『和歌山競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:1月10日
 今年の記念競輪第2弾は開設64周年を迎えた和歌山グランプリ。昨年のグランプリ覇者金子貴志がチャンピオンユニフォームを身にまとって今年の初戦を迎える。SSメンバーは他にも村上義弘、新田祐大が参戦。地元勢は東口善朋、稲毛健太らベストメンバーをそろえて強豪を迎え撃つ。
 本場ではイベントも盛りだくさん。初日は地元ゆるキャラのお出迎え&クイズ大会をはじめ、浪花の猿まわし「大阪猿芸座らん太と花子」や「チームパエリア」地元キッズダンスショーなどが予定されています。明日からはじまる和歌山記念をぜひ本場でお楽しみください。
<1R>
小原唯志選手
小原唯志選手
 1R、1番車は小原唯志(写真)だ。今期からS級初昇級し、初戦の熊本F1では148着。「いきなりトップと(対戦)できたけど、ヘボいレースをして反省してる」としながらも、気持ちを切り替え今度は初の記念開催を迎える。
 「明日は1月11日で1R、1番車。あとは僕の結果次第で1が6つ並びますね。師匠(武田豊樹)がS級でのアドバイスをくれたけど、レベルの高い話だから完全に理解するのは難しい。頭で分かっていても、体が動かないです。まずは明日も主導権を取ってどこまで粘れるかですね」
 五十嵐力は昨年の和歌山記念でも決勝に進出。今回は1Rからどこまで勝ち上がれるか。
 「小原君は強いですよね。見てて全然違うなと思います。僕は股のしこりをとる手術とかもあったし、徐々に調子を上げてる最中です。去年は決勝に乗って成績もよかったけど、今年はどうかな」

<2R>
 上田隼は補充参戦した去年の和歌山記念でS級初勝利。「調子はよくない」と近況を口にするが、相性のいい和歌山なら結果が期待できそうだ。
 「あの後4月に来たときも241着だった。和歌山は相性がいいですね。12月熊本でフレームを換えて、次の小倉からギアを4.15にした。いいかなと思ったけど、前回の静岡が全然踏めなかったんでね。とりあえず初日は4.08に下げてみます」
 有坂直樹は年末に1カ月欠場があったが、復帰戦の1月高松で273着とまずまずの成績を残した。
 「前期は何とかS1の点数が取れたんで。でも12月に肉離れしたのが痛かった。1本走ったけど、2日目は離れたりダッシュがまだまだだね」

<3R>
 土屋裕二は2場所連続で落車。調子は悪くないだけに、ここで悪い流れを変えたい。
 「前回から1週間あったから、まずは落車したバランスを戻した感じ。気持ちは切れてないですよ。去年の夏くらいに練習量を増やしてから成績がよくなってきた。来期は1年半ぶりくらいに1班に上がれそうだし、間違ってなかったと思う。特選まではもう一段階必要だけど、そこを考えて今年は走りたい」
 保科千春はこれがS級2戦目。前回の立川記念では2着1回に終わってしまった。
 「前回は上手くいかないっていうのは、こういうことかって感じでした。初のS級は厳しかったですね。前回から間がなくて疲れはあるけど、先行で頑張りたい」

<4R>
愛敬博之選手
愛敬博之選手
 ここ5場所で優勝1回を含め、4回の優出と乗れている愛敬博之(写真)。ここは圧倒的な人気を集めそうだ。
 「特に何かを変えたわけじゃないけど、最近の成績は流れがいいのと去年の10月くらいからギアを4.25に上げたのが要因ですかね。結果が出て自信がついたというより、周りから警戒されてやりづらくなった。でも、落ち着いて力を出し切る競走ができてれば大丈夫だと思う」
 戸伏康夫は1年半ぶりのS級復帰となる。
 「僕がA級に落ちてる間に、S級は変わってしまってると思う。前の感じだとダメだと思うし、そこをどう対処するか。状態は一番悪かった頃に比べたらいいと思います」

<5R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
 調子を戻している石丸寛之(写真)だが、完全復活は記念で活躍してこそ。1班に復帰した今年はまずそこが目標になる。
 「記念で結果を残してはじめて復活といえる。今は早く記念の決勝に乗りたい、それだけですね。1班でも特選から回れてない訳だし。練習は普通にやってきたし、状態は変わらずいいと思う」
 高橋大作は1カ月以上欠場が続いたが、復帰戦の京王閣で217着。今年の好スタートを切った。
 「直前の練習の感じは自分のなかでかなりいい状態だった。ただ久々のレースだし地元の緊張感もあって練習の感じではなかった。もう少しやれたかなと思うし甘くなかったですね。緊張感がない分、今回はもう少しいいかな。初日は弟子と初連係だし、是が非でも頑張らないと。感覚的なものが戻れば、もう少し走れるかなと思います」

<6R>
 三ツ石康洋は年頭の熊本で313着。優勝した川村晃司が強かっただけで、動きはよかった。
 「前回は頑張ってましたね(笑)。調子は普通だし、久々の500バンクで走りづらかったくらいなのに。初日は黒川(茂高)君に松本(一成)さんもいる。松本さんには年末の久留米で2回やられてるし、頑張らないとですね」
 地元勢のトップバッターは椎木尾拓哉だ。しかも、黒川の番手回り。このチャンスは生かしたい。
 「地元戦は自然と気合が入るし、気持ちで負けないように。練習はバッチリ。去年の最終戦からいいと思うし、今年の一発目で頑張りたいですね」

<7R>
 このレースの中心は天田裕輝。年末のグランプリシリーズではギックリ腰の影響があったようだが、「今回は大丈夫」と胸を張る。
 「練習は正月明けくらいから始めました。来期からは1班だし、夏までにはさらに上にいけるように。そうなったらギアも自然と上がると思う。今年は記念を獲れるくらい、G1でも強い相手としっかり戦えるようになりたい。今回もだけど、まずは一戦一戦自分のレースをすることですね」
 柳詰正宏はグランプリシリーズでイン粘りを多用するなど存在感をアピールした。
 「引けないときは引けないんで、今回も考えてますよ。年明けは2日から街道中心に練習をはじめました。調子も徐々によくなってると思います。あとは結果が出るかどうかが楽しみ。今回も数少ないファンのために頑張ります(笑)」

<8R>
布居寛幸選手
布居寛幸選手
 予選のメーンを任されたのは布居寛幸(写真)だ。8月川崎の落車から復帰して3カ月だが、しっかりと地元記念に間に合わせてきた。
 「追加も断って、ここに向けてしっかり練習してきました。仕上げたつもりです。調子はバッチリ。古性がちょっと前に和歌山に練習に来たんで、一緒にやって走り方も分かってる。僕もいいけど、アイツも仕上がってますよ」
 古性優作は昨年のヤンググランプリで6着。今年はさらなる成長が期待される。
 「去年は逃げて2着が多いんで、今年は1着を増やして1班の点数を目指したい。直前に和歌山に入って練習しました。いい感じで仕上がってると思います」

<9R>
新田祐大選手
新田祐大選手
 新田祐大(写真)はS級S班に戻って迎える初の記念。グランプリでは見せ場なくシンガリ負けしただけに、年を新たに仕切り直しだ。
 「今年は勝ちにこだわりつつ、組み立てにもこだわっていきたい。誰が見ても納得するレースがしたい。去年は成績がよかったけど、賞金でトップじゃなかった。トップになるためにはどうすればいいかを考えて、そこを意識したいいレースがしたいですね」
 稲垣裕之にとっても近畿地区の記念は落とせないところ。年頭の岸和田で失敗した分もここで取り返したい。
 「岸和田ではお客さんの期待を裏切る結果になったし、ものすごく反省してます。自分の経験の甘さが出た。去年の後半はダービーの特選賞金を意識して追加を受けたり、疲れがなかったといえば嘘になる。もうレースの疲れは取れたし、今回は岸和田の分も巻き返したいって気持ちです。近畿地区の記念はどこでも地元の意識だし、今回も近畿勢で盛り上げていきたいですね」
 牛山貴広も稲垣同様に昨年後半は走りっぱなしだった。
 「去年は108走してますからね。後半はダービーの特選もかかってたし、レースで精神的な疲れがあった。年末の立川ではそれもあって瞬時の判断が甘かったですね。年明けは2日から練習。練習の感じはあまりよくなかったけど、走るからには頑張ります」

<10R>
金子貴志選手
金子貴志選手
 チャンピオンユニフォームを身にまとって金子貴志(写真)が今年の初陣を飾る。昨年はG1タイトル2つにグランプリを制覇と後半戦、破竹の快進撃。今年初戦でも好スタートを切りたい。
 「練習は3日ぐらいから始めました。去年後半からウエイト中心にやってるんだけど、今年もそれをしっかりやって、どうなるか結果を確かめたい。あとは一戦一戦頑張りたいですね。(チャンピオンユニフォームは)いい意味でプラスになってると思う。調子も大丈夫。和歌山は久しぶりだけど、A級でもS級でも初優勝しているバンクです」
 地元の東口善朋は初日から金子の番手回りと知ると表情を引き締める。
 「年末の和歌山F1を走る前から練習してるし、今年も正月から練習はやってる。いい流れのまま、体調も気持ちもいいと思う。金子さんの番手は緊張するけど、地元なんで一生懸命走ります。初日から全力で走りたいと思う」
 7月の追走義務違反によるあっせん停止から12月に復帰した飯嶋則之。復帰後3場所は着外1回と抜群の安定感を見せている。
 「前回は体調を崩して休んだけど、もう体は大丈夫です。復帰して緊張したけど、体は意外に(レースの感覚を)覚えてましたね」

<11R>
村上義弘選手
村上義弘選手
 初日のメーンは稲毛健太率いる中近ラインが中心だ。ラインの軸となる村上義弘(写真)も他のS級S班の2選手同様にここが今年の初戦。取り囲んだ多くの記者に晴れやかな表情で応じる。
 「今年も毎年恒例の初日の出練習をした。去年の後半戦はよくなかったから、グランプリ前もそうだけど基礎的な練習を増やして、できるだけ自転車にまたがった。去年の(グランプリ覇者の)1番車を今年は着れなくなったけど、また新たな気持ちで今年もしっかりやっていきたい。グランプリが終われば、また次のグランプリ目指して頑張るだけ。今年は岸和田なんで、近畿の選手はまた違う気持ちだろうし、その最前線に自分がいたい」
 稲毛健太は今期から初の1班。特選からのスタートになった利点をさっそく地元記念で生かしたい。
 「特選はやっとですね。年頭の熊本があったけど体調がよくなかったので休みました。体はもう大丈夫。練習もマッサージもしてきたんで、前回の地元戦より感じもマシかな。村上さんとは2回目。最近の調子なら行けるかなと思うし、出し切る競走をするだけです」
 立川記念から中2日での参戦となる池田勇人は「疲れてるけど、走るからにはね。疲れても勝てるときは勝てるし、疲れてなくても勝てないときはある。特選はどこでも厳しいと思うし、(稲毛と)2分戦じゃないんでね」。強力な中近ラインを相手にどう立ち回るか注目だ。
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