『奈良競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:2月21日
 奈良競輪場を舞台に、開設67周年記念「春日賞争覇戦(GIII)」が、2月22日に熱戦の火ぶたを切って落とす。地元のエース三谷竜生、武田豊樹のSS班2名を筆頭に、稲垣裕之、吉澤純平、中川誠一郎ら強豪が参戦。4日間、短走路で白熱のスピードバトルを繰り広げる。また、最終日25日の第9レースには、S級ブロックセブンが一発勝負で行われる。
 なお、本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されております。開催を通して先着300名様にスポーツ新聞の配布や安福洋一氏による予想会(8R発売中)、初日は坂本勉氏によるトークショー(第9R発売中)、などのイベントを予定しています。22日から始まる「春日賞争覇戦」をぜひ本場でお楽しみください。

<1R>

 レインボーカップA級ファイナルで特昇を果たした山本直。S級でも1月立川記念で2912着など、まずまずの滑り出し。
 「S級はやっぱり好きですね。ただ、前々回(佐世保)、前回(小倉)と自分的にはいまいちでした。今回はその時より良くなっていると思います。奈良は、この間の(12月)ミッドナイトで来たばかりです。今回は目立てるように」
 岸澤賢太は、前回の川崎で久しぶりの優出。準決勝は根田空史にこそ屈したが、逃げて2着に粘る力強い走りを見せた。
 「(川崎の決勝は黒田淳にラインを分断されて)ああなると思っていました。しょうがないですね。S級で優勝をしたことがないので、また頑張りますよ。でも、動けているし、一時期よりはだいぶ良いですね。ここまでも間が空いて練習もできました。みんな強いので、うまく走りたい」

<2R>

野口正則選手
野口正則選手
 野口正則(写真)が地元のトップバッターを務める。S級に帰り咲いた今期は、1月和歌山を8512着。随所で好走を披露している。
 「奈良記念は初めてです。緊張はありますけど、先輩たちもいるので大丈夫。S級に慣れてきたと思うので、落ち着いてレースをすることが大事だと思います。良い練習ができたので、それが出たらいいですね。しっかり、(後に控える地元勢に)良い流れを作れるように頑張ります」
 野口の番手は筒井裕哉が回る。前回の松山は優出するも、中2日の参戦で不安を吐露する。
 「(前回からフレームの)メーカーを換えて、めっちゃ軽いですね。動いても余裕があります。でも、ナイターからの中2日だからキツイですね。自力じゃないぶん、まだよかった。野口君とは初めての連係です」

<3R>

 今年に入ってリズムをつかめていない竹内翼。それでも、ここまで中23日空いて、きっちり仕上げてきた。
 「前回の平は調子も悪かったし、腰も痛かったので欠場しました。しっかり休んで、準備をしたかったので。(腰は)練習でも大丈夫だったし、もう問題ないです。あとは気持ちですね。奈良は初めて。しっかり力を出し切りたいです」
 今期からS級の小酒大勇は、2場所目の1月小倉でさっそく優出。さらに、高松記念の初日に高久保雄介を撃破するなど、奮闘を見せている。
 「少しずつ良くなっています。前回も3日間バックを取れていますし、動けていますね。自信もだいぶ芽生えてきました。自信が付けば、レース中も余裕が持てます。前は焦って、いっぱいになってしまうこともあったので。強い相手にも焦らずですね。最近はトレーニングもできています。奈良ですし、前々にいきたい」

<4R>

 坂本周輝は、1月松阪記念で行われたケイリンエボリューションを見事にV。当所でも、自慢のダッシュで短走路を攻略するか。
 「エボは展開一本ですよ。前回(2月平)は、最終日に9着になってしまったけど、走れたほうじゃないですかね。奈良は4年ぶりですね。レースを見えていると、前々に攻めた方が残りやすいイメージがあります」
 蒔田英彦は昨年17勝をマーク。大きい着こそ目立つも、点数以上の脚はある。
 「去年は、今までで一番最高の年だったと思います。でも、そこと比べずに去年は去年、今年は今年って思って。僕自身も(今年の飛躍を)期待しているし、もう一個上にいきたいですね。今年は出だしを失敗しているので、また再スタートしたい。まずは初日ですね」

<5R>

松岡篤哉選手
松岡篤哉選手
 なかなか調子が上がってこない松岡篤哉(写真)。それでも、試行錯誤を重ねながら復活を模索している。
 「今は(結果が出ない)こういう状態ですよ。練習の部分で、いろいろ試行錯誤していて。それが合う時と、合わない時がある。今は我慢ですね。奈良はS級に上がってすぐ来て以来なので、久しぶりです」
 中村一将は1月名古屋で123着。一時期より競走得点は落としているが、底力は健在だ。
 「ずっと状態は良いんですけど、なかなか結果が出なくて。先輩達も頑張っているので、年のせいとは言いたくないんですけど。でも、実際はそうですね。流れに身を任せて頑張りますよ」

<6R>

 前期から徐々に成績を上げていた岡本総は、1月岸和田で念願のS級初V。前回の平も無傷で優出と、勢いに乗っている。
 「練習も変えていないですし、力自体も変わっていないです。でも、レースでいつも以上の力が出せていますね。(近況の好成績は)自分が一番びっくりしています。S級に上がって、気持ちの入れ方というか。常に万全の態勢っていうのは心がけていますけど。流れが良いので、今回もその流れを引き継いでいきたい。今後も何でもやっていきます」
 柴崎俊光は前回の川崎を途中欠場したが、状態に問題はない様子。
 「(途中欠場は)身内が亡くなったので。結果がどうであれ、途中で帰る予定でした。状態に問題はないです。岡本君とは今年の松阪記念の初日に連係して、ワンツーでした」
 大石崇晴は、今期から初のS級に昇格。2度目の記念参戦も、初日から全力投球を誓った。
 「S級は徐々に慣れてきました。今の課題はスピードの維持。やりたいことはできているので、絶対的なレベルアップが必要ですね。(目標は)とりあえず、持っている力を出して、いけるところまでいけたらいいなと思っています。積極的に駆けて、力勝負がしたいです」

<7R>

 病気で出遅れた金子哲大は、前回の岐阜を429着。徐々に状態を上げてきている。
 「(12月千葉のあとに)病気になってしまいました。血液の中に菌が入って、熱が40度から引かなくて入院していました。もう体調は大丈夫です。良くはなってきているけど、まだ上がってきている途中ですね。でも、調子自体は悪くないし、前回よりは戻っています」
 点数を落としている津村洸次郎だが、今後も自身のスタイルを貫く構えだ。
 「前回(宇都宮848着)は、500バンクだし、流れに乗れなかったですね。得点を落としてしまったので戻さないと。今後も変わらずに、先行主体でやっていこうと思っています。もちろん、展開がまくりなら、まくりも考えてですけどね」


<8R>

元砂勇雪選手
元砂勇雪選手
 元砂勇雪(写真)は1月岸和田の決勝で落車。さらに、前回の小倉も途中欠場と、状態が心配される。
 「体は大丈夫だったんですけど、フレームが潰れてしまいました。練習用で使っていた別のフレームを使ったけど感じがよくなくて。でも、新しいフレームが届いて、そっちは感じが良いですね。レースで使うのは初めてです。奈良記念も初めてですね」
 鷲田佳史は、番手から地元の元砂を盛り立てる。
 「元砂君とは相性が良いですね。このメンバーで積極的なのは元砂君だけだし、奈良だからみんな前々に攻めてくると思う。まずはしっかり追走して、援護したいです」
 対する片岡迪之からは、「久しぶりに仕上がりました。ここに向けてやってきたから、自信があります。奈良に嫌なイメージもないですし、やれそうですね」と、景気の良い言葉が聞こえてきた。

<9R>

桐山敬太郎選手
桐山敬太郎選手
 予選のメーンは桐山敬太郎(写真)が中心となる。昨年の秋から状態を上げると、12月西武園を制覇など完全復活。今年も1月広島で北津留翼らを破り、さっそくVを飾った。
 「去年の一年は波を作れなかったんですけど、ようやく追い込めますね。(全日本選抜も)いろいろと収穫がありました。やっぱりGIは楽しい。(予選スタートは)勝ち上がりがシビアになってくるので嫌ですね。あと半年の我慢です。短走路は好きなので、奈良も問題ないと思いますよ。あとは結果を出すだけ」
 石毛克幸は、桐山という絶好の目標を得て笑みがこぼれる。
 「練習の感じは悪くないけど、良くなると落車してしまって…。でも、初日は本当にいい位置ですね。離れないように気を付けます」
 点数で劣る桑原亮だが、強敵を相手に一矢報いたいところ。
 「初日は自分が(大坪功一の)前でやります。内々にいくしかないですね。前回の伊東があまりよくなかったで、ここまで街道にいって練習をやってきました」

<10R>

稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 ここからがシリーズをリードする特選組によるレース。稲垣裕之(写真)は全日本選抜で優出ならず。しかしながら、確かな手ごたえを感じて当所を迎えた。
 「競輪祭の落車の影響があったんですけど、徐々に良くなってきました。ここまでも強めの練習をしてきたんですけど、感触もすごく良かったです。(2月静岡記念の決勝は優勝した古性優作と準Vの村上義弘が)すごかったですね。いい刺激を貰いました。自分も優勝が欲しい所ですけど、自分の走りをしっかりした上で獲りたい」
 三谷将太は地元記念制覇に向けて、抜かりなく準備をしてきた。
 「四日市(全日本選抜)の前も、終わってからも石垣島に合宿にいってきました。兄弟3人と親父と1泊2日で。2日間乗り込んできたし、4日前からもバンクに入ったりして、やれることはやってきました。これで負けたら何かをやり直すしかない。それくらい万全です。あとは神様が微笑んでくれるだけ」
 根田空史は昨年の当所で記念を初制覇。近況も1月松阪記念を9113着など、良い状態を保っている。
 「前回(川崎318着)の決勝は判断ミスなだけで、状態自体は良いですね。練習をナショナルチーム式に変えてからいいですね。量より質に変えて、自分なりにアレンジしてやっています。ここまでも2週間くらい空いたので、しっかり追い込んで練習ができました」

<11R>

武田豊樹選手
武田豊樹選手
 全日本選抜は準決勝で敗れた武田豊樹(写真)。それでも、最終日にまくった木暮安由を差し切るなど、徐々に本来の姿を取り戻してきている。
 「(大怪我から復帰して)もう半年ですし、勝負できると思います。だいぶ落ち着いてきたし、体も良くなってきているので。それを感じながらトレーニングもしています。(年を重ねても練習内容は)変わらないですね。走る環境が変わってきたのは感じますけど、そこは対応しないと。それをクリアしないと、勝利はないと思っています」
 吉澤純平は前回の全日本選抜でGIを初優出。自信を深め、さらなる高みを目指す。
 「全日本の準決勝は後ろがもつれたのもあって、流れが向いただけです。でも、GIの決勝に乗るのが今年の目標の一つでもあったので。やってきたことが結果として出たのでよかったです。今度は、その先を目指して。前までは力を出すだけだったけど、結果も内容も伴うのが一番いいですね」
 早坂秀悟は12月伊東で記念を初制覇。さらに、1月松阪記念も優出するなど、G戦線でも活躍が目立つ。
 「着が悪い時は、自分のレースが出来ていないとき。立ち遅れているので、それが課題ですね。流れにそって走るだけではなくて、考えて走らないと。特に二段駆けの時は対応していかないといけない。でも、それ以外は大きい着を取らなくなりました」

<12R>

三谷竜生選手
三谷竜生選手
 タイトルホルダーとして地元に凱旋した三谷竜生(写真)。並々ならぬ決意で地元記念に臨む。
 「S班だからと言うより、地元記念をしっかり勝つという気持ちで来ました。四日市の後もしっかり練習は出来ているし、調子も良い」
 中川誠一郎は、前回の全日本選抜で2勝をマーク。地元・熊本競輪場の再開時期も決まり、気持ちも上がる。
 「(熊本競輪の再開時期は)支部から聞きました。やっと始まってくれて嬉しいですね。(再開予定の)2020年まで記念を走れるように頑張ります。全日本も今年の中ではよかったですね。底は抜けたので、あとは上がっていくと思います。少しずつ、順調に良くなっていると思う。そういう言葉も言えるくらい、前向きにもなってきました」
 永井清史は、肉体改造に成功して、今年すでに3V。勢いに乗って当所でも暴れるか。
 「筋力を落とさずに体重を5キロ絞ったり、普段と違うトレーニングも始めました。FIですけど、結果が出てきましたね。中4日で今のトレーニングはキツイけど、何とか出し切りたいです。33バンクなので、とにかく前々にいきたい」