『高松競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:1月31日
 2月1日から高松競輪場で開設67周年記念「玉藻杯争覇戦」が開幕する。S班は諸橋愛、三谷竜生の2名だが、太田竜馬、竹内雄作、金子貴志ら好メンバーが4日間にわたってしのぎを削る。地元勢は香川雄介、池田憲昭ら7名が参戦。1月にS級特進を決めたばかりの松本貴治が記念初参戦するなど、見どころの多いシリーズだ。
 本場で4日間、さまざまなイベントが予定されています。開催中は毎日、高松ケイリン名物予想会!馬場圭一の当たりすぎて“ごめんなさいね”予想会やキックバイク体験会。初日は讃修流太鼓保存会による「締め太鼓」ステージも予定されています。明日、1日からはじまる「玉藻杯争覇戦」をぜひ高松競輪場でお楽しみください。

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 不調に喘いでいた戸田康平だが、11月松戸を117着。前回の小松島では優出こそ逃すが、初日に嶋津拓弥らを相手に逃げ切りと、着実に復調の階段をのぼっている。
 「確実に上向いていますね。その実感があります。一時期は、連に絡めないときもありましたからね。小松島が終わって黄檗山にいっていたんですけど、むこうで階段ダッシュとかもやって。帰って来てからは練習をして、やることはやってきました」
 不破将登は前回の名古屋を712着の2連対。上がる調子を追い風にして、グレードレースでも暴れるか。
 「前回は、初日に組み立てを失敗して悔しかったです。でも、2日目はまくり切れたし、最終日は久しぶりに逃げの決まり手を付けられて、だいぶ良くなってきましたね。逃げ粘れると、次にもつながる。ここに来る前の練習でもスピードが出ていたし、感じは良いと思います」

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 近況は人の後ろを回るレースが増加している佐藤和也。戦法チェンジを図っているだけに、初日は宇佐見裕輝の番手から努力の成果を見せたい。
 「自分でやりたいわけではなくて、自力でやると体がおかしくなってしまう。今回も前がいればいいなと思っていたら、宇佐見君がいてくれて。それだけでありがたいですね。普段から番手の練習はしています。でも、前の人の仕掛けるタイミングも脚質もあるし、難しいですね」
 今期からS級に挑戦の宇佐見裕輝は、初心に返って積極策を貫いている。今シリーズも強気な組み立てで、別線に真っ向勝負を挑む。
 「(前回の大垣では初日に2着に逃げ粘って)小松崎(大地)さんから良かったと言われました。やってきたことが間違いじゃなかったと思いましたね。周りの人に言われていることもあるし、今はとりあえず、ジャンで前に出てから考えようと心がけています。今後もこれを続けていければ。状態も徐々に良くなっているし、強い人と走って自力を出すのは楽しみです」
 河村雅章はメンバー表を見つめ、一次予選の作戦を練る。
 「宇佐見君も、下岡(優季)君もカマシタイプな感じだし、良い位置を取れれば。ただ、宇佐見君の後ろが佐藤(和也)さんなので、そこに気を付けないと。出し切れるように頑張ります。高松は去年の12月に走って822着でした。イメージは悪いとは思っていないけど、普通ですね」

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島田竜二選手
島田竜二選手
 島田竜二(写真)は、心筋梗塞を患って約半年間の長欠。しかし、試練を乗り越えてグレードレースの舞台に戻ってきた。
 「ただいまです。運が良くて、選手を続けられました。今後は一生懸命に節制します。復帰してからも、あまり練習ができなくて。まずは走って、集団でゴールできればと思っていたんですけど、(前回の伊東を優出して)戦えるなと。でも、ドキドキしましたね。怪我の復帰とは違うので。今は走れるだけでも幸せを感じています」
 松岡孝高は1月伊東で2勝など良い流れ。しかし、「まだまだ」と求める理想は遠い。
 「それなりに練習をやっているから、もっと出てもいいかなと思うんですけどね。まだ、イメージ通りに走れていない。ここまでも追い込んできたので、前検日に疲れが取れるようにします」
 点数を落としている地元の大西祐は、気持ちを課題に上げて初日を見据える。
 「状態は近況の成績が物語っていますね。前回の高松もボロボロだったし、あまりいい状態でないことはわかっています。そのへんも踏まえて、初日はいく勇気ですよね。せっかく(追加で)チャンスをもらえたので、1日でも爪痕を残したい」

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 前回の大宮記念では2連対。渡邉豪大は初の記念開催でまずまずの結果を残した。
 「(S級を2場所走って)まだちょっとやりたいことが定まってないというか。自分としては無理に先行争いするよりも、展開に応じてやるのが一番いいのかな。前回は500バンクで巻き返しがきいたけど、400となるとまた展開が違う。次が地元記念なんでいい感じをつかんで帰りたい。状態は変わらず。でも雪が降って外で乗れなかったんで、そこがどうかな」
 八谷誠賢は今年に入って早くも4勝。先輩機動型として渡邉の前に立ちはだかる。
 「調子は普通っす。なぜか1着だけが増えました。変わったことは特にないけど、セッティングかな。前期ぐらいからセッティングがまとまってきました」

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掛水泰範選手
掛水泰範選手
 1月小松島で優出し、前回の大宮記念では準決勝に勝ち上がるなど掛水泰範(写真)の動きがいい。
 「本当にたまたまですね。何か理由があれば自信も持てるけど、何も変わったことはないので。(高松はここ3年で連対率5割だが)重たいんで、イメージはよくない。初日に連係する原君もそうだし、今回は香川勢が多いんでね。地元勢が一人でも多く上のレースを走れるように僕も頑張りたい」
 なかなか調子の上がらない原誠宏だが、地元のここは気持ちで乗り切りたい。
 「練習はしっかりやってるけど、道中流れてくれないですね。体の使い方やセッティングの問題だと思う。なので、ここに向けてセッティングをいじったり、体の使い方を修正してきました。地元なんで頑張ります」
 11月は防府記念、競輪祭と落車が続いた武井大介もその後は精彩を欠いている。
 「練習の感じとかは変わってないけど着が悪いですね。何が悪いのかはわからないけど。練習は元々弱いし、前まではそれでも着が付いて来てたけど、今は練習どおり。まだ展開が悪くても突っ込めるような状態ではないですね」

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高久保雄介選手
高久保雄介選手
 11月防府記念の落車で鎖骨、肋骨を骨折した高久保雄介(写真)だが、復帰直後からその影響を感じさせない走りを見せている。今回が復帰5戦目。落車した防府以来となる記念開催を迎える。
 「初めての骨折だったけど、退院した日からめちゃくちゃ練習してたんで走れてはいますね。自転車に乗った感じも違和感なくいけてる。復帰戦はデビュー戦ぐらい緊張したけど、思いのほか自転車が進んでくれたので。高松はけっこうイメージがいい。初日は藤木(裕)さんに任せてもらえたんで。しっかり迷惑をかけんように走りたい」
 今期からS級に復帰した小酒大勇は前回の小倉でS級初優出を飾った。
 「前回はまさかでしたね。決勝も師匠(鈴木謙太郎)が優勝してくれたら一番よかったけど。前回S級にいたときよりはよくなってますね。レース中の焦りがなくなった。今まではあせって踏まないとっていうのがあったけど、それがなくなった。今回は流れに逆らわずいけてる気がします」

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 インフルエンザで1月松山を欠場した佐伯辰哉だが状態の不安はなし。むしろ練習十分で今シリーズを迎えたようだ。
 「立川記念から帰った次の日にインフルエンザになった。前回は間に合わなかったけど、治ってから半月ぐらいはあったし、逆に長く練習ができました。寒いわりには練習の感じもよかった。あとは気持ち次第ですね」
 番手を回る三宅伸は大宮記念の落車明け。
 「体は大丈夫。前回、初日の清水(裕友)君もそうだし、最近は中四国の若手が増えて来たからね。僕もあと15歳若ければ(苦笑)。頑張ってついて行きます」
 中村一将は前回の名古屋で久々の優出と調子を戻している。
 「去年は年始から落車も多かったし、後半は2班に落ちてさらに悪いものが出た感じ。でも、最近はボチボチ踏めだしてきてます」

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 年末の千葉FIを最後に実戦から離れていた金子哲大は今シリーズが今年の初戦となる。
 「(12月)高松の前ぐらいから体調が悪くて、千葉が終わってから40度ぐらい熱が出た。血液のなかに菌が入ったみたいで、入院してました。体調は元に戻ったけど、脚力はヤバいですね。2週間ぐらいは練習できたけど、だいぶ脚は弱ってる気がします」
 志村太賀も前回の大宮記念の2日目に落車しているが、こちらは全く影響がなさそう。
 「怪我は何もなかったです。次の日から練習してましたから。山賀(雅仁)さんが離れてる感じだったし、抜きに行こうと外に差してたらコケてた。調子が悪かったら、追走一杯で外に差してないからコケてなかったかもしれないけど、しょうがないですね」
 金子が本調子を欠くようなら谷口明正の出番だ。
 「前回(1月名古屋)は腰がよくなかったので欠場しました。一本休んで、だいぶマシになってきたし、ここに向けてやってきました。感じもよかったです。(12月別府記念で落車した)肋骨はもう大丈夫。前期はコケすぎたんで、今期はしっかり全部走っていきたい」

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松本貴治選手
松本貴治選手
 予選のメーンには注目の松本貴治(写真)が登場する。1月四日市でS級特進を決めると、初戦の1月松山ではいきなりS級初優出。初の記念参戦でも活躍が期待される。
 「追加は松山の最終日に連絡が来ました。記念を走ってみたいなっていうのはあったので。前回は決勝には乗ったけど、決勝がダメダメでした。そこがよくなかったです。デビュー直後はセッティングが出てなくてダメだった。まだ完ぺきには出てないけど、徐々にはよくなってきました。今回も初日からしっかり走って。先行で勝ち上がれたらと思ってます」
 地元の福島武士は松本との初連係に緊張感を隠せない。
 「ごっつ強いらしいですね。しかも粘りに来そうなメンバーだし。(10月小松島FI、1月立川記念と)落車が続いて脚が戻り切ってない。決勝には展開で乗れてるだけです。小松島の前はよかったけど、小松島の落車で前歯が折れたし、左肩を打った影響もある。でもいい位置をもらってるんで、頑張りたいですね」

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山田久徳選手
山田久徳選手
 ここからは特選がスタートする。三谷竜生は今年2場所走って、いまだ勝ち星なし。2月は全日本選抜に地元記念と大事なシリーズが続くだけに、ここで浮上のきっかけをつかみたい。
 「ここ2開催よくなくて…。また頑張っていきたいですね。S班になってもレースに対して心境とかの変化はない。大宮(記念)のあとはしっかり練習もできたし大丈夫です」
 三谷の番手を回るのは山田久徳(写真)。12月佐世保で記念初優勝を飾ると、今年もFI戦連続優出と好調を維持している。
 「(年末の)向日町が悪かったけど、今年に入ってからは悪くない。先行しても残ってるし、調子は悪くないですね。今回は間に違反訓練もあったりしたので、まずは走ってみてからですね」
 佐藤慎太郎は追加参戦。今年に入ってから、これが2本目の追加で、とにかく走っている印象だ。
 「走りますよ。(1月までが選考期間だった)ダービーの特選に乗れなかったんで。今年は与えられたレースは全て走ろうと思ってる。このあとが中3日になるけど、この追加がなければ空きすぎるかなと思ってたので。ウエイトでも重量が上がってるし、状態はいいと思います」

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諸橋愛選手
諸橋愛選手
 今年初戦の和歌山記念では二次予選敗退に終わった諸橋愛(写真)はここから仕切り直し。今年最初のGI、全日本選抜へ向けて切れ味復活をアピールしたい。
 「前回は精神的に少しおかしかった。落車続きで弱ってたのもあったかな。でも、和歌山のあとに(共同通信社杯の)祝勝会も終わって、気分的に楽になった。やっと集中できると思うし、ようやくここから今年がはじまったかなって感じ。怪我もだんだんよくなって、だいぶ戻ってきた。ここまでにいいケアもできたと思う」
 1月はあっせんしない処置だった竹内雄作は今回が今年初の実戦となる。
 「一走してみてですかね。けっこうゆっくりできたんだけど、後半は雪が降ったりして思うような練習はできなかった。でも(1月は)いいオフになったかなと思います。なかなかオフがないんで、そこはプラスにとらえていきたい。僕は走りながら感覚をつかんでいくタイプだし、一走ごとにいい点、悪い点を探りながらやっていきたい」
 番手の金子貴志は立川記念で決勝2着、続く小田原FIでも決勝3着と高いレベルで状態を維持している。
 「今は(豊橋)競輪場が使えなくてロード中心になってる。もう使えなくなって1カ月ぐらいたつし、そのパターンをつかめてきた感じです。伊豆(ベロドローム)や名古屋にも行くことはあるけど、そう頻繁には行けないので。来る前もウエイトやロードでもがいた感じは悪くなかったです」

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香川雄介選手
香川雄介選手
 地元のエースは香川雄介(写真)。昨年後半戦はFI戦3Vと差し脚好調で、今シリーズは悲願の当所記念初優勝へ最大のチャンスだ。
 「地元記念に向けて一生懸命やってきた。前回の(和歌山記念で原田研太朗と連係して感じた)反省を踏まえてやってきたつもりです。今回も原田君がいてくれれば一番だけど、太田君もタイプが違うだけで強いのは変わらない。やるべきことはやってきたけど、あとは走ってみないとわからないですね」
 太田竜馬は体調不良で大宮記念を欠場。その影響があるかどうかが四国勢の成績を大きく左右しそうだ。
 「小松島のあとに胃腸炎になって大宮を欠場しました。治ってからは練習もまあまあ普通にできたし、感じもよかったので。小松島は冬の爆風でダメ。リズムが完全に狂ってました。ここはスピードも出るんで、冬場でもそこまでは影響しないと思う」
 前回、静岡FIで無傷の完全優勝を飾っている大槻寛徳も差し脚好調だ。
 「前回は展開です。でも、前を抜けてるんで悪くない。ここまでに追加も来たけど、練習したかったんで受けなかった。練習はバッチリです」