『第3回大阪・関西万博協賛競輪in岸和田(GIII)レポート』 3日目編

配信日:8月6日

 岸和田、函館をリレーして行われているGIII開催も8月6日が大会3日目。準決3個レースを勝ち抜いたファイナリスト9名がいよいよ出そろった。昼間開催の岸和田「第3回大阪・関西万博協賛競輪」では、近畿勢が底力を見せ、南修二、土生敦弘の地元コンビをはじめ4名が決勝に進出。他地区からも初日特選組の松岡辰泰、岡本総、山口泰生らが勝ち上がってきて熾烈なV争いを繰り広げる。
 なお、落車、失格のアクシデントが多発した影響で、最終日は10レース制の開催となります。決勝が行われる最終レースの発走予定時刻は15時36分で変わりませんが、9レースまでの発走予定時刻には変更がございますのでご注意ください。
 7日最終日の岸和田競輪場では、JP、ハリウリサさんによるものまね爆笑ステージや選手OBの井上薫さん、岡本新吾さんらによるガチンコ予想会等をご用意してお客様のご来場をお待ちしております。なお、「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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山本伸一選手
山本伸一選手

岡本総選手
岡本総選手
 川口聖二が赤板で近畿勢を切る。中部勢に続こうとした藤原俊太郎だが、1コーナーで稲毛健太に金網付近まで大きくけん制されて前に出られない。中釜章成は中団から打鍾目掛けて一気にスパートし、川口を叩く。ハイペースで飛ばした中釜が主導権を奪い、稲毛は最終2コーナーから番手まくり。そのまま稲毛が押し切って1位入線も、赤板1コーナーで斜行し、藤原の走路を著しく狭めたとして失格。稲毛に続いた山本伸一(写真)が1着に繰り上がった。
 「(周回中は)前からになったけど、中釜君が力勝負したいって気持ちが伝わってきたし、全て任せていました。最近は自分のウィークポイントを埋めていこうと思っていて、そこを埋められればもっと上位で戦えると思っている。すぐには成果は出ないけど、長い目で見てやっていきたい」
 中釜に叩かれた川口は、近畿勢3番手に飛び付いて内に詰まってしまう。岡本総(写真)は最終3コーナーで自ら踏み上げて優出を決めた。
 「他のラインは自力屋が並んでいたし、後ろ攻めは突っ張られるかと思ったけど切れた。すぐに中釜君が飛んできたけど、(川口)聖二が頑張ってくれてあの位置が取れた結果ですね。今日(3日目)に限ってはハイペースで、余裕もなくて。8番(藤原)が外に見えたので、行かれたら着がないと思って踏み上げた。(山本)伸一さんを目掛けて踏んで、離れないでよかった」
 中部勢3番手で岡本を追った伊藤健詞が3着に繰り上がって、12年11月取手以来のGIII決勝進出を決めた。
 「枠が悪いので後ろ攻めになるとは思ってたけど、僕は付いていくだけなので。初日に続いて繰り上がりで変な感じ。長いことGIIIの決勝には乗っていないし、何年振りかも覚えていない。流れに乗っていけるだけの脚があれば、なんとかなるとは思っている。毎日微調整して、今日(3日目)が最良の状態です」

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高久保雄介選手
高久保雄介選手

簗田一輝選手
簗田一輝選手
 簗田一輝が切り、南関勢を追った福永大智は松岡辰泰にプレッシャーをかけてから打鍾で押えて先頭に立つ。福永は徐々にペースを上げて、隊列は一本棒で最終周回に入る。松岡は2コーナーから反撃を開始。前に迫っていくが、これを3コーナーで高久保雄介(写真)がけん制。高久保は返す刀で前に踏み込み、直線で抜け出した。
 「福永が思った以上に長い距離を踏んでくれた。福永のおかげ。僕の横に動く技術が下手。(南)修二さんならバチっと止めて福永を残せていたかもと思ったけど、(松岡が)また下りで来て、のまれたらヤバいから踏ませてもらった。悪いなりに凌げています。今日(3日目)は番手だったけど、昨日(2日目)よりマシかも。冷静にレースも見えていたし、踏めた。流れはいいので、(決勝は)それに乗っていいレースができれば」
 中団を確保した簗田一輝(写真)は、2センターから中のコースを追い込んで2着に入った。
 「予想していた展開の一つでした。東で木村(弘)さんがいたけど、自分でと言ったからには(最終)2コーナーでいきたかったのが本音。自分の持ち味とかいいところは出せたと思う。今回はギアやセッティングを変えながらやっているけど、少しずつ良くなっているので、最終日も全力を出し切りたい」
 高久保のけん制で3コーナーで外に膨らんだ松岡辰泰だが、懸命に外を踏み続け、4コーナーからもう一伸びして3着に食い込んだ。
 「近畿が後ろなら前を取って、カマシかまくりで勝負しようと思っていた。ジャン(過ぎ)1コーナーで行くとモガき合いになるから2コーナーから行って、行けると思ったけど、高久保さんのけん制にムダに反応してびびってしまった感じになりましたね。最後は意地で踏んだ。バックのスピードは乗り越えられると思ったし脚の調子はいい。(決勝は)ラッキーボーイだけじゃないところを見せたい」

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南修二選手
南修二選手

土生敦弘選手
土生敦弘選手
 才迫開が切ってペースを上げる。吉田茂生が打鍾で才迫を押さえて流すと、才迫は車を下げ切れず番手でイン粘りに出る。隊列が短くなった隙を逃さず、土生敦弘は打鍾過ぎ2センターから巻き返す。合わせて踏み上げた吉田を、土生は最終1コーナーでまくり切る。余裕を持って追走した南修二(写真)は、別線を外に張りながら直線で追い込んで3連勝を決めた。
 「(3連勝は)よかったと思います。(スタートは)ポンっと出てみてって感じでした。(打鍾で土生が)すかさず行ってくれて、強かったと思う。まくってきた選手がいれば対処しようと思ってました。ワンツーが決まってよかったです。(調子は)めちゃくちゃいいってわけじゃないけど、戦える状態。(決勝に向けて)体調を整えるだけです」
 ロングまくりで敵をねじ伏せた土生敦弘(写真)が2着で、初のGIII決勝進出。
 「多分スタートは誰も出ないし、ある程度は前からと考えていました。このメンバーで2周突っ張り先行はさすがに無理。とりあえず引いて、(レースが)動いてから考えようと。(吉田の)出ていくスピードがよかったけど、一旦流したのでそこで行った。まくり切るのに大分脚を使った。才迫さんがまくってくるかと思ったけど、南さんが付いているだけで他が躊躇してくれる。それが大きかったし、南さんに残してもらえた。この脚の状態で決勝に乗れるとは思わなかったのでよかった」
 土生の踏み出しに近畿勢3番手の鷲田幸司が離れる。吉田が土生にまくられると、山口泰生は地元勢にスイッチして3着に入った。
 「(吉田は)ジャンで切って、緩めて、(才迫)開も引けなかったんだと思う。競って脚を使っていたし、バックで吉田君を迎え入れられなかった。連日個人上がりのタイムは出ているし感じはいい。配分が空いて練習できたし、軽い感じはあります」