『和歌山競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:1月10日
 和歌山競輪開設66周年記念「和歌山グランプリ」は2日目。今日は優秀の「熊野古道賞」をメーンに二次予選6個レースで準決勝進出が争われた。「熊野古道賞」は逃げる稲垣裕之に続いた地元の西岡正一が快勝。山崎芳仁の脱落はあったが、村上義弘に地元からは東口善朋、稲毛健太が準決勝への勝ち上がりを決めた。
 3日目はスピーチーズのライブショーやタカシェンカのジャグリングショーを開催。山口幸二さんのトークライブ&予想会や岡本新吾さん&茂村華奈さんの競輪おしゃべりブースも引き続き予定されています。明日もぜひ和歌山競輪場へご来場ください。
<6R>
井上昌己選手
井上昌己選手
 大久保直也、松川高大の順で前に出ると、その上を吉澤純平が叩き最終ホーム前に主導権を握る。6番手の大久保が2コーナーから反撃するも、2車進むのがやっと。松川も2センターから仕掛けるが、吉澤が踏み直して押し切った。
 「出るのに結構踏まされたけど、出切ってからは自分のペースで駆けられました。きつかったです。風も強いんで、まくりもきついかなと思って。思い切りいったのが良かったと思います。最低でも準決に乗ろうと考えていたので、ノルマはクリアできました。準決はもっと強い選手が相手なので、力を出し切れるように」
 松川に付けた井上昌己(写真)が、直線で鋭く伸びて2着に入った。
 「松川君が前々に攻めてくれたおかげ。最後も、松川君が仕掛けてから踏もうと。(腰を痛めたが)乗っている方がまだ楽ですね」
 番手の浦川尊明は井上に交わされるも、何とか3着を確保した。
 「(鈴木)竜士も売り出し中だけど、純平もすごい。バックから誰も来れないと思っていた。(自分は)追いかけながらだったんで、きつかったね。修正しないと」

<7R>
島野浩司選手
島野浩司選手
 永井清史が落ち着いたレース運び。赤板から前に出ると、打鐘過ぎに内から山中秀将に来られた飯野祐太が内を締めっきりになると最終ホームまで中バンクに上がって、そこから一気に主導権。これで番手絶好になった島野浩司(写真)が永井を鋭くとらえた。
 「永井が落ち着いて駆けてくれた。ラスト1周強ダッシュで、すごいかかりでしたよ。いい展開になりましたね。後ろ攻めじゃないほうがいいなと思ってたけど、逆によかった。最後も抜けたし、(状態は)いいですね」
 中部ラインの動きに続いた三宅伸が外を伸びて2着に突っ込んだ。
 「昨日とは全然、馬場が違った。軽かったですね。バックで間を空けてニュートラルに入れられるなんて、ここ10年来ないからね。余裕があるだけ最近は違いますね」
 永井清史も「後ろの状況は見えてました」と落ち着いた仕掛けでレースを作った。
 「内だけすくわれないように。飯野が来てもたぶん合わせられると思ってた。明日も頑張ります」

<8R>
郡司浩平選手
郡司浩平選手
 細切れ戦らしく隊列が激しく入れ替わり、打鐘で前に出た坂本周輝がそのままペースで駆ける。一本棒で最終ホームを通過すると、6番手の郡司浩平(写真)が2コーナーからスパート。抜群のスピードで前団に迫ると、菊地圭尚のブロックも乗り越え、まくり切った。
 「前に森川(大輔)さんがいたので、タイミングを見てと思って。いつもよりワンテンポ仕掛けが遅くなってしまいました。菊地さんのブロックもまともにもらわなくて良かったです。反応が良いですね。あとは顔見せでも重かったので、先行したときにどれくらいもつか」
 森川大輔は郡司を追う形で仕掛け、2着に入った。
 「最終ホームで詰まったりして態勢が整わなかったですね。郡司君の仕掛けに反応しなきゃと思ったけど、追っかける形に。先にまくれれば良かったけど、その余裕はなかったです。でも、勝ち上がれたし、今日の方が伸びているので良くなったと思う」
 最終バック8番手の津村洸次郎だったが、外コースを強襲して3着。ギリギリで勝ち上がりを決めた。
 「自分的にはカマさないと思ったけど、無理矢理いっても自分たちはないなと。郡司さんがいったところを行こうと思って。煽りもあって(きつかった)。でも、伸びたし、何とか3着に届いて良かった」

<9R>
石丸寛之選手
石丸寛之選手
 青板バックからレースは動き始め、新山響平が鈴木裕を強引に叩くと、鈴木裕は新山の番手で粘る。最終ホームで鈴木裕をキメた山崎芳仁が番手を死守したが、石丸寛之のまくりには対応できず。そのまままくり切った石丸寛之(写真)が青板周回から始まった消耗戦を制した。
 「今日は鈴木裕のヤル気をどれだけ出さすかだったけどね。あんなに早くから始まるとは思わなかった。(ホームで)鈴木裕が下がって来たので、もう誰も出てくるやつはいないと思ってスレスレを行った。あとはセンターでニュートラルに入れて最後の脚を残してました。奇跡や(笑)」
 鈴木誠後位から外を回した成田健児が2着に強襲した。
 「鈴木(裕)君は出られたら粘るって言ってたし、スイッチが入ってましたね。最後は必死なだけでした。どこを踏んだかも覚えてないくらい。まあ僕が一番サラ脚と言えばサラ脚でしたからね」
 3着で準決勝進出を決めた佐々木則幸も破顔一笑。レース後は「これはデカイ」を連呼した。
 「離れたらいかんと思って、マルさん(石丸)のケツしか見てなかった。8番手だったから、長いし遠かったですね。まくり切ったと思ったらまだ内に山崎がおるん?と思った。勝ち上がれてよかったです」

<10R>
東口善朋選手
東口善朋選手
 中団の中野彰人が橋本智昭に合わせて上昇するも、前受けの岸澤賢太が出させない。中野は一旦元の位置に戻るが、後方から踏み込んだ橋本智昭に合わせ再度アタック。しかし、岸澤がこれを突っ張り不発に終わる。目標が力尽きた東口善朋は5番手に降りると、最終2コーナーから自力に転じる。だが、単騎の柴崎淳が東口を目掛けてスパート。大外を一気にまくって白星をさらった。
 「作戦は特に決めていなかったです。みんな8番(橋本智昭)の後ろで粘ると思っていて、その時にどうしようかなと。(最終ホームで)竹内(智彦)さんが降りてきて、変に併走してもと思って(入れました)。東口さんもモコモコしていたし、付いていかず目掛けていこうと。冷静にいけたと思います」
 地元の東口善朋(写真)は柴崎に屈するも、2着で準決勝に進出した。
 「後輩の頑張りに尽きる。中野の気持ちが伝わって届いたと思います。ホームでは無我夢中で、とにかく3着までには入ろうと思って走らせてもらった。現状の力を出して、やれることをやろうと。負けれないレースだったし、展開も展開だったんで、必死でした」
 番手の柴田洋輔が直線で岸澤を交わして3着に入る。
 「(作戦は)中野に先に斬られたらないと思ったので、中野だけは出させないようにと。でも、まさか全部突っ張るとは思わなかったです。ドキドキしました。今日は重かったので、修正できれば」

<11R>
新井秀明選手
新井秀明選手
 菅原裕太が中団の稲毛健太にフタをすると、前受けの中本匠栄は赤板ホームから誘導との車間を空けはじめる。7番手に下げた稲毛は打鐘で前に出た菅原をすかさず叩いて主導権を奪う。近畿ラインの動きに続いた中本がバックからまくり上げるが不発。この後ろから新井秀明(写真)が直線一気に突き抜けた。
 「匠栄のおかげ。いつも頑張ってくれるんで頼もしいですね。出ないかなと思ったし、アタマまで届くとは思わなかった。久々の1着ですね。直近4カ月の勝率がゼロだったんでようやくですよ」
 菅原を力でねじ伏せた稲毛健太は末よく2着に粘った。
 「6番(菅原)のヤル気に付き合わなしゃーないと思ってました。村上さんが後ろでまくりに構える気はなかったし、行ってどこまで行けるか。まくりで勝っても準決勝で勝たんと。(勝負は)明日ですね」
 稲毛マークの村上義弘は3着。初日に落車したダメージもあるのか、直線で伸びを欠いた。
 「健太は平安賞のときも頑張ってくれたし、今回はアイツの地元でしっかり頑張ろうと。抜けなかったのは脚、状態ですね。アイツも苦しそうだったけど、息を吹き返した感じでした」

<12R>
近藤龍徳選手
近藤龍徳選手
 優秀「熊野古道賞」は中近ラインで確定板を独占した。レースは後ろ攻めの神山拓弥が動いた上を、打鐘で稲垣裕之が叩いて主導権を握る。2センターから巻き返してきた田中晴基を合わせ切ると、そのまま別線をシャットアウト。最後は番手の西岡正一が好展開をモノにした。
 「稲垣がだいぶ早くいって、粘らせずに駆けてくれました。すごかったですね。お客さんの声援も嬉しかったです。フレームを替えて、今日はセッティングを修正したら感じが良くなった。差せているし、準決もこのセッティングで」
 稲垣裕之は打鐘から1周半踏んで2着。力強い走りでファンを沸かせた。
 「混戦を作ろうとする選手ばかりなので、できるだけ一本棒を作ろうと。田中君のスピードも良くて、合わせるので精一杯。風は気にならなかったけど、思ったより重たかったですね。でも、気持ちも入っているし、疲れもないです」
 近藤龍徳(写真)は直線で全力勝負も3着。
 「付いていて余裕はありました。強かったですね。最後は外を踏んでしまうと、後ろからこられてしまうので、締めながら。それで抜ければ良いですけど、前の2人も脚がありますし。でも、シューズを替えてから調子が良いですね。体も軽いです」
 田中ラインに続いた松浦悠士は2コーナーから仕掛けるも、4着までが精一杯。
 「今日は何もできなくて悔しいですね。内容は0点だと思っています。後手を踏んだらまくれないので、稲垣さんが逃げた時点で番手か、3番手にいないと。勉強になったし、決勝に上がって、もう一度戦いたい」
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