玉野競輪場を舞台に開催された開設69周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」は、3月8日に最終日が行われた。最終日も新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のため無観客で行われたが、バンクでは熱戦の連発だった。決勝は、打鐘から逃げた新山響平と最終2コーナーからまくった郡司浩平が同着優勝を果たした。また、「第115回生ルーキーチャンピオンレース(若鷲賞)」は、最終2コーナーまくりに出た高橋晋也を、直線で交わした朝倉智仁が115期の同期対決を制した。
決勝戦 レース経過
号砲で、佐藤慎太郎と東口善朋が出るが、佐藤が引いて、畑段嵐士-東口の近畿勢が前受け。以下、新山響平-佐藤、清水裕友-岩津裕介、吉田敏洋、郡司浩平-柿澤大貴で周回を重ねる。
青板3コーナーで郡司が上昇。この動きに、単騎の吉田、清水-岩津の中国コンビも乗っていく。赤板過ぎに誘導を下ろした郡司を、2コーナーで清水が切り、そこを叩いた新山が打鐘から主導権を握る。北勢を追ってきた吉田は清水に捌かれて後退し、清水が3番手を確保。5番手に郡司で、後方となった畑段は最終ホームから反撃。畑段は3番手に敢然と追い上げるも、2コーナーで清水に飛ばされる。競り勝った清水はすぐさままくりに行ったが、キレが一息で3コーナーで佐藤に止められる。このまま新山の逃げに佐藤が続いて直線に入る中、2コーナーから仕掛けた郡司が好スピードで迫る。ゴールは、新山、佐藤に、両者の中を割った岩津、そして外を踏み切って伸びた郡司で横一線。写真判定の末、郡司、新山が同着でVを分け合った。
(左)新山響平選手・(右)郡司浩平選手
打鐘から逃げた新山響平(写真左)と、最終2コーナーからまくった郡司浩平(写真右)が同着優勝を飾った。
今シリーズは同地区の先輩・佐藤慎太郎と3度、連係した新山。決勝では先輩のアドバイスを生かした走りで優勝をつかみとった。
「前に出て行くときに踏み過ぎだって言われたので、踏み過ぎないように意識して走りました」
打鐘で出切ってからは、冷静に踏み上げて別線を完封した。
「畑段(嵐士)さんが来るのが見えたので踏み上げました。あそこで踏めば、中団で併走になるかなと思ったので。(最後は)誰かが来たのは見えたけど、がむしゃらだったので(清水)裕友だとは分からなかったです。最後は横一線だったけど、隣の人(佐藤)には勝っているかなと思いました(笑)。(郡司と)同着優勝ですけど、そこはプラスに考えて、次のGII(ウィナーズカップ)で優勝を目指して頑張ります」
郡司が最終2コーナーからスパートすると、清水は同時に畑段を飛ばしてバックからまくり出す。それでも郡司は猛スピードで清水の外を乗り越え、直線で一気に前団をとらえた。
「車番が悪かったので、前からか後ろからと思っていました。あとは流れの中で仕掛けられればなと。(清水と仕掛けた)タイミングが合ってしまいましたけど、(清水と畑段が)からんでいるうちに外に持ち出せたので乗り越えられました」
今シリーズ、決勝に勝ち上がったのは南関勢からただ一人。関東の柿澤大貴とラインを組んで戦った。
「準決勝で(同地区の)岩本(俊介)さんがしっかり先行してくれて、展開を作ってくれたので、その分も勝たないとって思っていました。(奈良記念では同県の松谷秀幸が優勝していて)松谷さんもケガ明けだったのに気合いの入ったレースをしていたので、これからもお互い高め合って、結果を出していきたいですね」
次走は新山と同じウィナーズカップだ。
「今の調子なら十分、優勝を狙えると思うので、それまでにしっかり仕上げていきたいです。前回(静岡記念)は、決勝で取りこぼしてしまいましたけど、ひとつ、ひとつ積み上げていきたいです」
新山は、昨年9月地元の青森記念以来。郡司は昨年の共同通信社杯以来の優勝で、今後のG戦線に弾みをつけた。
まくってきた清水を強烈なブロックで一発で仕留めた佐藤慎太郎だったが、ゴール手前で岩津裕介に中を割られそうになり、伸びを欠いて3着でゴールした。
「清水が3番手にいるのは分かっていたし、気になってしまいました。清水が落ち着いて仕掛けていたら、岩津とワンツーだったろうけど、(清水と畑段の)併走が長かったみたいですね。今シリーズは新山が仕上がっていた。僕も、もう一回練習し直して、出直しですね」
清水が佐藤のブロックで止まると、地元の岩津裕介は内のコースに入り、最後は新山と佐藤の間を踏んだが、4着までだった。
「良いレースだったと思います。(清水)裕友が畑段に合わせて登るように仕掛けていたら良かったかも。(最後は)少しでも前に行けたらと思って踏んだけど、(新山と佐藤の間は)空いてなかったですね」
畑段をどかして最終バックからまくった清水裕友は、佐藤のけん制でスピードが鈍ってしまった。
「(打鐘では吉田)敏洋さんが来るし、畑段さんにも当たられて難しかったです。畑段さんが来る前に1コーナーで振っとけば良かったんですかね…。(佐藤に)当たられてスピードが落ちたし、脚が折り合ってなかったです」
青板3コーナーで郡司が上昇。この動きに、単騎の吉田、清水-岩津の中国コンビも乗っていく。赤板過ぎに誘導を下ろした郡司を、2コーナーで清水が切り、そこを叩いた新山が打鐘から主導権を握る。北勢を追ってきた吉田は清水に捌かれて後退し、清水が3番手を確保。5番手に郡司で、後方となった畑段は最終ホームから反撃。畑段は3番手に敢然と追い上げるも、2コーナーで清水に飛ばされる。競り勝った清水はすぐさままくりに行ったが、キレが一息で3コーナーで佐藤に止められる。このまま新山の逃げに佐藤が続いて直線に入る中、2コーナーから仕掛けた郡司が好スピードで迫る。ゴールは、新山、佐藤に、両者の中を割った岩津、そして外を踏み切って伸びた郡司で横一線。写真判定の末、郡司、新山が同着でVを分け合った。
(左)新山響平選手・(右)郡司浩平選手
今シリーズは同地区の先輩・佐藤慎太郎と3度、連係した新山。決勝では先輩のアドバイスを生かした走りで優勝をつかみとった。
「前に出て行くときに踏み過ぎだって言われたので、踏み過ぎないように意識して走りました」
打鐘で出切ってからは、冷静に踏み上げて別線を完封した。
「畑段(嵐士)さんが来るのが見えたので踏み上げました。あそこで踏めば、中団で併走になるかなと思ったので。(最後は)誰かが来たのは見えたけど、がむしゃらだったので(清水)裕友だとは分からなかったです。最後は横一線だったけど、隣の人(佐藤)には勝っているかなと思いました(笑)。(郡司と)同着優勝ですけど、そこはプラスに考えて、次のGII(ウィナーズカップ)で優勝を目指して頑張ります」
郡司が最終2コーナーからスパートすると、清水は同時に畑段を飛ばしてバックからまくり出す。それでも郡司は猛スピードで清水の外を乗り越え、直線で一気に前団をとらえた。
「車番が悪かったので、前からか後ろからと思っていました。あとは流れの中で仕掛けられればなと。(清水と仕掛けた)タイミングが合ってしまいましたけど、(清水と畑段が)からんでいるうちに外に持ち出せたので乗り越えられました」
今シリーズ、決勝に勝ち上がったのは南関勢からただ一人。関東の柿澤大貴とラインを組んで戦った。
「準決勝で(同地区の)岩本(俊介)さんがしっかり先行してくれて、展開を作ってくれたので、その分も勝たないとって思っていました。(奈良記念では同県の松谷秀幸が優勝していて)松谷さんもケガ明けだったのに気合いの入ったレースをしていたので、これからもお互い高め合って、結果を出していきたいですね」
次走は新山と同じウィナーズカップだ。
「今の調子なら十分、優勝を狙えると思うので、それまでにしっかり仕上げていきたいです。前回(静岡記念)は、決勝で取りこぼしてしまいましたけど、ひとつ、ひとつ積み上げていきたいです」
新山は、昨年9月地元の青森記念以来。郡司は昨年の共同通信社杯以来の優勝で、今後のG戦線に弾みをつけた。
まくってきた清水を強烈なブロックで一発で仕留めた佐藤慎太郎だったが、ゴール手前で岩津裕介に中を割られそうになり、伸びを欠いて3着でゴールした。
「清水が3番手にいるのは分かっていたし、気になってしまいました。清水が落ち着いて仕掛けていたら、岩津とワンツーだったろうけど、(清水と畑段の)併走が長かったみたいですね。今シリーズは新山が仕上がっていた。僕も、もう一回練習し直して、出直しですね」
清水が佐藤のブロックで止まると、地元の岩津裕介は内のコースに入り、最後は新山と佐藤の間を踏んだが、4着までだった。
「良いレースだったと思います。(清水)裕友が畑段に合わせて登るように仕掛けていたら良かったかも。(最後は)少しでも前に行けたらと思って踏んだけど、(新山と佐藤の間は)空いてなかったですね」
畑段をどかして最終バックからまくった清水裕友は、佐藤のけん制でスピードが鈍ってしまった。
「(打鐘では吉田)敏洋さんが来るし、畑段さんにも当たられて難しかったです。畑段さんが来る前に1コーナーで振っとけば良かったんですかね…。(佐藤に)当たられてスピードが落ちたし、脚が折り合ってなかったです」
9R ルーキーチャンピオンレース(若鷲賞) レース経過
朝倉智仁選手
前受けの高橋晋也が赤板のホームから徐々に誘導員との車間を空けはじめると、7番手の小原佑太は内へ進路を取り、高橋ラインの後ろまで上がる。小原佑には続かずに8番手から動いた小原丈一郎は、赤板の2コーナーで高橋を押さえて先頭に立つ。そこを打鐘で晝田宗一郎が叩いて先行態勢に。フカして逃げる晝田に、タイミングを計った高橋は車間を詰める勢いで2コーナーからまくり出す。合わせて番手まくりを放った城戸俊潔の上を一気に飲み込むと、最後はきっちり高橋に続いた朝倉智仁(写真)が直線で鋭く追い込んで115期の同期対決を制した。
「(高橋)晋也さんの番手を回らせてもらったお陰で優勝できました。晋也さんがすごく強くて、気を抜いたらヤバいと思いました。(最後は)小原さんは絶対に来ると思っていたし、来たのが見えたので車を持ち出せました。同期で同門の遠藤(洋希)さんが落車で入院していて、まだ意識が戻らないんですけど、遠藤さんは一番ルーキーチャンピオンのことを考えていたし、ルーキーチャンピオンは僕の夢でもあって、遠藤さんの夢でもあったので、優勝できて本当に良かったです」
高橋晋也はゴール寸前で朝倉に交わされたが、2着に入りラインでワンツーが決まった。
「3コーナーでは行き切りたかったので、あの位置から仕掛けました。あの位置から仕掛けて抜かれたのは自分の力不足です。思っていたよりも、道中で脚を削られていました。でも、優勝はラインの朝倉なんで。また練習して出直します」
最終2コーナーから仕掛けた高橋に乗って、バックからまくった小原佑太だったが、4コーナーで朝倉に張られて3着がいっぱいだった。
「(高橋)晋也さんは、自分待ちだと思っていました。タイミングが難しかったですね。一緒のタイミングで仕掛けられれば、トップスピードは自分の方があるので行けると思ったんですけどね。(最後は)まだまだ余裕はあったんですけど、朝倉君のヨコの動きですね」
最終バックから番手まくりに出た地元の城戸俊潔は、高橋を合わせ切れず6着でゴールした。
「晝田が頑張ってくれて、カカリも良かったし強かったです。でも、高橋さんが強かった。後ろを見ないでそのまま踏めば、チャンスはあったかもしれないですね」
打鐘過ぎに3番手を確保した小原丈一郎だったが、前との車間がなかなか詰まらず、高橋に飲み込まれてしまった。
「あの位置を取れたのは良かったんですけど、思った以上に車間が空いてしまいました。後ろを確認して、(高橋)晋也さんが仕掛ける前に仕掛けたかったけど、もう脚が残ってなかったですね。レベルが違いました」