『高松競輪開設74周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:1月29日
 高松競輪場で大阪・関西万博協賛・開設74周年記念「玉藻杯争覇戦(GIII)」が、1月30日に開幕する。前回の松阪記念を完全優勝したばかりの郡司浩平、新山響平のS級S班2名をはじめとする全国の強豪を、エースの犬伏湧也を中心に、石原颯、香川雄介の地元勢ら四国勢が総力を結集して迎え撃つ。初日から目が離せない熱戦の連続となりそう。
 記念シリーズは、週末に盛りだくさんのイベントが用意されているほか、開催中の毎日、チャリチャン生放送×予想会ステージが予定されています。高松競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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中嶋宣成選手
中嶋宣成選手
 中嶋宣成(写真)は、年始の岸和田F14日制シリーズで決勝進出。予選を連勝で勝ち上がると、準決は、先行して窓場千加頼に次ぐ2着でクリア。好調さが際立っている上に、今回は配分が空いて上積みも見込めそうだ。
 「(配分が)空いて、途中で体調を崩して3日ぐらいは思うように練習ができなかったんですけど、それ以外は大丈夫でした。街道練習がメインなんですけど、乗っている感じは良かったんで。いつも通りに、行けるところからしっかり仕掛けたいですね。相手が誰でも、戦い方を変えることはないんで」
 山根将太は、中嶋と同等のバック数を保持しており、こちらが先行するシーンもありそう。苦手な朝のレースを、どう攻略するか。
 「1レース1番車は2回目だと思います。朝が早いのはあんまり得意ではないんです。勝ち上がって、ゆっくり起きられるレースを走ることができれば。練習は普通にやってきて、状態も普通です」


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 競輪祭で落車した成田和也であったが、12月取手FIで復帰してからは3場所連続で決勝進出。安定した成績はさすがだ。
 「前々回が終わってから体調を崩したんで、前回は練習ができていない状態だった。前回が終わってからは、普段通りに練習ができたんで、今回はそんなに心配していない。まずは(坂本)貴史に自分のレースをしてもらって、そこからの勝負ですね」
 一時は成績を落としていた坂本貴史だが、12月頃からは1着が増えてきた。復調の手応えを、本人も感じている。
 「昨年の青森記念で落車をしてからいろんなことがズレて、調子を落としていました。それが、伊豆に冬期移動をして、良くなってきて、12月の前橋くらいから感触も上がってきている。競走得点を気にするよりも、しっかりとレースをつくれるように」


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 川越勇星は、2勝を挙げた松阪記念から中2日で追加参戦。セッティング面の不安も解消されて、気になるのは状態面だけだ。
 「日がなかったんで、自転車には乗ってないけど、ウエイトはしっかりやってきました。いつもと違う刺激を体に入れてきた感じですね。あとは、疲れがどれくらい出るかどうかですかね。佐世保記念でセッティングをかなり変えたんですけど、自分には合わなかったんで、もう元に戻しました。今のが自分のセッティングだし、これで負けたら単純に脚負けです。今回は神奈川の先輩が多いんで、勝ち上がって頑張りたいですね」
 山賀雅仁は、優出した12月松山記念以来の9車立てに挑む。年始の大垣FIは優出を逃したものの、2連対でオール確定板入りと、状態を悲観する必要はなさそうだ。
 「前回が終わってから、内臓系の調子を崩したんですけど、練習はしてきているんで、大丈夫だとは思います。川越君が頑張ってくれると思うし、しっかり任せて付いていきたい。車番が良いんで、彼の持ち味を十分生かせるんじゃないですかね。彼が1着を取る走りをしてくれて、抜けば僕が1着なんで」


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島川将貴選手
島川将貴選手
 島川将貴(写真)は、イマイチ成績が安定せず、前回の1月松山FIも6、1、7着と、大敗と1着が隣り合わせの成績。なんとか上向こうと、試行錯誤の中にいる。
 「松山が終わってから、ちょっと空いたんで、練習内容を変えたりしながらいろいろとやってきました。前回よりは良い状態だと思っています。バンクに行ったり、街道に行ったり、練習は何でもやっているけど、まだ考え中です。スピードがなくなっている感じがするし、練習はしているのに弱くなっているんで、練習のやり方が違うのかと思っていろいろとやっています」
 迫力ある仕掛けが持ち味の長田龍拳は、昨年ラストの12月地元静岡FIで3日間最終バックを取って優出。年始の1月前橋FIも、最終バックを取った初日と、3日目は確定板入りしており、力を出し切れるかどうかがカギとなっている。
 「間が空いて、練習はしっかりやってきましたけど、レースを走ってないんでそこだけ不安ですね。自分はしっかり仕掛けられるかどうかだけなんで。そこだけを意識して走りたい。積極的にいきたいですね」


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朝倉智仁選手
朝倉智仁選手
 朝倉智仁(写真)は、1月平で7、3、6着と、今年のスタートダッシュに失敗。その後は、同県の若手同士で高め合ってきたようで、今節は変わり身に期待できそうだ。
 「平は腰痛がひどくて、お客さんに申し訳なかったです。痛み止めを入れて走っている状態だったんで。そこから空いたし、練習はできたんで、今回は頑張りたい。茨城の若手で集まって、宮古島に合宿に行ってきました。練習はそこでちゃんとやったんで、あとはレースで頑張るだけです。また点数を上げていって、特別競輪で走りたいので」
 北日本勢は、佐藤一伸と、佐藤博紀の2車。バック数も多く、自力の決まり手も持っている佐藤博だが、ここは番手回りとなった。その経緯を、こう説明する。
 「ちょっと自分は配分が空いちゃったし、レース勘が不安なんです。自力と言っても、自分はイチかバチかみたいな仕掛けだし、レース勘がないと、仕掛けのタイミングを逃しちゃう可能性も高くなっちゃうんで。(佐藤)一伸は、いつも臨機応変に走れるし、今回は甘えさせてもらいます」


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 ケガの影響もあって調子を落としていた吉田敏洋だが、昨年終盤は徐々に復調。今年初戦の1月地元豊橋FIも優出している。前回の1月別府FIは途中欠場だったが、今節のデキはどうか。
 「前回は発熱で当日欠場させてもらったけど、インフルエンザとかではなかったし、もう体調は大丈夫。それで、久しぶりに空いた。去年の後半は走りっぱなしで、久々に練習できた。夏以降ずっと競走が続いてて、全く練習できなかったし、練習できたのが良い方向に行ってくれればいいけど。3月のアタマに地元記念もあるし、そこに向けても上げていきたい」
 佐伯亮輔は、昨年の夏に落車して鎖骨骨折を経験。10月に復帰してからは、競走を重ねるごとに動きが良化してきている。
 「前回も欠場は風邪でした。結構空いたので、もう大丈夫だとは思う。落車してから、徐々に良くなってきているって感じですね。12月くらいから上向いてきた感じがあります。初めての鎖骨骨折だったし、どう治せばいいかも分からなかったんですけど、むしろ体の使い方とかを見直せたので良かった」


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 林慶次郎は、前回の1月松山FI準決で、中野慎詞と対戦。「ナショナルはすさまじかった」と振り返ったが、林自身のデキも悪くはなかった。
 「前々回の武雄の後が空いていたんで、基礎的な練習を入れながら、体の面を見直してきた。正月でも、せっかく空いてたし、煮詰めようと思って練習しました。松山は、準決で飛んだんですけど、自分なりに踏めていたし、粘れていたので良かったと思います。そこからは日がないんでケア中心なんですけど、疲れもないと思うんで大丈夫です。後ろが心強い先輩なんで、流れでは自分らしい先手を取る競走もしたい」
 川口聖二は、ここ3場所良いところがなく、そろそろ本腰を入れて巻き返さねばならない。思い当たる不調の要因は排除できたようで、今節は期待できそうだが。
 「(前々回の)名古屋の当欠は、下痢と嘔吐がひどくて。体重が4キロぐらい落ちてしまった。前回はあえて体重を戻さずに走ったけど、全然力が入らなかった。お腹に力が入らない感じでした。今回は体重を戻せたし、練習でも力が入る感じがあった。ちょっと緊張感もあるんで、しっかり頑張りたいです」


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福島武士選手
福島武士選手
 昨年大会は決勝まで勝ち進んだ地元の福島武士(写真)。だが、その決勝で失格と、悔しい思いをした。今年はそれ以上の結果を目指す。
 「練習は十分できたと思います。自転車を年末に変えて、あんまり出ていなかったんですけど、最近は出るようになってきたんで大丈夫。去年は決勝で失格したんで、今年は決勝に行って、確定板に入って、優勝したい。久米(康平)君が強いんで、信頼して付いていきます」
 その久米康平は、セッティングを変えて今節に挑む。地元を背負って、奮起する。
 「12月の取手から、ずっと試行錯誤してます。なんかハマり切らないんですよね。前回も、軽かったんですけど、軽いだけみたいな感じで。練習でもいろいろと変えて、感じを確かめてきたつもりです。高松記念までにどうにかしたかったんですけど、走ってみてになりそうですね。ラインも長くなるし、地元地区から一人でも多く勝ち上がれるように頑張ります」


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諸橋愛選手
諸橋愛選手
 諸橋愛(写真)は、前回の立川FIを欠場して、ここが今年2場所目。体調面は戻してきたようだが、復帰戦でどこまでやれるか。
 「(1月)松山で、初日に菊池(岳仁)のモガキに付いていったら体をおかしくしちゃって。開催が終わった後も腰痛が出たりしたんで、立川は欠場しました。普通に練習はして、体はだいぶ良くなってきたと思います。調子は悪くないですけど、競走になるとまた違うので、そこがどうかですね」
 吉田有希は、今年初戦の1月平FIで優出と、上々の滑り出し。冬場の重バンクは、脚質的にも吉田にマッチしている。
 「平が終わってから宮古島に合宿に行ってきた。帰ってきてからも練習して調子が戻っているし、いいですね。季節の変わり目ですけど、寒いと感じていない。冬でみんなのタイムが良くなくなる中で自分は辛くないし、重馬場はいいかもですね。高松は初めてです」



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 伊藤旭は、昨年最終戦の12月高知FIで勝ち上がりに失敗したが、新年初戦の1月地元開催で優勝。後輩の頑張りに乗って、悪い流れを断ち切った。
 「高知で飛び散らかして、次は地元だったんで、かなり焦って練習したんです。熊本は、(松本)秀之慎が頑張ってくれて、そのおかげで優勝できたし、良い連係ができて良かったです。連戦なんで、ケアはしてきました。調子は普段と変わらないと思うけど、一走してみてですね」
 田中大我は、成績が上昇中。勝ち上がり戦での1着も含めて、8月岸和田FIから9場所白星が続いている。今節は練習を共にする三谷将太と同あっせんで、気持ちも入っている。
 「勝ち上がりを逃していることもあるけど、1着はとれるようになってきた。練習量に慣れて体力がついてきたことが大きいですね。(三谷)将太さん、(三谷)竜生さんの練習量はハンパではないので。感じは悪くないです」


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石原颯選手
石原颯選手
 昨年最多勝の石原颯(写真)は、地元期待の機動型。年に一度の地元記念にも、自然体で臨む。
 「(地元記念は)他の記念と同じ、一つの記念と思ってるんで、いつも通りですね。そんなに気負ってもないですし、いつも通りですよ。練習もいつもと同じような練習をしてきたんで、状態もそんなに変わってないと思います。でも、新車が来たんで、今回は新車を使います。まだセッティングは出てないんですけど、今回は吉田有希君がいるんで、今から出してもらいます」
 地元の総大将は香川雄介。99年12月からS級1班の座を守り続けるベテランは、今年も元気いっぱいだ。
 「一時に比べたら、いいかもしれんね。そこまで(良い)展開でなくてもいけてはいるんで。(25年以上S級1班で)すごいことかもしれんけど、自分ではそこまで何とも思ってない。いろんなことがあったし、ギアとか、その時、その時で対応はしてきた。もう少し頑張りたいと思っている。石原君は成長しているし、伸びていって欲しいですね」


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郡司浩平選手
郡司浩平選手
 郡司浩平(写真)が、完全優勝した松阪記念から中2日で追加参戦。立川記念から始動した今年は、8走して7勝、2着1回と、すさまじい成績を残している。
 「調子自体も、気持ちの面も良い状態ですし、それが結果として現れていると思います。追加を受けたのは松阪の直前。日程もわかってたんで、大丈夫です。疲れは出ているけど、間もないんで、前回と同じくらいで、そのままの感覚で走れればと思います」
 もう一人のSS班、新山響平だが、年始の和歌山記念は未勝利と、スタートダッシュには失敗。そこから2週間空いて、立て直しに専念してきたようだ。
 「前回はいい所がなかったし、練習不足と、脚力不足を感じました。終わってから追い込んで練習してきました。練習の手応えだと、和歌山に行く前よりも、良かったです。杉森(輝大)さんが付いてくださるなら、ラインができて走りたいように走れる。車番も良いので。(突っ張り先行は)対策されてきているなと感じるし、それに対する対策を、いろいろと考えて、その中でできるだけ先行していきたい」
 昨年は次点でグランプリ出場を逃した犬伏湧也。今年こそは初タイトルと、期待は膨らむばかりだ。今年最初の記念開催は、地元地区の大会。初日からスピードを爆発させる。
 「間が空いたんで、練習はしっかりできました。計画的にできたと思います。練習で良いスピード感が出ていたので、悪くないと思います。車番は悪いんですけど、そのなかで自分の持ち味を出せれば」