『被災地支援競輪防府競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:11月5日
 平成28年熊本地震被災地支援・防府競輪開設67周年記念「周防国府杯争奪戦」は後半戦となる3日目に突入。準決勝3個レースをメーンに、熱戦が繰り広げられた。10レースは3人が落車、3連単の配当が30万円を超える大波乱の決着となったが、村上義弘をはじめ、竹内雄作、原田研太朗らベストナインが出そろった。明日の決勝戦でシリーズの頂点が決まる。
 最終日もどさけんトークショー&どさけんVS子供達1着当てゲームをはじめ、スピーチーズライブ、吉岡 稔真氏、山口 幸二氏のトークショーなど場内イベントは盛りだくさん。ぜひ防府競輪場でお楽しみください。
<10R>
北津留翼選手
北津留翼選手
吉田拓矢選手
吉田拓矢選手
 準決勝最初のレースは大波乱の決着となった。打鐘で吉田拓矢が前受けの北津留翼(写真)を叩くと、郡司浩平が吉田ラインを追う形から最終ホームで仕掛ける。武田豊樹が郡司を執ようにけん制し、最終バックで内へもぐり込んできた成田和也と武田、郡司の3人がからんで落車するアクシデント。2コーナーで武田の内をすくって、吉田を追っていた北津留が鋭く抜け出した。
 「内が2、3回空いてたので、びびったけど行きました。優参は玉野以来ですね。吉田君と武田さんが来ると思っていたので、作戦どおりに組み立てました。脚の感じはふつうだと思います」
 果敢に逃げた吉田拓矢(写真)が落車のアクシデントもあって2着に残ったが、武田が落車したことで表情は冴えない。
 「武田さんに助けられました。引くかどうしようか迷ってしまって…。郡司さんに合わせて踏んだんですが、あんなに早く巻き返してくるとは思わなかったですね。ギアを上げたのは正解でした」
 落車を避けた大槻寛徳がしぶとく追い込み、濱田との際どい3着争いを制した。
 「根性だけですね。成田さんは本当にすごい。あの一瞬の判断で間に行くんですもん。僕はたまたまです。共同でも決勝に乗っているし、防府バンクは相性がいいですね。記念の決勝は今年初めてなので、ラッキーでした」
 濱田浩司は惜しくも4着で優参を逃した。
 「しっかり付いていけば何てことなかった。成田君が降りてきてワーっとなってしまった。めっちゃ内を走らされました」

<11R>
竹内雄作選手
竹内雄作選手
坂本貴史選手
坂本貴史選手
 竹内雄作(写真)の強さが際立った一戦。レースは後ろ攻めの服部克久が青板前から動くと坂本貴史、清水裕友、単騎の石川雅望もこれに乗っていき前受けの竹内は8番手へと下げさせる。2センターから清水が仕掛け、合わせるように坂本も動く。赤板過ぎの1コーナーで清水が先頭に立つも、8番手から竹内がアタック。竹内は打鍾過ぎの松浦悠士のけん制も乗り越えると、最終ホームで清水を叩き切る。が、番手の山内卓也は松浦のけん制で離れてしまう。そのまま一人旅になった竹内が2着に5車身差の圧勝でファイナルに進出した。
 「作戦どおり。(山内)卓也さんのいうとおりに走りました。連日、卓也さんのおかげです。でもちょっと焦って動いちゃいました。スピード違ってたし、もっと外、外を踏んでいけばよかったです。そうすれば2人で決まってたと思うんで。明日はラインもできるので優勝できるように頑張ります」
 坂本貴史(写真)は清水の一瞬の隙を見逃さず内をすくっていき2着に。13年12月伊東以来3度目の記念優参を果たした。
 「(竹内)雄作さん一人スピードが違いました。記念の決勝は久しぶりでうれしいけど、(竹内と)脚が違ったんで力の差を思い知らされました。今日は前々にいないと勝負にならないと思ってました。(最終2コーナーは)狙ってではなく流れの中で前に踏んでいきました。清水も浮いてたし、守澤(太志)さんもうまくいれてくれました。調子はいいと思うので自分らしくいきたいです」
 守澤太志は巧い走りで園田を締め込み、坂本とともに決勝進出を決めた。
 「今日は竹内に駆けさせたら終わりだから1車でも前にという作戦でした。(坂本)貴史が強かったですね。(最終)3コーナー過ぎくらいで貴史も内から来てたし、園田さんにいかれないようずっと内、外見ながら。何とかツースリーで決めようと。余裕はありましたけど、なんとかクリアできてよかったです。状態は悪くないし、決勝もできることをしっかりやっていきます」
 惜しくも決勝進出を逃した園田匠は勝負どころの動きを悔やんだ。
 「守澤が巧かった。守澤に付いていけば2、3着だと思ってたけど。自分のコースがなくなってしまった。イメージはよかったんだけど、結果的にしっかり仕掛けてた方がよかったですね」

<12R>
原田研太朗選手
原田研太朗選手
坂上樹大選手
坂上樹大選手
 青板周回の2コーナーから上昇した原田研太朗(写真)を制して、中団から踏み上げた稲垣裕之がそのままハイピッチで駆けていく。原田は中団で態勢を立て直し、荻原尚人が7番手の態勢で打鐘、ホームを通過。2コーナーからまくった原田に対し、車間を空けて別線の反撃に備えていた村上義弘がこれを張りながら前に踏む。激しい直線の攻防を制した原田が1着をさらった。
 「連日、動きだしが早いですね。ラインでワンツースリーを決めるために押さえて駆けて残るつもりだったんですけど…。中団を桑原(大志)さんに取ってもらえたし、後ろからカマシも来なかったので、展開が向きました。でも、地元を連れているのに、しょうもないレースをしてしまった。もうちょっとスピードがあって、村上さんを乗り越えられたらよかったんですけどね」
 2着の村上義弘は「一時期よりは感触がよくなっている。決勝は自分で」と言葉少な。ラインで決められずに、表情は険しかった。
 中四国コンビの後位を回った坂上樹大(写真)は最終3コーナーから巧みにインコースを突いて3着に食い込んだ。
 「今日は気持ちを入れて、優勝戦に乗ろうと思ってました。原田君が止まったように感じたし、外は無理だと思って、先に桑原さんのコースに入る形になってしまった。ちょっと申しわけなかったですね。でも、あそこしかなかったです。脚は軽かったですね。記念の決勝は覚えてないくらい久しぶりです」
 先行した稲垣裕之は末を欠いて5着に敗れた。
 「しっかり残れるように駆けたつもりです。原田にも脚を使わせたし、これが自分の持ち味ですから。でも、あれでまた来るんだから原田君は脚がありますね。もうひと感触、道中で感じた部分はあったので、これは走りながら思い出していきたい。最終日もしっかり気持ちを入れて頑張ります」

<最終日・9R 熊本地震災害復興支援レース>
中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
芦澤大輔選手
芦澤大輔選手
 最終日の第9レースに「熊本地震災害復興支援レース」が行われる。人気の中心となるのはやはり中川誠一郎(写真)だ。前回の熊本記念in久留米では地元記念初優勝を果たした。今回も復興支援レースとあって負けられない。
 「リオ五輪のあとひとつの山場と思っていた地元記念が終わってホッとしました。優勝もできてうれしかったですね。記念が終わったあとも練習はしています。競輪祭、グランプリとあるんで、また上げている途中ですね。せっかく復興支援してもらってるんで、競輪祭、グランプリにつながる走りをしたいです。2車ですけど、いつもどおり、タイミングよく仕掛けたいです」
 中川に対するは関東トリオとなりそうだ。その中心となるのが芦澤大輔(写真)。やや調子を落としていたが、感じはよくなってきているようだ。
 「練習はコンスタントにできていますし、感じ的には悪くないです。前回の(熊本記念in)久留米ではまとまってはいなかったけど、走ってみての感触としてはこれから上がってきそうな感じでした。(鈴木)謙太郎に任せて1回勝負なんでしっかりパフォーマンスを出せるように」
 小笹隼人の番手となる三谷将太にもチャンスは訪れそうだ。
 「小笹とはここに来る前一緒に練習をしてきました。やりすぎくらい練習しまくってましたね。松本のほうにも行って深谷(知広)や金子(貴志)さんともバンクで練習してきました。タイムもでてました。それにしても今回メンバーがよすぎです(笑)」
 小倉竜二は単騎での戦いを選択。好位確保からの勝負にかける。
 「練習方法を変えて。おもにウエイトをやりすぎてたんですけど、違う種目のウエイトに変えました。ジャンピングスクワットだったり、いろいろな種目をトレーナーが組んでくれてますね。体が動いてなかったけど、動くようになりました。最近は単騎でやることも多いし、流れで前の方にいてチャンスがあれば」
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