『高知競輪開設73周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:4月5日
 高知競輪場開設73周年記念「よさこい賞争覇戦(GIII)」が、4月6日に始まる。脇本雄太、松浦悠士、新田祐大、佐藤慎太郎、平原康多とS級S班が5名も参戦する超豪華シリーズ。強敵を迎え撃つ地元中四国地区も、松浦以外にも3月大垣記念を圧巻の脚で制した犬伏湧也、エジプトでのトラックネーションズカップのケイリン、スプリントでメダルを獲得した太田海也らの名前があり、特別競輪さながらの優勝争いが予想される。また、シリーズ最終日の9日第9レースでは、次代を担うスター選手の登竜門として、デビュー2年未満のガールズ選手によって争われる「ガールズフレッシュクイーン」も実施される。4日間の走りからは絶対に目が離せない。
 高知競輪場では、様々なステージイベント等をご用意してお客様のご来場をお待ちしております。6日には、坂本勉さんによる予想会のほか、山地高、山下ヒロシさんによるジャズサックス、ギター、TAPAによりタップダンスが予定されています。なお、高知競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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小原佑太選手
小原佑太選手
 小原佑太(写真)は競技活動との兼ね合いで、前回の3月小田原FIが今年の初戦となった。久々の競輪で結果こそ出なかったが、2場所目のここはどこまで対応し切れるか。
 「前走は鉄フレームに慣れない中でも、良いパフォーマンスができたと思う。競技に関してもパフォーマンスが上がってレベルアップ出来ていると思います。でも、競輪は全然走ってないので、試したいことが実戦で出来ていない。個人的には7車立てよりも9車立ての方が走りやすいので、今回もしっかり考えて走れば決勝に行けると思っています」
 対するは末木浩二。前回の玉野記念を見れば、全日本選抜での落車の影響はないように思える。
 「玉野記念は落車後の開催だったんですけど、2勝できたんで自信になった。フレームも変えたけど、それで2勝できたんで。最終日も良い形で勝つことができた。小原君が強いけど、理想は中団から先手を取れれば」


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 岩谷拓磨は昨年の競輪祭から3度の落車と、不運が重なり状態面が気になる。だが、本人の手応えはむしろ上向いているようだ。
 「落車が続いているんですけど、調子は良いんですよね。流れが悪いだけだと思ってます。ここに来る前も兄デシ達としっかり練習ができた。感覚はここ最近で一番良かったと思います。それに高知は得意なんで」
 山本伸一にとって高知は元ホームバンク。思い入れの深いバンクで力走を誓った。
 「高知を走るのは久々ですね。高知はデビューしてから京都に移籍するまでの3、4年の間お世話になったバンクなので思い入れはありますね。高知は競輪選手になる前の野球の独立リーグでもお世話になっていて、いつも走るときは声援も凄くて力になりますね。藤井(栄二)君とは久々の連係ですけど、いつも頑張ってくれますし1着も取らせてもらっていますし信頼して。最近は色々と試しながらでしたけど上向いてきている感じもしています」


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川口聖二選手
川口聖二選手
 2月伊東GIIIで優出した川口聖二(写真)は、その後も好調を維持し、一時の不振からは完全に脱却した。ウィナーズカップでは辛酸をなめたが、ここから再度波に乗っていきたい。
 「ウィナーズは上位との脚力差があるなって痛感しました。状態は良いと思ったけど、通用しなかった。しっかり練習してここに向けてきました。伊東の前ぐらいから腰の状態も良くなってきて、練習がしっかり出来るようになりましたね。高知はまくりが効かないバンクなんで走りづらさはある。ライン3人で決まるように走りたい」
 地元の宗崎世連は、昨年当所で行われた施設整備等協賛競輪(GIII)で決勝2着。地元記念にかける思いは強い。
 「前回の福井の成績は悪かったけど、今年はここまで感触が良いし、良い状態で来れていると思います。(昨年の当所GIIIで優出し)良い経験をさせてもらえた。正直、その後は苦しい方が大きかったんですけど、それで競輪祭にも出られて力の差に圧倒された。そこをまた走りたいと思って頑張れている。(GIIIで)奇跡的に決勝2着に入れた。でも、できてしまったことはまたできる。せめて今回は決勝に乗りたいし、地元から優勝を出したい」


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 瓜生崇智は一時に比べると若干調子落ちの感じが拭えない。前回の3月佐世保FIも優出はしたものの、手応えは今一つのようだ。
 「前回は良くなかったですね。インフルエンザになって体重が5キロ落ちたんですよ。それで自転車の出が悪くなって、別人みたいな感じになっちゃったんですよね。今は体重を戻しつつ頑張ってるけど、ごまかしごまかしって感じです。もうちょっとやれるなって感覚もあるんですけどね。高知はA級の時は嫌いなバンクだったんですけど、前回走った時は走りやすくて、感覚が変わってきたのかなと思う」
 松岡辰泰は、公私ともに親交の深い瓜生、そして藤田剣次との連係に気持ちを高ぶらせる。
 「最近は積極的に仕掛けた方が良い結果が出ていますね。前回は失敗したので、メリハリを付けて走りたいと思います。ウィナーズが終わってからは久留米で練習してきました。ちょっと詰め込み過ぎて疲労は気になるかな。瓜生さんには普段から世話になってるし、久留米で練習する時は藤田さんにもお世話になっているので、頑張りたいですね」


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 昨年当所の施設整備等協賛競輪(GIII)で優出した田尾駿介。大事な地元記念に備えて、前回3月小田原FIの2日目は志願してラインの前回りを務めた。
 「ここに向けて自分の脚力を知りたくてわがままを言って前でやったんです。動けていたので良かったと思う。去年のGIIIで決勝に乗れて、波に乗れるかなと思ったけど実力不足で壁に当たっている。それでも気持ちは切らさずやっているので。調子は関係なく地元は気持ちを入れて4日間走りたい。練習はいつも通り強めにやってきたし、あとは気持ちを高めていくだけです」
 木村皆斗は1月松戸FIからFI戦初日の連対が続く。記念デビューとなった松山記念では3日目に1勝をゲットした。
 「9車と7車でもそんなに感覚は変わらないですね。前に出ちゃえば同じなので。なんか後ろがゴチャ付いてるなって感じることが9車の方が多いと思う。原田(研太朗)さんは強いけど、レースとしては分かりやすいと思う。出し切れるように頑張ります」


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長島大介選手
長島大介選手
 まだまだ自力が本職の長島大介(写真)だが、前回の玉野記念は3日間人の後ろを回った。ここも蕗澤鴻太郎との連係から初日突破を狙う。
 「玉野記念で良い着を取ったのは番手でしたし、自力でやった時は出切れずに終わっている。なので風を切った時がちょっと怖いなって思いますね。(番手回りに)やりにくさはないけど、こうやって追い込みになっていくんだと思う。勉強していかないといけないけど、まだ難しい部分はあります。高知は(71周年記念で)優勝しているし、500バンクだし走りやすい」
 広島勢は才迫開が前回り。三登誉哲も動けるだけに、並びの前後が注目された。
 「三登さんが調子が良さそうだったんで、どうかなとも思ったんですけど、任せてもらえるってことだったんで。(3月)小倉で落車したんですけど、だいぶ動きも出てきたと思う」


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 志田龍星は2月四日市で落車。そこから1カ月以上空いて今回が復帰戦となる。
 「落車したんですけど、体は特に問題なかったです。3月があっせんしない処置で止まってたので空いちゃったんですよね。どのみちあっせんが止まるのは分かってたので、いい機会だと思って1カ月はみっちり練習してきました。まだまだ力の差はあると思いますけど、最初の頃よりも記念のレースの流れも分かるようになってきました」
 準決が壁となってしまっている小原丈一郎。だが、状態面の不安も徐々になくなってきたようで、そろそろ次のステージへと進みたい。
 「伊東GIIIの時にぎっくり腰をやっちゃって。そこから全然スタンディングでもがけなくなっちゃったんですよね。一時期は練習もできなかったんで。でも、前回の宇都宮が終わってからはスタンディングで練習できるようになった。まだ戻り切ってはないけど、一時期よりは良くなっていると思う」


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町田太我選手
町田太我選手
 成績の波こそ否めない町田太我(写真)だが、ここ最近のハマった時の強さには目を見張るものがある。
 「(成績の波は)気にしてないです。高知はビジョンを見ながら走れるから走りやすいですね。すごいやりやすいと思います。直前の練習で、松浦(悠士)さんと並びを逆にして付いて見たんですよ。フォームとか、踏み出しのきれいさがすごくて勉強になりました」
 地元の山中貴雄が町田の番手回り。踏み出しに全神経を集中させて大事な一戦に挑む。
 「ここ最近うまくいかないなってのが本音。なんとか1着は取れているのは良いと思います。前回は悔しい開催だったので、今回は頑張りたい。特に何か特別なことはせずに、いつも通りの練習をして状態は上がっていると思います。町田君にしっかり付け切って勝ち上がれるように頑張りたい」


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 ここは佐々木悠葵が人気の中心か。前回の3月前橋FIは優勝とはならなかったが、初日特選では清水裕友を撃破する気迫の走りを見せた。
 「ウィナーズよりも、地元に合わせて練習していたんで。優勝したかったですけど、1着が取れたのはよかった。練習とケアをしてきたんで状態は変わらない。高知は力で決まるイメージですね。後手を踏んだらちょっときついと思う。難しいレースになると思うんですけど、頑張りたい」
 同県の恩田淳平が佐々木にマークする。安定感ある成績を残しているが、決して慢心はない。
 「調子自体は変わってないですよ。番手を回る番組が多くて、成績が上がってきた感じです。体のバランスはおかしくならないようにってのは、ずっと気を付けてますけどね。佐々木君とは初めてなんで、どうなりますかね。練習ではめちゃめちゃ強いんで。とにかくダッシュが良いんで、まずはそこはしっかり付け切りたい」


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小原太樹選手
小原太樹選手
 小原太樹(写真)は、前回の玉野記念で18年川崎以来の記念V。初日は玉野の決勝で連係した渡邉雄太に前を任せる。
 「もう自力じゃないので、ラインのおかげで優勝できたと思ってます。渡邉君のおかげですね。終わってからはケアをして、直前はいつも通りの練習でした。33よりは500の方が好きなんで、高知に悪いイメージはないです。まずはしっかり付いて行って迷惑をかけないようにしたい」
 渡邉雄太の頑張りなしには、小原の優勝はなかっただろう。
 「(玉野の決勝は)良いタイミングで行けたと思う。あのメンバーで行ける所で行けたっていうのは良かったと思う。ラインから優勝者も出たので。練習はいつも通りできたし、状態は変わってないと思う」


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太田海也選手
太田海也選手
 ナショナルチームの太田海也(写真)は玉野記念で決勝へと勝ち進んだ。脚力を証明すると共に、課題も浮き彫りになったシリーズだった。
 「前回は気持ち的にも競輪をしにいった。失敗もしたんですけど、しっかり戦えたと思います。もっと脚力も、技術も必要だと思う。同じミスはしないようにしたい。玉野は新フレームで行ったんですけど、今までよりもスピードが出ると思うし、もっと煮詰めたい」
 同県の筒井敦史が太田を初マーク。追走は堅実な筒井だが、さらに気を引き締める。
 「太田君と連係するのは初めてですね。前回の地元記念は誘導だったので走りは見ていましたけど、以前よりもレースがうまくなっていましたね。自分自身は試行錯誤中でフレームは2台持ってきていて、初日は固くて軽いフレームで行こうと思っています。全盛期と比べれば多少はダッシュは落ちてきていますけど、出脚の部分が自分の真骨頂だと思いますし、そこで勝負してきたつもりなので。河端(朋之)君のスーパーダッシュにも付け切っていますし。そこだけは集中して付いて行けるように」


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脇本雄太選手
脇本雄太選手
 ウィナーズカップで準Vの脇本雄太(写真)が出走。腰痛と付き合いながら、チャンピオンジャージを身にまとう責任を果たしている。
 「別府の調子はイマイチだった。終わってからすぐ練習を再開して、ちょっとずつ戻れればと思ってます。治療に割いている分体力は落ちているとは思います。急に調子は戻らないと思うけど、ちょっとずつ戻していきたい。力が抜けてしまう部分はあるんですけど、なんとかそこを出したい。高知は500バンクの中でも特殊なんですけど、理解していれば走りやすいバンクだと思います」
 松浦悠士は前回の玉野記念で準V。まだ完全復調とはいかないが、そこは持ち前のレースセンスでカバーする。
 「玉野は良いところも悪いところもあった開催ですね。自力がちょっと落ちているのかなとは思う。一番いい時に比べると自力は割り引かないといけないかな。中四国も強い若手が出てきてますし、まずは追走が大事。その上で仕事ができるぐらいの余裕を持ちたい」
 新田祐大は玉野記念で今年初めて決勝を外した。だが、状態面に不安はない様子。
 「(玉野は)動きとしては悪くなかったと思う。基本的には組み立ても悪くなかった。準決勝では想定外のことが起きただけなので。特にヨコの動きに関して意識はしていないです。普通に練習してきて状態も悪くない」