『高知競輪開設58周年記念(GIII)レポート』 最終日編
配信日:4月15日
高知競輪開設58周年記念「よさこい賞争覇戦」が4月12日~15日の4日間で行われ、本日で全日程が終了。S級S班の兵藤一也、豊田知之が脱落したものの上位陣は順当に決勝へと駒を進めた。死闘を勝ち抜いた9名による決勝が最終第11レースで争われ、田中誠の先行に乗った小野俊之が追い込んで優勝した。
決勝戦 レース経過
スタートで野田源一が飛び出し誘導を追う。田中誠-小野俊之を野田が受けて、九州勢が前団。武田豊樹-吉松直人の即席ラインが続き、この後ろで単騎の岡部芳幸が様子見。金子貴志-山内卓也-山口富生の中部ラインが後攻めで様子を窺う。
長走路だけに、赤板ではまだ誰も動かなかったが、2コーナーから金子が踏み込んで打鐘で田中を押さえ込むと、岡部が中部勢に切り替えた。誘導が退避してペースが緩むと、武田が外を踏み込んで金子を叩いて先頭に立つ。しかし、まだペースはそれほど上がらない。七番手に下げた田中が最終ホーム線を目掛けて、全開でカマシ先行を敢行。武田は中団に入るも、車間がやや空いてしまう。武田は車間を詰めた勢いでまくるかと思われたが、一気には仕掛けず、後続の出方を確認して金子に合わせて2センターから踏み込む。だが、武田は車の出が悪く、田中を利した小野が抜け出し、四角で最内を突いた山口が中割り強襲で迫る。山口を凌いだ小野がゴールを先頭で駆け抜け1年半振りの記念優勝を決めた。
小野俊之選手
決勝当日、3.85にギアチェンジした時点で田中誠の心は決まっていた。武田豊樹が前を斬ったところで一気に発進。田中の最大限の援護を受け、番手の
小野俊之
が好機をキッチリとモノにし、2年ぶりの記念優勝を飾った。
「折り合ってくれたゲンと、行ってくれた(田中)誠のおかげ。今日は前受けしてから武田さんを1回動かせて、そこをうまく自分達が叩く作戦だった。誠は今日はギアを上げていたからペースで駆けさせるために2コーナーまで流させて、バックでもう1回踏み直す感じで駆けさせました。スピードは掛かっていましたよ。最後、内をすくってきたから『ヤバイ』と思ったけど、確認したら当たりの強い富生さんだったから、体を預けても大丈夫だと思って内をキツく締めました。巧く押し込めましたね」
1月の岸和田に始まり、3月はダービー、小倉と今期はすでに3度も落車。手負いの状態ながらも意地で優勝をもぎ取った。
「高知は元々好きなバンクだけど、さすがにこれだけ落車するとね。でも、腐らず練習だけはずっとやっていたんです。歩いてリハビリしたり、落車後の体のケアもしっかりとね。レースではずっと悔しい思いをしてきたんで、優勝できて本当に嬉しい。我慢したら良いことがあるんですね」
山口富生
は鋭く内に斬りこんだが、小野の好ブロックで勢いは止まり惜しくも優勝ならず。
「伸びたんだけど、押し返されてしまったね。コーナーでちょうど6番(吉松直人)が下りてきてバックを踏んでしまった。あれがなければもっと良いスピードで小野に当たれたと思う。でも、あの展開で2着なら上出来。小野が巧かった、仕方ないよ」
中団4番手を取った
武田豊樹
は、思いの外、車が伸びなかった。
「脚に余裕があったから優勝できるかと思ったんだけどね。今日はバンクが重たかった。1回前を斬ったとき、田中君がためらいながらきたら突っ張って先行も考えていたけど、一気にカマしてきたから中団取りに変更しました。ここは先行有利なんでしょうね。5百バンクの仕掛けは難しい。でも、田中君は何度も緩急を付けた駆け方をしていたし巧かったよ。戦い方は間違っていなかったし、調子が上がってきているのは確か。平塚記念まで待ってください(笑)」
岡部芳幸
は武田の先行はないと読み、中部後位に切り替えた。
「武田は動くけど先行はないと思った。先行は田中か金子だろうけど、力では金子に分があると思ったから中部ラインから攻めた。ホームで武田が踏まないから、田中に楽に出られる展開になってしまったね。道中は余裕があったし脚も大丈夫だったから、富生さんの仕掛けを待ってから踏みました。初手も良い位置が取れたし、読みも当たっていた。今日は展開のアヤで負けたね。冷静さが結果に繋がって欲しかったけど仕方ないね」
金子貴志
も先行を視野に入れていたが。
「武田さんが来なかったら先行も考えていたけど、来る気配があったんで受けた。内をすくって先行しようと思ったけど焦ってしまい、そうしたら田中君がカマしてきた。踏み合いになると思ったけどダメでしたね」
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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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