『小松島競輪開設75周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:7月4日

 小松島競輪場開設75周年記念「阿波おどり杯争覇戦(GIII)」は、7月4日に2日目が行なわれた。メインの二次予選はS班の古性優作、岩本俊介、松浦悠士が次々勝ち名乗り。地元の犬伏湧也も3着で準決へとコマを進めた。また、酷暑の中、この日も地元勢は大活躍で、犬伏が11レースで地元ワンツースリーを演出した他、8名が勝ち上がった。5日はシリーズ佳境の3日目。準決3個レースでファイナリストが決まる。
 記念開催中は毎日、「YouTube Live」公開放送・予想会、選手会徳島支部物販ブースなどが予定されています。さらに5日には平原康多さんトークショー、キミとアイドルプリキュア♪ファンミーティングも実施予定です。小松島競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<6R>

阿竹智史選手
阿竹智史選手
 前受けの嘉永泰斗は上昇してきた山岸佳太を突っ張り前に出させない。山岸は後ろまで下げずに中団の外で棚瀬義大と併走になり、打鐘の3コーナーから再度のスパート。この動きを杉森輝大が追えずに山岸は単騎逃げになった。嘉永は山岸の番手に入るが、2コーナーからすかさず出ていく。逃げる山岸を力ずくでまくりきると、嘉永を追走した阿竹智史(写真)が交わした。
 「(嘉永が)全部やってくれた。6番車(棚瀬)が内から来そうだったので、そこを確認しながらでしたけど、その展開なら杉森君の一発もあるかなと思ってはいました。嘉永君がS取りから前々に踏んでくれたおかげ。展開に助けられているだけで、(体調は)良くなってはいない」
 嘉永泰斗は赤板過ぎから山岸を突っ張り、しっかりとペースを上げて行った結果が好位に入ることになる。脚を使いながらもすかさず仕掛ける姿勢は地元勢を連れ込むという強い責任感を感じられた。
 「(初手は)前からで、関東が緩かったら突っ張ってでしたし、作戦通り。(山岸が1車で来て)合わせたかったが、力不足でした。(山岸の後ろに入ってからは)重かったです。感触は変わらず悪くないんですけど、暑さが気になります。アイシングをしっかりしたい。ラインで決まってよかった」


<7R>

佐藤慎太郎選手
佐藤慎太郎選手
 米嶋恵介、森田優弥が動いた所を尾方祐仁が叩いて出るも、すかさず巻き返してきた菅田壱道が最終ホームで叩いて主導権を奪う。この動きに反応した森田も間髪入れずにまくりにいく。森田は菅田を最終4コーナー前にとらえるが、佐藤慎太郎(写真)が森田の後ろの恩田淳平をさばいて直線で外を強襲した。
 「(菅田が)チャンスを逃さないように仕掛けてくれましたね。いい感じでした。反省点としたら、壱道を残せるように森田のことをけん制できれば良かったですけど、ちょっとしたタイミングのズレがありましたね。レースの全体の流れがもう少し見えてくれば余裕も出てくるんですけど。ただ、踏もうと思った時に進んでくれるし、良くはなっているかなと思いますね。(調子は)百以上を目指していかないと百にはならないし、今は80くらいの状態かなと思います」
 初日特選を制した森田優弥はここの細切れ戦でもレースは想定通りに運べた様子。佐藤の強襲にはあったが、連日、タテヨコ俊敏な動きを見せている。
 「作戦通りに走れたかなとは思います。初手も想定通りだったので。ちょっと踏み遅れてヤバいかなと思ったんですけど、何とかいけました。ずっと踏んでいる感じだったので、キツかったですね。後ろを連れ込めなかったので、ラインに申し訳ないです」


<8R>

松井宏佑選手
松井宏佑選手
 前受けの西田優大が上昇してきた松井宏佑(写真)を突っ張る。東龍之介が中団の位置をキメて、松井は4番手に入る。7番手になった藤井侑吾は打鐘3コーナーから巻き返しに出るが、西田が合わせて踏んで前に出させない。踏み合いは西田が制すも、松井が前団の踏み合いを一気にまくった。
 「積極的な2人が相手で(西田に)突っ張られたし、無理くりに行ってもと。東(龍之介)さんも中団に降りていてくれていたので。そこで2人がやりあってくれたので、レースはできたけど、ラインで決まらなかったのは反省です。藤井君が行き切るか、どうか見極めてからいいところで仕掛けられてはいます。昨日(初日)より疲れが抜けてセッティングもいじっていい感じになりました」
 西田優大は地元の2人を連れて迷いのない先行勝負に出る。藤井との踏み合いを制して2着に逃げ粘るという強じんな地脚を披露した。
 「番組を見た時に(松井と藤井が相手で)終わったと思いました。(初手は)中団がよかったんですけど、前になってしまったのでそれなら突っ張るしかないと。引いたらないので。そこから2つのラインの動きを見ながらでしたけど、出させたら終わりと思って、脚がなくなっても突っ張りきるだけと思っていました。一人(松井)、すごい勢いできたんですけど、一人だけだったので、踏むだけでした。今日は軽く感じましたね。(激戦を勝ち上がり)ちょっとはいいイメージになったと思います」


<9R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 前受けの太田竜馬は赤板で上昇してきた中西大を突っ張る。中西は打鐘で引いて太田が先行態勢を貫いた。中西が4番手に入ると、松坂洋平が追い上げて中団は併走に。太田は中団のもつれを尻目に軽快に駆けていき、番手の松浦悠士(写真)は前と車間を空け始める。松浦は大外をまくってきた佐藤博紀を振りながら車間を詰める勢いで抜け出した。
 「中西君が後ろで僕らが前の並びが理想的でしたし、桑原(大志)さんが引いてあの並びになったし、桑原さんがいいスタートを決めてくれました。突っ張りで、少し削られそうになったんですけど、追走はできた。調子自体は、正直、あまり分からなかったですね。もう少し駆け出しで車間を切らないといけなかったり、そのへんですかね」
 佐藤博紀は脚力を温存して周回を重ねていた。最終2コーナーの下りから大外を仕掛けていき松浦に迫った。
 「前が突っ張ったんで、一回様子を見ていました。ちょっと前が見えにくかったので仕掛けづらいなとは思っていたんですけど、踏み込んだ時にはいける感じがしました。だいぶ脚を使わずに回っていたので。初日よりもいいかなとは思います」


<10R>

岩本俊介選手
岩本俊介選手
 スタートダッシュを決めた福永大智が前受けを選択。福永が上昇してきた島川将貴を突っ張ると、そこを道場晃規が打鐘で押さえて先頭に立つ。引き切らずに中近勢の外で併走していた島川は道場を叩きに出るが、合わされてしまうと、番手の岩本俊介(写真)の位置でからんでいく。岩本はすんなり番手を守りきって最終4コーナーからは絶好の展開を生かした。
 「(島川がからんできて)追い上げられたら、あの位置を死守でした。今日(2日目)は、道場君の頑張りにつきますね。(状態は)前回はあんまり良くなくて練習を積んできて、元通りくらいには戻っているかなと。(位置を)狙われることが多くなってきたので、そこをしのいでいきたい」
 直線で突っ込み2位入線した福永大智は最終1センター付近の内側追い抜きで失格。先行した道場晃規が2着に繰り上がる。
 「(連日、先行だが)バック数が減ってきたけど、後ろがしっかりしているし、責任ある位置を走らせてもらって気持ちを入れて先行しています。あとは岩本さんが援護をしてくれますから自分は踏むだけ。ジャンは(別線を)出してしまうときつくなるので必死でしたし、その後は何もわかっていない。いつもではない長い距離を行っているわりにはいい感じです。まくりが得意ですけど、それはみんなわかっているし、逃げておかないとまくりも決まらないので」


<11R>

小倉竜二選手
小倉竜二選手
 1番車の久米良が前に出て犬伏湧也、小倉竜二(写真)を迎え入れ、地元3車が正攻法に構える。犬伏が赤板で上昇した木村弘を突っ張ると、木村は4番手の位置に入り、松本秀之介が7番手で打鐘を迎える。先頭の犬伏は波を作りながら、徐々にピッチを上げていく。最終2コーナーから仕掛けた松本は木村に張られて外に浮き、直線は地元3車の争い。番手の小倉が弟子の犬伏をゴール前でとらえた。
 「久米君が前を取ってくれて、犬伏も突っ張りでしたし、楽な位置を回らせてもらいました。犬伏も長い距離を踏んでいたので。出てから1回上にあがったので、そこはちょっと危なかったですね。カマシじゃない分、楽ではありました。(連勝だが)調子はそこまでですけど、パワーを使わず4コーナーを回れているので」
 先行した犬伏は長い距離を踏んでゴール前は末の粘りが甘くなり、地元3番手を回った久米良が2着に入る。
 「自分は前を取ることに集中していて、突っ張ってくれたしありがたかったですね。あんだけペースも上がっていましたし、後ろもキツかったと思います。レース形態も違いますけど、初日の方がキツい感じはありましたね。今日(2日目)は最高の形になったとは思います」


<12R>

古性優作選手
古性優作選手
 古性優作(写真)が前を取り、土生敦弘を迎え入れ近畿トリオが前受けを選択。後ろ攻めになった片岡迪之は赤板の1コーナーをめがけて一気に前に出る。そこから片岡がペースを落とすと小松崎大地が打鐘で叩いて主導権。3番手の白戸淳太郎が離れ、そこには片岡が入った。車を後方まで下げた土生は4コーナーからの巻き返し。徐々に前団との差を詰めていくが、最終2センターで勢いが止まる。すると、古性は内にいた片岡をキメてから、4コーナーは外に持ち出して1着をつかんだ。
 「土生君に任せていたし、どうなっても自分がどう判断するかなので。(土生が止まったような感じで)自力を出そうと、2、3歩踏んでいたら、土生君がもう1回加速していったので、付き直してからでした。土生君がダメになった時に、東口(善朋)さんまで連れていけるように、もっと自転車が出たら良かったんですけど、全然出なかったです。初日はレースに参加できていなかったし、かなりきつかった。余裕はないですけど、少しでも良くなるように考えていますけど。体も自転車も重いのでクールダウンをしてできることがあればやりたい」
 守澤太志は先行した小松崎の番手で、古性を止めようと集中していたが、その動きと、直線の伸びに舌を巻く。
 「(初手は)後ろ攻めなら突っ張られるし、中団が取れて良かった。(先行は)大地さんの判断です。片岡君が踏んでいないところを出てくれて、いいペースで駆けてくれた。土生君が止まってから古性君が来るなと思ったんですけど、どこかに消えたように感じた。10枚くらい上手でした。連日、すんなり番手なので余裕はありますけど、古性君との力の差を感じました」