『小松島競輪WTミッドナイト(GIII)レポート』 2日目編

配信日:2月19日

 小松島競輪場で開催されているGIIIミッドナイト第2弾「ウィンチケットミッドナイト競輪GIII」は2月18日深夜に2日目が実施された。準決は7レースで島川将貴、久田裕也が地元ワンツー、8レースは鈴木竜士、9レースはシリーズリーダーの新田祐大と初日特選で1着、2着だった2人が勝ち星を挙げた。また、ガールズケイリンでは、児玉碧衣、太田りゆの2強がともに連勝で決勝に進出。豊田美香、藤原春陽もそろって勝ち上がってきた。19日はシリーズ最終日。ガールズケイリン決勝は23時10分、男子決勝は23時30分に発走予定となっている。
 なお、本場での車券発売やイベント、ファンサービス等はございません。テレビ、インターネット中継などでの観戦をお楽しみください。

<1R>

児玉碧衣選手
児玉碧衣選手
 周回中は、伊藤優里が先頭で、松井優佳が2番手。人気の児玉碧衣(写真)は、4番手の位置取り。打鐘で誘導が退避しても、伊藤は流したままで、他の仕掛けもなくスローペースでレースが進む。2センターで、最後方から渡辺ゆかりが4番手に追い上げると、被った児玉は1車下げて5番手へ。伊藤は、最終ホームを過ぎてもペースを上げず、本格的に踏み上げたのは1コーナー過ぎ。2番手で車間を取っていた松井は、2コーナーから車間を詰めた勢いでまくって出る。だが、5番手から仕掛けた児玉も、好回転でまくり上げていく。松井がバック線を先頭で通過するが、児玉はその差をどんどんと詰めていき、松井と並ぶ間もなく4コーナーで先頭へ。そのまま3車身差を付けての圧勝で、本調子ではないなかでも無傷の優出を決めた。
 「いやな所で被ったんで、タイミングの取り方がイマイチだったかな。踏んでからの加速も、昨日(初日)と同じような感じで、プカプカ浮いているような感覚。体幹が抜けているような感じですね。踏んでも(力が)伝わってないっていうか。もっと自転車を押さえつけるような感じで踏まないと。明日はレースまで時間があるし、体幹に刺激を入れてみようかな」


<2R>

太田りゆ選手
太田りゆ選手
 石井貴子が、得意の前受けとなり、太田りゆ(写真)は、5番手からレースを進める。太田は、周回中から前と車間を取って、自分の仕掛けの間合いを計る。打鐘で誘導が退避し、石井は、後ろの仕掛けを気にしつつも、最終ホーム手前からペースを上げて先行する。1センターから持ち出した太田は、圧巻の加速を見せて石井に迫っていく。3コーナーであっさりと石井を乗り越えた太田が、ゴールまで力強く踏み切って押し切り勝ち。初手から追走した豊田美香に、詰め寄ることを許さなかった。
 「並び的にも、石井さんが仕掛ける並びかなと。豊田さんが後ろにいたので、自分のタイミングでいかないとなって思っていた。仕掛けたい所で仕掛けられたらと。今日(2日目)の出だしは初日に比べて微妙でした。自分的には。初日のほうが、動き的にはよかった。(決勝での)児玉(碧衣)さんとの対戦は気合を入れないと負けちゃう。強い人とのレースはありがたいですし、全力でやって悔いのないレースをする」


<7R>

島川将貴選手
島川将貴選手
 島川将貴(写真)がスタートを取って、地元勢が前受け。後ろ攻めとなった照井拓成は、赤板で久田裕也を押さえる。高久保雄介が、勢いよく照井を切って、2コーナーで先頭へ。5番手に下げ切った久田は、タイミングを取って打鐘2センターで仕掛けるも、3番手の照井もほぼ同時に踏み込む。照井が高久保を叩き切り、久田もその上を強引に踏み上げる。スピードに乗った久田が、照井を最終バック手前でまくり切って、島川がしっかりと追走。最後は島川が差し切って、地元ワンツーが決まった。
 「風があるし、後ろからよりは前が良かったんで、スタートを取れて良かったです。合わせて仕掛けてきた上を行ってくれたんで、本当に強かった。自分も、松坂(洋平)さんのけん制が来ると思っていたし、そこは外を迂回しながら行けて、余裕があった。感じ自体は良くないんですけど、追走はできているんで。セッティングを微調整しながらやってるけど、そこまで良くはなってない。まあでも、ここだけじゃなくて、次回以降も見据えているんで」
 力強くまくった久田裕也が2着に残る。先輩との二夜連続のワンツーに笑顔が弾けた。
 「島川さんに前を取ってもらえて、やりやすくなりました。下げて、得意な形で行こうと。(照井に)先に行かれて、合わされたって思った。ヤバかったけど、上を行けたんで良かったです。まだ(佐世保記念での)落車の影響がちょっとあって、本当に良いってわけじゃない。でも、前回から変えたフレームが良い感じ。大きめのもので、懐が深くて乗りやすいです」


<8R>

鈴木竜士選手
鈴木竜士選手
 5番手から、林大悟が上昇して、先頭の土生敦弘を押さえに動く。3番手の鈴木竜士(写真)は、赤板で合わせて動く素振りを見せるが、土生が林を突っ張った動きを見て、3番手に入り直す。5番手に戻った林だが、なかなか仕掛けのタイミングを取れずに打鐘を通過。土生が4コーナーから踏んで先行態勢に入り、一本棒のまま最終周回に入る。絶好のポジショニングとなった鈴木は、2コーナーから鋭く踏み出して、最終バックで土生をとらえる。軽快にまくった鈴木が押し切って、1着で決勝へと駒を進めた。
 「後ろは元同県だし、引き連れていきたいなと。(赤板過ぎに)林君が下げてくれて、土生君も突っ張ってくれたからラッキーでしたね。なので、2コーナーでしっかりといこうと。初日も(新田祐大を)差さなきゃ意味ないし、脚力不足。今日(2日目)も抜かれるかと思った。自転車なり、体なりを煮詰めないと。とにかく脚力不足だから練習したい」
 佐藤礼文が続いて2着。元茨城籍の鈴木とのワンツーに、胸をなでおろした。
 「鈴木君の後ろだったから、めちゃくちゃ緊張した。ジャンのところでも踏み遅れないように集中していた。出切るまでは鈴木君のお尻だけにくっつくのが仕事だと。(鈴木が)強かった。展開が向いてくれましたね。自分の感触はバッチリです」


<9R>

新田祐大選手
新田祐大選手
 前受けの大川剛は、晝田宗一郎の上昇を受けて赤板で車を下げる。晝田を、2コーナーで金子幸央が押さえたタイミングで、大川がすかさず巻き返す。打鐘3コーナーで、番手の新田祐大(写真)まで出切って、北日本勢の主導権。新田は、最終1コーナー付近から大川と車間を切って、別線の反撃に備える。3番手の金子は仕掛け切れず、最後方から単騎の坂田康季が2コーナーで仕掛けるが、前が遠い。徐々に大川との車間を詰めていった新田は、車を外に張りながら4コーナーで前に踏み込む。新田が、ゴール前で迫った金子を半車身振り切って、連勝ゴールを決めた。
 「今日(2日目)は本当に大川が良いレースをしてくれました。仕掛けるタイミングも抜群でしたし、レース勘というか、組み立てもすごく良かった。最後に残せなかったのは自分の力不足でした。状態は問題ないですし、(大川を残せなかった)そこだけですね。コンディションも整ってきていますし、トレーニングも良い状態でできているんで、決勝は楽しみです」
 切って北日本勢後位を取った金子幸央が2着。スタートがレースの肝だった。
 「スタートが全てでした。あそこで(渡部)哲男さんの前に出られて、中団を取れたのが、2着に入れた最大の要因でした。(大川が)突っ張れば付いていくし、切るならそっちに切り替えて、詰まったんで一回切って、坂田君の動きだけチェックして。(北日本を出させて)そこからはきつかった。新田さんも車間を切っているし、2コーナーは仕掛けられない感じで、最後に踏むだけだなと。1着なら良かったけど、前が新田さんなんで」