『向日町競輪場開設56周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:9月28日



 向日町記念「平安賞」が、いよいよ今日から始まった。メインの特選3個レースでは小野俊之、海老根恵太ら主力が順当に勝ち上がり、最終11レースでも村上義弘が力強い先行策で近畿勢を確定板に導いた。
 本場にも多くのファンが詰めかけ、イベントも大盛況。明日はフォークシンガーの中村行延さんによるライブも予定されています。明日は11レース優秀の「朱雀賞」を始め、熱戦が期待されます。ぜひ本場で生の臨場感を体感してください。
 


<1R>
池沢選手
池沢義文選手
   オープニングの1レースは池沢義文(写真)が、志村太賀の踏み出しに離れる苦しい展開をしのいで快勝。
 「志村君には以前連係した時にも離れてるのに、今回も…。申し訳ないです。でも全開で追いかけたんですよ。合わせて古田(義明)君に出られたから、彼にスイッチするしかなかったけど、最後に抜けたのはビックリ。志村君が3着だったら良かったけどね」
 持ち味は出し切った志村太賀だが、4着で勝ち上がりを逃した。
 「デビューしてから1レースを走るのはこれが初めてで、何時に始まるのか聞いたくらい。それもあって上手く体が使えてなかったですね。でも、明日から頑張ります」


<3R>
 3レースはここ2場所連続で失格と流れが悪かった宮司周郎が落ち着いてまくりを決めた。
 「最初はカマシに行く作戦だったけど、前が併走になって短くなったから。久々の1着で嬉しいですね。ずっと調子はイマイチだったけど、これで流れが変われば良いですね」
  2着には地元の河村章憲が続いた。
 「宮司さんは近藤(俊明)君に合わされたと思ったので、1着取るにはその間しかないと思ったら、宮司さんはまた外を伸びて行った。慌てて追いかけたけど、緊張で重かった。抜ければもっと良かったけど、何とか2着キープで格好はついたかな」


<5R>
 5レースは引地正人が豪快なまくりで、人気の近畿ラインを飲み込む。
 「先手が取れなくて展開も悪かったけど、何とかなりました。後ろも付いてくれてるし、行けるところまでと思ったら意外に踏めましたね。2か月ぶりの勝ち星は嬉しいけど、もっと先行がしたい」


<6R>
中村選手
中村泰啓選手
   6レースからは選抜戦。このレースはカマした中部ライン三番手から中村泰啓(写真)が中割り強襲。2車単で2万5千円を超す高配当を叩き出した。
 「宮越君には俺を九番手にはしないでくれって言ってたのに、(九番手になって)ホームでは泣きそうでしたよ。コースはあそこしかないと思ってた。感じは良かったけど、あんなに伸びるとは。1着は何時以来か覚えてない。こんなところ(選抜)で勝ったのは初めてです」
 2着の宮越孝治はホッとした表情。
 「朝の指定練習から感じが良くなくてドキドキでした。松本(大地)さんもイン粘りだと思ってたら引いてくるし、打鐘過ぎにやっちゃったと思いましたね。最後も気持ちで粘れました」
 一方、番手絶好から3着に敗れた馬渕紀明はバツが悪い。
 「外から来られるんじゃないかと思って最後にもう1回振ったら、内から中村さんが来てた。まだ未熟ですね」


<7R>
 7レースは目標の丸山啓一がまくり不発になる苦しい展開を、勝瀬卓也が鋭い伸びでしのぐ。
 「前が駆けてなかったから、丸山さんもスピードをもらったまくりにならなかったね。僕は後ろだから楽だったけど」
 2着に敗れた柏野智典だが、意外にも表情は明るい。
 「勝ちパターンだったけど、勝瀬さんは見えなかった。実は取手記念のあとに、ウエイト練習中に腰を痛めたんです。一応、マッサージや鍼でケアして来たけど、思ったより踏めてる。ホッとしました」


<8R>
郡選手
郡英治選手
   8レースは正攻法の三宅達也が突っ張り先行で、松本一成や小橋秀幸の反撃を封じ、「残り1周なんでペースで駆ければ持つかなと思ってた。でも、意外でしたね。(走る前は)自分が先行するとは思わなかったので。前回から戻ってきてるし、これで立て直せそうです」と笑顔でレースを振り返る。 そして番手の郡英治(写真)も鋭い伸びを見せ、三宅と星を分けた。
 「ハコの時はほとんど三宅君を抜けてないんです。今回も同着止まりだからね。前回の勝利もここで三ツ石(康洋)君が逃げてくれたし、今回も恵まれました。ホント番組さまさまです」


<9R>
小倉選手
小倉竜二選手
   9レースからは今日のメイン特選競走。レースは北津留翼、池崎太郎の激しい主導権争いになったが、外併走から北津留が強引に出切り、番手絶好の小野俊之が抜け出した。「池崎さんがやる気だったけど、それを4コーナーから行ける北津留の脚も凄い。(1着という)結果はあまり気にしてないけど、最近は車券に貢献できてなかったからね。これから少しずつ恩返ししていきたい」。
 2着には直線だけで小倉竜二(写真)が伸び、現地集合の形でワンツーフィニッシュ。
 「北津留は出切れんと思ってたし、付いていくかどうかの判断はむずかしかったね。まあ結果ワンツーになって良かった。安心しました」
 3着には冨田卓が。「コースは見えてたので、佐藤(真一)君が内に行くのを確認してから踏んだ。2年目に使ってからお蔵入りしてたフレームをつかってるんだけど、周回中に流れてたし良いですね」。


<10R>
海老根選手
海老根恵太選手
   10レースは海老根恵太(写真)が七番手から豪快なまくりで逃げる稲垣裕之をひと飲み。
 「引いてすぐ叩きたかったけどタイミングが狂った。強かった? 下手なだけですよ。今日初めて向日町を走ってみて、まくりがきかないのも分かる気がした。でも、悪ければまくれないだろうから、悪くはないと思います」
 2着には離れながらも高木隆弘が続いた。
 「疲れました(苦笑)。ホームで行くと思って踏んだら行かずで、タイミングが狂った。苦しかったけど、良く付いていけたね」
 逃げる稲垣後位から酒井耕介が3着に食い込む。
 「自分が番手まくりするくらいの感じなら、海老根を止められたかも。でも、後ろが友定(祐己)っていうのも頭にあったからね。ASの落車は大丈夫です。痛みを我慢しながら走ってるわけじゃないので、力も入りますよ」
 まくられた稲垣裕之は、「すんなり駆けられたけど、ずっと踏み上げていく感じだった。焦りもあって、最後も踏み直す脚が残ってなかった」と肩を落とす。


<11R>
前田選手
前田拓也選手
   11レースは村上義弘が主導権を握るが、「とにかく緊張しました。それだけです」と2着に。勝ったのは番手絶好の前田拓也(写真)
 「打鐘前で坂上君が思いのほか踏んだから、あれ? どうすんのやろ? って思ったけど、押さえてしまえば村上の形やから。もし誰か来たら止めてと思ったけど、誰も来なかったね。僕の感じは悪くないですよ」
 3着の大井啓世は苦笑い。
 「前回コケてるのもあるけど、脚の感じは悪くないと分かってるのに、焦ってバタバタしてる。苦労した時期が長くてマイナス思考なんですよ。もっと自分を信じなアカンね」

   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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