『防府競輪開設68周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:11月1日
 明日、2日から防府競輪場で開設68周年記念「周防国府杯争奪戦」が開幕する。村上義弘、浅井康太、中川誠一郎のS班3名を筆頭に豪華メンバーがそろった今シリーズはハイレベルな優勝争いになることは間違いない。年末のグランプリ出場をかけた争いも今月が最後。賞金ランキング8位の諸橋愛、同9位の桑原大志にとっても気の抜けない4日間になりそうだ。
 開催中は毎日、スピーチーズや地元選手らによるウェルカムイベントからスタート。吉岡稔真氏、久保田浩章氏による予想会(10~12R発売中)や吉岡稔真氏、山口幸二氏によるトークショー(4R発売中)、スピーチーズ(5R発売中)や長田真友子(8R発売中)のライブなど様々なイベントが予定されています。「周防国府杯争奪戦」をぜひ本場でお楽しみください。

<1R>

 前回の川崎FIではシリーズの3日間を通して最終バックを取る積極的な走りを披露した鈴木竜士が、気持ちを込める。
 「いまはとにかく先行でと思っている。脚の方は変わらないけど、川崎はレース内容は良かった。そこから練習はいつも通りだし、(初日は)自力で勝てるように」
 水谷好宏は前回の千葉記念3772着から中2週間。ゆとりのローテで変わり身が期待できる。
 「空いていたんで、練習は自分のペースでできた。ベースの部分の練習ができたし、自分ではその部分が減ってきていると思っていた。(9月に)落車して地の部分がなくなってきたんで、距離を乗る練習とかもできた。もともとそれがないとアカンっていう考えなんで」

<2R>

 工藤文彦は前回の千葉記念で準決進出も反省を忘れず、石丸寛之との一次予選を見据える。
 「(千葉では)すごい差を感じました。準決もそうだし、最終日もそうだった。それでも準決を走らせてもらったんで、また頑張ろうっていう思いはあります。(一次予選は同県の先輩の石丸に)あとで自分が前だったらよかったって思われないように頑張らないといけませんね。千葉が終わってから風邪を引いたけど、それはもう大丈夫です」
 前回の向日町FIでも高久保雄介とタッグを組んだ三谷政史が、目を細めてメンバーを見る。
 「(高久保と向日町の)2日目は僕が3番手、最終日は一緒だったんで、これで3走続けて一緒ですね。ずっと練習はやっていたけど、(調子が)ちょっと悪かった。それからしたらいまはだいぶ良くなっている。ラインで決められるように自分の仕事ができたら最高です」

<3R>

 前々回の4日制の京王閣FIで決勝進出、前回の千葉FIで1勝をマークと愛敬博之は、まずまずの成績を残している。
 「(番手回りは)ボチボチできているんで、本当にもう一戦、一戦ですよね。気持ちで負けないようにとは思っている。ただ、番手で意識して動いてしまうと3番手から抜かれたりしてっていうのもある。難しいです」
 内村泰三は、千葉記念6621着としり上がりの成績から中2週間で地元記念を迎える。
 「かなり仕上がりました。あとはオジサンなんで疲れが取れるか心配なんです(笑)。ちょっとやりすぎっていうくらいに(練習を)やってきた。竹内(翼)君とは連係もあるし、先行すれば強いですから」

<4R>

 前回の向日町FIでは2度のシンガリ負けを喫している伊早坂駿一は、乱調ムードを断ち切りたい。
 「その前の千葉と向日町は新車だった。それが合わなくて今回はフレームを戻してきました。体の方の調子は全然悪くなかった。だから、(フレームを)戻して乗った感じも良かった。使ってみなきゃわからないところもあるんで…。(フレームを戻して)不安要素をなくしてきたつもりです」
 近況は勝ち味に遅い内藤宣彦は、現状のコンディションを冷静に分析する。
 「地区プロのケイリンを走って3着だったし、脚はそこまで悪くない。自分的には脚がそこまで落ちている感じはない。ただ、競走得点が下がってくると、番組の方も厳しくなってくるんで我慢ですね」


<5R>

山下一輝選手
山下一輝選手
 山下一輝(写真)は10月広島でS級初優勝。今回は追加での参戦だが、「ほぼ正あっせんと変わらない感じ」と早い段階で追加が決まり、状態の不安もなさそうだ。
 「初優勝したあとはちょっと警戒されて、やられてしまった。まだ力が付いてないなって感じですね。配分が詰まってたのもあって玉野は悪かったけど、終わってからここまでは空いた。(地元記念の初日は3走で2勝)1着率が高いので今回も。しっかり頑張ります」
 番手は大川龍二。ここ5場所で5勝を挙げるなどタテ脚好調だ。
 「山下君とはワンツーもあります。(順番は一輝、龍二の)名前どおりでオッケーです(笑)。最近は1着とかも取れだしたんで。点数も今までS級にいたなかで一番高いし、一歩ずつ自分のプランのなかで積み重ねられてる。ここからは未知のところだけど、また一個ずつやっていきたい」

<6R>

取鳥雄吾選手
取鳥雄吾選手
 取鳥雄吾(写真)は今期1班に上がってから記念やFIで初めての予選スタートとなってしまった。
 「まさかの(特選から)もれたっすね。でも、この成績だし、しゃーない。予選から1着をいっぱい取れるようにですね。ギックリ腰で熊本記念を欠場したけど、だいぶ良くなったし大丈夫だと思う。ここまでもいつもどおりやってきたし、問題ないかな。S級特進を決めたのも防府だったし、イメージはいい」
 まだ9月伊東で落車した影響が残っている佐々木則幸だが、取鳥という好目標を得たチャンスを生かしたい。
 「最初、取鳥の後ろと言われて、俺102点なのに特選? と思った(苦笑)。まさか予選に取鳥がおるとは。しっかり付いて行きたいですね。伊東の落車で痛めた足首が全然治らない。徐々によくはなってるけど、我慢してやるしかないですね」

<7R>

 志智俊夫は前回の千葉記念でも3度の確定板。鋭いタテの脚で成績は安定している。
 「ちょっと自転車や靴を換えて成績を落とした時期もあったけど、松戸記念から靴は換えたままでフレームだけ戻した。それが松戸で合って来ているなと感じました。まだ終わってないけど、今期もしっかり1班(の点数)が取れるように頑張ります」
 伊藤裕貴はこのメンバーで機動力上位の存在。短走路だけに、ペース次第では押し切りもありそうだ。
 「33バンクに関しては普通ですよ。調子も普通。良くも悪くもなく変わらずってとこですね。今年は去年に比べて上積みがなかったけど、来年は1班に復帰するし、上がってはきてるのかなと思う」
 大西祐はギア変更が吉と出るか凶と出るか。
 「前回(松山FI)からギアを3.92にして、今回からギアの組み合わせを47×12に変える。ギア規制がかかってすぐに使ってたギアだけど、そのときはなじまずに3年ぐらい使ってなかったんですけどね。いいイメージはないけど、このままじゃ頭打ちになるので。今回は追加だけど、前回(松山FI)はナイターだったけど、ナイター明けから普通に練習して来ました」

<8R>

國村洋選手
國村洋選手
 ここは野原雅也は人気を背負う。9月岐阜記念のあとにギックリ腰になってしまったが、寬仁親王牌、向日町FIとその後も初日は連勝しており、期待に応えてくれそうだ。
 「今回、同期は(谷口明正と)2人しかいないんですけどね。いきなり対戦するとは…。過去に対戦したことはあったかなあ。1回あった気もします。地元に任されてるし、しっかり勝てるようにですね。防府は前回(6月FIで)来たときに優勝してます」
 國村洋(写真)は満を持して地元記念に参戦。セッティングを試行錯誤して一時成績を落としていたが、前回の名古屋では決勝2着と地元記念にきっちりと合わせてきた。
 「前々回の小松島である程度の方向性は見えたけど、そこだけじゃ判断できなかったんで、前回の名古屋を走れてよかった。手ごたえもアタリもあったし、ここに向けて上手くつながったかな。準備は整ったので、あとは結果を出すだけ。(野原の番手で)せっかくチャンスを与えてもらったので生かしたいですね」
 前回の名古屋こそ762着と振るわなかった谷口明正だが、最近は優出や1着回数も増えるなど成績は上向いている。
 「まだ本調子じゃないなと思いながらも結果はついてきてますね。でも前回はタイミングが悪かったし、甘いところがあった。前回みたいなミスをしたらアカンなと思います。戒めになりました。しかも(師匠の萩原)操さんと一緒だし頑張らないと」

<9R>

太田竜馬選手
太田竜馬選手
 太田竜馬(写真)は防府競輪場初登場。予選のメーンで圧倒的な人気に応える。
 「前回(松山FI)の決勝はラインも4人だったので先行しました。あれで9着ならダメだけど、5着に残れたんで。最近は安定してるんで良いと思います。寒い時期は苦手だけど、今年はそれなりにいけると思う。防府は初めて。33バンクはあまり好きじゃないけど、良さもあるので。そこを上手に使えたら。いつも使えてないんでね」
 梶原恵介に競られることになった山形一気だが、番手を死守して太田に続きたい。
 「今年の福井記念の初日に連係したし、太田とは2回目。今回もなるだろうと期待しながら来ました。競りは仕方ないですね。前回(熊本記念)の2日目、3日目ぐらいから良くなってきたし、イケるかなって感じはあります」

<10R>

中川誠一郎選手
中川誠一郎選手
 熊本記念連覇はならなかった中川誠一郎(写真)だが、シリーズ3連勝で勝ち上がるなど復調していることは間違いない。
 「前回の決勝に関してはホームで行くしかなかったですね。小松崎(大地)が先に仕掛けたんで行けなくなってしまった。でも武雄(共同通信社杯)あたりから、体調的にはまずまず戻ってる。ここまでは地区プロもあって忙しかったけど、そこから5、6日あったので疲れも取れて問題ないと思う。防府も最近いい気がしますね」
 和田真久留は9月青森記念の落車で鎖骨骨折。今シリーズは1カ月ぶりの実戦となる。
 「練習は3日ですね。あまり休んでも(状態が)分からないし、走って考えようかなと思った。でも、ある程度戻ってるし、特に問題は見つからなかったんで。レースはまた違うけど、そこは上手く対処して走りたい」
 変わらず好調を維持している和田健太郎が和田真を援護する。
 「追加は3日前ぐらい。別に(配分間隔が)詰まってる分には気にならない。(前回、立川FIでは目標不在でも1着)一時よりも、そういう気構えというか、見せていかなきゃっていうのが出てきた。与えられたところでやるだけだし、そのなかで最低3着までに入れるようなレースをね。それをもっともっと高いレベルでできるように」

<11R>

浅井康太選手
浅井康太選手
 浅井康太(写真)は前回、熊本記念の初日に続いての自力戦。今シリーズは中部地区の自力選手が手薄で、自力での戦いが増えそうだ。
 「それは分かって来てるので。久々の自力開催になりそうですね。いいメンバーで、GI級と走れるんで、しっかりどこかで仕掛けたい。考えるより、体が動いてくれればいいですね。雨が続いたり、地区プロもあったりでしっかり乗り込めてない。不安要素はあるけど、しっかり頑張ります」
 諸橋愛にとってはグランプリ出場をかけた最後の1カ月。前回の松山FIから中3日は地元には帰らず、久留米の江嶋康光のマッサージを受けながら練習をした。
 「ふとした時に『来月の今頃はどうなってるのかな?』って考えることはありますよ。でもあまり考えると競走が小さくなるし、いつもどおりやってダメなら仕方ないって感じ。前回は寬仁親王牌で落車してから走ったわりには、そんなに悪くなかった。あとは展開って感じ。そこからは久留米に3日間いて、江嶋さんのマッサージを受けながら練習してました。時間を気にせずマッサージを受けられたのでよかったです」
 吉澤純平は前回の熊本記念でも力強い走りを見せていた。もう落車が続いた怪我の心配はなさそうだ。
 「追加の連絡は早かったんで、休んでしっかり練習して来ました。この間(熊本記念)が良い感じだったので。(肩甲骨骨折から復帰した)オールスターはさすがに力が抜けちゃう感じがあったけど、今は練習の上積みも若干あると思う。(オールスターから使うフレームも)しっかり合ってる感じがしてきました」

<12R>

桑原大志選手
桑原大志選手
 練習中の落車も含め、今年は度重なるアクシデントに見舞われている村上義弘だが、闘志はまったく衰えない。前回の千葉記念決勝でも単騎で自力を出すなど、ファンの心をつかむ走りは健在だ。
 「それが自分の走りなんで。前回は自分の状態のなかでしっかり走れた。上向くようにはやってるんだけど、なかなか結果に繋がらないですね。ここまでは気になるところを見つけて練習して来ました」
 桑原大志(写真)は現在、賞金ランキング9位。地元のここでしっかりと結果を残して、競輪祭で勝負をかけたい。
 「ここらで踏ん張らないと。でも毎年同じことでダメなんで、気楽にいきます。周りの人からも『自然にやってこい』って言われたので。(地元記念を)獲れるとか獲れんとかは考えないようにしたい。今回は楽しみではある。自転車とシューズを全く別物にして、トライしてみる。練習では乗ってみたけど、レースで使うのは今回が初めてです」
 山田英明は前回の熊本記念では初日に失格。今年最後のGI開催を前に流れを取り戻したい。
 「新車が間に合ったので、今回から使います。実戦で使ってみないと感じが分からないし、競輪祭までにレースはここしかないので。状態は悪くないけど、僕のなかで焦ってるところがある。かみ合わなかったり、結果が出なかったり、そういうところでですね。今年は前半だけだったと言われるのも嫌なので。気持ちが切れたら終わり。しっかり気持ちを持っていこうと思います」