『小松島競輪開設75周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:7月5日

 小松島競輪場開設75周年記念「阿波おどり杯争覇戦(GIII)」は、7月5日に3日目が行なわれた。勝負の準決は小川真太郎、犬伏湧也、小倉竜二の地元勢が次々に勝ち名乗り。S班からはその犬伏のみの勝ち上がりと波乱の決着となった。地元勢5名をはじめとしたファイナリスト9名が出そろい、6日にはいよいよ大会覇者が決まる。
 記念開催最終日の6日も「YouTube Live」公開放送・予想会、選手会徳島支部物販ブースなどが予定されているほか、元AKBの中西智代梨さんと先ごろ競輪選手を電撃引退した日野未来さんのトークショー、キッチンカー出店も実施予定です。小松島競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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小川真太郎選手
小川真太郎選手

島川将貴選手
島川将貴選手
 前受けの西田優大は上昇してきた松井宏佑を赤板で突っ張る。これに対し、嘉永泰斗は前団の動きを見ながら1センターから仕掛け2コーナーの下りを使って一気に西田を叩き打鐘先行に出た。ライン4番手の阿竹智史まで出切り、西田は5番手に下げ、松井は8番手で最終ホームを迎える。島川将貴は前を走る嘉永の余力を見極めながら2コーナーから番手まくり。最後は島川を追った小川真太郎(写真)が交わして1着で決勝進出を決めた。
 「(1着の要因は)嘉永君の気持ちと、ええところを回らせてもらったのが一番です。緊張はありましたけど、僕が(島川を)抜きにいかないと阿竹さんも厳しくなるので、気持ちをこめて抜きにいきました。(右手人差し指断裂からの復帰戦で)脚もレースの判断もダメですけど、前の選手と後ろの選手がいいようにしてくれているおかげ。自分の力ではないです。(決勝は)任された位置で集中したい。(状態の)上積みはないけど、気持ちだけは切らさないように」
 島川将貴(写真)は他地区の選手の番手を回るのは初めてだったが、嘉永のスピードが落ちてくると、別線の仕掛けが来る前に自力に転じ、地元の小川とゴール前勝負に持ち込む。
 「阿竹さんが4番手で責任ある位置でした。嘉永君があれだけ行ってくれたし、申し訳なかったんですけど、3着権利ですし、(番手から出て)行かないとダメかなと思って。脚は良くはないです。今日(準決)は嘉永君が頑張ってくれたおかげですし、初日、2日目と仕掛けるところを間違えています。2日目は繰り上がりですから課題はいっぱい。(決勝は)決まった位置で優勝を目指して頑張りたい」
 西田優大は積極的な競走をしたいという気持ちが出た組み立てだったが、嘉永の迫力ある仕掛けで中団からの巻き返し。最終2コーナーから仕掛けていく気持ちの強さも見せ、しぶとく踏み続けて初の記念決勝を決めた。
 「嘉永君ラインも突っ張りたかったですけど、(松井)宏佑さんに押し込まれて踏み遅れた。出られたら粘る技術もなく5番手になって松浦(悠士)さんを苦しくしてしまいました。出したら、ないなと思っていたし、出したくなかったんです。(前団を)越えられる感じはなく、松浦さんもいるし、とりあえず仕掛けて阿竹さんが離れて見えたので3番手(小川の後ろ)に入る形になりました。展開が組み合わさっていい展開になっているだけ。(練習中に)落車したが、直前の練習よりは全然いいですね。記念の決勝は初めてです。松浦さんを上げることができなかったですし、その分もしっかり頑張りたい」

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犬伏湧也選手
犬伏湧也選手

杉森輝大選手
杉森輝大選手
 後ろ攻めの森田優弥が赤板過ぎに誘導を外して先頭に立ち、そこを犬伏湧也(写真)が打鐘前に出て先行態勢に。森田は引かずに犬伏の番手で粘り、2センターで太田竜馬を押し上げ落車させてしまう。これで犬伏は援軍を失ったが、後ろに入った森田の仕掛けを合わせて逃げ切った。
 「自分の技量不足で太田君に迷惑をかけましたし、ラインで決められるチャンスもあったので悔しいですね。中四国4車の全員の中から確定板を求められていたと思うし、僕がレースを乱してしまった。すごいスピード感も良かったですし、脚は問題ないんですけどね。決勝はしっかりと気持ちを強く持って、自分を含めてラインから優勝者が出るように頑張りたい」
 森田マークの杉森輝大(写真)は森田が犬伏に合わされて失速すると、内に入って2着に入る。
 「犬伏が流したので(森田は)引けなかったと思う。調子は何とも言えないですけど、悪くはないですね。いろいろ試しながらなので調子の波はありますけど、自転車だったり、シューズだったり、いい方向になるようにもう少し煮詰めたいですね」
 徳島3番手回りの久米良は前の太田が落車をすると、関東勢の後ろに入ってから立て直しを図る。2センターで内に潜り、杉森とからみながら3着に入った。
 「(太田が落車して)追い上げられれば良かったんですけど、そんな余裕はなかったですね。森田がまくり切った時のことしか考えていなかったんですけど、(犬伏が)合わせ切っていたので。内以外の選択肢はなかったですし、とにかく3着までに入ろうと。日に日に疲れは蓄積されてきているし、キツさはありますけど気持ちでカバーしたいですね」

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小倉竜二選手
小倉竜二選手

菅田壱道選手
菅田壱道選手
 後ろ攻めの菅田壱道が誘導を切り、そこを道場晃規が打鐘前に出て先行態勢に。道場がペースを緩めると、古性優作は2センターからの巻き返し。古性は合わせて踏んだ道場を1コーナーでとらえ、小倉竜二(写真)と2人で出切るが、堤洋が離れて3番手に菅田が追い上げる。小倉は番手で絶好の展開を生かして3連勝で決勝に進出。
 「(古性が)どこから仕掛けるか構えていて、思ったより早くて、出だしが良くてびくびくした。(古性のレースを)いつも見ているので踏み出しに集中していたけど、さすがのスピードだった。ワンツーが決まったと思ったけど、外をすごいスピードで来ていて、自分も内、外をいかれる感じで難しかった。3日間(最終4コーナー)番手なので展開一本ですね。あれだけ行ってくれて(古性を)4にしてしまって申し訳なかった」
 菅田壱道(写真)は俊敏な動きで小倉の後ろにスイッチ。直線は外のコースを踏んで2着に入る。
 「古性君は超一流の選手ですから、必ず仕掛けてくると。その仕掛けに反応して外を踏むイメージをしていた。小倉さんに堤さんがついてくるか、どうかを判断しないといけなくて、小倉さんのところに追走できたのが自分の持ち味。それが良かった。3番手を確保して外を踏んで、慎太郎さんと2人で決勝に乗れて良かったです。昨日(2日目)も今日もカマシの仕掛けに反応して追走できているので状態はいいと思う」
 佐藤慎太郎は菅田と息の合った連係でぴったりと追走を決める。4コーナーから直線はコースを探して、古性と小倉の間を突っ込み、菅田と2着で同着。
 「(菅田)壱道に任せていました。(初日、2日目と)1着を取れて、(感触は)半信半疑だったけど、また頑張ればやれるんじゃないかというのが、確信に変わった。ここまでは充実しているし、自分にとって大きい開催です。まだ明日がありますけど、ターニングポイントになる開催ですね」