『向日町競輪開設75周年記念in奈良(GIII)レポート』 前検日編

配信日:9月24日
 奈良競輪場で京都向日町競輪開設75周年記念「平安賞in奈良(GIII)」が、9月25日にスタートする。今年の平安賞は、33バンクが舞台。S級S班の犬伏湧也をはじめ、深谷知広、三谷竜生、和田圭、岩津裕介、山田庸平ら各地区の実力者が集まった。地元の京都勢は、山田久徳、稲垣裕之、窓場千加頼、高久保雄介の1班を中心に谷内健太、徳田匠らの機動タイプがシリーズを盛り上げる。前検日の9月24日は、33バンクの感触を確かめるなど、選手それぞれが翌日からの戦いに備えて入念な調整を行った。
 記念開催中は毎日、場内予想会ステージ、豪華景品が盛りだくさんの未確定車券抽選会、奈良県で人気の地元グルメの出店などが予定されています。奈良競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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藤井侑吾選手
藤井侑吾選手
 前回の共同通信社杯は4952着。最終日は3番手まくりからラインの志智俊夫との上位独占で、藤井侑吾(写真)が留飲を下げた。
 「(前回は)自動番組だったので、単騎だったり、ほかの地区の人が付いてくれたりしたけど、あんまりパッとしなかった。最終日に志智さんとワンツーできたのは良かった。脚の感じとしては、悪くなかった。(前回のあとは)普通に街道に行ったりして(練習を)やった。バンクに入ってないので、脚の感じは指定練習をやってみてかなと。(状態は)横ばいだと思います」
 近況、勝ち星から遠ざかっている香川雄介だが、直近の2場所は連続優出と戦績をまとめている。
 「それなりにはうまく走れているかなと。メンタルもフィジカルも一流だから、なんの問題もない(笑)。(今回の)追加も早い段階できたので、とくに強い練習はしてない。あとは走ってみてからですね」


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 飯野祐太は前回の共同通信社杯で2連対も、最終日に失格を喫した。果敢に風を切った中野慎詞の番手での立ち回りをこう振り返る。
 「(共同通信社杯は)最終日はまくりを全部、止めたかったけど、自分の技術不足でした。それ以外はボチボチかなと。脚は普通でした。(前回のあとは)休みなしで次の日から(練習を)やってました。(状態は)変わらずにいいと思います」
 共同通信社杯の一次予選で勝ち星を挙げて3連単40万円超の配当を出した渡邉豪大だが、シリーズを通しては力差を痛感したところもあったようだ。
 「(共同通信社杯は)上位の選手と走るとトップスピードの差があって、後方に置かれるとなにもできないなって。そのあとは(正規の配分までは)空いていたんで普通に練習していたら、(ここの)追加をもらった。脚は変わらずにいいと思います」


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 共同通信社杯では3日目の1勝にとどまった伊藤颯馬だが、内容的にもまずまず。自身も手ごたえをつかんでいる。
 「(共同通信社杯は)動けていたと思います。(脚の感じは)悪くないですね。(そのあとは練習を)しっかりとやってきました。あとは走ってみてです。(練習している)沖縄も33バンクなんで、(奈良バンクも苦手意識とか)そういうのはないです」
 直近の3場所で3度の落車。前回の岐阜FIでは落車に加えて失格もした阿部拓真が、現状を冷静に受け止める。
 「(前回は)自分の技量のなさが出てしまって、落車失格したんで反省です。(そのあとは)1日休んで、次の日から練習をした。体は大丈夫です。全部、自分が招いた落車なんで、そこは反省して事故なく頑張りたい。地元(練習バンク)も33バンクなんで、33は好きですね」


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徳田匠選手
徳田匠選手
 8月の富山記念のあとはFIを3場所消化した徳田匠(写真)は、地元記念を師匠の畑段嵐士とセットの一次予選からスタートする。
 「(地元記念だけど)奈良なので、そんなに入り込まずにいつもと同じ心境ですね。(奈良は)S級に入ってからは走ったことがない。でも、A級の時は悪くなかった。前回の川崎でつかめたところもあるので、今回はなんとかしたい」
 共同通信社杯の一次予選は九州4車結束の番手を務めた上田尭弥は、8817着をふまえて現状を見つめる。
 「(共同通信社杯は)自分の足りない部分がよくわかった。追走技術とかもそうですけど、初日もいいところを回してもらっているのに生かせなかった。今後、ハコを回った時に生かせるように。(そのあとは)休みもとって、メリハリをつけてやってきました。まだ疲れもあるけど、そんなに悪くないんじゃないかと思います」


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 小森貴大は、地元の共同通信社杯で初めてのビッグ決勝進出。決勝は5番手を固めて、ラインの結束力を肌で感じて経験を積んだ。
 「(共同通信社杯は)ラインのおかげで決勝までいくことができました。近畿のラインの強さを感じた。1走、1走の積み重ねだと思うので、あの位置から少しずつ番手を上げていきたい。(共同通信社杯は)思ったよりも疲れなかったので、次の日から休養と練習をバランス良くやってきた。上積みはないけど、体の状態はいいと思います」
 3場所前の川崎FIのあとに練習方法をチェンジした福田知也は、バンク練習を主体に変化を求めてやっている。
 「川崎のあとから練習方法を少し見直して、バンクをメインにやってモガくようにした。(郡司)浩平とか若手とやるようになりました。ウエートトレーニングは継続してやっているけど、自転車の乗り方が良くなかった。マッチしてなかったんで、その辺を見つめ直すためにやってきた。クランクも短くしたりしてきました」


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窓場千加頼選手
窓場千加頼選手
 昨年の向日町記念では、別線の脇本雄太に僅差の準V。近況は昨年と状況が違うものの、地元記念に挑む窓場千加頼(写真)の気持ちは変わらない。
 「メンタル的にも、フィジカル的にも、なんとか最悪の状態は脱したかなと。でも、練習の数値からすると、自力でバリバリ戦っていたころより良くない。(練習でも)全然ダメ、いい時から比べると半分くらいです。ただ、平安賞ってことで、気持ちでカバーしていきます」
 近況は優勝を含めて1着ラッシュの稲川翔だが、前回の玉野FIの2日目に落車。そこから中5日のタイトなスケジュールだ。
 「(落車の)怪我自体は、とくになにもないくらいだった。(前回のあとは)練習もしましたし、落車もしたんでケアもしっかりとやったつもりです。奈良にはたまに練習にも来させてもらうし、(競走では)自分のやるべきことをしっかりとやりたい」


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谷内健太選手
谷内健太選手
 前回の川崎を3場所連続の完全VでS級に特進した谷内健太(写真)は、S級初場所が地元記念。初めてずくめの今シリーズだが、それでも期待は膨らむ。
 「(デビューしてからここまで)失敗が多すぎるかなと。ただ、そこもS級に向けたレースをイメージしてきたところがあるので。S級初戦が地元記念で(単発レース以外では)初めての9車立てで不安も多い。でも、それ以上に気合が上回っている。(村上)博幸さん、(山田)久徳さんとやってきました。(奈良は)先行有利と思っているので、それを生かしたレースができれば」
 中2日での追加配分になる竹内智彦の今シリーズ。歯がゆい近況に、こう口を開く。
 「今年に入ってから調子が良くない。気持ちはもって走っているけど、それに脚がついてこないですね。その辺がなんとも…。(前回のあとは)練習はほぼしてない。(体調は)問題ないし、大丈夫です」


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 中井太祐は、前回の名古屋FIを733着。初日特選はシンガリと一息の成績だったが、地元でのGIIIに気持ちを入れる。
 「(前回は)反省点はありますけど、やれることはやったかなって。(向日町記念ですけど)地元は地元なんで、いい走りができるように。地元を走る時は、(とくに)結果を出したい。結果にこだわって走りたいですね。普段通りに練習をしてきた。(感触は)いいと思います」
 3場所前の富山記念を含めて、直近の初日は4場所連続で1着の金子幸央。しかしながら、決勝からは遠ざかっている。
 「1着を取っているわりに、点数があんまりないですね。勝ち上がれていないっていうのがあると思います。状態的には練習もやって上向いている。ただ、なかなか内容がかみ合ってない。自分が後ろの時は、前の選手が頑張ってくれて着がいい。けど、自分が前の時にあれっていうところがあるので、そこを改善したい」


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小林泰正選手
小林泰正選手
 小林泰正(写真)は、前回の共同通信社杯で一次予選敗退。それでも2日目以降は、3日間、最終バックを取る積極的な内容を披露した。
 「(前回の)初日、2日目は、浅井(康太)さんのところで合宿していた疲れがあんまり取れなかった。でも、3日目、最終日はしっかりと力を出し切れた。疲れがしっかり取れれば、状態は上がってくるかなっていうのがありますね。(前回のあとは)前半しっかり練習して、今回は調整もした。前回よりはいいと思います」
 共同通信社杯を7195着。通算2度目のビッグ出場となった田中勇二は、2日目にライン3番手から伸びてビッグ初勝利を挙げた。
 「(前回は)脚自体の調子は良かった。あとは展開もあるので。(中9日で)1日だけ休んで、しっかり練習をしてきた。上積みはあると思います」


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 山形一気は3場所前の小松島FIで、昨年7月以来となる約1年ぶりのV奪取。その後も岸和田FI、佐世保FIと続けて決勝にコマを進めた。
 「調子は普通だけど、前の選手が頑張ってくれている。その流れに乗れている。そこはうれしいですね。33バンクも結構、好きだし、奈良記念も(15年に)決勝にのったことがある。(今シリーズも)決勝を目指していきたい」
 山形同様に奈良記念の優出経験のある神山拓弥も、33バンクを苦にしていないようだ。
 「(前回の共同通信社杯は)それなりに自分のなかでは、感じは悪くなかった。(そのあとは)普通にいつも通りやってきた。(奈良は)久しぶりですけど、(14年に)記念の決勝に乗ったこともあるんで、走りにくいとかはない」


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町田太我選手
町田太我選手
 前々回の川崎FIで今年初優勝を遂げた町田太我(写真)は、前回の佐世保FIでも優勝と勢いがある。
 「(3場所前の)オールスターは良くなかった。落車があったし、さんざんな感じだった。でも、オールスターの落車でいい刺激が入ったのかなと。(前回のあとは)しっかり追い込んでやってきて、疲れがある感じはある。でも、数値はいいし、感じもいいです」
 前回の玉野FIを123着で優出している佐々木豪だが、一次予選はフレームを戻して臨む予定だ。
 「玉野で新しいフレームにしたけど、感触がつかめなかった。また、(3場所前の)オールスターのフレームに戻そうと思っています。(玉野の決勝は)あの展開で優勝できないのは、自分のなかでは思うところがあった。悔しかったんで、(そのあとは)強めに練習をやってきた。ただ、忙しかったんで、思うような調整はできなかった」


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犬伏湧也選手
犬伏湧也選手
 今シリーズただ一人のS級S班の犬伏湧也(写真)は、前回の共同通信社杯を2711着。3連対も二次予選で敗退しただけに、満足のいくシリーズではなかった。
 「(前回は)勝ち上がれてないので、どうかなっているのがある。けど、残り2つ(3日目、最終日)はいい形で終われたかなと。(S班になってから優勝がないので)そろそろ優勝がほしいなって思います。(今年残り2つのGIも)視野に入れて頑張っていきたい。(前回のあと練習は)計画的にできたので、脚自体には問題ないと思います」
 深谷知広は、共同通信社杯を3連勝で優出。動きの良さが目を引いたが、単騎の決勝は結束した近畿勢になす術がなかった。
 「(前回は)思ってたよりも動けていたんで、そこは良かったです。(決勝は単騎勢が)誰も動かないってことだけは避けたかった。それでまずは動かして思った。(そのあとは)かなり追い込んで練習をした。疲れが残っているので、これから(初日のレースまで)どうやって調整するかですね」
 地元、向日町記念を特選からスタートする山田久徳だが、気負いはなさそうだ。
 「(前回の共同通信社杯は)あんまり結果が良くないけど、体調、感覚的には悪くなかった。あんまり調整をしなかったわりには走れたかなと。去年は現行の向日町で最後の記念だったので、かなり気合が入った。もうそこまでっていうことはないと思う。けど、(奈良は21年に)記念も獲らせてもらっているし、相性もいいです」