 地元の中井太祐(写真)は、前回のいわき平記念を3、8、8、1着の成績。最終日は一般戦回りとなったが、意地のまくりで後続を突き放しており、今節につながる走りは見せた。
 「前回は成績は悪かったんですけど、感じ自体は悪くなかったので、(調子を)崩してはいないと思います。ここに向けても、普段通りにトレーニングしてきました。谷内(健太)君は何回か連係していますし、強いんで信頼しています」
 谷内健太は、1月大垣FIで落車して、いわき平記念を欠場。今回が復帰戦だ。当所では、昨年の平安賞で一次予選、二次予選と連勝しており、バンク相性は良好だ。
 「落車で打撲があったけど、直前は普通に練習できたので、回復できていると思います。(S級には)ちょっとずつ慣れていますけど、思うような結果はともなっていないです。先行主体なんですけど、それに加えてまくりとか、戦術を工夫していきたい。(今回は)近畿のSSがいないので、自分が決勝に勝ち上がって、いい走りをしたいと思っています」


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 スプリンターの佐々木悠葵にとって、冬場の重走路は苦手なコンディション。ただ、昨年大会では決勝に進んでおり、今回も見逃せない実力者だ。
 「あんまり良くないですね。寒いんで、それが自転車と合ってないです。硬いフレームを使っているので、それが寒さと合っていない。(奈良のイメージは)あんまり良くない。(昨年大会は決勝に乗ったが)あの時は(準決勝が)番手だったんで」
 佐々木の番手を務めるのは、復活を遂げた芦澤大輔。昨年は、11月松戸FI、伊東FIと連続Vを遂げるなど、差し脚のキレがよみがえった。昨年11月別府GIII以来のグレードレースでも、活躍が期待できる。
 「やっと、段階を踏めるようになりました。でも、成績に関しては、(ラインの)みんなに助けられてまとまっているんだと思います。優勝は本当に恵まれなんで、感謝しかないです。疲れもなく、久々の記念ということなので、体調を良くしていこうと思っていました。佐々木君とは、何回も連係がある。走り方も変わって、心強いです」


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阿部拓真選手
阿部拓真選手
 新SS班となった阿部拓真(写真)が、今年の初戦を迎える。競輪祭で初タイトルをつかみ、グランプリは準V。一躍トップレーサーに踊り出た男は、真新しい赤いパンツを身にまとって、意気込みを語った。
 「(グランプリが終わってから)ゆっくりしてから練習を再開して、いわき平で合宿をしたり、密度の濃い練習ができました。一歩、一歩、強くなりたいですね。ファンの方々には、SSとして強い走りを見せるよりも、SSとして強くなっていく走りを見せたいです。注目されるので、自分らしく走りたいと思っているけど、他(の結果)も求めていきたいです」
 三谷竜生は、地元記念3度のV実績がある。昨年はGIの勝ち上がりで3勝を挙げて、復活をアピール。今年は相性のいい地元記念から、さらに勢いを加速させていきたい。
 「調子自体は問題ないです。最近は悪い着もあるけど、(状態面に関しては)気にしていないです。(今年の目標は)またグランプリに乗りたいと思っていますし、去年の1年で、まだ自分にもチャンスはあると思えた。選手をやっている以上、そこを目指さないと楽しくないと思うので。(今回は)もちろん優勝を目指してきています」
 昨年大会覇者の松井宏佑も見逃せない。和歌山記念はしっかりと決勝に進出しており、持ち味のスピードは冬場になっても落ちていない。
 「和歌山は、風もあってバンクが重かったんですけど、力を出し切って、いいレースができた。決勝はラインから優勝を出せずに悔しかったんですけど、悪くはなかったです。前回(1月広島FI)は、ちょっと調子を崩して町田(太我)君にコテンパンにやられて、また悔しかった。そこから練習したので、調子は前回よりもいいと思います。バンクイメージもいいですし、今回も優勝を獲るつもりで来ました」