![]() 佐藤雅春選手 |
オープニングレースを制したのは榊枝輝文だ。赤板で上昇してきた佐藤雅春に合わせて横山尚則も一緒に踏み込む展開に。榊枝が佐藤に離れて一旦は横山が番手にはまるもすぐに踏み上げて先行態勢に入ると思われたが西田大志が叩き出て残り1周。7番手に置かれてしまった佐藤だが、最終1コーナーからまくり上げると前団を一気に飲み込んだ。残り1周手前で佐藤に付け直した榊枝が鋭く追い込んだ。 「久々ですね(笑)」。約5ヶ月ぶりの白星を挙げた榊枝は上機嫌。 「7月からフレームを換えてずっとハンドル回りに違和感があったけど、やっと(セッティングにアタリが)でた感じですね。まだ余裕はないけど手応えはしっかりとありました」 強敵撃破に成功した佐藤雅春(写真)も笑顔。 「とにかく前々にいないとって思っていたけど、結局7番手になってしまって…。でも緩んだところをしっかりいけているし、上出来ですね。これで4日間走れます(笑)」 人気を背負っていた横山尚則は4着で何とか勝ち上がることはできても表情は険しい。 「体が動かなかったですね。緊張ですかね…。ホーム手前で西田君を突っ張れば良かったけど、自分も余裕がなくて…。反省しかないけど、しっかりと気持ちを切り替えて」 |
---|
後続を警戒しながら先行態勢に入った戸伏康夫を最終ホームで椎木尾拓哉が叩いて出る。マークの渡辺航平は富弥昭にさばかれて後退。椎木尾が後ろを引き離して独走態勢に入ったが、最終2コーナーから外を踏み上げた柴田竜史がこれを猛追。粘る椎木尾を直線で一気に抜き去った。 「恵まれましたね。前がゴチャついていたし、いい位置も取れたので。佐藤(博紀)さんがどこからでも飛んできそうなので怖かった。最後は差されたかと思いました。とりあえず勝ち上がれて良かったです」 佐藤博紀は勝負どころで立ち遅れて8番手。南関コンビを追う形から2着に突っ込んだ。 「ダメですね。ホームで腹をくくって、行ったほうが良かった。頭では分かっているんですけど動けなかった。後ろに申しわけないことをしました」 |
後ろ攻めを選択した高橋和也が赤板手前から上昇してそのまま先行態勢に入ると思われたが、高橋の上を松田優一が叩き、さらにその上を新田康仁が叩いて残り1周。脚を使って7番手に置かれた高橋だったが、力ずくの巻き返しへ出ると後ろの三浦稔希が離れてしまう。それでも高橋のかかりは抜群で番手にはまった新田を堂々と振り切って白星ゲット。新田がそのまま続く形で2着となり、3着には遠澤健二が流れ込んだ。 後続が離れてしまうピンチにも会心のレースを披露した高橋和也はゆっくりとレースを振り返る。 「もう少し遅かったら松田さんを突っ張っていたけどまだ鐘前だったので。新田さんが早めにその上を叩いてくれたので助かりました。とりあえず出切ることだけ考えて踏んだので余裕はなかったですね。2コーナーで後ろを確認したときに後ろがいないのが分かって(後ろが)新田さんだと。差されるかと思ったけど勝ち上がりで久々の1着が取れてうれしいですね」。 高橋の番手にはまる形となった新田康仁に絶好展開と思われたが「意外と出ませんでしたね。ホームでは余裕あったし、車も流れたので、引き付けるだけ引き付けてと思ってたんですけどね。状態はまだいまいちですね。コツコツと戻していきます」。 |
赤板で飛び出した山口智弘の後位に宿口陽一が飛び付く。外併走を嫌った小嶋敬二が打鐘で踏み込んで前に出ると、そこを今度は栗田貴徳が叩く。藤原浩は離れて、栗田後位にはまった小嶋が最終2コーナーからの番手まくりで1着。 「粘られてしまったけど、あの展開も考えていた。駆けてなかったし、前に出ても(山口が)3番手に入れると思って。栗田君が1人で来たので入れた。でも、こんなワンツーはないよね」 岩見潤の後位で態勢を立て直した山口智弘は最終ホームを4番手で通過。最終バックからまくって2着に入った。 「(宿口、栗田の)どちらかには粘られると思ってました。最終バックは取りたかったですけどね。自分なりには頑張れたし、最後はガムシャラに踏みました。結果、ワンツーでしたね」 |
赤板で飛び出した吉田茂生がそのまま先行態勢に入ると思われたが、打鐘前に石丸寛之にすくわれた矢野昌彦が一気に外を踏み込んで猛スパート。最終ホーム過ぎには抵抗する吉田を叩き切って主導権をつかむと番手の河野通孝が抜け出してアタマ。 9月高松から3場所連続で初日に白星を挙げている河野通孝は「矢野君が頑張ってくれたおかげですね。自分は落車の音が聞こえて焦って踏んでしまいました。申しわけなかったですね。前を抜けているし、状態は良いけど2日目以降へなかなかつながってないんですよね。そこで頑張らないと点数も上がってこないし、明日が勝負ですね」と気持ちを引き締めて2日目以降を見据える。 3着に沈んでしまった矢野昌彦だが、しっかりと長い距離を踏んでバンクと自身のコンディションを把握した様子。 「向日町は走りやすいっていうか、やっぱり逃げたほうが有利なバンクなので。(鐘で仕掛けたのは)石丸さんの動きもあったけど、吉田君が流したので。出切れる自信はあったけどバックでもうキツかった。でもなんとか残れているし明日はもっと軽くなるはず」。 |
![]() 三田村謙祐選手 |
地元のトップバッターとして登場した三田村謙祐(写真)が快勝した。打鐘から一気にスパートして他を圧倒。力強い逃げ切りでスタンドを沸かせた。 「緊張して、思っていたレースはできなかったですね。力は出し切れたけど、そんなにかかっていなかった。駆け方は変わらないけど、コーナーの踏み方とか乗り方がいつもの感じと違ったので、そこを修正できれば良くなると思います」 番手絶好の堂村知哉は伸びを欠いて3着。 「これ以上ない最高の展開でした。三田村君は強いですね。1回も後ろを見れなかった。ずっときつかったです」 後方8番手からまくり上げた坂本健太郎は2着まで。 「雨の向日町で先行1車。悪い条件がそろってましたね。ちょうど仕掛けようとしたときに4番(石田岳彦)に邪魔されて、きつかったです」 |
---|
佐野梅一が地元記念でうれしい白星スタートを決めた。赤板から飛び出した栗山俊介が別線を寄せ付けぬ構えで打鐘から一気に踏み込んでスパート。残り一周で7番手からまくり上げた山口貴弘も及ばず、佐野が絶好展開をものにした。 「栗山君が頑張ってくれたし、気を使ってくれました」と佐野は栗山の健闘を称えながらレースを振り返る。 「(先頭にたったのが)赤板からですからね。山口君もきてたけど前のおかげです」。うれしい白星ゲットにも謙遜しながら「いっつも回りに助けられてばっかりですからね」と照れ笑い。 立ち回りの巧さに定評ある山口貴弘だが気づけば7番手。力ずくでの巻き返しを余儀なくされて3着まで。 「一番ダメなパターンでしたね…。中団なんていつでも取れると思ってたのに。苦しかったけど、車の出は悪くないですね。練習はできているので」 冷静にコースを突いて2着に突っ込んだ田村真広は「前の頑張りもあるけど余裕がありましたね。2場所前の函館初日にも3.85を試したけど、そのときはダメだったが、今回は良かったな(笑)。ギアを下げて正解でした」 |
![]() 小川祐司選手 |
小川祐司が打鐘で重倉高史を叩いて先行策に出る。前受けから下げて6番手に構えた人気の坂本貴史は最終2コーナーからまくる。外、外を回されながらも懸命に踏み続けた坂本が粘る小川をゴール寸前で捕らえた。 「前が踏み合っているのを見てしまった。情けないですね。判断が遅くて、後ろに迷惑をかけてしまいました。でも、あれで届いているので脚の感じはいいですね。向日町はいつも軽く感じるし、疲れはまったくないです。反省するところはしっかり反省して、明日以降はしっかり仕掛けたいですね」 小川祐司(写真)は打鐘先行で長い距離を軽快に踏み切った。 「重倉君がもっと突っ張ってくるかと思ったんですけどね。出てからは緩めすぎずに、ペースで踏めました。同期同級の三田村(謙祐)君には及ばないけど、連にからめて良かったです」 |
---|
![]() 松岡孝高選手 |
断然の人気を背負っていた古性優作が沈む大波乱。競走得点110点の古性を破ったのはまさかまさかで97点の松岡孝高だった。 赤板で中井勇介が叩いた上を松岡が叩くと、その上をさらに古性が叩いて打鐘を迎える。残り1周前に隊列は1本棒に落ち着き最終バックへ。誰もが近畿勢で上位独占と思われた展開だったが、松岡が2センター過ぎに踏み込んで白星をゲット。後ろの大竹慎吾が続いて九州ワンツー。古性の番手を回った三谷が3着に突っ込んだ。 大金星を挙げた松岡孝高(写真)は満面の笑みを浮かべて検車場へと引き揚げてきた。 「無理やり行ったわりに(車が)出ましたね。今回から兄(孔明)のフレームを借りて使ってみたけど、練習での感じはすごく良かったので。セッティングをもう少し修正すればもっと良くなると思う」とさらなる上積みを実感して二次予選へと駒を進めた。 函館サマーナイトからの悪い流れを断ち切った大竹慎吾もニッコリ。 「バック過ぎに(松岡が)行けそうな感じがしたので。ダメでも外を踏もうと思ってました。松戸が終わってから体はけっこうきつかったけど、そこまでにやっていた練習の成果が遅れてでてきたのかもね」 |
---|
![]() 川村晃司選手 |
川村晃司と黒田淳で打鐘過ぎから激しい主導権争いとなった。最終ホームからスパートした新田祐大が前団の混戦を豪快にひと飲み。後続を千切って圧勝した。 「相手のマークがきつかったですね。タイミングを見て、ちょっと休んでから仕掛けました。もうちょっと早く仕掛けられれば良かったんですけどね。地区プロの影響はないです」 川村晃司の先行に乗った吉田健市が絶好展開を生かして2着に入った。 「川村さんに感謝ですね。2車でも先行するのはさすがです。もがき合いになってしまったし、(新田は)止められなかった。僕にもう少し余裕があれば良かったんですけどね。何もできなかったです。優秀戦は初めて。いろいろ勉強したいですね」 黒田を突っ張り切った川村晃司(写真)が3着にしぶとく粘り込んだ。 「黒田君の仕掛けが思った以上に早かったけど、いい感じで駆けられました。練習はもう一息という感じだったんですが、レースではマシですね。勝ち上がれて良かったです。走りながら戻していきます」 |
---|
![]() 稲垣裕之選手 |
地元コンビが人気を集めたレース。後ろ攻めを選択した飯野祐太が赤板で上昇するも、前受けから2番手に位置を取った稲垣裕之が一緒に踏み込んで北コンビを受ける形となり、後ろに置かれた郡司浩平が慌てて巻き返して残り1周。稲垣が最終2コーナーからまくり上げると南関勢を受けて3番手を確保していた飯野が合わせて踏み込む。しかし、車は思うように進まず、稲垣が力ずくでねじ伏せてアタマ取り。復帰戦となった村上博幸は3コーナーのあおりを受けて外に浮いてしまい、2着には郡司を利した石毛克幸が入線。 「やっぱり緊張しましたね」と地元のプレッシャーを跳ね除けて勝った稲垣裕之(写真)はゆっくりとレースを振り返る。 「出入りの激しいレースになると思ったので、自分から動いてからと思ってました。郡司君のカカリも良かったけど、1歩目2歩目が力んでしまいましたね。でもそのあとはフォームを意識して踏めたし、一走して少し楽にもなったから明日はもっと良くなると思います」 稲垣に続けず惜しくも4着で優秀戦への切符を逃した村上博幸は「余裕はなかったけど追走は問題ない感じでしたね。でもそこから踏んでも進む感じがしなかった。3コーナーの煽りがきつかったのもあるけど、こんなもんですかね。今の状態は。走りながらセッティングを修正しながらですね」。 2着に入った石毛克幸はニッコリ。 「郡司君のかかりは良かったけど相手が相手だから、後ろからもっとどんどん行かれると思ってたけど恵まれました」 |
---|
![]() 井上昌己選手 |
打鐘前から主導権を握った稲毛健太に対し、後方7番手から小埜正義が早めの巻き返しで襲いかかる。稲毛の抵抗を力でねじ伏せて小埜が先頭に立ったが、勝瀬卓也を飛ばして車を外に持ち出した村上義弘が最終バックから豪快にまくって圧勝した。 「必死でした。健太もよく踏んでいたけど、気付いたときにはもう(小埜に)横に並ばれてました。このまま付いててもみんなないし、一か八かで前々に踏みました。練習で出なかった力が出ました」 後方からまくった服部克久に乗って井上昌己(写真)が2着に突っ込んだ。 「村上さんが1人で行ってしまったのが分かったので、2着争いだなって思ってました。バランスは悪いけど、スピードに乗ってしまえば大丈夫。克久が勢いに乗せてくれたおかげです」 村上のまくりに離れてしまった小倉竜二だが、最後は絶妙のハンドル投げで際どい3着争いを制した。 「置いていかれました。内を締めていたので、村上さんと呼吸を合わせるのが難しかった。でも、あんなにダッシュがあるんですね」 シンガリ負けの稲毛健太は「かかり切る前に(小埜に)行かれてしまいました。今日のレースでは調子がいいか悪いか分からない。明日は力を出し切ります」と気持ちを切り替えた。 |
---|