『高知競輪開設64周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:4月11日
 500バンクの高知競輪場を舞台に開設64周年記念「よさこい賞争覇戦(G3)」が、12日に熱戦の火ぶたを切って落とす。新田祐大、浅井康太のSS班2人をはじめとした各地区の強豪を、地元の佐々木則幸を中心に濱田浩司、渡部哲男らの四国勢が迎え撃つ。長走路でS級のトップ選手によってスリリングなスピードバトルが、展開される4日間は見逃せない。好天に恵まれた前検日の11日は、初日からの激戦に備えて108選手が各々の調整を行った。
 本場では開催中の毎日、開運おみくじ、山口幸二氏によるトークショー、専門解説者予想会などを行います。また、12日には『三浦マイルド』のお笑いライブ、『スピーチーズ』によるライブショーなども予定されています。高知競輪場では様々なファンサービスとイベントで、お客様をお待ちしています。ぜひ、本場へ足をお運びください。
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 2場所前のダービーは978着。ほろ苦い地元G1となった猪俣康一だったが、前回の豊橋F1では213着。納得の表情で口を開く。
 「ダービーでは攻め方とかを、いろいろ考えてやっていたんですけど。それをやっていたら調子が良くなってきた。セッティングとかの部分もあって、前回は手応えがありました。ダービーの時よりも調子は良かった。高知はこれで3回目だと思うんですけど、(A級で)優勝もしているし、イメージは悪くない」
 山口貴嗣は、前回の玉野F1の最終日に落車の憂き目をみた。
 「(落車で)擦過傷に打撲もあったけど、それほどたいしたことはなかった。今はそれよりも自分の調子ですね。自分では悪くないつもりでいるんですけど、点数を落としているってことは。(調子が)それなりなんですよね…」

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 坂本貴史は、前回の立川F1で1月の奈良F1以来の優出。上昇カーブを描きながら、今シリーズに臨む。
 「(2場所前の)松山記念が終わってからしっかりと練習をした成果が、立川で出たんだと思います。去年の暮れまでは自分の調子も良かったんですけど、年明けにインフルエンザにかかってしまって…。そういことがあって、ようやく(調子が)上がってきた感じですかね」
 坂本同様にナショナルチームの合宿に参加した河端朋之は、合宿から中2日で本業の競輪にスムーズにシフトチェンジできるかが課題。
 「中2日だったんで、疲れとかの問題はない。あとは競技の方の力が、うまく出すことができるかどうか。自分の感触としては普通ですね。あとは(仕掛ける)タイミングを逃さないように」

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 梶山裕次郎は3レースのメンバーに、同じ九州の小岩哲也の名前を見つけてニッコリ。目を細める。
 「(小岩との)連係は初めてです。離れないようにしないと。前回の防府からここまではちょっと間があったんで、練習はしてきました。もう自分も年だし(笑)、20代のころとは疲れ方とかが全然違う。それでもしっかりと練習しないといけないんでしょうけど。せっかくいい先行屋と一緒だし頑張ります」
 今期4勝の吉田裕全は、勝ち星から見離されている近況に苦笑い。奮起する。
 「前回の四日市が終わった次の日に、追加配分の知らせが来た。追加が来たらいいなって思っていたし、(疲れは)大丈夫です。(調子は)暖かくなって良くなってきているみたい。最近は1着が少ないから、1着を取りたい。ここはS級初勝利を挙げたところだし、高知は得意バンクだから1着を取りたいですね」

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高久保雄介選手
高久保雄介選手
 S級に昇級した今期、徹底先行のスタイルで名前を売っている高久保雄介(写真)。先を見据えてこう言う。
 「全然まだまだですね。勝ち上がれてもいない時もあるし…。毎回、きっちり自分の力を出し切れるようにしないと。まだまだこのスタイルで力をつけていかないと。高知は初めてですけど、練習はいつも500バンクでしているんで。あとは行けるところからですね。カントがきついと、そういうところを走る技術がないんで。(カントがゆるい)ここはいいかもしれない」
 前回の立川F1で、昨年の落車による怪我から復帰した山口貴弘。果たして2場所目の上積みがあるのか…。
 「怪我は右の鎖骨の骨折です。正直、一回走った立川から1週間あったけど。状態は変わらない。まだ厳しいかもしれないです」

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芦澤辰弘選手
芦澤辰弘選手
 防府、玉野とF1で続けて決勝にコマを進めている芦澤辰弘(写真)。次の共同通信社杯(4月26日から)では兄、大輔との兄弟配分が待っている。
 「共同通信社杯も走る以上は頑張りたいけど。まずはここをしっかりと無事に走りたい。ここ最近は結構、積極的に走れている。仕掛けるべきところで、仕掛けていけているんで。いい状態ではあると思います。あんまりまくり脚がないんで、どっぷり構えてというのは…。(自分の)タイミングで行かないと」
 今期に入って競走得点を上げている岩本和也は、好調の要因をこう打ち明ける。
 「大ギアを踏むコツみたいのを探していたけど。そうじゃなくて3.57のギアと同じように回すイメージでやるようになった。踏むコツにこだわりすぎていた。(ギアを)下げる勇気も必要なんだなって。それをやりだしたのが去年の10月くらい。それから11、12月くらいで練習の手応えがあった。集中して走れているのも、いい方向にいっているんだと思う」

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 昨年のオールスターでの落車から復調気配を示している水谷好宏だが、ムラな面も否めない。
 「(成績は)良かったり、悪かったりですね。怪我の方はしっかりとケアしているんで、そこは良くなっている。いつまでも怪我のせいにはしてられないですから。自分は感覚一本なんで。初日に(走った)感覚が良ければ、最終日までいけると思う。前回から中3日でやれることはやってきた」
 昨年は落車禍に見舞われた山中秀将は、復調途上も前向きな姿勢。
 「去年は3回骨折をしている。まだ全然ダメですね。練習ではそれなりに8割くらいで走れているんですけど。それが競走になると半分以下って感じです。去年1年怪我と向き合ったんで、それが2、3カ月で取り戻せるとは思っていない」

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山田隼司選手
山田隼司選手
 3月の小倉F1では3日間すべてシンガリ負けを味わった山田隼司(写真)だったが、ここに来て復調急。2場所前の岸和田F1を2連対。前回は最終日のみの補充で勝ち星を挙げた。
 「展開一本、恵まれです(笑)。練習の感じも良くなってきたし、体の使い方が良くなってきた。自然にっていう感じです。今回も(調子は)変わっていないと思うけど、あとはどうですかね…」
 有坂直樹は、前回の岸和田F1を39着で最終日を欠場。しかしながら、今シリーズでの巻き返しがありそうだ。
 「前回の準決は(別線が)先行一車でどうすることもできなかった。なにをやってよかったのか…。今回は調子は悪くないと思うんで、頑張りますよ」

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 萩原操は、前回の久留米F1で準決に進めずも2連対。50歳にして元気いっぱいだ。
 「初日ははまってしまった。準決に乗れなかったのが久しぶり。いつ以来か覚えてないくらいですよ。調子は悪くなかったし、展開。そのあとの2日目以降は、うまく走れた。ここは500バンクだし焦らず強襲したい」
 中田健太は久々の記念シリーズ。舞台の高知バンクに目を輝かせる。
 「朝秀(忠)さんが付いてくれるし、朝秀さんは尊敬している先輩ですから。先行を条件に南関ラインに行きます。高知はA級でもS級でも決勝に乗っているし。S級で初めて決勝に乗ったバンクです」

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山内卓也選手
山内卓也選手
 前回の玉野F1が628着と振るわなかった山内卓也(写真)。前回が1カ月ぶりの実戦だっただけに、理由は明確。
 「練習は問題なかったけど、抜きにいくタイミングとか。レースの中で降りるタイミングとかが全然違った。昔は1カ月くらい休んでも問題がなかったけど…。ここまでに1回走っていてよかった。(1次予選は)慣れました。厳しいレースとかしなきゃいけない時もあるし、かなり勉強になりました」
 藤原浩は中近ラインの3番手を回って、地元でチャンスをつかみたい。
 「3番手は難しいけど、前の人たちが強いと思うし。中近の後ろにいく。(3場所前の)玉野記念からフレームを新車にしたし、流れが向けばなんとかなるかなって思います」

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佐々木則幸選手
佐々木則幸選手
 佐々木則幸(写真)は昨年7月の当所地元記念で2次予選敗退。巻き返しを誓う。
 「ダービーまでは(配分が)詰まっていた。ダービーが終わってからはゆっくりもできたし、練習もできた。直前はバンクでもやったけど、年も年なんで、そんなに意気込んでも。去年は2次予選で負けているし、今年はまずは準決に乗って、決勝に乗れるように。ハマコー(濱田浩司)はいつも頑張ってくれるし。強いから、たまに“付きイチ”の時がある。後輪だけを見ていけばいいんで」
 稲川翔は前回の岸和田F1で今年初優勝。今期を振り返りながらホッと一息つく。
 「毎年、年始めが悪くて、今年はスタートダッシュをしたかったけど。今年もダメでしたね。それで(前回)優勝ができて勢いもついたかなって。脚はないけど、なんとか気持ちでカバーできている。ここは追加だけど、疲れはないですよ」
 渡邉一成はナショナルチームでの合宿の疲労残りを心配する。
 「疲れていて、この2日間はあんまり乗れていない。調子の方が心配ですね。去年は(調子が)悪い中で優勝もできたし、ここのバンクは走りやすい。相性も悪くないと思います」

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新田祐大選手
新田祐大選手
 新田祐大(写真)は(5月から自粛欠場に入るので)次の共同通信社杯が今年のラストシリーズ。あと2戦を見据えながら、気合を入れる。
 「今年はあと2戦しかないんで、(いつも以上に)勝ちにこだわっていきたい。お客さんに喜んでもらえるレースがしたいですね。自分しかできない走り。新田祐大らしい走りができるように」
 大塚健一郎は前回の久留米F1が322着。戦績をまとめたものの、本来のキレには程遠い。
 「(前回の)感触がまだ納得のいくレベルではない。まだまだ自分の感覚が。久留米は自分の中でフワフワした感じがあったけど、そこを1本走って刺激が入った。前回よりはいいと思います」
 ダービー695着だった鈴木裕が振り返る。
 「ダービーで上位との力差を痛感しました。自転車のことにしても、体のことにしても課題が見つかった。練習ではあんまりモガき過ぎないようにやってきたし、体の使い方とからそこら辺に重点を置いて練習をやってきた」

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脇本雄太選手
脇本雄太選手
 脇本雄太(写真)は、前回の平塚F1で圧巻のパフォーマンスを披露。完全Vで弾みをつけたが不安もチラリ。
 「ナショナルチームの合宿に(4月の)6、7、8日で参加してきた。そこから一回、(地元の)福井に帰ってから、ここに来たんで。それからはあんまり練習ができていない」
 2月四日市記念での4連勝V以来の実戦となる浅井康太。久々の実戦に不安はなさそうだ。
 「久しぶりだし楽しみですね。結構(日にちが)空いたけど、とくに変わった練習をしてきていない。いつも通りにやってきました。体は2キロくらい増えました」
 前回の岸和田F1では途中欠場を余儀なくされた藤田竜矢だったが、得意のバンクで変わり身が期待できる。
 「前回は練習不足だったり、腰の調子もあんまり良くなかった。今回は前回よりいいと思います。ここのバンクはすごい好きだし、地元の大宮と比べても本当に(相性は)いいです。初日はワッキー(脇本)が先行するもんだと思うし、そこを自分がうまく走れればと思います」
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