『開設58周年記念和歌山競輪(GIII)レポート』 2日目編
配信日:1月11日
和歌山競輪場開設58周年記念「和歌山グランプリ」は2日目。今日は二次予選A、B合わせて6個レースで準決勝への勝ち上がりを争い、メインの「熊野古道賞」でも優勝候補が見応えのあるレースを展開した。
場内でも「新春わかちゃん祭り」と題してイベントが満載。明日は「LOVE9」トーク&パフォーマンスにバンク走行、さらに「ウインズ」のライブステージやジャグリングパフォーマンスが予定されています。ぜひ和歌山競輪場へお越しください。
<5R>
高橋光宏選手
二次予選Bは5レースから。このレースは打鐘で叩いた松本一成の内をすくって中野功史が先行。四番手に入った松本がバックからまくり返すと、番手の
高橋光宏(写真)
が直線鋭く抜け出した。
「まだ完調じゃないから、余裕がなくて焦って踏んでしまった。一成は2着に残ってたの? だったら最高でしたね。一成のおかげで、新年早々1着が取れました。また明日頑張ります」
七番手からまくり強襲で3着に食い込んだ
垣外中勝哉
も気配が良い。
「正月前に練習した成果が出て、踏めてますね。今日は松本君がすんなり逃げるようなら番手も考えてました。3.57のギアでも出てるので、だいぶ感じは良いですね」
<6R>
石渡正也選手
6レースは前受けの
石渡正也(写真)
がホームで一気に叩いてきた守谷陽介の番手に飛び付く。地元の四元隆裕を競り落とすと、ゴール前は鮮やかな逆転劇を見せた。
「今日は前を取って、守谷さんがどのタイミングで来ても引くつもりはなかった。もう先行はしたくないから、今回から追い込み用のフレームを使ってます。誘導も上がったし、恵まれましたね」
2着の
守谷陽介
は「押し切れると思ったけどなあ」と悔しさを隠せない。
「やっぱり100点持ってる選手は違いますね。やられました。最後もキツかったです」
<7R>
朝生真吾選手
7レースは旭啓介が打鐘から一気に主導権を奪い、中団四番手には市田佳寿浩が。市田が踏み込み、合わせて直線で冨田卓も踏んだが、最後は旭ライン三番手で脚を溜めた
朝生真吾(写真
)が突き抜けた。
「二次予選に上がるのも初めてだったのに、恐縮です。すいません。体が軽い感じはあったし、手応えもあって楽だった。でも、まさか勝ち上がれるなんて…、嬉しいけど何だか申し訳ない」
まくり追い込んだ
市田佳寿浩
は2着で準決勝Bに進んだ。
「昨日もファンは名前で僕を買ってくれたし、今日も人気になってた。何とかしなきゃって気持ちでいたけど、これが今の実力です。申し訳ない。バックでの車間の詰まり具合、4コーナーからの伸びも足りない。これが一杯一杯っていうのが本音だけど、責任があるのであと2日しっかり走って帰りたい」
<8R>
手島慶介選手
8レースからは二次予選Aが始まった。松田優一、浅井康太の同期対決に注目が集まったこのレースは、赤板前から動き出した松田が浅井を封じて先行。番手の
手島慶介(写真)
が絶好の展開をモノにし、ラインで上位を独占した。
「やっぱりGIに出る選手は違うね。今日は松田が強かった。かかってたので、コーナーに入れば振れるかな?と思ってたけど、誰も来なかった。本当に松田さまさまです」
逃げた
松田優一
も「手島さんに『100点のレース』と褒めてもらいました」とニッコリ。
「昨日あんなレースをしてしまったし、浅井さんにはずっとやられてたので。今日は周りも見えてたし、落ち着いて駆けられたと思う。ラインで決められたのが一番良かった」
手島に続き2着に入った
栗原厚司
も「松田君、手島君が頑張ってくれたし、安心して付いてました」とラインで上位独占の結果を素直に喜んだ。
<9R>
東口善朋選手
9レースは後ろ攻めの新田康仁が押さえたところを中団の松尾淳が一気に叩いて主導権を奪う。続いた地元の
東口善朋(写真)
がきっちり抜け出し連勝。「作戦どおりでした。地元やし気持ち良いですね。明日も半分楽しんで、半分はコケても良いくらいの気持ちで頑張りたい。気持ちだけは切らさんようにね」と、早くも最大の関門である準決勝へ目を向けた。
2着に入った
河村章憲
は記念初の準決勝進出に笑顔が絶えない。
「バックでは絶対に(準決勝に)乗ったと思ってました。最後は東口が外に行くか、内に行くかを見極めるだけだったけど、まあ踏めてたしね。流れが良いね」
3着に粘った
松尾淳
も昨年同様に和歌山記念で存在感を発揮している。
「雨だし、寒いし、重いし、僕には最高のコンディションでしたね。脚を使わず、すんなり出られたし、最高だったです」
新田康仁
は打鐘過ぎで内の松崎伊佐央が落車したのが響いた。「しっかり斬ったつもりだったのに、松崎がハウスして落車。あれで脚に来てしまった」と伸びを欠き4着に終わった。
<10R>
佐藤友和選手
10レースは
佐藤友和(写真)
が昨日のうっ憤をはらす豪快なまくりで快勝。逃げる乾準一を相手に、後方七番手に置かれる苦しい展開を見事に切り抜けた。
「やっと正月気分が抜けました(笑)。アップの時に今日は気合の入り方が違うなと思いました。七番手に置かれたけど、まあ良いかなって。踏み出しも悪くなかったし、前田(拓也)さんに持って来られて止まったけど踏み直せた。十分です」
逆転はならなかった
神山雄一郎
だがきっちりと2着をキープ。「友和は余裕があったから」と、口を突くのは佐藤の強さを称える言葉ばかりだった。
「七番手になったのはしょうがない。それでも友和の力だったらまくれるでしょう。前が頑張ってくれて、僕は付いて行っただけ。抜けなかったけど、感じは大丈夫です」
3着に続いた
松永晃典
は、「3、4コーナーで前田さんが前に踏んでくれれば楽だったけどね。それでも付いて行けたし、余裕がありました」とデキは良さそうだ。
<11R>
渡部哲男選手
11レースは先行態勢に入った稲垣裕之に小嶋敬二が襲い掛かり激しくやり合う。これを七番手で脚を溜めた渡部哲男が一気にまくると、
井上昌己
が楽に捕らえて今年無傷の5連勝。「たまたまですよ」と謙遜するが、明らかに調子は良い。
「番手だったし、省エネで走れました。でも明日が勝負なんでね。ホームで山内さんに下りられて、哲男もタイミングが取りづらかったと思うけど、立て直してすぐ行ってくれたので助かりました。良い展開になりましたね」
2着に敗れた
渡部哲男(写真)
だが、「どんな展開でも抜かれると思ってた」とサバサバした表情。
「ホームでミスった分、引くのに時間がかかって仕掛けが遅くなったけど、とりあえず良かった。脚は昨日より全然良いし、大丈夫です。前回(久留米記念)から新車だったけど、今日でセッティングが出ましたね」
3着に入った
山内卓也
は、「小嶋さんを中団に入れる準備をしてたけど、そのまま行ったので付いて行った。離れなくて良かったですよ。調子も良さそうです」と連覇へ向け状態は良好。
力尽きた
稲垣裕之
は、「小嶋さんがヤル気ムードだったし、僕もスイッチが入りましたね。合わせたかったけど、それだけが悔しい」と9着という結果より、小嶋に敗れたことを悔しがった。
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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