『広島競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:12月20日
 広島競輪場開設65周年記念「ひろしまピースカップ」が12月21日に幕を開ける。今年最後となる記念開催に稲垣裕之をはじめ、竹内雄作、吉澤純平、佐藤慎太郎ら全国各地からトップスターが集まった。4日間に渡って繰り広げられるハイレベルなV争いから目が離せない。
 開催中はファンサービス、イベントが盛りだくさん。初日の21日は2018年競輪カレンダー(選手会広島支部版)を先着入場500名様にプレゼント。正面入場門では豪華賞品が当たるオープニング抽選会、正面広場特設ステージでは脳トレ体操&予想会が予定されています。ぜひ広島競輪場でお楽しみください。

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 オープニングレースは細切れの激戦ムードだ。機動型の中で一番点数を持っているのは新山将史だが、ここ2場所は精彩を欠いている。
 「落車で左手の甲を痛めたんですが、もう治ってます。練習はできているので、ダメなのは気持ちの問題ですね。いつも落車の直後は2、3場所悪くて、それから吹っ切れてよくなります。今回もそのパターンですね。脚は変わらないので、気持ちを強く持って走ります」
 戸田康平は積極的なレースで徐々に調子を戻している。
 「だいぶよくなっています。底は抜けた感じですね。レースで走っている感触がよくなってます。朝早いのは寒いし、ちょっとしんどいですね。無茶駆けはしないように、うまいこと考えて走ります」

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 白戸淳太郎は半年以上も勝ち星から遠ざかっているが、高い競走得点をキープしている。
 「半年ぐらいもう勝ってないんで、久しぶりに勝ちたいですね。調子は悪くないんですよ。いいほうですね。前の選手も頑張ってくれるので、最近の成績もいいです。巴(直也)君の番手でしっかり頑張ります」
 巴直也はここ2場所の成績がパッとしない。今年最終戦で悪い流れを断ち切るか。
 「練習の感じはいいんですけどね。2場所前の伊東のエボリューションから成績が悪いんで、ここでしっかり来期につながるレースをしたいと思ってます」

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 森川大輔は12月の地元岐阜FIで今年初優勝を飾った。決勝は野原雅也の番手回りのチャンスをきっちりモノにした。
 「よくなってきたと思っていたら、岐阜で優勝できました。いいきっかけになってくれれば。最近はずっと配分が詰まっているんですけど、それなりに練習はできました。泉谷(元樹)君と連係するのはたぶん初めて。信頼して付いていきます」
 泉谷元樹は徹底先行で奮闘している。今シリーズも積極策に迷いはない。
 「だいぶS級のレースに慣れてきました。調子に乗って前回の大垣で欲をかいたら予選で飛びました。ここまで間隔は空いたので、練習はやってきました。直前は豊橋のバンクが使えなかったので、名古屋でやってきました。状態は変わらないと思います。しっかり駆けるつもりで踏んで、それでも行かれたら最悪、中団になりますね」

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 小埜正義は11月小倉競輪祭の一次予選で久々の1着。3連単で100万円を超える大穴配当を演出した。まだ本調子ではないが、徐々に上向いている。
 「(11月)松山で落車して胸骨を骨折しました。びっくりするほど痛くはなかったです。だいぶよくはなってます。競輪祭で一発出せたけど、もう一発ぐらい出したいですね。来年に向けて、ここでいいレースをしたいと思ってます」
 吉本哲郎は地元のトップバッターとして登場。しっかり持ち味を出して、後に続く地元勢にバトンをつなげる。
 「(11月)名古屋で落車したけど、しっかりケアして、最近はタイムも出ている。もうケガの影響はない。練習はしっかりやってきたし、バッチリです。自力でしっかり頑張る」

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佐伯辰哉選手
佐伯辰哉選手
 佐伯辰哉(写真)は直前の和歌山FIで凡走。しっかり気持ちを入れ替えて地元記念に挑む。
 「和歌山は爆風にやられました。体重がもっとほしいと思いました。S級に上がった時から地元記念に向けてやってきたし、練習も仕上がりもバッチリです。記念は3回目で記念のレースも分かってきました。師匠(西岡拓朗)とレースで一緒になるのは初めてです。5歳の頃からBMXで一緒にやってきたし、気心も知れているので緊張はしません。ゴール前でしっかり連れて行けるように頑張ります」
 西岡拓朗は練習中の落車により長期欠場を余儀なくされた。
 「後輩が落車して、それに乗り上げて左鎖骨を骨折しました。手術して何とか間に合わせました。練習は3週間ぐらいです。沖縄に1週間、合宿に行って乗り込みました。不安ないぐらいの感じにしたんですけど、冬場でスピードは出てないので、走ってみないと分からないです。(佐伯と)地元で一緒に初めて走れるのはうれしいですね。後ろから来るのはしっかり止めたいです」

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 相川永伍は通算199勝で足踏み状態が続いている。今シリーズで節目の勝利をしっかり達成したい。
 「(200勝が)遠いんですけど、今シリーズ中のどこかで決めたいですね。11月の終わりにギックリ腰をやったんですけど、よくはなってきています。前回の高松はよくなかったので、考えて練習してきました。先行基本に頑張ります」
 杉本正隆は11月の西武園で決勝2着と好走。好調時の切れが戻ってきた。
 「状態はよくなってきました。最近は脚の感じも悪くないですね。ここに向けてはいつもどおり普通に練習してきました。相川さんとは何度か連係しているし、しっかり決めたいです」

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竹内翼選手
竹内翼選手
 竹内翼(写真)はこの地元記念、そして年末のヤンググランプリと大事なレースが続く。準備は万端だ。
 「前回の別府記念は初日がよかったのに、2日目、3日目はダメでした。練習の感じは本当にいいです。最近はギアをかけてカーボンフレームでやってます。桑原大志さんが広島に来て、アドバイスをもらってます。SSの人と一緒にやることで自分の中で変わっている感じはしています。地元記念が終わってヤンググランプリもあるので、しっかりいいレースをしたいと思います」
 前反祐一郎は直近5場所で優出3回。いい流れで地元記念を迎えられた。
 「地元記念に向けて練習はしっかりやってきました。尻上がりに上がってますね。でも、流れがいいだけです。自分の中で何がいいかは分からないんですけどね。(竹内)翼が勝つレースをしてくれれば自分にもチャンスはあると思います」

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元砂勇雪選手
元砂勇雪選手
 元砂勇雪(写真)の実力が一枚抜けている。ハイパワーで別線を圧倒しよう。
 「前回の小倉はタイムも出なかったし、ちょっと微妙でしたね。終わってから先輩の結婚式に出たりして少し忙しかったんですが、直前の2日間はしっかり練習できました。乗り始めたときは感覚がちょっと悪かったけど、2日目はよくなりました。ここで2勝すればウィナーズカップは特選に乗れそうだし、ダービーの出場権利もかかっているので頑張りたいです」
 渡辺十夢はここ数場所、元気がない。原因ははっきりしている。
 「雪であんまり練習できてないんですよ。前回の和歌山が終わってからも地面に乗れたのは1日だけ。あとは室内ですね。強い元砂君と一緒なので、しっかり付いていけるように」

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石塚輪太郎選手
石塚輪太郎選手
 石塚輪太郎(写真)は10月豊橋FIから5場所連続の優出。本格化の兆しを見せている。
 「調子はずっとよかったんですよ。10月に自転車を替えてからずっと決勝に乗れている。それが一番大きいですね。今回はダービーの賞金もかかっているので、追加を受けました。決勝を目標に頑張ります」
 地元の吉永和生は追加参戦。初日から絶好の目標を得た。
 「追加は佐世保記念の開催中にもらいました。追加でひょこっと入れてもらって、石塚君の番手にいけるなんでラッキーです。レースはよく観ているし、強いのは知ってます。最近は自分も乗れていると思います。しっかり付いていくだけですね」

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吉澤純平選手
吉澤純平選手
 吉澤純平(写真)は11月防府記念を走り終えて約1カ月の期間を欠場した。復帰戦の12月岐阜FIは決勝3着とまずまずの走りを見せた。
 「腰痛が出て休みました。けっこう配分が詰まっていたし、地区プロもあったので疲れもたまってました。前回の岐阜は久々だったんで不安もあったんですが、しっかり仕掛けられたと思います。終わってからグランプリ前の武田(豊樹)さんと一緒に練習していい刺激ももらいました。今年は落車も多かったんですが、いい経験ができたし、成長できたと思います。今年最終戦なんで、いい結果を出して締めたいですね」
 河端朋之は11月小倉競輪祭の後に海外遠征。ナショナルチームで活躍している。
 「実戦は久しぶりですね。ワールドカップでカナダとチリに転戦してました。最高成績はチリでスプリント3位。自己ベストのタイムも出せました。帰国したのは先週の水曜日です。ナショナルチームの練習は自分に合っていると思います。あとは自転車が違うので、そこだけですね。うまくかみ合ってくれればいいと思います」
 池田良は11月久留米FI、競輪祭で連続落車したが、大きなダメージはなかった。
 「連続落車したけど、ケガは両方とも擦過傷ぐらいです。前回平で走って、問題もなかったので大丈夫です。練習もバッチリできました。地元記念で勝手に気合は入ると思うし、頑張りたいですね。河端さんにしっかり付いていきます」

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原田研太朗選手
原田研太朗選手
 原田研太朗(写真)は昨年大会の覇者だ。12月取手FIで完全優勝。前回の伊東記念でも決勝に進出するなど、状態面に不安はない。
 「取手で完全優勝できて、伊東記念も感じよく走れました。決勝は久しぶりに太田(竜馬)君と連係して強くなってました。僕がハコでもう少し何かできたかもしれない。すごい勉強になりました。連覇は意識せずに頑張ります」
 松浦悠士は11月競輪祭の最終日に落車したが、もう影響はない。
 「ケガは大丈夫です。特別なことはせずに、ここに向けて調子がよくなるようにやってきました。前回の岐阜はここがあるので大事に走りました。感触は悪くなかったです。前回は新車で、今回もそれでいきます。このフレームのほうが出脚はいい感じですね。まずは初日をしっかりクリアしたいです」
 竹内雄作は前回の12月前橋FIで連日逃げて圧巻の完全優勝。今年ラストのシリーズも積極策で駆け抜ける。
 「前回の決勝は(坂口晃輔に)抜かれたと思ったけど勝ててよかったです。いつも通り練習はやってきました。1月はお休み(あっせん停止)です。ここが年内最終戦なんで頑張ります」

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稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 稲垣裕之(写真)は11月競輪祭の最終日に落車の憂き目にあった。1本欠場して、しっかりトレーニングを積み重ねてきた。
 「体のケアはしっかりやってきました。前場所(伊東記念)は落車から間がなかったので欠場させてもらいました、その分、しっかりトレーニングできましたし、ケガの影響はもうないと思います。今はまた来年に向けて、トレーニングを始めています。今年最終戦なんでしっかり頑張ります」
 村上博幸は競輪祭が終わってから鎖骨のプレートを抜く手術を行った。
 「競輪祭が終わって前もって予約していたので、1本欠場しました。プレートを抜いて軽くなったと言えば軽くなった気がします。いろんなケガをして体と一体化しているので、あっても違和感はそんなにないんですけどね。1日入院して、次の日からすぐ自転車に乗ってました。すっきりはしましたね」
 中井俊亮が近畿ラインの先頭で果敢に攻める。
 「ここ2場所の成績はいまいちなんですけど、脚の感じは悪くないです。前回の平が終わってから、しっかり乗り込んできたので、かみ合ってくれるといいんですけどね。自分にできることをしっかりやります」
 松谷秀幸は競輪祭、12月の別府記念とあと1歩のところで決勝進出を逃している。
 「競輪祭、別府記念と(準決勝は)4着が続いているんですけど、レースでしっかり動けているので、よしとします。今回は追加で、この後も中2日で平塚のFIがある。ダービーの(特選)権利もかかっているので、賞金の上積みがしたいです」