『高松競輪開設74周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:1月31日

 高松競輪場で開催中の大阪・関西万博協賛・開設74周年記念「玉藻杯争覇戦(GIII)」は、1月31日に2日目が行なわれた。メインの二次予選では、郡司浩平、新山響平のS班の2人がそろって逃げ切り勝ち。初日特選を制した河端朋之や地元から石原颯、香川雄介も1着で二次予選をクリアし、四国エースの犬伏湧也も3着で勝ち上がった。2月1日はシリーズ佳境の3日目。準決3個レースでファイナリスト9名が決まる。
 記念シリーズは、開催中の毎日、チャリチャン生放送×予想会ステージが予定されています。さらに2月1日には、香川銘菓先着プレゼント、わんだふるぷりきゅあ!ショー、くまだまさし爆笑お笑いステージ、選手会香川支部の競輪選手も参加する餅つきショー、ふれあい移動動物園、縁日イベント、キッチンカー出店など盛りだくさんのイベントが用意されています。高松競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<6R>

河端朋之選手
河端朋之選手
 自らスタートを取って前受けの河端朋之(写真)は、赤板で川越勇星の上昇を受けて7番手まで車を下げ切る。川越を打鍾前に押さえた中嶋宣成の先行策。前と間合いを取った河端は、詰めた勢いで最終バック手前から持ち出す。抜群の加速を見せて、先まくりの川越の上をまくった河端が、初日特選から連勝となるゴールを駆け抜けた。
 「後ろになるのは想定内。ただ、もっと川越君や、鈴木(輝大)君が車間を切ってくるのかなって思ってた。意外と詰め詰めだったんで、(仕掛けて)いく距離も短いし、自分のタイミングで行けました。川越君が先まくりに出たスピードをもらって、その上をいくイメージで行けました。前検日よりも体の調子は良くなっていますね」
 河端の加速にピタリと付け切った中本匠栄が、ゴール前で詰め寄って2着に入った。
 「河端さんの力が抜けてるんで、いけるタイミングでいってもらって、自分は追走に集中していました。昨日(初日)は重かっただけに、付いていく分には楽でした。昨日は違う自転車を使ったんですけど、今日はいつもの自転車に戻した。それが一番大きいですね。もうちょっと差し込めれば良いんですけど、状態は問題ないです」


<7R>

石原颯選手
石原颯選手
 石原颯(写真)が誘導と車間を切って備えるが、橋本瑠偉が強引に押さえて赤板過ぎに前に出る。関東勢が出切ると、すかさず大石崇晴が巻き返して打鐘手前で先頭へ。石原は3コーナーから持ち出し、反応してペースを上げた大石を最終ホーム過ぎにねじ伏せる。ラスト一周は、どんどん踏み上がっていく石原の独壇場。堂々と押し切って、準決勝へと駒を進めた。
 「突っ張りたかったけど、(橋本が)やめない感じだったので、そこで脚を使うよりは立て直して組み立てた方がいいかなと。大石さんが行った時に、上手に行けたと思ったが、遅れて(三谷)将太さんのけん制タイミングだったので迂回していった。風がなかったと思うがバンクが重くて踏み直しも重かった。(新車のセッティングに合わせて)乗り方を変えて、ローラーとかにも乗ったので馴染んできました」
 踏み出しはしのいだ福島武士だが、三谷将太のけん制もあって遅れ気味。大石から福島後位にスイッチした三谷が、2センターから踏んで2着に入った。
 「石原君を止めたかったけど、残念です。大石君と、福島君との兼ね合いもあったし、あんまり早く踏んでもと思って。(道中の感じは)それなりに。あんまり良くはないですね。バンク改修があったので、直前に乗ることができなかったので」


<8R>

伊藤旭選手
伊藤旭選手
 誘導と間合いを取った長田龍拳は、近藤翔馬の上昇を見ると自ら誘導を降ろして赤板過ぎにペースアップ。近藤はすんなりと7番手に戻り、長田は打鐘から本格的に先行態勢に入る。周回中から4番手の伊藤旭(写真)は、労せずして中団をキープ。和田真久留は、長田と間合いを取って反撃に備え、詰めた勢いで最終4コーナーで前に踏み込むが、脚をためた伊藤が4番手から強襲。和田をゴール前で抜き去って1着をつかんだ。
 「(周回中は)南関の後ろからと考えてました。(長田)龍拳がジャン前で踏み出していって、ホームで(和田)真久留さんが車間を切って詰まったんですけど、自分がビビッてしまって、気持ち負けしました。脚の状態は上がっているんですけど、レース展開の組み立てと、気持ちを鍛えていかないといけないです」
 長田を最大限援護した和田真久留だが、伊藤に外をいかれて2着。難しい判断を迫られた。
 「(長田)龍拳にお任せで、あとは近藤君がやる気か、否か。それによってレース展開も変わると思ってた。(長田が突っ張って)すぐに近藤君が踏みやめてくれたし、あの感じなら龍拳はもうちょっと落ち着いても良かった。けど、伊藤君がカマしてくる可能性もあるし、焦って踏んだ感じでした。伊藤君も、さすがに1センターか、2コーナーで来ると思ってたけど、気配がなかった。番手から出て行く選択肢はほぼなかったし、あの距離で、あのタイミングで来られると難しい」


<9R>

香川雄介選手
香川雄介選手
 赤板で切った田中大我を、磯島成介が2コーナーで押さえて前に出る。磯島がペースを上げるなか、7番手に下げ切っていた伊藤颯馬は、打鐘4コーナーから反撃を開始する。じわじわと加速していった伊藤を、香川雄介(写真)がマーク。最終バックで伊藤と共に出切った香川が、ゴール前で差し切った。
 「ピッチが上がっていたので、追走するには楽だった。抜きにいったら、意外にも進んだね。(伊藤)颯馬は格が違うし、乗り越えられるとは思っていたし、あいつのダッシュに追走できるかだけを気にしていた。前々回の高知で連係した時は差せんかったのにね」
 地元を連れてロングで仕掛けた伊藤颯馬だが、自身の手応えは今ひとつ。
 「高松は負けているイメージがあったので早めにいきたかったけど、ペースが上がって、様子を見てからでした。今日(2日目)はあんまり良くなかったです。明日も走ってみてから感じをつかみたい。体が重いですし、高松は苦手意識があるかもしれない」


<10R>

簗田一輝選手
簗田一輝選手
 吉田有希が8番手から上昇するが、先頭の犬伏湧也は、誘導と切った車間を詰める勢いで踏んで、突っ張り先行を敢行する。吉田は8番手に戻り、犬伏はハイペースで駆けていく。犬伏の掛かりを前にして、別線はなかなか動けない。最終バック手前で、6番手の坂本貴史が仕掛けると、4番手の簗田一輝(写真)は、それを張ってから2センターで前に踏み込む。ゴール前は、犬伏と、久米康平の逃げ差し争いかに思われたが、外を鋭く伸びた簗田が強襲して1着をさらった。
 「車番が悪かったんですけど、犬伏君が突っ張るにしろ、引いてカマすにしろ、前の方にいた方が、うまく運べるかなと思って、あの位置を狙っていた。いろんなパターンを考えていたんですけど、一番良い形になりました。余裕はすごいあった訳じゃないんですけど、坂本さんに先にいかれたら着がないんで、ああいう動きになった。正直、ここ半年で一番良いってくらい伸びた。年末あたりから練習の感触が良くて、年明けの開催で久々に自力で予選を通った。上向きだと思います」
 久米康平は、犬伏を交わしたものの、ゴール寸前で簗田に外をいかれて2着。
 「前を取って突っ張れば、ラインで決まる確率が高いとは思ってたけど、後ろの僕らからしたら本当にありがたかった。初手の南関勢の動きも含めて、一番良い形になった。犬伏が強いのを知っているし、僕のイメージで言えば、ホームでもう一発掛かる感じかなと思ったけど、重たそうだった。自分は余裕はあったけど、車間を切って、福島(武士)さんがきつくなるよりは、しっかり付いて福島さんのコースを作ってワンツースリーが理想だった。(ラインから)誰も1着を取れなかったのは良くないけど、形として全員勝ち上がれたのは悪くない」


<11R>

新山響平選手
新山響平選手
 周回中に前受けとなった新山響平(写真)が、伊藤信の上昇を赤板過ぎに突っ張る。別線に動きはなく、新山は巧みなペースで隊列を一本棒にして駆けていく。最終バックを過ぎても別線に仕掛けはなく、新山は終始ペース駆け。ゴール前も力強く踏み直して、逃げ切りを決めた。
 「初手は車番が悪くて前を取れなかったんですけど、朝倉(智仁)が待っている感じがあったので、試しに追い上げてみたら入れてラッキーでした。展開が向いてラッキーで勝てました。伊藤さんも早めにやめてくれたし、自分のペースで(脚力を)温存しながら最後まで引っ張れた。高いトップスピードを出していないが、ゴールまで上がっていくように仕掛けた。今日(2日目)は長いことペースに引っ張れたけど、準決勝はそうはいかないし緩急をつけていきたい」
 新山マークの成田和也が2着に続いた。
 「あれが新山のレースですし、強かった。自分のペースで落ち着いて走っていましたね。多少、迫ることができたので(状態は)良かったと思います。(修正は)特にない」


<12R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手
 城戸俊潔が赤板過ぎに切って、その上を林慶次郎が押さえる。郡司浩平(写真)は、一旦7番手に下がる流れから、打鐘手前ではすでに反撃を開始。打鐘2センターで一旦中団で休む素振りを見せたが、そこから再加速して林を最終ホーム過ぎに叩く。ライン3番手の山賀雅仁は松川高大にさばかれて、松谷秀幸と2車で出切る。ゴール前は両者の争いになるも、力強く踏み直した郡司が押し切った。
 「前回の松阪記念の二次予選が、今日(2日目)と同じようなパターンで、仕掛けが遅れた。そこを修正したかったんで、早めでも前が駆けてなければ叩こうと思ってました。でも、悩みながらでスパッとはいけなかった。すかさず林君ラインにスイッチしていれば楽に出切れたんですけど、警戒されながらで反応が遅くなった。踏み上がる感じがなかったし、重たさを感じました。長い距離でも、気持ちでいけたし、前回の反省を踏まえて仕掛けられたので、悪くないですね」
 松谷秀幸は、郡司に迫るも2着まで。
 「きつかったですね。(郡司は)城戸君のところで外併走するのかと思ったら、休んですかさずいったから、そこがきつかった。1コーナーで、自分のところはスピードが合っちゃった感じだったから、ブロックをもらうかと思った。(郡司)浩平は、いつも2コーナーとか、4コーナーで蛇行しないんですけど、今日(2日目)は蛇行してたからきついのかと思った。それで、残さないとと思って遅めに踏んだら、抜けなかった。結局いつも通り強かった。期待通りの走りをしてくれますね」