『開設57周年記念玉野競輪(GIII)レポート』 初日編
配信日:3月8日
いよいよ玉野競輪場開設57周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」が開幕した。初日の今日は朝から晴天に恵まれる最高のコンディション。気温の上昇にあわせて、選手たちのボルテージも最高潮に達した。初日の特選は豊田知之、紫原政文、山田裕仁がそれぞれ快勝。シリーズの好スタートを決めた。
なお、本場でのイベントも盛りだくさん。明日(3月9日)は先着入場者に入浴剤を、抽選ではオリジナルTシャツや漬物セットが当たります。イベントホールでは4日間をとおして4レース発売中に緒方浩一氏によるレース検討会、K-ファンのイベントも引き続き開催されます。明日もぜひ玉野競輪場へご来場ください。
<1R>
1レースは女屋文伸の逃げに乗った
高橋義彦
が絶好の展開をモノにした。
「全部アイツ(女屋)がやってくれたのに、俺がもっと仕事ができれば…。余裕がなくてね…。でも久々の1着だし、これがいいきっかけになってくれれば」
<2R>
鷲田佳史選手
2レースは打鐘過ぎに先行態勢に入った朝倉佳弘を内から野本翔太、鷲田佳史が次々とすくう。これで野本、鷲田に朝倉の順でバックを通過すると、最後は
鷲田佳史(写真)
がまくって混戦を制した。
「前回(名古屋記念)は脚自体は良かったけど、扁桃腺炎で体が重くてデビュー初の途中欠場。仕上がってたし、気合を入れてたシリーズなので落ち込みました。今回も身体は大丈夫だし、789着したらA級に落ちるって感じの流れだったから、勝ててホッとしました」
3着に粘った
野本翔太
は「内が空いたので行けるところまでと思ったら、そのまま流れで。今日の感じだと分からないけど、調子は普通だと思う」としながらも、昇級後初の勝ち上がりを決めた。
<4R>
4レースは「打鐘で今日は先行する流れになると思った」と話す
湊聖二
が先行。三番手で脚を溜めた
丸本孝人
が直線鮮やかに突き抜けた。
「ラッキーでした。湊はまくりでもまくり切るだろうし、あとは僕が内、外どっちを行くかを考えてたんだけど。FIと違って3着権利だから気が楽でした。今回は4日前に届いたフレームを昨日組んで、ギアも3.85に上げた。展開もあるけど、感じは悪くないですね」
惜しくも勝ち星を逃した
菊池仁志
だが、ラインで上位独占の結果に安堵の表情。
「しょうがない。(湊の先行で)ホームでは大変なことになったと思った。絶対まくりを止めて、湊を3着までには残さんとって。湊はいつも頑張ってくれるし、気持ちが嬉しいね」
<5R>
5レースは逃げる川島聖隆をバックから
増田利明
が豪快にまくる。最後は番手の岡嵜浩一に交わされたが、前回小松島FIで3日間やられている川島にひと泡吹かせた。
「富永(昌久)君が川島さんの番手で粘るとは思わなかったので、引いて態勢を整えてから行こうと思った。落ち着いて走れましたね。でも相手は川島さんだし、踏み出したときは半信半疑でしたよ。うまく決まってよかったし、自信になった。これで(調子が)悪いとはいえないですよ」
<6R>
森下太志選手
6レースは地元ダービーを控える栗田雅也が果敢に先行。最後はライン三番手の
森下太志(写真)
が直線鋭く突き抜けた。
「去年の3月以来だと思うから、1年ぶりの勝ち星ですね。まさか三番手から勝てるとは思わなかった。久々にすんなりだったし、外を踏んでみたら伸びちゃったみたいな感じです。終始、ワンテンポ遅れてる感じだけど、そこを除けば良いと思う」
2着の
渡邉優
だが、栗田を3着に残せず申し訳なさそう。
「雅也はすごい頑張ってくれてたし、マイペースだったらワンツーだったかもね。僕にももっと余裕があれば…。(渡邉)晴智や(村本)大輔だったらうまくいったはずだし、雅也に悪いことをした」
3着には南関四番手に上手くスイッチした
川井利晃
が流れ込んだ。
「栗田君に押さえられた時点で稲川(翔)君の先行はなさそうだったからね。前の2人には悪いけど切り替えました。前々回決勝に乗れて流れが良くなってるし、ツキを生かせて良かった」
<7R>
佐々木浩三選手
7レースは打鐘過ぎから志村太賀、松岡貴久で踏み合いになると、相互接触して松岡が車体故障。これで目標を失った
佐々木浩三(写真)
だったが、関東四番手に続くと直線鋭く突き抜けた。
「松岡君が接触したときに、自分も突っかかって落車しそうになってヒヤヒヤした。故障したのが分かったので切り替えたけど、余裕も無かったし無我夢中でした」
何もなかったかに見えた渡邉藤男も車体故障で2センターから遅れ始めると、代わって志村を追いかけた
菊池崇訓
が2着に。
「故障したのは分かってたので遅れたら追いかけないとと思ってたけど、渡辺さんがやめないでくれたから。結果的に展開に恵まれましたね。志村も頑張ってたし、何とか3着までにと思ったけど。明日は初めての二次予選Aだし、勉強するつもりで頑張りたい」
3着に入った
富弥昭
は前を見過ぎたと反省しきり。
「行くならホームだったけど、前がバリバリッていったときに固まってしまい、タイミングが取れなかった。あれじゃ最低のレースですよ」
<8R>
伊藤正樹選手
8レースは森田達也の先行で、金子貴志は一本棒の七番手に置かれてしまう。そこからのまくりも届かなかったが、スピードをもらった
伊藤正樹(写真)
が外を一気に突き抜けた。
「2コーナーでは大丈夫かな?と思ったし、何とか2人抜いて二次予選には残らないとと思ってた。でも今日は金子が強かったし、僕は惰性をつけてもらったので。追加だけど前回の疲れはないですね」
2着には三番手をキープした
赤井学
が食い込んだ。
「2コーナーで一瞬行こうかなと思ったけど、結果的に東4人で並ぶ形になってたし、誰かがまくって来てからと思った。バックで車間を切りすぎたのも失敗でしたね。前回、今回と、やっと直前に練習ができて、体調も良くなってきた。そろそろ点数を上げていかないとね」
<9R>
豊田知之選手
9レース特選は友定祐己のまくりに乗った
豊田知之(写真)
が地元勢初勝利を挙げる。
「内に切り替える準備もしてたけど、余裕があったので落車も避けられた。冷静にレースが見れましたね。アクシデントはあったけど、地元で1着は素直に嬉しい。この流れを大事にしたいね」
2着入線の友定だったが、2センターで加藤慎平を落車させて失格。代わって
有坂直樹
が繰り上がった。1センターで豊田にからまれ、明田春喜の巻き返しに続けない苦しい展開をしのいでの結果に笑顔が絶えない。
「豊田さんがぶつかって来て、1センターでは良いとこ3着までだろうなと思ってました。慎平が目の前で落車するし、俺のさばきじゃなかったら乗り上げてましたよ(苦笑)。今日はツイてたし、今回は決勝に乗れそうな気がしてきました」
3着で明日の「ももたろう賞」に駒を進めた
稲垣裕之
だが、後ろの加藤が落車し表情は浮かない。
「ホームの向かい風もあって重かったけど、今日は慎平のすごさを改めて実感しました。疲れも残ってるけど、調子は7割くらいなのかな」
<10R>
紫原政文選手
10レースは前受けの荒井崇博が引いて七番手から打鐘4コーナーでカマシ先行。これで番手絶好になった
紫原政文(写真)
は石丸寛之の巻き返しをブロックすると荒井を捕らえて快勝。
「荒井を残したかったけど、石丸を止めたときに岩津の影が見えたので。荒井はダービーに向けてかなり練習をやってるみたいで、オーバーワークなんじゃないかな。一緒に上がれなかったけど、また準優で一緒になれるように頑張ります」
2着にはライン三番手に続いた
合志正臣
が流れ込んだ。
「荒井が先行するような番組だったし、絶対行くだろうと思ってました。本当は外を踏んで紫原さんと差し比べがしたかった。岩津がいたし中しか行けなかったけど、余裕はありましたよ」
藤原浩の後ろから直線コースを突いた
米澤大輔
が3着に強襲。
「前が頑張ってくれました。前回の最終日から新車にしたけど、かなりの手ごたえをつかんでた。最近は流れが悪くなってきてたし、この3着は大きいですね」
石丸のまくりに乗った
岩津裕介
だが伸び切れず。「良いコースだったけど、力不足だった」とガッカリ。逃げた
荒井崇博
は「俺は先行屋じゃないから」としながらも、「ずっとオーバーワークだったけど、やっと疲れが取れてきた」と明日からの巻き返しが期待できそう。
<11R>
山田裕仁選手
最終11レースは逃げる松田優一に渡部哲男が襲い掛かりゴチャゴチャになったところを、バックから
山田裕仁(写真)
が豪快にまくり切った。
「今日は内でも外でも中団で勝負しようと思ってた。駆け出しでスッと車が出たし、調子は悪くない。順調に仕上がってきてるけど、あとは展開やメンバー次第になるね」
2着に続いた
有賀高士
はホッとした表情を見せる。
「2コーナーで山田が郡山(久二)さんをドカしてそのまま行ってしまった。僕は下から付いて行ったのでキツかったけど、何とか食いついて行けました。2センターで山田が流してたから、内、外来られないか心配でしたよ」
渡部の巻き返しに乗った
三宅伸
が地元の意地で3着に食い込んだ。
「哲男がよく頑張ってくれた。高木(隆弘)のスピードが良かったし、4着かと思ってたから良かったです。感じと言っても今日はあまり踏んでないからね」
僅かに届かなかった
高木隆弘
は「ホームでバックを踏んだから付け切れなかった。最後は上手いことコースを踏んだと思ったけどね。本来もっと伸びないといけないんだろうけど」と首をひねった。
↑ページTOPへ
情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
COPYRIGHT(C) JAPAN KEIRIN ASSOCIATION, All Rights Reserved.