『和歌山競輪開設57周年記念(GIII)レポート』 2日目編
配信日:1月9日
開設57周年記念「和歌山グランプリ」は開催二日目を迎えた。昨日の強風大荒れの天候とは打って変わり、今日は快晴無風で最高のバンクコンディションのなか、優秀競走「熊野古道賞」をはじめ二次予選A,Bを中心に争われた。
本日、場内では横山たかし・ひろしによる「新春お笑いオンステージ」や、特別観覧席新春大福引き大会が行われ、開催を盛り上げました。
なお、明日10日には松本整・元選手によるトークショーや、現金10万円キャッシュバックキャンペーンなど、その他いろいろなイベントが用意されております。ぜひ、本場に足をお運びいただき、競輪の生の臨場感を味わって下さい。
<5R>
二次予選Bの5Rは、後ろ攻めから押えた飯野祐太が主導権を握る。番手絶好の斎藤明だったが、三番手から伸びた
佐藤和典
が突き抜けた。
「飯野君がまくりに回ったらどうしようかと思ったけど、思い切って行ってくれたし掛かりが良かったから、誰もまくってこなかった。これから競輪は北の時代ですね(笑)。後ろに田村(博一)さんもいるし、北の二人には『済みませんが先に踏ませてもらいます』って言ってあったんです。年明け一発目だし、準決にいけて良かった。前回欠場して、練習した成果が出ているかな」
斎藤明
は2着でも仕方なし。
「飯野君は掛かっていたね。一回も後ろを見る必要はなかった」
飯野祐太
は力を出し切り納得の様子だった。
「久冨(武)さんの車番を忘れてしまって、押えていったときに焦ってしまいました。でも、うまく主導権が取れたし、バックでは落ち着きをとり戻せたのでよかった。自分は挑戦者だから、明日も力を出し切る競走をします」と力強く宣言した。
<6R>
中村昌弘
選手
6Rは山本健也と乾準一でガチンコ勝負となった。展開に恵まれた野田源一がひとまくりし、ゴール寸前で
中村昌弘(写真)
が交わして準決勝A行きを決めた。
「あんなにもがき合うとは思わなかった。今日は展開だけ。準決Aなんて力が違いすぎますよ。次の開催が怖いですね。帰って練習しますよ(笑)」と興奮が冷めやらぬ様子。
まくった
野田源一
は、「展開に恵まれました。調子ですか?差されてますからね。最近、まくりが多くなってるから末脚がまだまだ」と控えめ。
<7R>
平田崇昭
選手
7Rは動きの激しいレースとなった。浦山一栄が押えに出ると、前受けの安藤優企が突っ張り気味に踏み込む。安藤が外の浦山を警戒したため内が空くと、
坂本亮馬
がそこを突いて主導権握った。直線に入り、追い込む平田崇昭を振り切り、坂本が連勝を12に伸ばした。
「今日は浦山さんが行ったらすぐにその上を仕掛けようと思ってました。コースが空いたし、浦山さんがもう踏んでいたから内を行くしかないと。自分はチャレンジャーだし、緊張もないから気楽でした。準決はもっと気楽に走れるだろうし、力が出せると思います。今回はお客さんに印象付けられる開催になればいいと思っていたから、勝てて嬉しいです」
平田崇昭(写真)
は交わせず2着も、後輩の成長を喜ぶ。
「内から行ったときは一瞬焦ったよ。若い頃の自分だったら差せたんだけど、今日は坂本が強かった。若い子が出てきているし、お互い相乗効果で頑張ってくれれば、自分もあと5年は生きていけるだろうね」
<8R>
岩津祐介
選手
金子貴志、渡部哲男、峠祐介の機動型がそろい、主導権争いが注目された8Rは、渡部が峠を強引に叩いて最終ホームを通過。金子がバックからまくり上げるも、逃げたラインで上位を独占した。
きっちりとチャンスを生かし番手の
岩津祐介(写真)
が1着となった。
「渡部さんが行ってくれたおかげで恵まれました。(金子が)まくってきたのが見えたからバックで少し車間を詰めた。最後、(渡部は)よく踏み直していたけど(残せなかった)」
2着は岩津をマークした
小野俊之
。
「結果的に三番手に付いていたけど、レースの流れのなかで位置を決めようと思っていた。今ひとつ車が出ていないけど、自分の中で修正して、また明日与えられた番組の中でやるだけ」
渡部哲男
は4着で準決勝B回りとなった。
「峠さんがバンクの上を走りながら抵抗していたところから無理やり行ったから、最後にタレるのは仕方ない。バンクが重たかったし、金子さんのカマシを警戒しながらの仕掛けだったからね。すんなりのカマシでないと残るのは苦しい。ラインで4着まで決まったんだから良かった」
<9R>
渡辺一成
選手
9Rは大方の予想通りに渡辺一成が持ち味の先行勝負に出た。ゴール前は落車のアクシデントもあったが、敵陣の反撃を完封し笹川竜治とワンツーを決めた。
番手で恵まれた
笹川竜治
(1着)は、「渡辺君がよく行ってくれたし、最高の展開になりました。ホームでどこまで引っ張ってくれるのかなと思ったけど、まさかこんな展開になるとは」と恐縮しきり。
井上辰也や東口善朋は全くの不発。2着となった
渡辺一成(写真)
だが、差されてもなお強しの印象。
「ジャンで井上さんが駆ける雰囲気だったから、惰性を貰ってその上を行こうと思っていた。変な風が吹いていてバンクが重たくてあまり掛かりは良くなかったね」
八番手に置かれた
石橋慎太郎
だったが、落車のアクシデントにも助けられ3着に。
「一成の三番手と思って組み立てたけど、ジャンで引いたときにカマされてしまい八番手に。無理に行っても外に浮くだけだし、あそこからいくしかないと。でも、何もできなかった」
<10R>
山内卓也
選手
10Rは山崎芳仁が七番手に立ち遅れ、まさかの不発に終わる。逃げた中部ラインが上位を独占し、
松尾淳
が大殊勲。
「今日は疲れましたよ。番手で援護してくれた山内(卓也)のおかげ。夢のようですね。山崎君に勝てたのは大きい」
中団まくりの石毛克幸を止め、松尾を援護した(1着)
山内卓也(写真)
は、「良い勢いでまくってきたけど、1回振ってから当たれば止まるかなと。相手が強いし、勝ち上がれてホッとしましたよ。脚は問題ないから、あとは明日以降も展開次第だね」
検車場に引き揚げた
山崎芳仁
は開口一番に、「やってしまった」と一言。
「ハンガーの角度を下げた新フレームなんだけどダメですね。いつもの感じで踏んだけど、逆に離れていってしまった。良い感じで(ペダルが)回らないし、ニュートラルに入らない。こんな感じは初めて」
<11R>
市田佳寿浩
選手
11R優秀戦「熊野古道賞」は、稲垣裕之に乗った
市田佳寿浩(写真)
が四角ハコ回りから追い込んで1着となった。
「バックで小倉(竜二)がまくってきたのが見えた。後ろがゴチャ付いて、(加藤)慎平が入っていたのは知っていたから、ギリギリまで引きつけてからブロックしないと。それでシャクられたら仕方ないと思っていたけど、うまくいったね」
動向が注目された
加藤慎平
は、前受けから三番手に飛び付き2着。
「本当は全部引いてカマそうと思っていたんだけど、(近畿の)四番手が併走してたから引けなかった。前を取った時点でこうなるのは仕方ない」
小倉竜二
は、自力まくりを放ち好気合をみせるも番手止まり。
「一か八か行ってみたけどダメやったね。市田さんと目が合って終わりました」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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