『防府競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 3日目編
 
配信日:10月15日


 防府競輪場開設58周年記念「周防国府杯争奪戦」は15日、3日目を終了。秋らしい爽やかな晴天の下、準決勝4個レースをメインに熱戦が展開された。荒井崇博の失格、渡部哲男の脱落はあったが、武田豊樹や海老根恵太らファイナリスト9名が出そろい、明日はいよいよ決勝戦が行われる。
 最終日も「中野浩一のK-ファン」でおなじみのKギャルと地元選手によるお出迎えや3連単車券プレゼントなど、ファンサービス、イベントが盛りだくさん。ぜひ、防府競輪場にお越しください。


<8R>
小川勇介選手
小川勇介選手
   8レースの準決勝Cを勝ったのは小川勇介(写真)。赤板から果敢に飛び出して主導権を奪うと、絶妙のペース配分で逃げ切り、決勝一番乗りを果たした。
 「今回は師匠(吉岡稔真)も来ているので、気合が入っている。最近はボロボロの成績だったし、今日は魅せる競走を意識していました。自分のペースで踏めたし、大塚(健一郎)さんのアドバイスでギヤを一枚上げていたので最後まで踏み切れました。ここに来る前の練習の手応えはバッチリだったし、あとはトップスピードが戻ってくれればいいんですけどね。記念の決勝は2回目。明日も見せ場を作りたい」
 藤野義高は番手絶好のチャンスを生かせなかった。
 「小川は良く踏んでいましたね。前を残したいし、けん制して抜くタイミングが少し狂ってしまった。ライン3人で決まったのは良かったけど、1着権利だからやっぱり悔しいです」


<9R>
廣川泰昭選手
廣川泰昭選手
   9レースの準決勝Bは最終1センターで4人が落車する波乱のレースとなった。圧倒的人気を集めた荒井崇博は斜行により1着失格。2着入線の廣川泰昭(写真)が繰り上がり、記念初優出を決めた。
 「4回目の記念参戦なんですが、過去3回の成績が悪かったので、今回は何とか結果を残したかったんです。33バンクは得意だし、連日前々に動けている。今日は前で落車があったけど、上手く避けられたし、積極的に仕掛けたことが結果につながりました」
 2着には地元の山根義弘が入った。
 「記念の決勝は何年ぶりかな。もう10年以上は経っていると思います。年齢も年齢だし、もう記念の決勝に乗れることはないと思っていました。今回は本当にツキがあったし、すごく嬉しいです」


<10R>
海老根恵太選手
海老根恵太選手加倉正義選手
加倉正義選手
   10レースの準決勝Aは渡部哲男、志村太賀を相手に海老根恵太(写真)がホームから一気のまくり返し。最後まで力強く踏み切り、先頭でゴールを駆け抜けた。
 「前で2人が踏み合ってくれたので、いいタイミングで巻き返せました。初日に打鐘で仕掛けられずに失敗していたので、その反省を生かすことができました。今日は展開も向いたけど、だいぶ踏めてきていると思います。疲れはありますが、気持ちが前向きになっている。あと一戦なので、明日も力を出し切ります」
 2着の白戸淳太郎は笑顔が絶えない。
 「海老根君はさすがですね。抜群のタイミングで仕掛けてくれました。誰も来れないと思ったし、抜ける気もしなかった。今回は流れだけです。記念の決勝は去年の四日市以来。その時も追加でしたが、ここもいい追加になりました」
 渡部哲男をマークした加倉正義(写真)が3着に突っ込んだ。
 「わがままを言って番手を回らせてもらったし、ラインで決めることができなかったので素直に喜べない。自分の仕事はできたと思うけど、33の直線はやっぱり短いですね」
 人気の渡部哲男は5着に敗れた。
 「先行しか考えていなかったけど、内から志村君が来て脚を使ってしまった。気持ちを切り替えて明日また頑張ります」
 志村太賀は勝負どころで内に詰まって大敗。
 「予想外の展開でした。粘ることは全く考えてなかったし、踏み遅れてどうすることもできなかった」


<11R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手兵藤一也選手
兵藤一也選手
   最終11レースは武田豊樹(写真)が格の違いを見せつけた。赤板で外にいた小橋秀幸をどかして前に出ると、自分のペースに持ち込み、そのまま押し切った。
 「どうやって先行しようか考えましたが、身体が反応してああいう形になりました。前に出てからは上手くペースコントロールして駆けられたと思います。兵藤(一也)君も良く付いてきてくれました。オールスターから連戦が続いているから休みたいけど、体調を整えて明日の決勝も頑張ります」
 兵藤一也(写真)が完璧マークで2着。2車単は一番人気の堅い決着となった。
 「小橋さんをどかして前に出るのは作戦の1つ。武田さんから聞いていたので、離れず付いていけました。良くかかっていたし、全く抜ける気はしなかった。急な追加で直前まで強めに練習していたけど、脚は日に日に軽くなっている」
 武井大介の番手から追い込んだ松坂英司が3着。
 「武井君が前々に踏んでくれたお陰です。最後は内しかコースがなかったし、申し訳なかったけど、踏ませてもらいました」
 4着の武井大介はさすがに悔しそう。
 「最終的に三番手を取れたし、松坂さんには悪いけど仕掛けずに直線勝負で決勝に乗れると思ったんですが…。4番(小橋秀幸)がまくって来た時に少しけん制したら内に入られてしまった」
 浅井康太は予想外の展開で、力を出し切れずに終わった。
 「武田さんに突っ張られるのは嫌だし、早めに押さえに行きました。前に出て武田さんの位置を確認しようと思ったら、自分の横まで来ていました。まさか三番手から来るとは…」

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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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