『高松競輪開設72周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:12月5日

 高松競輪場で開催されている開設72周年記念「玉藻杯争覇戦(GIII)」は、12月5日に3日目を迎えた。熱戦が展開された準決では、稲川翔、佐々木悠葵、眞杉匠の3人が勝ち星を挙げ、地元からは香川雄介ただ一人が決勝に進んだ。いよいよいシリーズも大詰め、12月6日の最終日には、シリーズを勝ち抜いた9選手による決勝が行われる。
 記念シリーズ最終日も、地元選手トークショー、予想会などが予定されています。入場制限なしでご来場いただけますが、「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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稲川翔選手
稲川翔選手

稲毛健太選手
稲毛健太選手
 赤板1センターで高橋築が、勢い良く飛び出して先頭に立つ。九州勢が3、4番手に続き、岡村潤が5番手に切り替える。前受けの稲毛健太は、6番手で打鐘を迎えて2センター過ぎからスパート。高橋も合わせて駆けるが、最終2コーナーで稲毛がとらえる。西村光太は離れたが、近畿3車がバック過ぎに出切る。番手の稲川翔(写真)は、間合いを計りきっちり抜け出した。
 「稲毛君も慌てた場面もあったと思うけど、力でねじ伏せてくれた。(稲毛が仕掛けて)僕は出切ったあとのことを考えてました。自力選手が脚を削り合ったら、外を誰か飛んでくるかもしれない。その点も後ろが南さんだったんで安心してました。あそこまできたら、3人(での決勝進出)が最低条件だと。南さんが外を踏んでくれて、一番いい形のゴール勝負だった」
 稲毛ライン3番手の南修二は、最終3コーナーで後ろが松岡貴久と岡村の併走。直線に入って外に持ち出して追い込んだ。
 「自分はキツかったです。(稲毛は)強かったと思います。(最終)バックからは油断をしないように、3人で決められたらいいなと。(調子は)普通ですね。(初日の)落車の影響は感じないです。昨日(2日目)から今日にかけて(セッティングを)微調整したけど、明日はそのままいこうかと思います」
 高橋との力勝負を制した稲毛健太(写真)は、10月の松山に次いで今年2度目のGIII優出。ロングまくりで3着に粘り込んだ。
 「突っ張る予定だったんですけど、(高橋が)いい勢いでしたね。(切り替えた単騎の)岡村さんもうまかった。そのあとはタイミングを取らずにすぐに行ったんですけど、高橋君はあれだと思いました。なんとか出られた。3番手くらいまで行った時に、出られるかなっていうのはあった。ただ、最後までもたなかったですね。日に日に良くなってきている感じです」

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佐々木悠葵選手
佐々木悠葵選手

香川雄介選手
香川雄介選手
 前受けの野口裕史が赤板過ぎに敢然と突っ張って、外に浮いた佐々木悠葵(写真)は吉澤純平に迎え入れられるように4番手に収まる。渡邉一成が6番手になり打鐘を通過する。野口がハイペースで駆けて、最終2コーナーで一度は外に持ち出しかけた佐々木は戻る。渡邉のまくりは中団まで。4番手の佐々木は、3コーナーから空いたインを進出する。内から香川雄介を張るも、返された佐々木がさらに野口の内を踏んで抜け出した。
 「1回バックを踏んじゃったんで、絶対に外は行けないなと。(内に入って)香川さんをキメようかと思ったら、全然(香川が)動かなかったですね。(シリーズを通しての3走は)あんまり思い切りいけてないので、(調子は)わからないです」
 佐々木マークの吉澤純平は、最終2センターで佐々木と接触したものの粘り強く内から伸びて2着。初日特選で落車に見舞われたが、決勝にコマを進めた。
 「(野口が)突っ張るのは想定していたので、早めに4番手をキメておこうかと。(4番手に入った)佐々木君がそこからどうするかでした。内が空いてラッキーだった。でも、佐々木君が外に行くかどうかわからなかった。危なかったけど、空いてくれて良かった。(初日の)落車で万全じゃないけど、ツキもある。自力選手のおかげで勝ち上がれました」
 野口の先行で消耗戦を強いられた香川雄介(写真)は、苦しいなかで冷静なジャッジ。最終4コーナー手前で佐々木をいなして、地元からただ一人、優出を果たした。
 「野口がむちゃくちゃハイピッチだった。それで自分はジャンのところでは、脚の採算がゴールまで合わなかった。どう考えても残り半周で終わるんじゃないかと。むちゃくちゃキツかったです。そのあとは(内に来たのが)大槻(寛徳)かと思ったら、佐々木だった。佐々木がこんなことするとはって感じだった。体重を(佐々木に)乗せて、それで僕も伸びました」

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眞杉匠選手
眞杉匠選手

宿口陽一選手
宿口陽一選手
 眞杉匠(写真)は赤板1コーナーで簗田一輝を出させて、すんなり後方まで下げる。瓜生崇智が4番手に続いて、6番手に佐々木豪。8番手の眞杉は、打鐘3コーナーからアタック。懸命に合わせる簗田を眞杉がスピードの違いでのみ込む。簗田に当たられて遅れた宿口陽一だったが、最終バックで追いつく。関東勢を目標に踏み上げた瓜生は、松谷秀幸に阻まれる。関東両者の直線勝負は、タイヤ差で眞杉に軍配。
 「初日とかはすごく重たかったけど、重いなかで回せるようになってきた。日に日に良くなってます。昨日(3日目)サドルまわりをいじって、調子がいい。あとはしっかりと疲れを取って明日に備えます」
 踏み出しを含めて何度か眞杉との連結でヒヤリとするシーンもあった宿口陽一(写真)だったが、直線ではしっかりと詰め寄った。
 「(眞杉が)強かったですね。(打鐘)3コーナーののぼりでいったんでキツかったです。ほかのラインは飛び付きか、3番手狙いだと思った。そこを対応できて脚の余裕もあった。けど、(眞杉を)抜けてないのは、これが現状かなと。病気明けで練習もまともにできてなくて、不安しかなかった。そのなかでラインのおかげで勝ち上がることができました」
 関東の2人には出切られた簗田一輝は、3着に踏ん張って優出。ゴール後は落車のアクシデントもあったが、決勝では地元の香川雄介とタッグを組む。
 「ジャンを過ぎて3コーナーに入った辺りで全開でいった。(眞杉を)出させるつもりはなかったけど、出られてしまった。なんとか追いついて、もういっぱい、いっぱいでした。(ゴール後に落車をしたけど)落車後のケアは慣れている方だと思うので、しっかりと体を動かして明日(最終日)に備えたい」