『玉野競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:3月18日
 玉野競輪開設65周年記念「瀬戸の王子杯争奪戦」が明日3月19日から開幕する。いまだ名古屋ダービーの興奮が冷めやらぬなか、新田祐大、武田豊樹、神山雄一郎、稲垣裕之のSS4名を筆頭に、トップスターたちが疲れを見せず元気良く玉野バンクに集結。明日から4日間、激戦を繰り広げます。
 なお、開催を通して本場ではたくさんのファンサービス、イベントが予定されております。まずは開催を通して先着1,000名様に日替わりで粗品をプレゼント、さらに抽選で100名様にオリジナル商品を進呈。場内では、緒方浩一氏、佐々木昭彦氏、山田裕仁氏、山口幸二氏、本田晴美氏によるおすすめレース展望「レース検討会」を実施。また、先着300名様に豪華賞品が当たる「未確定車券抽選会」(2,000円分で1回抽選)が行われます。また、明日19日(土)は縁日コーナー(11:00~15:00)、「スピーチーズミニライブ」(6,10R発売中)、山口幸二氏・山田裕仁氏トークショー(7R発売中)なども予定されております。こちらもどうぞお楽しみに。
<1R>
野口大誠選手
野口大誠選手
 オープニングは105回生のホープ・野口大誠(写真)が中心だ。2月千葉で落車欠場、さらにダービーの初日も落車と近況は流れが今ひとつ。ここで結果を残して流れを変えたい。
 「前回落車したからケアを中心にやってきました。でも、前回の最終日は先行してラインで上位独占できたし、普段通りだと思います。玉野は初めて。力を出し切れるように頑張ります」
 対抗するのは藤井昭吾。2月広島を連勝で優出するなど、こちらは近況上向きだ。
 「前回(小倉)が終わってからは普段通り練習できました。調子はここ最近は良いし、引き続き維持できてますね。野口君は強そうだけど、まくりに構えてくれたら。僕はしっかり仕掛けます」

<2R>
 地元勢の先陣を切るのは工藤文彦だ。急遽追加での地元戦となるが、あとに控える仲間のためにも、ここは何としても流れを作りたい。
 「入らないと思ってたけど、追加が入って嬉しいですね。慌てて練習してきました。この点数(93点)ではちょっと情けないけど、何とか勝ち上がれるように。追加だし、気楽に一発狙っていきます」
 このレースは中村一将が中心か。近況は大きな数字が並ぶが、実績上位の意地を見せたいところ。
 「今年に入ってから色々といじり過ぎてダメだったけど、原因は分かっているので。今回はセッティングと体の使い方など全て戻して走ります」
 新山将史も差はなく、虎視眈々と逆転を狙う。
 「前回(京王閣)から中3日なので、休みを入れて調整程度に乗ってきました。僕は先行、まくりで半々くらいだけど、流れに乗って勝負所が来たらしっかり仕掛けたい。玉野バンクは初めて。周りからは『走り易い』と言われているし、いつも通りの走りをします」

<3R>
清水裕友選手
清水裕友選手
 水谷好宏―有賀高士の中近ラインが本線となるが、対する清水裕友(写真)にも注目してみたい。今回、同じ105回生の野口大誠をライバル視し、清水も闘志を燃やす。明日は中近勢に胸を借り、思い切って名前を売り込みたい。
 「(今期から)S級に上がってあまり自分のレースをさせてもらえてないですね。S級は苦戦してます。僕の気持ちの方が原因なのか…。トップスピードが足りないですね。先行したときは残れているんですけど。とにかく、明日は出し切れるように頑張ります」

<4R>
 佐藤龍二は前回のダービーでは大敗続きで、最終日を待たずに強制帰郷。ここで立て直しを図りたい。
 「ダービーでは気持ちが前に強過ぎて空回りしてました。武田(憲祐)さんには3回連続して迷惑をかけてるので、明日は何とかワンツーを決めたいですね」
 対戦する吉田茂生は前回松阪を132着で準優勝。良い流れで当所入り。
 「前々回の奈良記念は4日間全てバックを取れたけど、体調面がダメだった。体は動いてたけど、維持するのが。それを修正して松阪では結果も出たので、今回も成績が良ければ」
 地元の山本奨は点数でリードを許すものの、強敵を相手に一矢報いたい。
 「2月頭に胃腸炎になって体調を崩したけど、前回の小倉が終わってから良くなりました。今回も良い感じに仕上がったと思います。前回から中6日だったから、前半はしっかり練習をして、後半は調整して。地元記念は初めてなので、空回りしないように」

<5R>
畑段嵐士選手
畑段嵐士選手
 精鋭ぞろいの105回生は今回5名が参加。なかでも1番のレース巧者ぶりを誇る畑段嵐士(写真)は、このレースで中心となる。初のG1ダービーは777着と不本意な結果に終わったが、ここは負けられない。
 「G1はしんどかったですね。レースも体力的にも全て。でも良い経験でした。走り方としては悪くなかったと思うし、自分はあんなもんかなと。前回からは疲れがあったのでケアをしながら調整してきました。今回も変わらず、1着を狙っていきます」
 対戦する篠原龍馬は、前回3月広島を121着で逃げ切りV。調子も上向いており、今回が楽しみだ。
 「これまでは1走1走ごとに違う感じがしたけど、広島では今まで以上に感じが良かったし、流れる感覚があった。広島の2日前にセッティングを大幅に変えてみたら良くなって。今回も結果を出して、この流れを確実なものにしていきたい」

<6R>
橋本智昭選手
橋本智昭選手
 山形一気が今回は予選回りに。直近の2場所は2月佐世保で落車し途中欠場。ダービーは体調を崩してこちらも途中欠場。実績上位のここは負けられず、流れを取り戻したい。
 「ダービーではインフルエンザにかかってしまい欠場しました。帰ってから1日しか自転車に乗ってないので正直厳しいですかね。明日は相手が駆けていくタイプなので、しっかり位置を取っていきたい」
 相手は今期からS級に初昇級した橋本智昭(写真)。昇級後はすぐにS級のスピードに順応し、直近3場所を連続優出する活躍ぶりだ。
 「S級では思ったより走れていると思います。ここ3場所は決勝に乗れて良い流れですね。ただ、先行はできているけど、内容があまり良くないので。駆け方とか細かいところが。決勝ももっと走れるようにしたいですね。今回も何とか主導権を取って、自分のレースができれば。玉野は初めてだけど、力を出し切れば大丈夫でしょう」

<7R>
河村雅章選手
河村雅章選手
 年頭の立川記念で優出するなど、格上の河村雅章(写真)が本命。ただ、直近の2場所は決勝を逃しており、ここで流れを引き寄せたい。
 「前々回の佐世保ではインフルエンザで途中欠場しました。体調が完全に戻らないまま走ったので(次の)松阪(391着)は決勝に乗れなかった。でも、最終日はバックを取って1着だったので悪くはないかと。今回はしっかり練習ができたし、体調は良いです」
 今期からS級に昇級した神田龍が相手。昇級初戦の1月平でいきなり優出したが、その後は厳しいレースも。しかし、今回も積極スタイルは変わらない。
 「まだ4場所しか走ってないので分からないけど、とりあえず自分のできるレースをやっている感じですね。出し切れることもあるけど、ダメなときもある。まだ、自分のレースをさせてもらえている段階ですけど。最後の末脚、ダッシュが欲しいですね。というか全部ですね。玉野は3回目。A級のときに。重たいイメージがあるけど、タイムが出る感じですね」

<8R>
 このレースは地元の黒田淳に期待が集まる。敵陣を射程内に入れ、得意のまくりを決めるか。
 「前々回(豊橋)に落車して擦過傷だったけど、思ったよりひどかったですね。前回落車した去年よりは軽かったけど。ダービーが終わってからは軽めに乗ってきた感じです。今は特選に乗れるように戻してくしかないですね。焦っても仕方ないですし」
 巴直也は点数でリードを許すが、気持ちでは負けていない。
 「1月は良かったけど、2月の小倉の前10日に体調を崩してしまって。そこからあまり良くないけど、最近になって持ち直してきましたね。最近予選はダメだけど、前回の広島の最終日は1着が取れたし。今回、上積みはあると思います」

<9R>
杉森輝大選手
杉森輝大選手
 一次予選のメインは杉森輝大(写真)が主役を務める。前々回の2月伊東でS級初優勝を達成。前回の防府は優出を逃したものの、勢いと調子をそのまま維持している。
 「33バンクが続いているけど、僕は400が好きなので大丈夫です。前回は準決勝で失敗したけど、最終日は逃げ切れたので。防府が終わってからは間が空いてたので、しっかり乗り込んで練習ができました。状態は問題ないです」
 浦川尊明は好目標を得てチャンスが広がる。持ち前のキレも戻りつつあり、久々の白星なるか。
 「セッティングも最近ようやく良くなりつつあるね。もう少し欲しいけど、今までを考えればだいぶマシになったよ。ダービーが終わってからはいつも通り、疲れを取るのをメインに調整してきた。八谷(誠賢)さんはなかなかヤルからね。油断はできない。気を付けていかないと」
 神田紘輔は、藤井栄二を足場にキレを発揮したい。
 「藤井君とは何度か一緒に走ってるし、いつも良い着を取らせてもらっているので相性が良い。人の後ろを回るのが増えてきましたね。相手は強いので、タテに踏むことも考えていかないといけないかな」

<10R>
岩津裕介選手
岩津裕介選手
 ここはからはシリーズをリードする特選シード組によるレース。まずは地元の岩津裕介(写真)が、優秀「ももたろう賞」を懸けて初戦に挑む。ダービーの決勝ではあわや優勝も見えたが、今回もモチベーションをそのまま維持。地元の今回、さらに集中力を高める。
 「前回は(内に)入った時点で脚は一杯でした。ていうか、初日から脚にきてましたね。その前の久留米の落車の影響があったのかも。今回は間がないし、一息も入れずにって感じで緊張もしてます。違った緊張感ですけど。今回、まずは決勝に乗れるように。走ってみないと分からないけど、調子は良いと思います」
 前を託された稲垣裕之は鎖骨骨折明けで今回が復帰戦。名古屋ダービーに出られなかった分も、早めにここから巻き返したい。
 「鎖骨にプレートを入れたけど、2度目になるのもあるので思ったよりは痛みがなく、自転車にもすぐに乗れました。ダービーから復帰予定だったけど、不安を抱えてのG1は厳しいかと思って大事をとって休みました。でも、その分良い練習ができてるし、日に日に良くなってます。自転車は1番良いときに近いし、走りたい気持ちも強くなってます。ダービーは村上(義弘)さんはもちろん、近畿の気持ちが入った走りに僕も刺激をもらいました。久留米で失格して迷惑をかけた分、自分もここから巻き返したいですね」
 対戦するのは近藤隆司。こちらもG1主力級の実力者だ。
 「ダービーでは準決勝で飛んでしまい、もっと頑張ろうという気持ちになりましたね。ダービー中はウエイトができなくて、帰ってから1週間ぶりにやったら重たい感じがしましたね。でも今は普段に戻ったので。玉野は3年ぶりですね。以前来たときよりはるかに強くなっていると思うので、今回も思い切ったレースで頑張ります」
 連係する小埜正義は昨年6月の優勝をはじめ、当所は抜群の勝率を誇る。
 「ダービーの次の日から練習してました。近藤君とは一緒になるかと思ってたので、何とか付いて行ければチャンスですね。近藤君は強いし、頑張って離れないようにすれば結果は付いてくるので」

<11R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
 優勝候補の1人、武田豊樹(写真)が中心だ。G1シリーズの全日本、ダービーと振るわずも、前年覇者としてここは負ける訳にはいかない。
 「少しずつだけど走れてはいますね。今年はなぜか厳しい流れですね。でも、自分に原因があるのは分かってるんで、修正していかないと。今回は中身のあるシリーズにしたいですね。(静岡)ダービーまで2場所しかないので。良い緊張感を持ちながら走りたい。玉野は成績が良いし、全て優勝しているんじゃないかと思うくらい。海が近いし、僕の故郷(北海道)と似ている感じがしますね」
 前を託された池田勇人は、今から緊張感が走る。
 「ちょっと花粉症がつらいですけど。ダービーは最終日まで居られなかったけど、3走目で感覚をつかめたので。結果はまだ出てないけど、良い方には向かってると思います」
 井上昌己も侮れない存在。混戦になれば、まくり一発がありそうだ。
 「ダービーが終わってからも2日間、しっかり練習してきました。そのあと、私用があって忙しかったけど、そのぶん、疲れが取れたので良かった。状態は良いと思います」

<12R>
古性優作選手
古性優作選手
 最終レースはV候補の最右翼、新田祐大が主役を務める。ダービーでは3着表彰台に終わったが、準決勝では京都2段駆けの上をあっさりまくるなど、改めて強さを示す結果に。もちろん、当所も大本命だ。
 「ダービーは普通に力を出し切れたと思う。最終日は近畿の結束に単体で戦ってダメだったけど、勝負しての結果なので。終わってからは普通に乗ってきました。G1に向けてやったあとはいつも走れているので、今回も問題ないと思います」
 神山雄一郎が新田マークから勝機を見いだす。
 「1月、2月は良くなかったけど、ようやく良くなってきましたね。ダービーは1週間あったから疲れが出たけど、多分大丈夫だと思います。新田君は本気を出さないと付いていけないので集中して。立川記念の初日以来ですね。離れながらもでした」
 牛山貴広が3番手を固めていく。
 「怪我とかインフルエンザとかで調子を落として、F1も決勝に乗れなかったけど、前回のダービーは初日に1着が取れたし、準決勝までいけたので。悪いなかでも走れたのは大きい。何とかきっかけにしたいですね」
 対戦する古性優作(写真)は何でもありの総力戦で、強敵を相手に風穴を開けたい。
 「ダービーはあんなもんですかね。勉強になりました。でも、同じ失敗はしないように、今回は反省を踏まえて走りたい。調子は維持できていると思います」
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