『広島競輪開設71周年記念in玉野(GIII)レポート』 前検日編

配信日:12月20日
 開設71周年広島記念「ひろしまピースカップ(GIII)」が、今年は玉野競輪場にて12月21日~24日の日程で行なわれる。23年ラストを飾る記念開催には新田祐大、守澤太志の北のS班コンビや、競輪祭で準Vの松井宏佑、浅井康太、稲川翔、山田庸平ら全国から強豪が集結。地元広島勢からは町田太我がエースの自覚を持って参戦する。
 開催中は、毎日先着100名様にもみじ饅頭をプレゼント。また、予想会、未確定車券抽選会などが予定されています。玉野競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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堀江省吾選手
堀江省吾選手
 1レース1番車の期待枠を任されたのは堀江省吾(写真)。大役抜てきに驚きの表情を浮かべたが、近況の成績からすれば適任と言えるだろう。
 「(1レース1番車は)まさかです。僕には荷が重いというか、びっくりです。(昇級後も)逃げたり、長い距離を踏んで戦いたいと思っているので、自分のしたい走りはできていると思います。もっとマークが厳しくなると大変だと思うけど、この半年間には手応えを感じています。長い距離を速いペースで踏むのが得意なので、9車は流れがある分、自分には好きな展開になると思います」
 南潤は、前回の12月大垣FIこそ連勝で優出したが、成績のムラは否めない。安定感を取り戻せば、完全復活と言っていいのだろうが。
 「成績が良かったり、悪かったりなんで、安定しないのが気になりますね。展開が原因だと思うんですけど。ちょっと(仕掛け所を)見ちゃったりするのもありますね。積極的に行けば良いんですけど。メンタル的な部分ですよね。堀江君はピスト6で優勝してるし、強いイメージですね。僕と脚質は真逆だし、考えて走りたいですね」


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 塚本大樹は、直前に行われた佐世保記念で決勝進出。今期は成績に安定感が出て、競走得点も大幅にアップした。激戦から中2日とあって、気になるのは状態面だ。
 「佐世保記念は、4日間を通して余裕がありました。決勝も無事に地元がワンツーを決めてくれて、理想は自分も3着に入れれば良かったんですけど、レース自体はしっかり見えてました。終わってからはケア一本です。ケアしかしてないので、(状態は)なんとも言えないかな。玉野は毎回成績が良いし、走りやすいですね」
 伊東記念では3度の確定板入りを果たした大槻寛徳だが、続く久留米FIは最終日の1勝止まり。本人は状態面の不安はないと言う。
 「一時は調子を崩したんですけど、伊東記念の時はもう本調子に戻ってましたね。久留米はあまりにも展開が向かなかったんで、もうしょうがなかった。ちょっと脚が落ちてる気はするけど、調子自体は伊東の時と変わってないと思う」


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 原田研太朗は、人の後ろを回らないスタイルを宣言してから1年以上が経過した。課題を再認識しつつ、今後もこのスタイルを貫いていくつもりだ。
 「自分の中では、自力を貫いてできた一年だったなと思ってます。見てる人も分かると思うけど、もうちょっと前へ前へ行けたらっていうのが課題ですね。今まではバンク練習一本でトレーニングしてたんですけど、最近は街道練習も取り入れてる。それが良いですね。今回は街道練習をメインにやってきました」
 田尾駿介は、原田とは連係せずに単騎戦を選択。前々に攻めて、秘めるタテ脚を発揮するか。
 「前回の地元戦の前に胃腸炎になって、あまり良くない状態の中でも地元では決勝に乗れた。今は体調は大丈夫なんで、前回よりは良いと思います。原田さんとは、競輪祭の一走目は連係したけど、それ以降は連係しなかった。負けたとしても悔いのない方を選びたいと思って自分でやることにしました。自分はパワーのある方じゃないので寒いのは苦手なんですけど、チャンスを逃さずにまくりも考えて組み立てたい」


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皿屋豊選手
皿屋豊選手
 皿屋豊(写真)は、直近2場所のFIは初日特選スタートながら、準決勝4着で決勝進出を逃している。そこから2週間以上空いた開催で、立て直しといきたい。
 「FIでは決勝に行って、成績をまとめたかったんですけど失敗しましたね。脚の感じ自体は悪くなかったんで、今回は頑張りたいですね。ずっと開催が続いていたけど、ようやく空いてくれて練習をしっかりできた。リセットできたと思います。僕は寒い方が得意ですね。ようやく自分の季節が来たなって感じです」
 大垣GIIIでは決勝まで駒を進めた成松春樹だが、その後のFIは鳴かず飛ばず。今回はミッドナイト明けの開催とあって、調整にも苦労したようだ。
 「大垣の後は、まともに自力を出してないんでちょっとなんとも言えないですね。番組次第では前を任せてるし、相手によっては自力を使わない場面もあるんで。ちょっと体調を崩したんで、中3日はほぼ何もしてなかったです。(調整が)難しかったですね。指定練習で感触を確かめないとなんとも」


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 山本伸一は、小田原GIIIで準V、続く10月大垣FIを優勝と、今年の後半戦は一気に調子を上げた。自力と番手戦を使い分けているが、初日は中井俊亮に前を任せることとなった。
 「動けている部分と、もっと伸ばしていけないといけない部分があるんで、そこを見極めながら練習してきました。番組次第で番手を回ったり、自分も立場があるんで難しい部分はある。でも、自力でいつでも動ける準備はしてきています。今回は体調良く練習できたんで楽しみですね。(中井)俊亮とは何回も連係しているんで、信頼して任せられます」
 山本に任された中井俊亮は、前回の12月大垣FIで準Vと好成績。状態を維持して今節に臨む。
 「中6日で、練習もできたし、休みも取れたので大丈夫です。いい意味で状態は変わらずだと思いますね。寒さは好きじゃないので、ちょっとうまく考えて走りたいです」


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大川龍二選手
大川龍二選手
 大川龍二(写真)は、今年FI戦で2度の優勝を飾り、ビッグレースには6度出場。まさに飛躍の一年となった。舞台こそ玉野だが、大事な地元記念というのは変わらない。持てる力を最大限に発揮する。
 「今まで積み重ねてやってきたことが、今年はちょっとずつ出たのかなと思います。初めてGIに出られて、FIも優勝できた。今までできなかったことが、できてきている。落車して下降した時期もあったけど、なんとかSIの点数も取れそうですね。競輪祭までは新車を使ってたけど、前回からもともと使っていたエースフレームに戻しました。それで決勝に乗れたし、もう迷いはないです。今年の集大成を、ここにぶつけたいです」
 近藤隆司は、得意の地元戦で今期2V。大敗も目立ってしまっているが、要所では1着をつかんでいる。
 「調子は普通だと思います。川崎はちょっと体調をくずした後に無理やり走った感じで良くなかった。今回はそこに比べれば確実に上向いていると思います。(初日に連係する田中)晴基は同期で仲も良いので、気合を入れて走りたいですね」


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野口裕史選手
野口裕史選手
 競輪祭では大敗を並べた野口裕史(写真)だが、伊東記念の3日目からは動きが一変。続く12月別府ミッドナイトFIでは準Vと、得意の冬場に向けて調子を上げてきた。
 「競輪祭は感じが悪かったんですけど、伊東記念の途中で修正できた。修正できてからは伊東も、別府も良かったですね。千葉の250バンクで練習してから乗り方が変になってたんですけど、それを修正できた。玉野は結構良いイメージがありますね。宿舎が一人部屋だし、ご飯がおいしいんでリラックスできる。別府の後は3日間練習したし、ちょっと疲れはあるかも」
 野口と同県の近藤保が番手を回る。直前の12月別府ミッドナイトFIでは、準決勝で連係して失敗しているだけに、ここはそのリベンジとなる。
 「野口と一緒ですか。前回付きバテしてるんですよ。野口は強過ぎる。この時期のFIだったら無敵なんじゃないですか。中3日で、やれることはやってきました。練習もしっかりしたし、バンクが重くなるんで対策もしてきました。前回の分も頑張りたいですね」


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 武田豊樹は、12月川崎FIを優勝するなど、10月取手FIでの落車後も好成績を残している。初日は高橋晋也との連係。高橋とは地区こそ違うが、同じ北海道出身とあって縁は深いようだ。
 「高橋君とは連係実績もあるし、山下(渡)も後ろを固めてくれるんで、信頼して任せたいと思います。出身高校が同じなんですよ。(年齢は)だいぶ違うけどね(笑)。今回連係できるとは思ってなかったんで、嬉しいですよ。中3日なんで、疲れを取りながらやってきました。
 その高橋晋也は、直前の12月川崎FIで2場所ぶりに決勝進出。3日間積極的な競走を貫いて、後ろの勝利に貢献した。
 「川崎は絶好調ではなかったんですけど、後ろの方々のおかげで決勝に乗れました。気持ちが折れずに自分の仕事をできたと思います。終わってからの練習は3日間ぐらいだったんですけど、すごく寒くて感覚の良さはなかったです。でも、練習はしっかりできたので大丈夫だとは思います」


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佐々木悠葵選手
佐々木悠葵選手
 佐々木悠葵(写真)は、共同通信社杯、寛仁親王牌と、立て続けに落車。11月平FIで復帰し、だんだんと調子は上向いてきている様子。
 「徐々に落車の影響は抜けてきていると思います。ちょっとずつ状態も良くはなってきています。練習はしっかりできているので。今回は追加ですけど、特に問題ないです。いつもGIIIは調整を入れずに来ているので、(追加でも)気にならないですね」
 別府記念は未勝利に終わった宿口陽一だが、年明けにはすぐに地元記念が控えている。調子を崩すわけにはいかず、今回はしっかりと立て直したい。
 「大宮記念に向けて練習をやってる最中なんですけど、その過程でぎっくり腰になって別府は良くなかったです。今回は腰は大丈夫だと思います。今年の前半は納得のいくレースができたけど、落車で調子を崩した。でも、記念での優勝もできたし、今のところはちゃんと走れていると思います。佐々木君とは前回2回連係しているので、ちゃんと追走したいですね」


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 河端朋之は、寛仁親王牌で初のGI決勝進出を決めるなど、競技を引退して、今年は本格的に競輪での成績が良化。ここ3場所のFI戦も3連続優出と、調子を上げて地元戦に挑む。
 「競輪人生の中で一番充実した一年でした。ナショナルをやめて、腰を悪くして休んで徐々に復活できた。ちょっとずつ上がって、ここまで来れたって感じです。まだ長い距離を踏むのには不安がありますね。調整はせずにいつも通りの練習をしてきました。今回は玉野での開催ですけど、広島記念なので(広島の)地元勢を盛り上げたいです」
 河端マークは池田良。こちらも3連続優出と、良い流れに乗って地元記念を迎える。
 「思ったよりも走れていますね。色々試しながらやってる最中です。セッティングとかっていうよりは、練習方法を試しています。玉野だからあんまり地元感はないかな。でも、気合を入れて。決勝に行きたいですね」


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町田太我選手
町田太我選手
 一次予選のメインレースには町田太我(写真)が登場。地元記念は、69周年大会で準Vが最高成績だが、今回はそこを更新して、悲願の優勝をつかみ取りたい。
 「今回は優勝を目指して仕上げてきました。久留米から新車にしたんですけど、感じは良かったです。ここに向けて、良い弾みがつきましたね。(久留米の)初日はタイムも良くて、内容も良かったと思う。終わってからは防府で練習して、感じよく来れました。場所は玉野なんですけど、地元記念なので優勝を目指したいです」
 橋本強は、伊東記念で落車して、続く12月大垣FIは途中欠場。伊東の前の競輪祭では伸びが光っていただけに、状態万全なら面白いが。
 「大垣は途中で体調崩しました。体調は整えて練習し直したので大丈夫。伊東のケガももう大丈夫です。バンクで若手と一緒にもがいてきたんですけど、感覚も良かったです。春先は調子が上がってたけど、一回崩してから戻せなかった。結果的に良くない一年でしたね。いい形で締めくくって、来年につなげたいです」


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松井宏佑選手
松井宏佑選手
 松井宏佑(写真)は、競輪祭では深谷知広の番手を回って準V。伊東記念も決勝2着だったが、南関4車の先頭を回っての結果であり同じ準Vでも内容が全く違うものだった。来年こそは、初タイトルを手に入れる。
 「競輪祭は優勝できず、深谷さんに申し訳ない気持ちと、悔しい気持ちでいっぱいだった。でも、もう気持ちを切り替えて伊東記念を走って、競輪祭で得たものを決勝では出せた。一年間かなり手応えがあったし、来年はチャンスがある。絶対に(タイトルを)獲るって気持ちで走りたい。少しずつ成長すれば、SSも叶わない夢じゃないと思えた。伊東の後は疲れがかなり出て、腰痛で欠場しました。今回はもう大丈夫です」
 守澤太志は、別府記念決勝をまくりで制して今年初V。鮮やかな一発だったが、本人は自嘲気味に振り返る。
 「自力としてやろうと思っているわけじゃないし、ラッキーパンチが当たっただけですよ。調子自体はだいぶ良いですけど、ミスが多いのでそこをどうにかしたい。今年はSSとしての走りというか、その立場に応えられなくて悔いの残る一年でした。来年に向けてきつめの練習をしてきて、疲れはある。疲れはあるけど調子が悪いわけじゃないので大丈夫です」
 新田祐大は、S班として走る今年最後の開催に気持ちを入れる。別府記念、佐世保記念を走っており、過密スケジュールにも思えるが、問題なしを強調した。
 「別府と、佐世保は、良いところと、悪いところがあったのでその課題を一つ一つクリアしていきたい。中2日しかなくて体を動かす程度のトレーニングをしてきた。疲れはないですね。一年を通して波があったんで、最後は気を引き締めて良いレースをしたい」