『東日本大震災被災地支援競輪 和歌山競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:1月10日
  本日(10日)、和歌山県・和歌山競輪場で、東日本大震災被災地支援競輪・開設62周年記念「和歌山グランプリ」(GIII)の3日目が開催されました。3日目の準決勝戦は、順に市田佳寿浩選手、五十嵐力選手、山田裕仁選手が1着突破しました。決勝戦には地元の和歌山勢が2名進出しており、S班からも武田豊樹選手、浅井康太選手が優出を決めて楽しみなメンバー構成となりました。オレンジバンクで繰り広げられる熱戦を、1レースからどうぞご堪能下さい!
 最終日は3日目同様に荒木実によるトーク&レース展開予想、そしてタカシェンカによるジャグリングショーが行われます。また、先着順で記念クオカードが当たる抽選券を配布、わかやま元気鍋のふるまい(先着順)もあります。屋台コーナー、紀州物産コーナーもこの機会に是非お立ち寄り下さい。いよいよ最終日を迎える和歌山記念、明日も存分にお楽しみ下さい。
荒木実によるトーク&レース展開予想
荒木実によるトーク&レース展開予想
<1R>
杉山剛選手
杉山剛選手
 ホームから仕掛けた杉山剛(写真)が捲りで1着。福岡ワンツーで3日目はスタート。
「ホッとしました…。初日、2日目と9着9着だったから、もしかしたら4連9してしまうかと思っていましたよ(苦笑)。ここまでセッティングが全然合っていなくて、今日もアップの時間よりもセッティングに時間をかけていたくらい。ハンドルの高さが分からずに、ずっと悩んでいたんですけど、朝ようやく位置が見つかって、腹筋に力が入りました。本当ならこのメンバーで先行しないと行けないんですけど、いく勇気がなかったですね。明日も頑張りますよ。いやぁホッとした(笑)」

<2R>
川口秀人選手
川口秀人選手

 山形一気の先行を利した川口秀人(写真)が久々の1着を決める。"余韻に浸りながら"レースを振り返る。
「S級人生、最後の1着かもしれないからね。車で1~2分のご近所に住むかわいい後輩のおかげです。阿部(英光)が来てもハンガーのところまでしか来ないようなペースだったし、牽制することが出来ました。近畿の前受けにはびっくりしたけど、北の競りを誘ったのかな。山形も先行したかったみたいだし、絶好の展開になりました。1着は本当に久しぶり。昨年のA級の時に小倉で捲って以来じゃないかな。忘れていましたよ(笑)」。近寄る山形に対して「ありがとう。今度、居酒屋でおごってやるわ!15分飲み放題で(笑)!」山形は「15分…ですか(苦笑)」

 先行した山形一気(4着)は「みんなが前々の感じだったから、内をあけてすくわれないようにとは思っていました。もっと踏める感じもあったんですけどね」


<3R>
中野彰人選手
中野彰人選手

 高瀬卓が番手で粘る流れの中、中野彰人(写真)が逃げ切って1着。地元・和歌山勢の今シリーズ初勝利となった。
「きつかったです…もう脚が一杯一杯で。後ろが並走になったのはすぐ分かりました。でも車輪がかかったままで流したので、内をすくわれないようにもしないといけなかったし。木本(賢二)さんが外だったので、4コーナーで駆けていけば決まりやすいかなと。(1着も)情けないですね。練習が足りないと思います」

 中野彰人の番手を死守した木本賢二が2着。
「(イン粘りは)僕が逆の立場でも、狙う位置だと思いますしね。経験をしていかないと。道中は楽だったので、思い切り踏んだんですけど、(中野に)踏み直されて強かったです」


<4R>
高城信雄選手
高城信雄選手

 伊藤信が突っ張り先行、高橋陽介が捲り迫るも、番手の高城信雄(写真)が対処して1着。
「あれだけ突っ張っていってくれましたしね。(伊藤)信と援護してくれた松田(治之)さんのおかげです。ずっと先行でやってきたことをくんでくれたし、嬉しいです。また信の後輩も今日のレースを見ていると思いますしね。(高橋の捲りは)見えていましたけど、いかれたと思ったし、厳しかったですね。初日、2日と人気に応えられなかったし、明日もう一日あるので、また頑張ります」

 パワー捲りを見せた高橋陽介だが高城の牽制もあり2着。
「1着までいったと思ったんですけどね。高城(信雄)さんは追い込みではなく、タテがありますから。そうしたら前に踏みながらヨコにも来たので、それで。でも一度突っ張られてから、立て直して7番手からいったけど感触的には良かったです」

 3着の連佛康浩は確定が出るとガッツポーズ。
「やった!3着ですが、大ヒットです。周回中から楽だったし、近畿が前受けだったから突っ張るなと思っていました。捲りにいこうとも思ったけど、うまくいきましたね。今回は一般戦だけは走らないようにと思っていたから良かったですよ。3日間で一番感触も良かったですね。今日は風がなかったけど、1Rの上がりタイムは良くなかったし、ちょうど風がない当たりの時でしたね」


<5R>
稲毛健太選手
稲毛健太選手
 利根正明に叩かれた稲毛健太(写真)だが、番手に入るもすぐさま仕掛けて1着。
「(利根を)行かすつもりはなかったんですけどね。反応がイマイチでした。(番手に入った時は)後ろに付いていてもアレだし、楽をするつもりもなかったです。直線が重かったですね。風はそんなに無かったんですけど、急に脚に来る感じでした。でも、そんなに悪いイメージはないんですよ。明日も頑張ります」
  連日の主導権取りの利根正明は2着。結果的には97期同期でのワンツーとなった。
「展開は良かったですけど、きつかったです。(稲毛が)後ろに入ったのは分かりました。カマしていって、後ろ見たら入っていたので、流した瞬間にすぐ来ました。それで反応が出来なかったですね。稲毛が強かったです。レースはまだまだですけど、感触は良かったですよ」

<6R>
川村晃司選手
川村晃司選手

 石井秀治を叩いた川村晃司(写真)が貫禄のレースを見えて押し切る。これで3レースから近畿勢が4連勝。
「なんとか出られたという感じ。風は前半戦が吹いていなかったから、先行が有利かなと思ったんですけど、急に吹いてきましたね。出切るのに脚を使ってしまったし、感じは良くなかったです。今までならもっと楽だったので、自転車が進んでないです。また明日頑張ります」

 川村マークの澤田義和はゴール前詰めるも2着。
「強かった。離れたらアカンと思って付いて行きました。後ろも気になっていました。抜けそうで、抜けなかったですね。あとちょっとだったんですけど、ワンツーが決まったので上出来です」

 先行した石井秀治は3着に粘る。
「合せきれなかったですね。切りに行くのが早すぎて、考えていたペースとは違ってしまいました。風もきつかったです。でも(川村が)車間を切って狙っているのも分かったし、流せなかったです。残れたのは白戸(淳太郎)さんの牽制のおかげでしょう。」


<7R>
井上昌己選手
井上昌己選手

 大井浩平が松岡篤哉の隙を突いて先行。松岡は再度捲るも不発に終わり、その間隙を縫うように井上昌己(写真)が捲りで決めた。
「中が開いていたからそこをいったんですけどね。5番(松岡篤哉)が浮いていたから、もう戻ってこないだろうなと思っていたけど、半信半疑でした。やたら怖かったですけどね。セッティングが良くなかったので、元に戻したのも良かったですね」

 大井の3番手から朝内正幸が2着、初日同様に50歳のベテランが魅せる。
「良く伸びましたね。大井(浩平)君はA級から上がったばかりだけど、レースを見ていて気後れしていなかったし、大井君の3番手と決めたのが良かったです。僕もA級から上がったばかりですけどね(苦笑)。道中は余裕もありました。でもさっきビデオ見たけど、井上(昌己)君が強かったですね。状態も良いと思うので、明日も頑張ります」

 橋本強(5着)は仕掛けを逸して「5番(松岡)がすかさず仕掛けていったのが…。捲ろうと思って、溜めていたのできつかったです」


<8R>
村本大輔選手
村本大輔選手

 栗田雅也が豪快にカマして主導権を握っていき、マークの村本大輔(写真)が好展開をモノにした。
「前受けから、遅かったら突っ張りも考えてという作戦。スタートを取らないといけないから、まずはそこに集中していました。風が急に吹いてきた感じだから、抑えではきついですしね。付いていて余裕は無かったです。イナショウ(稲川翔)が入ったのは見えていましたが、イナショウも強かったですね。腰が悪いながら、いろいろセッティングとかも考えて一走一走を走っています。(1着は)ラインのおかげですよ。前のレースで朝内(正幸)さんが良いレースをしていたので、気合いは入っていました」

 3番手奪取から稲川翔が2着に伸びる。
「栗田(雅也)さんは根負けして引くと思ったんですけどね。ホームはあれ以上踏めなかったし、村本さんにも締められていました。もう一回行こうとしたけどダメでした。最後も一杯でした」

 叩いた栗田雅也だが3着で特選回りに。
「弱いだけです。セッティングは山崎(芳仁)君に背中をポンと押してもらった感じで、いろいろ変えていったんですよ。修正するところもあるけど、これでセッティングに関しては一つの道筋は出来たと思います。これを煮詰めていきたいですね」


<9R>
市田佳寿浩選手
市田佳寿浩選手
浅井康太選手
浅井康太選手
西岡正一選手
西岡正一選手

 準決勝戦。木暮安由が主導権を握る展開となるも、浅井康太が冷静な立ち回りで捲り一閃。ゴール前で市田佳寿浩(写真)が差し切って1着。
「やっぱり何をやっても勝ちを意識して走ることは教わってきたことだから。昨日も踏み応えは突き抜ける感覚だったんですよ。伸び切らなくて悔しかったけど、手応えはあって悲観する必要はないなと。内に詰まったけど、浅井(康太)君はああいうタイミングは得意だと思いますよ。良く付いていけました。今日も道中は余裕があったので、木暮(安由)が単走していて、ヨコもあるのかなと思ったから経験上、乗り越えるまではと思っていました。明日もしっかり頑張ります」

 混戦を制して捲った浅井康太(写真)が2着。
「最終的にはダッシュ勝負になりましたね。早坂(秀悟)君も焦っていくのかと思っていました。平面ダッシュみたいになって、早坂君か大槻(寛徳)さんのどちらかが浮いていたので、そこでいけると思いました。あとは木暮(安由)がどうするかの勝負になりましたね。ラインで決まったのが良かったです。明日も頑張るだけです」

 浅井-市田の3番手を追走した西岡正一(写真)が3着で地元記念の優出を決める。
「緊張しましたね。ホームで離れたけど、ギアはかかっているし、そこからは落ち着いていけました。コーナーでも見えていたし、思い切り切り込んでいきましたよ。冷静でした。決勝でも壁を越えられるように、気持でいきたいですね。良かったです」

 主導権を握った木暮安由は惜しくも4着で優出を逃す。
「もうちょっとだったんですけどね。あと1人合せていれば、3着には入れたんですけど。切りに行ったら浅井(康太)が来ると思っていたんですけど、浅井のプレッシャーのかけ方がうまかったです。予想外でした」

 主導権を握れなかった早坂秀悟は9着大敗を喫するが、前を向く。
「勉強になりましたね。先行すらさせてもらえませんでした。とにかく凄かったから、負けても今日は清々しいくらい。練習の課題もみつかりましたしね。今日の分も、明日、力を出し切りたいですね」


<10R>
五十嵐力選手
五十嵐力選手
東口善朋選手
東口善朋選手
有賀高士選手
有賀高士選手

 ここも脇本雄太が赤板から主導権を握っていく。4番手になった五十嵐力(写真)が直線で鋭く伸びて好調ぶりをうかがわせる勝利。
「(脇本が)前受けだったから、突っ張られるのだけが嫌でしたね。それで1回上がったんですけど、抑えに来たのが山崎(芳仁)かと思ったら、ワッキー(脇本)でした。それで4番手に入って、そこが大きかったですね。展開が向きました。昨日はもったいないことをしたし、(1着で)良かったです。感触も良いと思います」
  脇本マークの東口善朋(写真)は2着で地元記念の決勝進出は決めるものの、脇本との連係が決まらなかったことで笑顔はない。
「(脇本と)決めたかった…。でも捲ってきたし、自分も必死で。飲み込まれてしまったら、頑張ってくれているのに意味が無くなってしまうと思って。昨日もあれだけいってくれたから、何としてもの気持があったんですけど…。今日は準決勝、決勝を踏まえてギアをかけていました。余裕は無かったです。(脇本が)あれだけいってくれたのに申し訳ないです。その分まで明日は頑張りたいと思います。一昨年は決勝に乗ってホッとした部分もあったけど、今年は責任感もありますし、頑張ります」

 近畿勢を追った有賀高士(写真)は抜群の伸び脚で3着に入線した。
「自分は最後のコースを探すだけでしたよ。伸びているし、言うことなしです。ただワッキー(脇本)の先行ペースが絶妙でした。広島記念の時に初めて連係したんですけど、今日はすごすぎでした。名だたる自力型が後ろにいるのに、来なかったのはすごいことですよ」

 主導権を握った脇本雄太は4着。
「五十嵐(力)さんにやられましたね。いつも予想外のことをしてくる。でも、こういう時もあります。2周だったし、きつかったです」

 後方で捲り不発に終わった山崎芳仁(9着)は「もうちょっとだと思ったけど、五十嵐(力)に一瞬で合わされてしまいましたね。すごいキレで、ちょっとコーナーで止まってしまって。最後は伏見(俊昭)さんのコースもと思ったけど、合志(正臣)さんが先に入っていたんですね。もう少し詰めていた方が良かったかも」

 道中6番手になった服部克久は仕掛けを逸して7着。
「脇本を意識しすぎましたね。ホームで詰まったときに、いけるところまで行けば良かったです。出来れば、五十嵐(力)さんの位置も欲しかったです。昨日に比べても今日は楽だったので、イチかバチかでも自分のタイミングでいくべきでしたね」


<11R>
山田裕仁選手
山田裕仁選手
佐々木則幸選手
佐々木則幸選手
武田豊樹選手
武田豊樹選手

 最終レースも激戦となった。佐藤和也のカマシで武田豊樹が番手に入るが、すぐさま発進。そこを自力に転じた佐々木則幸が捲り、追走した単騎の山田裕仁(写真)が1着入線を果たした。
「単騎で勝てるように前々にいこうと思っていましたが、ノリ(佐々木則幸)の後ろがあいていたから、流れの中でノリの後ろを見ていきました。それで付いていっての一発。その流れにならなかったら、前々と思っていました。脚を使わないようにしないと、とても太刀打ちできないからね。でも良い勝負は出来ると思っていました。セッティングを戻したのも良かったし、(戻すキッカケになった)2日目に武田(豊樹)と当たったのも大きかったかも。決勝は浅井(康太)の番手ですね。やっと一緒なので、頑張ります」

 捲った佐々木則幸(写真)だったが、園田匠に前を任せていただけに、反省の言葉しか出ない。
「最悪ですね…。行っていいのかどうか迷いました。でも山田(裕仁)さんが後ろにいて、反応してしまいました。1番車なのに、何も出来なかったです。せめて中団が取れれば、園田(匠)君も脚を使わずに出来たでしょうし。前がどうなっているかも分からず、申し訳なかったです。感じは悪くないけど、情けないですよ」

 人気となった武田豊樹(写真)は3着入線。最終日の巻き返しを狙う。
「ちょっとバンクが重たいですね。僕の読みや考えは1番(佐々木則幸)が単独で捲ってくると思っていましたよ。見なくても後ろの状況は分かっていました。でも周回は意外でしたね。出来れば1着で決めたかったけど、佐々木(則幸)君が強かったと思いますよ。明日、しっかりと頑張ります。戦えないことはないし、先行捲りで頑張るしかないです」
 佐々木の前で自在戦となった園田匠だが、周回から位置が決まらず苦しいレースとなった。
「久しぶりにきつかったです。ちょうどタイミングもあって、バランスも崩してしまいました。周回でずっと浮いた状態になってしまったし、休めずにきつかったです。もっと探して回りたかったし、スローになってしまって、飛びつけなくなってしまいました。ノリ(佐々木則幸)さんが(決勝)乗ってくれたのは良かったですが…」

 前受けからカマす展開になった佐藤和也だが、9着に終わる。
「作戦は前を取って、1番(佐々木則幸)が中団を取って、武田(豊樹)さんを後ろから動かす作戦でした。そうしたら突っ張ろうと思ったんですけどね。そうしたら中団が違うし…。でも脚が違いましたね。出切れたことは収穫でしたけど」

↑ページTOPへ