『高松競輪開設73周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:2月18日

 令和6年能登半島地震復興支援競輪・高松競輪開設73周年記念「玉藻杯争覇戦(GIII)」は2月18日が大会2日目。日曜日とあって場内も賑わう中で争われた二次予選は実力者が概ね順当に勝ち上がった。初日特選を制した松浦悠士は芸術的な寸差しを決めて2連勝で準決へ。地元の香川雄介、福島武士もファンの熱い声援を受けて連勝を決めた。第6レースでは岩本俊介が嬉しい通算400勝を達成した。19日にはファイナリスト9名を決する準決3個レースが行われる。
 記念シリーズは開催中の毎日、高松グルメなどが当たる未確定車券抽選会、馬場圭一さんによる予想会が予定されています。高松競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<6R>

岩本俊介選手
岩本俊介選手
 石原颯が寺沼拓摩を叩きに出ると、寺沼は桑原大志のところでイン粘りを敢行。岩本俊介(写真)は前団がもつれたところを一気に仕掛けて最終バックでまくり切った。そのまま押し切り通算400勝を達成。
 「やっと400勝ができました。岐阜では記者さんに言われるまで本当に忘れていて、1勝の重みがありました。節目のところで自力で1着っていうのは偶然でもうれしい。前がごちゃついて、展開が向いたし、運も良かった。あれがすべてでしたね。脚はいいわけではないので、気持ちで走った、それが明日(3日目)につながれば」
 東龍之介がぴったりと続いて南関勢が上位を独占。
 「後方にいたので(ハンドルを)握りしめていた。(岩本の)キレがすごくて、さすがでしたね。昨日はとりこぼしていて、勝ち上がるとレベルも上がるので、そういうところをコンパクトに走りたい。冷静と情熱の間で(笑い)。前回、決勝に乗れているし、毎場所、レースを見ることもできているので感じはいいと思う」


<7R>

福島武士選手
福島武士選手
 正攻法から進めた町田太我は山口多聞を出して3番手に入るが、高橋和也の仕掛けに合わせて出ていき、関東勢を最終ホーム前に叩いて先行勝負。中四国ライン3人で出切り、番手の福島武士(写真)が交わした。
 「スタートで、脚が半分くらいなくなりました。あとは町田君がその時の判断で行ってくれた。自力型は脚を使いあっていたし、見えていなかったけど浅井(康太)さんが内へ降りてるんだろうなって。町田君は初日の結果的に4着じゃ(準決への勝ち上がりは)厳しいだろうし、3着までに残さないとって。昨日よりは体も動いて良くなってきた」
 町田太我は赤板で山口多聞を出してからの巻き返しで冷静な立ち回りを見せる。
 「ニュー町田ですね。自分の中では理想の展開でした。モガき合うふりをして後ろのラインを惑わして、競輪ですね。上位相手でもそういった動きを取り入れていきたい」


<8R>

武藤龍生選手
武藤龍生選手
 林慶次郎が打鐘前に出ると番手の小岩大介に稲垣裕之がからみ、最内では蒔田英彦と3車が併走になった。吉田拓矢は隊列が短くなった隙を逃さずにスパート。林を叩いて主導権を握り番手の武藤龍生(写真)が好展開を生かした。
 「(打鐘付近で)ここを行けばってところで(外に)差し込んでしまっていたけど、(吉田)拓矢が気を使って行ってくれた。出切ってくれれば、2人で勝ち上がれるなと。あとは林君が整えていたので、拓矢を2着までにはと(林の)踏みどころを消して走った。拓矢の頑張りにつきます。疲れが思ったよりもあるので整えたい」
 吉田拓矢は林の後ろがもつれた隙を逃さずに一気に叩いて出た。体は反応しているが、課題もあったようだ。
 「あそこはベストタイミングでした。踏み出しは悪くないけど、そのあとは自転車がかみ合っていないので微調整をしたい。踏み直しが効かないけど、どこをいじるかはわかっているので調整します。体はいいので、あとは自転車とマッチするかどうかですね」


<9R>

香川雄介選手
香川雄介選手
 中団から進めた佐々木豪は中島詩音の上昇に合わせて前に出た。中島が打鐘前2コーナーのくだりをつかってスパートをすると、佐々木が合わせて踏み両者でモガき合いに。中島の後ろの竹山陵太が連係を外すと、佐々木は中島の後ろに入る。佐々木は呼吸を整えてから2センターで前へと踏み、最後は香川雄介(写真)が差した。
 「初手が中団だったけど、思いのほか佐々木君が頑張ってくれて、気持ちとしてはうれしかった。佐々木君の動きには感謝しています。佐々木君が減速してあれって思ったけど、(中島を出させて)冷静に全部やってくれた。連日、番組と展開に助けられていますね。全部気持ちで走っていますよ」
 前に前にと踏んだ佐々木豪の好走が光ったレース。2日目からは初日と違う自転車を使用した。
 「初手はどこでもよくて、中島君が先行すると思ってイン切りしたけど、ジャンまでに仕掛けてこなかったし、後ろには香川さんを連れているので突っ張りきる感じで踏んだ。中島君の後ろが離れていたので、出させても問題ないかなって冷静になって走りました。風が強いけど気持ちでずっと走っていた。香川さんに差されるのは仕方ないですね。今日からフレームを元のエース機に戻して、一番馴染んでいるなって感じ。地元記念も(来月に)控えているし、今まで信頼しているフレームに乗った方がいいかなと」


<10R>

北津留翼選手
北津留翼選手
 山本直、柴崎淳の順番で動いたところを大石剣士が打鐘で出て主導権。北津留翼(写真)は前受けから8番手まで下げたが、最終2コーナー前から仕掛けると、抜群のスピードで前団を一気にまくった。
 「前だったら、まくりに構えようと。流れも大石選手が行って、いいタイミングで一気に行けました。(今日の)上がりタイムを見ても先頭は苦しそうだったので、まくりでも不利はないかなって。(感触は)展開がいいのでわからないけど、脚はいつも通りです」
 園田匠は最後方になっても北津留を信頼して追走に集中。吉田敏洋にからまれたが、2着をキープした。
 「翼は相変わらず強かったし、安心して任せていた。どこからでも行けるので。踏み出した瞬間に2着はあると思って落ち着いていた。コーナーの部分でからんでしまったけど感触は昨日よりも良かったです」


<11R>

松本秀之介選手
松本秀之介選手
 後ろ攻めになった松本秀之介(写真)は赤板過ぎで大川剛に突っ張られると、車を下げて4番手に収まる。連係を外していた井上昌己は追い上げて松本の後ろに付け直す。大川は最終ホーム線をめがけてペースを上げていき主導権を握るが、好位置を確保した松本が鮮やかにまくった。
 「おおかた後ろ攻めになるかなって思っていた。突っ張られたら、4番手を取れたらと。中団に入れて、休めたので仕掛けた時のスピードも悪くなかった。昨日より今日の方が軽く感じました。準決勝も立ち遅れないように位置にもこだわって、仕掛ける所で仕掛けていけたらと思います」
 井上昌己は松本に付け直したあとは仕掛けにぴったりと追走。九州ワンツーが決まった。
 「松本君がうまく中団を取ってまくってくれて、全部やってくれました。松本君は地脚なのでああいう展開は得意なんじゃないかな。(自身は)今日は正直イマイチですね。力が入りきらない感じ、やっぱり疲れだと思います。修正点は特にないです」


<12R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 松浦悠士(写真)がスタートを出て、犬伏湧也と中四国の2人が前受け。後ろ攻めの菊池岳仁が残り2周のところで勢い良く出て先頭に立つが、一瞬流した隙を犬伏は逃さない。2コーナーから一気に加速をすると、菊池を打鐘過ぎに叩いて主導権を奪う。番手の松浦は3番手に入った菊池を警戒して車間を空けてけん制し、ゴール前で計ったような差し切りを決めた。
 「今日の犬伏君に求めていたのは、(後ろから力ずくで)お客さんを沸かす競走、魅せる競走でした。それが、(先行になって)僕の役割になった。真後ろに菊池君がいたので、そこを対応できるようにと。2人でいい連係になったなって思います。僕たちが求めているのはそういうところ。しっかりとゴール前勝負できるようにと。(調子は)昨日が一番で、それよりも良くないです。初日の状態になればいいんですけど」
 犬伏湧也は想定と違うレースになったが、2車でも主導権を奪ってレースを掌握した。
 「前から引いてスピード良く行くイメージでしたけど、菊池君が流していたので、すかさず行く判断をしました。4車の菊池君にすんなり駆けられたら難しいかなっていうのがあったので。(イメージと違っても)臨機応変に行けてよかった。距離が長くてしんどかったけど、今度は松浦さんに抜かれないように頑張りたい。セッティングをいじったら、思いのほか、ハマっていますね。初日よりも体は軽くなっているのかなって。2車でも長い距離でワンツーっていうのは自信になる」