『高知競輪開設74周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:4月10日
 高知競輪場で令和6年能登半島地震復興支援競輪・大阪・関西万博協賛・開設74周年記念「よさこい賞争覇戦(GIII)」が、4月11日にスタートする。中四国地区の清水裕友をはじめ、深谷知広、新山響平、佐藤慎太郎とS級S班は4人が参戦。さらには犬伏湧也、佐々木豪の地元、四国勢に坂井洋らの機動タイプがシリーズを盛り上げる。シリーズ最終日には「第6回ガールズフレッシュクイーン」もあり、見どころ満載の4日間開催だ。前検日の4月10日は、長走路の500バンクでの戦いに備えて、選手それぞれが調整を行った。
 記念開催中は毎日、専門解説者、ゲストなどによる「予想会・トークショー」、「日本競輪選手会高知支部」ブースなどが予定されています。高知競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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新村穣選手
新村穣選手
 新村穣(写真)は、決勝に進出した前回の玉野FIで、3日間バックを取って猛アピール。決勝は千葉勢と南関別線のなかで、師匠の小原太樹を連れて先行した。上昇ムードで迎える今節も楽しみな存在だ。
 「前回が終わってから、1日だけ発熱しちゃったんですけど、期間が空いていたし、しっかり練習はできました。上積みはないけど、前回と同じくらいの状態ではあります。点数が上がったからって調子がいいなっていう実感はなくて、状態は変わってないです。500バンクで9車立てを走るのが初めてなんで、しっかり考えて走りたいです」
 福田知也が新村の番手を回る。好相性の同県の後輩とのタッグで、シリーズをいい形でスタートさせたい。
 「新村君とは1月の(川崎記念の)桜花賞初日に連係してワンツーでしたし、それ以外にも連係があってワンツーもあると思います。ここ最近はセッティングをいじっていたんですけど、(3場所前の)3月の福井最終日に変えたのが良くて、そこから成績以上に感覚はいいですね。直前は誘導もあったので、そこまで追い込んで練習はできなかったですけど悪くはないと思います」


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 今期から初のS級戦に挑んでいる村田祐樹は、3場所前の3月小倉FIで初優出を決めるなど、徐々にポテンシャルを発揮してきた。決まり手のほとんどを逃げが占めており、ここも持ち味の出し切る競走に徹する構えだ。
 「S級に上がって、周りのレベルも上がって、厳しいところが多いかなとは感じています。しっかり力を出せるように走りたいと思ってるし、その結果が先行になっています。配分が詰まってないし、練習は普通にやってきました。まずは力を出し切れるように」
 前期の競走得点は107点台だった岩谷拓磨だが、今期は104点台にまで下降してしまった。S級初優勝を飾った思い出のバンクから、立て直していきたい。
 「ここ最近はずっと良くないですね。去年はFIシリーズだったら1回くらいしか決勝を外していないと思うんですけど、今年は全然ダメですし。練習メニューを変えて、継続しないといけないと思ってやってきたんですけど、練習しているのに(調子が)上がってこない。前回の宇都宮が終わってから良かった頃の練習メニューに戻したので、ここから徐々に上がってきてくれれば。高知は相性もいいですし、1着を取れているイメージです」


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久米康平選手
久米康平選手
 久米康平(写真)は、前々回のウィナーズカップで落車して、直後の松山FIは7着2回と大叩きしてしまった。だが、本人は悲観していないようで、ここからの巻き返しを狙う。
 「松山は落車したあとの一発目のレースで、7着、7着したけど思ったよりは動けていました。ちょっと惜しいところまではまくれていたし、外に浮いて負けただけなので。意外と悪くないなと思って、帰ってからも練習しました。前回よりはいいと思います。落車で打ちつけて、硬くなった部分とかもなくなっています」
 当所は一昨年にGIII制覇の実績がある阿部将大にも注目。相性のいいバンクで好成績を狙う。
 「前回の小倉まではいい感じでこれたんですけど、日曜日(4月7日)に胃腸炎になって体調を崩してしまった。でも、すぐに体調は戻りましたし、体重も落ちていない。そこまで影響はないと思うんですけど、走ってみてって感じですね。久米さんにはやられているイメージですね。番手もうまい柏野(智典)さんですし、考えて走らないと。菅原(晃)さんと勝ち上がれるように頑張ります」


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 大石剣士は、3月向日町FIから調子を崩し大敗が目立つ。前回の4月玉野FIは初日5着で勝ち上がりを逃したが、2日目、最終日と2、1着でしり上がりに成績が良化。徐々には調子も上がってきている。
 「向日町ぐらいからずっと体調が悪くて。練習すると関節痛が出たり、熱が出たりしてました。原因もイマイチわからなかったですね。それで成績も悪かったんですけど、前回の2日目くらいから戻ってきて、着もまとめられたし、今は大丈夫だと思います。(初日みたいな)コマ切れは好きです。仕掛けるところが1回は来るし、そこを逃さなければ大丈夫だと思います」
 新田康仁は、前回のウィナーズカップで昨年の日本選手権以来のビッグレースに参戦。準決までコマを進め、また一層気持ちを引き締めた。
 「ウィナーズカップは久々のビッグレースだったっていうのもあって、かなりブランクを感じました。周りのレベルも上がってきていますね。その中で準決勝を走れたのは大きいですね。そこで感じたことを修正してやってきたつもりです。(一次予選の)大石君とは何度も連係していますし、いつも頑張ってくれるので相性いいイメージですね。結構ワンツーも決まっていると思います」


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 前回のウィナーズカップは見せ場のなかった山田諒だが、そこから2週間以上空いた今回は変わり身に期待できそう。新たなトレーニングを取り入れて来たようだ。
 「ウィナーズはボロボロでしたね。大垣の練習設備にレッグプレスが追加されて、それをめっちゃやってきました。ダッシュの部分は明らかに良くなっていると思います。でも、調子がいいかどうかはわからない。きっちり勝ち上がれれば自信もつくと思うので頑張りたい。とりあえず力をしっかり出せれば勝てると思う」
 地元の山本拳也は仕上がりに自信あり。一次予選は積極タイプの渡口勝成を目標にして、まずはチャンスを待つ。
 「体調も、練習の感じも、いいですね。今がピークかなってくらい、自分の中では仕上がっています。前回の2日目と、最終日が自分でやる番組だったんですけど、ここを見据えて自力っぽい動きをしてみて、2着、3着だったので、自信になった。渡口君が強いのは知っているし、出し切ってくれれば、僕にもチャンスがあると思います」


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伊藤旭選手
伊藤旭選手
 伊藤旭(写真)は、前回の川崎記念から中2日で追加参戦とハードなスケジュール。その川崎記念では4走のうち3走でバックを取り、積極的なレース運びを見せていた。
 「前回の疲れは残ってますけど、今ある最大限の力は出せる状態だと思います。(調子は)現状維持ですかね。(川崎記念は)とりあえず主導権はしっかり取るレースはしようと思っていたし、最近はバックも増えてきたので良かった。積極的なレースは続けていきたいと思っています」
 伊東翔貴は、前々回の4月宇都宮FIを連勝で優出。続く平FIは最終日に補充で走って1着と、コンスタントに白星を挙げている。
 「ずっと1着は取れていたんですけど、初日がダメで。前々回の宇都宮の前にセッティングを変えたら決勝にも乗れましたし、補充で行った平でも1着を取れたのでいい感じだと思います。高知はかなり久々ですけど、(同じ500バンクの)宇都宮を走ったばかりなので」


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 直近2場所のFI戦での決勝進出が続いている石塚輪太郎が、1月地元、和歌山記念以来の9車立てに挑む。前回から投入した新車の感触は上々のようで、今回はさらなる上積みも見込める。
 「新車を使ってるんですけど、前回はまだセッティングが出ていなかった。今回は練習期間がかなりあって、その間にセッティングを出せたと思います。一時期よりも成績が安定してますし、しっかり練習期間が取れていることが成績につながっていますね。高知は特殊なバンクなので、タイミングを逃さないように仕掛けたい」
 高知籍でデビューした山本伸一にとって、高知記念は特別な大会。一本欠場して臨む今回の仕上がりはどうか。
 「前回の松山は腰痛が出て休みましたけど、ケアをして、しっかりと練習はしてこられた。もう移籍してからだいぶ経ちますけど、やっぱりデビューしたバンクでもありますし、思い入れはありますね。今回も準地元だと思って頑張りたい」


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野口裕史選手
野口裕史選手
 野口裕史(写真)は、前回の4月玉野FIで、1月京王閣以来の決勝進出。本人の手応えも上々で、ここから勢いに乗っていってもおかしくない。
 「(調子が)良くなっている感じはあります。ここ最近は体作り中心のメニューで練習していて、その練習をやり始めた時は疲れがずっと残っていた。最近は慣れてきて、うまく体を使えるようになって、楽に乗れる感じが出てきた。先行するにしても、前よりも長い距離を踏めそうですね。高知は特殊なバンクだけど、1回しか走ってない。映像で見てても、まくりが出ないバンクだなとは思います」
 野口マークは永澤剛。3月平FIで落車、続く前回のウィナーズカップで失格と、悪い流れはそろそろ断ち切りたい。
 「ここ最近は落車と失格で、しっかりと走り切れていないので頑張りたいです。ウィナーズカップのあとにピスト6を走ったんですけど、また別ものなので。野口さんの番手は何度もあります。強いので離れないように。神山(雄一郎)さんも後ろについて下さるみたいなので、迷惑を掛けないように頑張ります」


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島川将貴選手
島川将貴選手
 島川将貴(写真)は、前回の4月宇都宮FIで、平原康多らを相手に今年3度目の優勝をゲット。相変わらず7車立てでは格段の強さを誇っている。自身がバンクレコードを保持する当所でも、大暴れしたい。
 「(優勝して)気分はいいですし、練習もいつも通りやれました。今回から新車で、セッティングも出てます。練習で乗ってみた感じも良かったですね。(一次予選は)地元が付いて下さるんで、みんなで勝ち上がれるようにしたい。(高知は)まくりはキツいイメージだけど、最終バックを取れれば有利。後手を踏んでも早めに巻き返したい」
 田尾駿介は、3月平塚FIで落車失格。なんとか地元記念には間に合わせたようだが、気持ちをしっかりと入れて臨む。
 「落車して、肋軟骨を骨折しました。休んだけど、ケアと練習はしっかりしてきました。フレームも壊れたので、1個前に使っていたものに戻しました。感覚はこっちのフレームの方がいいですね。調子はいいとは言えないけど、気持ちは切れてません。地元で恥ずかしくない走りをしたいです」


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 前々回のウィナーズカップの3日目に落車した長島大介は、直後の4月宇都宮FIで決勝に進出。どこまで本調子に戻っているか。
 「練習の雰囲気だといつも通りの感じなんですけどね。前々回落車して、前回の最終日くらいからいつも通りに戻っている感じはあります。(一次予選は)ライン3車になるんで、いいところで仕掛けられるように」
 宗崎世連は、昨年の当大会で決勝に進出しており、地元GIIIは抜群の相性を誇る。今節も点数以上の力発揮に期待したい。
 「最近の成績は良くないんですけど、体調は前よりも良くなってます。自分にできることは精いっぱい頑張れる状態だと思います。(一次予選で連係する)佐伯(亮輔)君は、先行基本ですし、前期のA級だと無敵だった。S級でもチャンスはあると思うし、まずは付いていけるように。突っ込む準備をちゃんとして、突っ込める位置を回るのが理想ですね」


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後藤大輝選手
後藤大輝選手
 後藤大輝(写真)は、前回の武雄GIIIで準決まで進出してシリーズ2勝。直近11場所のバック本数は34本と、大器の片りんを感じさせる走りを貫いている。
 「最近はしっかりと先行の仕方を考えていて、その中で前々回の小倉で久々に決勝に乗れたのは良かったです。前回武雄の準決勝はチャンスだったのに、油断してしまって出遅れてしまいました。今回は同じ失敗をしないようにしたいですね。末脚はデビューしてから、ここまでずっと自分の課題としてやってきている。道中のペースを落とさずに、最後も踏み直せるようにと思ってやっていて、押し切れるレースも増えてきた。まだそこまで余裕があるわけじゃないですけど、これを続けていければ」
 山中貴雄は、高知記念69周年の覇者。昨年判明した白血病を乗り越えて、地元記念に帰ってきた。
 「練習の感じは上がってきている感じがあります。去年の(高知)記念の時よりも、いい状態で走れると思います。年齢も年齢ですし、今は自分の長所のダッシュを伸ばすような練習を重点的にやっています。地元のお客さんの前で、一つでもいい着を目指したい」


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清水裕友選手
清水裕友選手
 今年は好スタートを切った清水裕友(写真)は、すでに記念で2V。全日本選抜は準Vで、ウィナーズカップも決勝3着に入っている。次なる目標はもちろん5月の日本選手権で、今節は自身の仕上がりを見極める大事な大会だ。
 「GIを優勝したいっていう気持ちでやっている中で、なかなか優勝はできていないんですけど、今はダービー(日本選手権)に向けてやっています。しっかり練習しているんで、疲れはありますね」
 前回のウィナーズカップで決勝に進出した深谷知広だが、本人に納得できる手応えではなかった様子。スケジュールを組み直して、状態を上げていく算段だ。
 「前回の不調で、大幅に予定が崩れました。急きょ、予定を組み直している最中です。体調不良や、体の痛みとかは問題ないです。ただ、(予定が狂ったのでトレーニングでの)上積みはない。そこを考えながら、今シリーズは走りたい」
 犬伏湧也は、前回のウィナーズカップの3日目に落車して、次の4月小倉FIを欠場。復帰戦はどんな走りを見せるか。
 「落車してすぐはダメージがあったんですけど、今は大丈夫。練習も、落車する前と同じ量をできている。暖かくなって、練習ではスピードが出てくるようになってきました。それがうまくレースでかみ合えば面白いですね。高知は走りやすいバンク。主導権を取れれば有利だと思います」