松山競輪場で開催されていたGIIIナイター「道後温泉杯争覇戦(GIII)」は、10月16日が最終日。S級決勝は、根田空史の先行に乗った福田知也がゴール前で鋭く抜け出して、03年の選手デビューから20年目にして嬉しいGIII初優勝。また、ガールズケイリンでは山原さくらが好位確保からまくって完全Vを果たした。
決勝戦 レース経過
号砲が鳴ると渡邉豪大が勢いよく飛び出してスタートを取る。佐々木豪-渡邉-坂本亮馬の西日本勢が前を固め、中団に稲毛健太-森川大輔の中近勢。根田空史-福田知也-阿部力也のラインが後攻めとなり、単騎の杉森輝大が最後方の並びとなった。
赤板前の2センターから根田がゆっくりと踏み上げる。稲毛は前と車間を空けはじめるが、根田は中団には見向きもせず、1コーナーで佐々木を交わして先頭に立った。佐々木はすんなり5番手まで車を下げ、根田-福田-阿部、杉森、佐々木-渡邉-坂本、稲毛-森川の一本棒でジャンが入る。まだ誰も仕掛けず、最終ホームで根田が一段とペースを上げたため相変わらず一本棒のまま。2コーナーで佐々木がスパート。鋭い出脚で前に迫るが、根田のかかりもよく、3番手阿部の外あたりで勢いが鈍る。絶好の展開となった福田が直線の半ばで根田を交わしてG3初Vを達成。根田は末脚を欠き、福田マーク阿部が2着、初手から阿部の後ろにいた杉森が3着に入った。

福田知也選手
03年7月のデビューから実に19年の時を経て、福田知也(写真)がGIIIを初制覇。今年不惑を迎えた男がついに歓喜の輪の中心に立った。
「嬉しいっすね。9レース制(で寬仁親王牌組が不在)だけど、それでも良いメンバーがそろった。その中で優勝できて嬉しい」
根田空史は周回中に6番手からの組み立て。赤板で根田が押えて、そのまますんなりと先行する流れになった。中団を占めた佐々木豪は最終2コーナーからまくり上げる。福田は最小限の動きでけん制すると、返す刀で追い込んで抜け出した。
「佐々木君が地元で獲りたいってコメントしてたので、前を取るっていうのは想定していました。後ろから押えて駆けられれば、そうそうまくられることはない。根田君のカカリがよかったし、ある程度引きつけて、真横まで来た時に仕事をした方がもつれると思った。阿部(力也)君が内に来ることは想定していました。割られないようにとだけ思って踏みました」
今年だけでも、福田が根田の番手から1着を取ったのはこれが6回目。両者でのワンツーが極端に多く、お互いの信頼関係は数字以上のものがある。
「顔見せの時の根田君のダッシュの感じが今日(最終日)が一番よかった。あれで、8割方決まったなって自分の中で思ってたんですよね。あとはライン3人での勝負だなって。でも、最後は根田君を残すとかは考えられなかった。そこだけは反省点です」
郡司浩平を筆頭に、深谷知広、そして根田と、南関勢には屈指の機動型がそろっている。その後ろを回ること。回れる選手でいられるかどうかが、福田にとっての大きなテーマだ。
「今回の番組を経験して、点数があれば二次予選、準決と根田君の番手を回れる。コンスタントに110点台をキープしていきたい。そうすれば、郡司や、深谷だったり、南関で良い位置を回っていけるし自分にもチャンスはある。次は小田原FIですけど、違反訓練があるので追加は入らないと思うし配分が空く。みっちり練習します」
GI組が不在の中で、南関の層の厚さを改めて示した。そしてたとえGI組がいたとしても、福田がその中に埋もれてしまう選手ではないことは確かだ。
南関勢マークを選択した阿部力也が、福田に続いて2着。
「悔しいというか情けないですね。選んだラインも間違ってはいなかったですし、根田君のカカリも良くて脚はたまっていたのに…。(最終)2センターで杉森さんが外を差し込んだのがわかったので、そのタイミングで佐々木君を張りながら外を踏めば優勝があったかもしれないので。迷って待ってしまった分、伸びなかったですね」
初手から根田ラインを追った単騎の杉森輝大が3着。
「たぶん根田君の先行になると思っていたので。ほかのラインが根田君に前を取らせるようならまた別の位置を考えましたけど、あの位置で良かったと思うので。でもいいところで被ってしまいましたね。もうちょっと車間を空けていれば良かったんですけど、たぶん福田さんが車間を空けたタイミングで詰まってしまって。もうあそこしか踏むコースはなかったですね」




赤板前の2センターから根田がゆっくりと踏み上げる。稲毛は前と車間を空けはじめるが、根田は中団には見向きもせず、1コーナーで佐々木を交わして先頭に立った。佐々木はすんなり5番手まで車を下げ、根田-福田-阿部、杉森、佐々木-渡邉-坂本、稲毛-森川の一本棒でジャンが入る。まだ誰も仕掛けず、最終ホームで根田が一段とペースを上げたため相変わらず一本棒のまま。2コーナーで佐々木がスパート。鋭い出脚で前に迫るが、根田のかかりもよく、3番手阿部の外あたりで勢いが鈍る。絶好の展開となった福田が直線の半ばで根田を交わしてG3初Vを達成。根田は末脚を欠き、福田マーク阿部が2着、初手から阿部の後ろにいた杉森が3着に入った。

福田知也選手
「嬉しいっすね。9レース制(で寬仁親王牌組が不在)だけど、それでも良いメンバーがそろった。その中で優勝できて嬉しい」
根田空史は周回中に6番手からの組み立て。赤板で根田が押えて、そのまますんなりと先行する流れになった。中団を占めた佐々木豪は最終2コーナーからまくり上げる。福田は最小限の動きでけん制すると、返す刀で追い込んで抜け出した。
「佐々木君が地元で獲りたいってコメントしてたので、前を取るっていうのは想定していました。後ろから押えて駆けられれば、そうそうまくられることはない。根田君のカカリがよかったし、ある程度引きつけて、真横まで来た時に仕事をした方がもつれると思った。阿部(力也)君が内に来ることは想定していました。割られないようにとだけ思って踏みました」
今年だけでも、福田が根田の番手から1着を取ったのはこれが6回目。両者でのワンツーが極端に多く、お互いの信頼関係は数字以上のものがある。
「顔見せの時の根田君のダッシュの感じが今日(最終日)が一番よかった。あれで、8割方決まったなって自分の中で思ってたんですよね。あとはライン3人での勝負だなって。でも、最後は根田君を残すとかは考えられなかった。そこだけは反省点です」
郡司浩平を筆頭に、深谷知広、そして根田と、南関勢には屈指の機動型がそろっている。その後ろを回ること。回れる選手でいられるかどうかが、福田にとっての大きなテーマだ。
「今回の番組を経験して、点数があれば二次予選、準決と根田君の番手を回れる。コンスタントに110点台をキープしていきたい。そうすれば、郡司や、深谷だったり、南関で良い位置を回っていけるし自分にもチャンスはある。次は小田原FIですけど、違反訓練があるので追加は入らないと思うし配分が空く。みっちり練習します」
GI組が不在の中で、南関の層の厚さを改めて示した。そしてたとえGI組がいたとしても、福田がその中に埋もれてしまう選手ではないことは確かだ。
南関勢マークを選択した阿部力也が、福田に続いて2着。
「悔しいというか情けないですね。選んだラインも間違ってはいなかったですし、根田君のカカリも良くて脚はたまっていたのに…。(最終)2センターで杉森さんが外を差し込んだのがわかったので、そのタイミングで佐々木君を張りながら外を踏めば優勝があったかもしれないので。迷って待ってしまった分、伸びなかったですね」
初手から根田ラインを追った単騎の杉森輝大が3着。
「たぶん根田君の先行になると思っていたので。ほかのラインが根田君に前を取らせるようならまた別の位置を考えましたけど、あの位置で良かったと思うので。でもいいところで被ってしまいましたね。もうちょっと車間を空けていれば良かったんですけど、たぶん福田さんが車間を空けたタイミングで詰まってしまって。もうあそこしか踏むコースはなかったですね」




ガールズ レース経過
ゆっくりとしたスタートから最内枠の鈴木美教が誘導員の後ろに付いた。以下は西脇美唯奈、山原さくら、佐伯智恵、柳原真緒、田中月菜、高橋朋恵の並び。
この態勢のままで誰も動かずジャンが入る。山原と柳原は前との車間を少し空けたが、まだ仕掛ける様子はない。3コーナーで高橋が1車踏み上げて柳原の後ろは並走となった。最終ホーム線の手前で腹をくくった鈴木が一気にペースを上げると、2コーナーから山原がスパート。鈴木は懸命に抵抗するが、じわじわと前に迫った山原が3コーナーで鈴木を交わして先頭に立ち、山原、佐伯、柳原で最後の直線に入る。山原のスピードは衰えず押し切って優勝。2番手の佐伯はやや伸びを欠き、3番手の柳原が2着に突っ込んだ。

山原さくら選手
山原さくら(写真)が、地元地区で歓喜の完全Vを手にした。初手の並びのままペースが上がらず、5番手の柳原真緒も仕掛けない。腹を決めた鈴木美教が逃げるが、山原はこれを連日同様に最終2コーナーまくりでねじ伏せる。柳原の猛追も振り切って先頭でゴールした。
「めっちゃ嬉しいです。前回(昨年当所のGIIIナイター)は優勝できなかったので。顔見せから応援が凄かったので、いいところを見せたいなって思っていました。(声援が)嬉しかったですね。4日間持つ体力をと思ってやってきたので。今日は展開に恵まれただけで、レースの巧い(鈴木)美教さんや、脚のある(柳原)真緒さんとだったので。位置取り次第でいろんなことを考えておかないとなって思っていました。スタートが美教さんで、後ろの後ろが真緒さんだったので、こうあって欲しいなっていう並びでした。あとは真緒さんが早く来るかどうかでした。(優勝を)確信したのはゴールですね。(鈴木を乗り越えた時点で)3着はあると思っていましたけど、やっぱり強いので。今回勝てたのは大きいですね。いつも大事な所でポカをしていたので。でも今年は取りこぼすことなく1年間走ってこれていたので、気持ちを強く持って走れていますね。脚なら断然、真緒さんなので。落ち着いて走れたというか、根拠のない自信じゃないですけど、勝てると思って走れたので。気持ちの面で収穫がありますね。競輪祭(ガールズグランプリトライアル)でどこまで行けるかって思っているので、このあとも取りこぼさないように一走、一走を大事にしていきたい」
もう一度グランプリの舞台へ。大きな大きな優勝をつかみ取った。
柳原真緒が強襲するも届かず2着。本来の仕掛けとスピードは見られなかった。
「(初手の位置は)5、6番手かなって思っていたので。さくらさんが早めに行くと思ったのでその上を行けばいいと思っていたんですけど、余裕を持ち過ぎましたね。3コーナーで行かなきゃって思ったんですけど登るんで、ためてしまいました。車間を切っていれば届くか届かないかの勝負だったと思う。自分自身の失敗ですね。次が地元の福井でさくらさんと一緒なので負けないように」
地元の佐伯智恵が初手から山原を追い、ゴール前で柳原に外から交わされるも3着に食い込んだ。
「初手から良い展開にはなったんですけど、2着を確保できなかったので。でも今日(最終日)は付いて行けた。ローラーに乗る時間をちょっと長くしたのと、チェーンを固くしました。今まではセッティングをあまりいじらなかったんですけど、これからはそういうこともやっていきたい。緊張したけど、地元で決勝に乗りたかったし、最低限はできた」




この態勢のままで誰も動かずジャンが入る。山原と柳原は前との車間を少し空けたが、まだ仕掛ける様子はない。3コーナーで高橋が1車踏み上げて柳原の後ろは並走となった。最終ホーム線の手前で腹をくくった鈴木が一気にペースを上げると、2コーナーから山原がスパート。鈴木は懸命に抵抗するが、じわじわと前に迫った山原が3コーナーで鈴木を交わして先頭に立ち、山原、佐伯、柳原で最後の直線に入る。山原のスピードは衰えず押し切って優勝。2番手の佐伯はやや伸びを欠き、3番手の柳原が2着に突っ込んだ。

山原さくら選手
「めっちゃ嬉しいです。前回(昨年当所のGIIIナイター)は優勝できなかったので。顔見せから応援が凄かったので、いいところを見せたいなって思っていました。(声援が)嬉しかったですね。4日間持つ体力をと思ってやってきたので。今日は展開に恵まれただけで、レースの巧い(鈴木)美教さんや、脚のある(柳原)真緒さんとだったので。位置取り次第でいろんなことを考えておかないとなって思っていました。スタートが美教さんで、後ろの後ろが真緒さんだったので、こうあって欲しいなっていう並びでした。あとは真緒さんが早く来るかどうかでした。(優勝を)確信したのはゴールですね。(鈴木を乗り越えた時点で)3着はあると思っていましたけど、やっぱり強いので。今回勝てたのは大きいですね。いつも大事な所でポカをしていたので。でも今年は取りこぼすことなく1年間走ってこれていたので、気持ちを強く持って走れていますね。脚なら断然、真緒さんなので。落ち着いて走れたというか、根拠のない自信じゃないですけど、勝てると思って走れたので。気持ちの面で収穫がありますね。競輪祭(ガールズグランプリトライアル)でどこまで行けるかって思っているので、このあとも取りこぼさないように一走、一走を大事にしていきたい」
もう一度グランプリの舞台へ。大きな大きな優勝をつかみ取った。
柳原真緒が強襲するも届かず2着。本来の仕掛けとスピードは見られなかった。
「(初手の位置は)5、6番手かなって思っていたので。さくらさんが早めに行くと思ったのでその上を行けばいいと思っていたんですけど、余裕を持ち過ぎましたね。3コーナーで行かなきゃって思ったんですけど登るんで、ためてしまいました。車間を切っていれば届くか届かないかの勝負だったと思う。自分自身の失敗ですね。次が地元の福井でさくらさんと一緒なので負けないように」
地元の佐伯智恵が初手から山原を追い、ゴール前で柳原に外から交わされるも3着に食い込んだ。
「初手から良い展開にはなったんですけど、2着を確保できなかったので。でも今日(最終日)は付いて行けた。ローラーに乗る時間をちょっと長くしたのと、チェーンを固くしました。今まではセッティングをあまりいじらなかったんですけど、これからはそういうこともやっていきたい。緊張したけど、地元で決勝に乗りたかったし、最低限はできた」




次回のグレードレースは、第31回「寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」が、10月20日~23日の日程で前橋競輪場にて開催されます。
2018年、2020年と当所で開催されたこの大会を制覇している脇本雄太選手の名前がないのは残念ですが、SS班9名をはじめとして全国各地から強豪が集結します。
暮れのKEIRINグランプリ2022出場権争いもいよいよ終盤戦。凱歌をあげるのは果たして誰なのか?
10月11日時点の出場予定選手データを分析した、第31回「寬仁親王牌」GIの主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。
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2018年、2020年と当所で開催されたこの大会を制覇している脇本雄太選手の名前がないのは残念ですが、SS班9名をはじめとして全国各地から強豪が集結します。
暮れのKEIRINグランプリ2022出場権争いもいよいよ終盤戦。凱歌をあげるのは果たして誰なのか?
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