和歌山競輪場で開催されてきた開設75周年記念「和歌山グランプリ(GIII)」は、1月13日に最終日が行われた。注目の決勝はグランプリ王者の古性優作が戦況を見極めてのまくりで、地元勢分断策に出た松本貴治らをねじ伏せて大会連覇を達成。新年も好スタートを切った。なお、古性のGIII優勝は8月富山記念以来で通算13度目となる。
決勝戦 レース経過
内枠3車でのスタート争いを制して菅田壱道が誘導員を追う。菅田-大槻寛徳の宮城勢が前を固め、古性優作-山口富生が前中団。5番手からが松本貴治-山田英明の西勢で、石塚輪太郎-東口善朋-椎木尾拓哉の地元勢が後攻め。
赤板周回に入る手前で後方の石塚から動き始めようとするが、先に3番手の古性が動いて誘導を切る。だが、内から菅田が踏み直してきてモツれ、さらにその上を松本が切る。2コーナーでは石塚が叩いて先頭に出るが、石塚後位に松本が飛び付いて内に松本、外に東口、その後ろも山田、椎木尾で併走になる。最終ホーム付近で松本が石塚後位を取り切ると、1センターすぎからまくりを開始。椎木尾を捌いた山田が車間が空きながらも松本を追い、前の動きを追いながら古性もまくり上げていく。バックでまくり切った松本、山田に、古性の3車がゴール前で並ぶが外の古性が伸びて今年初の記念制覇。石塚後位を取り切ってまくった松本は古性に交わされて2着。松本を追った山田が、古性を好追の山口をわずかに制して3着。

古性優作選手
グランプリ王者が、貫禄のV。昨年と同じく、ここから新年をスタートさせた古性優作(写真)が、和歌山記念を連覇した。
グランプリが終わっても、1月1日からハードなトレーニングに取り組んでいた古性にとって、万全の状態で臨めた開催ではなかった。苦しいコンディションだけあって、レース運びも、納得のいくものではなかった。
「結局前検日に入ったまま、疲労感が抜けなくて、苦しかった。(赤板で)踏み込みたいタイミングがあったけど、(誘導員早期追い抜きが)怖くなって、バックを踏んでる間に(菅田に)差し込まれた。隙があったし、僕が下手だった。脚がたまらなくて、正直周回中からきつくて、優勝できたから良かったものの、ヤバいなってずっと思ってた」
赤板で前に出られなかったミスを、瞬時にリカバリーして、2コーナーでは宮城勢を後方に追いやる。松本貴治が、地元勢のカマシに飛び付いて、古性は隊列の短くなった6番手のポジショニングで最終周回。前の併走の決着がつき、2コーナーから踏み上げていく。車を外に持ち出した3コーナー、4コーナーと、さらに加速していった古性は、番手まくりの松本をゴール前でとらえた。
「前との車間も、脚を使わないギリギリで回してる中で、自然と空いた車間だった。前の(併走の)決着が長引いて、それも苦しかった。自分でチャンスを潰して、リカバリーした感じですけど、ラインで決まってないですし、もっとしっかり力でねじ伏せたかった」
地元勢とは別線となったからには、力をぶつけ合うのが古性の流儀。それを果たせなかったことが、心残りだった。
「(地元勢と)近畿で別線でやる以上は、思いっきり力勝負がしたかった。(石塚)輪太郎も、これからの近畿を背負ってくれないと困る自力選手ですし、僕も愛を持って力勝負がしたかった。なのに、ああいうレースになって、変な気持ちです」
富山記念以来、13回目のGIII制覇で和歌山記念連覇を達成。結果だけを見れば好スタートだが、それだけで良しとしない。王者の見据える目標は、どこまでも高いところにある。
「(今年の目標は)とにかくGIの決勝に乗って、そこでしっかりと戦って、僕に付いてくれば2着はあるっていうレースをすれば、おのずと近畿でグランプリに乗れる確率は高くなると思う。あくまで自分が勝つっていう前提のなかで、そういうレースをしていきたい。成長しないといけないんで、去年の成績よりも、良い成績を残せるようにしたい」
今年も競輪界は、この男を中心に回っていく。
松本貴治は、地元勢分断から番手まくり。優勝まであとわずかのところで、古性に外をいかれて2着。
「ああいう並びにはなるだろうなと思ってた。(石塚)輪太郎がカマしてくるとは思ってたんで、立ち遅れないようにと思って、先に叩きました。本当は粘る予定はなかったんですけど、(スピードが)合ってしまったし、4番手に下げても、ヒデさん(山田英明)にチャンスがないんで。(番手を取り切ってから)考える余裕がなくて、詰まったところからいって、押し切れればと。力不足でした」
山田英明が、松本に続いて3着。強気の攻めに出た松本を称賛した。
「(松本)貴治のおかげですね。勝負してくれたし、そのおかげで自分にもチャンスがあった。あれを抜けないとですね。粘るのは想定してなかったし、びっくりしたけど、自分にもチャンスがあるようにしてくれた。待っても良かったのに、バックでまくってくれましたし。本当に貴治がすごかった」






赤板周回に入る手前で後方の石塚から動き始めようとするが、先に3番手の古性が動いて誘導を切る。だが、内から菅田が踏み直してきてモツれ、さらにその上を松本が切る。2コーナーでは石塚が叩いて先頭に出るが、石塚後位に松本が飛び付いて内に松本、外に東口、その後ろも山田、椎木尾で併走になる。最終ホーム付近で松本が石塚後位を取り切ると、1センターすぎからまくりを開始。椎木尾を捌いた山田が車間が空きながらも松本を追い、前の動きを追いながら古性もまくり上げていく。バックでまくり切った松本、山田に、古性の3車がゴール前で並ぶが外の古性が伸びて今年初の記念制覇。石塚後位を取り切ってまくった松本は古性に交わされて2着。松本を追った山田が、古性を好追の山口をわずかに制して3着。

古性優作選手
グランプリが終わっても、1月1日からハードなトレーニングに取り組んでいた古性にとって、万全の状態で臨めた開催ではなかった。苦しいコンディションだけあって、レース運びも、納得のいくものではなかった。
「結局前検日に入ったまま、疲労感が抜けなくて、苦しかった。(赤板で)踏み込みたいタイミングがあったけど、(誘導員早期追い抜きが)怖くなって、バックを踏んでる間に(菅田に)差し込まれた。隙があったし、僕が下手だった。脚がたまらなくて、正直周回中からきつくて、優勝できたから良かったものの、ヤバいなってずっと思ってた」
赤板で前に出られなかったミスを、瞬時にリカバリーして、2コーナーでは宮城勢を後方に追いやる。松本貴治が、地元勢のカマシに飛び付いて、古性は隊列の短くなった6番手のポジショニングで最終周回。前の併走の決着がつき、2コーナーから踏み上げていく。車を外に持ち出した3コーナー、4コーナーと、さらに加速していった古性は、番手まくりの松本をゴール前でとらえた。
「前との車間も、脚を使わないギリギリで回してる中で、自然と空いた車間だった。前の(併走の)決着が長引いて、それも苦しかった。自分でチャンスを潰して、リカバリーした感じですけど、ラインで決まってないですし、もっとしっかり力でねじ伏せたかった」
地元勢とは別線となったからには、力をぶつけ合うのが古性の流儀。それを果たせなかったことが、心残りだった。
「(地元勢と)近畿で別線でやる以上は、思いっきり力勝負がしたかった。(石塚)輪太郎も、これからの近畿を背負ってくれないと困る自力選手ですし、僕も愛を持って力勝負がしたかった。なのに、ああいうレースになって、変な気持ちです」
富山記念以来、13回目のGIII制覇で和歌山記念連覇を達成。結果だけを見れば好スタートだが、それだけで良しとしない。王者の見据える目標は、どこまでも高いところにある。
「(今年の目標は)とにかくGIの決勝に乗って、そこでしっかりと戦って、僕に付いてくれば2着はあるっていうレースをすれば、おのずと近畿でグランプリに乗れる確率は高くなると思う。あくまで自分が勝つっていう前提のなかで、そういうレースをしていきたい。成長しないといけないんで、去年の成績よりも、良い成績を残せるようにしたい」
今年も競輪界は、この男を中心に回っていく。
松本貴治は、地元勢分断から番手まくり。優勝まであとわずかのところで、古性に外をいかれて2着。
「ああいう並びにはなるだろうなと思ってた。(石塚)輪太郎がカマしてくるとは思ってたんで、立ち遅れないようにと思って、先に叩きました。本当は粘る予定はなかったんですけど、(スピードが)合ってしまったし、4番手に下げても、ヒデさん(山田英明)にチャンスがないんで。(番手を取り切ってから)考える余裕がなくて、詰まったところからいって、押し切れればと。力不足でした」
山田英明が、松本に続いて3着。強気の攻めに出た松本を称賛した。
「(松本)貴治のおかげですね。勝負してくれたし、そのおかげで自分にもチャンスがあった。あれを抜けないとですね。粘るのは想定してなかったし、びっくりしたけど、自分にもチャンスがあるようにしてくれた。待っても良かったのに、バックでまくってくれましたし。本当に貴治がすごかった」







次回のグレードレースは、大宮競輪場開設76周年記念「東日本発祥倉茂記念杯」が1月16日~19日の日程で開催されます。
今シリーズは脇本雄太、平原康多、北井佑季のSS班3名が参戦。グランプリで圧巻の先行を披露した脇本が人気を集めそうですが、平原はこの大会9Vの実績があります。森田優弥、宿口陽一らと地元ラインを形成して迎え撃つだけに、一筋縄ではいきそうにありません。
ビッグバンクで凱歌をあげるのは、果たして誰なのか?
1月8日時点の出場予定選手データを分析した、大宮競輪「東日本発祥倉茂記念杯」GIIIの主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。
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今シリーズは脇本雄太、平原康多、北井佑季のSS班3名が参戦。グランプリで圧巻の先行を披露した脇本が人気を集めそうですが、平原はこの大会9Vの実績があります。森田優弥、宿口陽一らと地元ラインを形成して迎え撃つだけに、一筋縄ではいきそうにありません。
ビッグバンクで凱歌をあげるのは、果たして誰なのか?
1月8日時点の出場予定選手データを分析した、大宮競輪「東日本発祥倉茂記念杯」GIIIの主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。
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