『岸和田競輪場開設58周年記念(GIII)レポート』 初日編
 
配信日:5月24日


 いよいよ今日から岸和田競輪開設58周年記念「岸和田キング争覇戦」が開幕した。今日の岸和田市は午前中から気温がグングン上昇。その熱気につられるように、1レースから激しい勝ち上がり戦を展開し、場内はヒートアップした。注目の特選は、9レースを岡部芳幸、10、11レースを井上昌己、村上義弘がそれぞれ制し、明日11レースの「千亀利賞」に進出。そして二次予選A、Bで準決勝進出を争う。
 明日も先着3000名様にプレミアム選手カードプレゼントに始まり、選手会グッズ販売やにぎわい屋台村などイベントが盛りだくさん。元プロ野球選手の有田修三氏のトークショーには、競艇選手の魚谷智之氏がゲストとして登場します。明日も岸和田競輪場にご来場ください。


<1R>
 オープニングの1レースは田村英輝が最終ホームから先行。番手絶好となった宮本佳樹が今年の初勝利を挙げた。
 「すべて田村くんのおかげ。中団が良いって言ってたし、中部勢が後ろ攻めになったのも良かった。脚を落としたのがそのまま点数に表れてたけど、一時期よりはマシになった。前だったらあれでハコ4(着)とかしてますよ」


<2R>
田中秀治選手
田中秀治選手
   2レースは田中雅史のホームガマシに乗った田中秀治(写真)が快勝した。
 「前回、一宮FIでレース中にギックリ腰をやって、直前は練習できなかったのに、展開に助けられましたね。これで気持ちも楽になりました。今回は中近が多いし、また明日も頑張りたいですね」
 2センター六番手から飯尾主税が直線だけで2着に強襲した。
 「最初は来た方の番手に飛び付く作戦だったんだけどね。高田(大輔)くんは二車だったし、三番手に下げたところをカマされてヒヤッとしました。でもタテは出てるし、調子は悪くないと思います」


<4R>
 4レースは逃げる高田真幸―宮路智裕の三番手から江口晃正が突き抜けた。
 「(長期欠場から)まだ復帰三戦目なのでレース勘というか、追走技術が甘くて1コーナーで口が空いてしまいキツかった。今は練習でタイムが出てるので、早く自力で戦えるくらいに戻したい。今回は(井上)昌己と一緒に走れるように、上を目指して頑張ります」


<6R>
石毛克幸選手
石毛克幸選手
   6レースの選抜戦は稲川翔と浦山一栄の主導権争いを石毛克幸(写真)が1コーナーから早めのまくりで仕止めた。
 「1着を狙うなら遅めの仕掛けでも良かったけど、勝ち上がりを考えれば手堅いし、体が反応しました。あの展開で不発になったら元も子もないでしょ。風が強かったし、1コーナーの登りで仕掛けたから4コーナーからはバタバタでしたね」
 踏み出しでは離れ気味になった成田健児だったが、何とか追いつくとゴール前で差し切った。
 「たしかに石毛君の仕掛けはいつもより早かったけど、よくあそこから行くんですよね。1コーナーが登りでキツかったし、心が折れてたら止めてましたよ(笑)。追いついて差せたんだから悪くはないと思います」


<7R>
浅井康太選手
浅井康太選手
   7レースは逃げる中村美千隆の三番手に入った浅井康太(写真)が豪快なバックまくりで後続を千切った。
 「中村さんが行った上を行くつもりだったけど、中村さんも踏んでたので三番手に入りました。後ろから来られるかと思ったけど、最後も伸びてる感じがあったし調子は良いと思う。明日は格上の人と走るので、色々勉強したいですね」
 後方から巻き返した高木竜司だったが、さすがに浅井は遠すぎた。
 「ヒヤヒヤでしたね。ゴチャ付いてるのは分かったけど、どうなってるのかよく分からなかった。八日市屋(浩之)さんを乗り越えたと思ったら、まだ前に浅井君がいた。本命になってたし、何とか抜きたかったんですけどね。今日は位置取りに失敗した。宇都宮記念から中2日だし、気持ちも体も少し重いです」


<8R>
十文字貴信選手
十文字貴信選手
   8レースは逃げる荻原尚人を最終ホームから巻き返した中村一将が一気に飲み込む。荻原後位の十文字貴信(写真)は中村ライン三番手にスイッチすると、ゴール前では前二人を鋭く捕らえた。
  「本当は番手に飛び付こうと思ったけど、中澤さんに避けられた。それで無理せず三番手で脚を溜めたけど、今は腰痛も出ないので、向かい風を受けても伸びましたね。調子が良い理由はそれだけです。あまり大きなことは言えないけど、今回は頑張れそう。今日は荻原君に感謝です」
 一度は中村の踏み出しに口が空いた中澤央治は苦笑い。
 「一将が打鐘過ぎに行こうとしたけど止めたから、まくりに構えたんやろなと思ったらすぐに行った。嫌がらせですね。どっかに下りることも考えたけど、売れてたし何とか付いていきました。十文字君の一発もあったし、しんどかったですよ」
 3着に粘った中村一将も「2コーナーでエエ感じやなと思ったし、尻を下ろしてからも踏み応えがあった」と、復調に手ごたえをつかんだ様子。


<9R>
岡部芳幸選手
岡部芳幸選手
   9レースからは特選。このレースは打鐘から主導権を奪った飯野祐太を利した岡部芳幸(写真)が三宅達也に合わせて番手まくり。
 「直前にまともな練習ができてないのでホッとしました。後輩の頑張りに助けてもらいましたね。今日勝てたことで休みが良い薬になったと思えそう。番手から出てからもペースで慌てずに踏めたし脚は軽い。今日の祐太の走りがムダにならないように、明日以降も頑張りたい」
 2着に続いた島田竜二は、「番組さまさまですね。良い位置を回れました。今日は岡部さんと飯野君のおかげ。明日も大事に走りたい」と願ってもない展開に笑みがこぼれる。
  3着にはまくった三宅達也後位からインコースを伸びた内藤敦が入線。
 「達也が早めに行ってくれたので助かった。普段よく面倒をみてるかいがありました。このメンバーで3着は大きいし自信になる。展開も見えてますね」


<10R>
井上昌己選手
井上昌己選手
   10レースは乾準一を突っ張って先行した佐藤友和をバックから井上昌己(写真)が鮮やかにまくる。前検日に「デキは良い」と話した言葉をレースで証明した。
 「だから言ったでしょ、切れは戻ってるって。佐藤君が脚を使ってるのもあったけど、踏んだ感じはすごく良かった。大垣記念のデキに比べたら数段良い」
 踏み出しで口が空いた紫原政文だったが、何とか食い下がると直線では鋭く迫った。
 「外で浮いてた乾君が邪魔で、一度バックを踏んでからだったからキツかった。何とか追い付けたし、最後は差し込むまで行けたので悪くはない。明日は良いところを見せますよ。それにしても昌己は良いスピードをしてますね」
 突っ張った佐藤友和は番手の村本大輔の追い込みを許さず3着に粘る。
 「相手はブンブン丸だから僕はブンブンブン丸ですね。(突っ張りで)自分が生きるか死ぬかのレースだったけど、3着に残れたというのはポイントが高いと思う。残り3日間というより、宮杯までの10日間って感じで考えれば、良い感じで仕上がってきたかなと思います」
 突っ張られた乾準一は、「相手は(東王座の)王者だし、引くと思ってたんですけどね。奈良記念から踏めてる感じはあるけど、今日はすごい緊張しました。でも、一走して気が楽になりました」と明日以降の巻き返しを図る。
 佐藤を捕らえられなかった村本大輔は、「踏み直しは強烈だったけど、抜けないとダメですよね」


<11R>
村上義弘選手
村上義弘選手
   11レースは打鐘から叩いた松岡健介が最終ホームから全開でフカす。番手の村上義弘(写真)がバック過ぎからまくって出ると、続いた前田拓也とワンツーを決めた。
 「今日は一も二もなく松岡君の頑張りに尽きる。その気持ちが嬉しかったですね。落ち着いて自分のレースをしてくれれば良かったけど、頑張らせてくださいって言ってくれたし、全て任せてました。スピードが落ちてから出て誰かに行かれてしまうのも嫌だったので、後ろは見ずに行かせてもらった。今回は北日本が強いけど、また松岡君と一緒になれば勝てる気がします(笑)」
 2着に続いた前田拓也は、「あの展開だから2着でも上出来です。健坊が頑張ってくれた」とホッとした表情。
 最終ホームで口が空きながらも3着に食い込んだ志智俊夫だが、「(近畿勢が)駆けるのは分かってるのに口が空きすぎてしまった。後ろを連れ込めなかったし、レース内容は…」と言葉数は少ない。
 濱口高彰は惜しくも4着に敗れたが、「あの展開は分かってたし、俊夫さんは口が空きすぎたね。最後も俊夫さんが吸い込まれるように伸びたし、差せなかった」とサバサバした表情。
 一番人気に収まったレースの立役者となったのは松岡健介
 「福井記念の決勝より緊張しましたよ。あのオッズを見たら、中団狙いの競走なんてできませんからね。後ろの二人で決まって良かったし、今日は苦手な駆け方でもかかってたと思います」

   
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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