『松山競輪開設63周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:3月10日
 松山競輪場でナイター開催にて実施の開設73周年記念「金亀杯争覇戦(GIII)」が、3月9日にスタートした。最高気温19度と穏やかなコンディションの下、開幕の1レースから熱戦の連続。特選レースは清水裕友の先行をフルに利して松浦悠士が制した。また、一次予選は落車、失格で3連単50万円近い高額配当も飛び出したが、概ね順当な決着が続き、地元勢は林昌幸、大崎飛雄馬、吉武信太朗、薦田将伍、橋本強、佐々木豪、松本貴治、渡部哲男が次々に一次予選をクリアしていって大会を盛り上げた。中でも快速まくりで勝った松本の上がりタイム11秒1は初日の一番時計。10日の2日目は二次予選7個レースで準決への勝ち上がりを争う。
 記念シリーズ開催中の毎日、先着300人様に金亀杯争覇戦オリジナルグッズをプレゼント。また、菊池仁志さんたちによるレース展望会なども予定されていります。なお、松山競輪場では「競輪・オートレースにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大予防ガイドライン」に沿った開催となりますので、ご協力とご理解をお願いいたします。テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<1R>

掛水泰範選手
掛水泰範選手
 赤板で格清洋介が切り、林昌幸が押さえる。柿沼信也が中団に追い上げて、4番手は併走となる。後ろのもつれを確認した林は打鍾を過ぎてもスローペースのままで、最終ホームからペースアップ。番手の掛水泰範(写真)は車間を切って援護態勢を取り、3コーナーで外に振ってから直線で林を交わして1着。
 「林君が地元だし、自分のレースをしてくれればと。ちょっとでも残せるようにと思っていました。(全日本選抜は)誘導をしていて雰囲気を味わえた。その疲れがあるのか、体が重い。ダッシュの時に口が空く雰囲気がありました。何とか1着を獲れて良かった」
 初の地元記念に挑んだ林昌幸は、逃げて2着に粘って一次予選を突破した。
 「1レース1番車の期待枠で点数は低いけど、勝つつもりでいました。出たあとはペースを落として、後ろをもつれさせて緩急をつけて駆けた。ホームから最後まで踏めたのは自分の距離で、自信もあるので。前回落車して、今回からフレームも新しいのですが、残れているし、(状態は)いいと思う。(2日目以降も)主導権を取る走りをしたい」

<2R>

 切った瀬戸栄作を叩いた外田心斗だが、打鍾手前でも流し気味。柴崎淳が外田を叩いて前に出る。三重勢を追った佐々木眞也は外から外田をキメて内に切り込み、西村光太と絡む。隊列のもつれを見た単騎の齋藤友幸が最終ホームでカマして出て、柴崎が番手にハマる展開に。佐々木は一車引いて4番手の位置取り。バックで柴崎が番手まくりに出るが、外を踏んだ佐々木が鋭く強襲した。
 「初手は前からと思ってました。内に行ってしまって近藤(俊明)さんには迷惑をかけました。内が空いているのが見えて、柴崎さんが駆けるのかなとか色々考えてしまって内に行った。脚の感じは悪くないです。デビューしてからずっと練習していた成果が最近は出てきています。気持ち的に弱い部分があったので、そこは修正したい」
 柴崎に乗って伸びた西村光太だが、ゴール前で佐々木に強襲を許して2着。
 「絡まれたけど、まだ余裕はあった。佐々木君がまくってくるのが見えて、張りながら踏もうと思ったら佐々木君に並ばれてしまって失敗しました。落車後から1着がなくて、1着なら良い流れを作れたと思うんですけど。(柴崎が)絶好展開を作ってくれたのに。ナイターで時間はあるし、体調管理はしっかりできると思う」

<3R>

太田竜馬選手
太田竜馬選手
 前受けの近藤夏樹は、小笠原光の上昇を赤板で突っ張って出させない。小笠原は南関勢の後位に入り直すが、すかさず太田竜馬(写真)が2コーナーから勢いよく仕掛けて叩き切る。太田はライン3車できれいに出切って主導権。小笠原は最終2コーナーから仕掛けるが、3番手の位置までで一杯。番手から迫る山形一気も振り切って太田が逃げ切った。
 「これない思うぐらいは踏めていた。今の持てる力で最大限の走りができた。(落車する)前とは違うので、考えて走ることはできている。これが、向き合うきっかけになればいいですね。ちょっとずつ良くなっているし、できることをやるだけ。点数が上がってからは、ここまで落ちたことはないですね」
 山形一気が太田に迫って徳島ワンツーが決まった。
 「(太田が)掛かっていたので、誰もこないだろうと。ジャン前に一瞬、連結を外して脚を削られた。そこはミス。それなのに、最近の太田を見ていたら、もつのかなって思った。でも、メチャメチャ強かったですね。ペース配分がうまかった。今日(初日)は太田の頑張りにつきる」

<4R>

 切った中井俊亮は酒井雄多ラインを受けて中団を確保するが、打鍾から巻き返した山本直に被ってしまう。中井は最終1センターで一瞬須藤誠が外に浮いた隙を逃さず、俊敏に内を突いて3番手に位置を上げる。中井が2センターから外を踏んださらにその外を、南修二が鋭く追い込んで突き抜けた。
 「脚は余裕があったので、コース取りだけは失敗しないようにと思ってました。そんなに良い感じではないですね。今のところでは普通。もうちょい良くなるように調整したい」
 中井俊亮は内に詰まってヒヤリとする場面もあったが、リカバリーして2着。
 「最終ホームで山本君が僕の横で止まる雰囲気があったので、あそこで下げてまくりはしんどいと思った。ちょっとでも前に踏んでリカバリーできればと思って、6番(須藤誠)が外したところで前に出て、そこから考えようと思った。組み立て自体は悪かった。菊地(圭尚)さんに見られてて、外に張られそうだったのでゴール前で届くように踏んだ。レースの動きを見られる余裕はあるけど、良い競走ができていないので修正したい」

<5R>

椎木尾拓哉選手
椎木尾拓哉選手
 赤板で栗山俊介が切り、伊藤慶太郎が押さえてペースを上げる。前受けから下げ切った久米康平はすかさず打鍾目掛けて踏んで、伊藤を力ずくで叩き切る。中団に入り直した伊藤が最終3コーナーで車を外に持ち出すが、これをけん制しようと門田凌が斜行。伊藤が落車し、栗山も乗り上げてしまう。落車を内から避けた椎木尾拓哉(写真)は、直線で伸びて1着まで突き抜けた。
 「立ち遅れたら厳しいと思っていたけど、そうなってしまって。あとは栗山に託してコースを探すしかないと。脚には余裕があったので、最後もどこを踏もうかなと。落車も見えていたので、避けることができたのはよかった。今回から自転車を変えてきて、セッティングも変えていい方向に向いている」
 2着入線の門田は斜行失格。四国ラインの3番手から門田の内を踏んだ吉武信太朗が2着に繰り上がった。
 「(久米は)すごいダッシュでした。けっこうきつかったですね。なんとか前2人のおかげで勝ち上がれた。3コーナーで被りそうだなって思っていたけど、門田が持っていって、内に吸い込まれた。最近は落車とかもあってよくないけど、地元記念だし悪いなりに頑張りたい」

<6R>

 赤板で切った窓場千加頼は、押さえに来た上野雅彦の番手に飛び付く。後位がもつれた上野は打鍾で流し気味で、渡邉一成がそこを逃さずに叩く。出切ってペースに入れた渡邉は余力を残したまま最後まで踏み切り、逃げ切りで1着スタートを決めた。
 「先行しに行くのは2番(上野)で、あとの2つのラインは中団、中団だろうなってのは頭の中にあった。すんなり先行させる流れにはさせたくなかった。(上野は)6番(越智展孝)が陰になって見えてなかったんでしょうね。出るまでに脚を使わずに行けた。上野君は慌てて踏んでる感じでしたし、内に差してるのも分かった。引き切るまでは踏まずに、(最終)バックから行けましたね。(前回が終わってから)良い期間を過ごせた。でも、若い時と比べて、少しのことでズレが生じるし不安があった。(一走して)それもなくなりましたね」
 渡邉マークの和田圭は、車間を切って後ろを警戒する。が、想定外の渡邉の踏み直しの前に差し切れずの2着。
 「後ろで薦田(将伍)君が外してて、まくってきてんのかと思って確認してたら、ちょっとやりすぎちゃいました。技術不足ですみません。ジャン過ぎも口が空いてるし、反応が鈍かった。前回の後に守澤(太志)と話して、練習をしっかりやってきた。その疲れがあるかな」

<7R>

池田良選手
池田良選手
 平尾一晃が切って中村一将が押さえる。前受けの片岡迪之は5番手まで下げてから、木村皆斗の巻き返しに合わせるように踏み上げる。片岡が中村を叩き、木村は打鍾過ぎにその上を叩き切るが、茨栃ライン3番手の神山尚が離れて片岡が3番手に入る。片岡が最終2コーナーからまくり上げて武田豊樹のけん制を乗り越えると、最後は池田良(写真)が差し切った。
 「(位置を取ってから)休むと思っていたんですけど、すかさず(片岡)迪之が行って、遅れないようにと。武田さんにさばかれないようにと思っていましたね。1着なので(状態は)いいと思う。今節は新しいシューズなので、微調整をします」
 片岡迪之は脚を使って位置を取り、そこから仕掛けて別線を攻略。2着でも内容は光った。
 「初手の並びで最悪の展開になることも想定されたので、木村君のところは前に出ようと思った。けっこう脚を使って、残っていなかったけど、行くしかなかった。あとは武田さんと勝負と。花粉症で良くないけど、その中ではできたのかな。体調を整えて万全にしたい」

<8R>

 スタートで前を取った九州勢に対して、赤板で嶋津拓弥は4番手から勢いよく切る。伊藤颯馬は6番手に下げて、打鍾手前から一気にカマす。最終ホームでライン3車で出切ると、単騎の久保田泰弘もまくるが進みはいまひとつ。伊藤を余裕を持って追走した小川勇介が、計ったようにゴール前で差し切った。
 「(押えに来るのが)遅ければ突っ張るとも思ってたんですけどね。でも、(伊藤は)好きに行ってもらった方が力が出る選手なので。踏み出しで出切れるなって思ったので、後は残すことだけを考えて。久保田君が来てるのが見えたけど、僕の後ろぐらいで止まってたので。(伊藤は)出だしの良い選手なので、そこだけがポイントでした。高知のGIに向けてやってたので、感触的には引き続き良い」
 伊藤颯馬はカマシで別線を完封。息を切らしながらレースを振り返る。
 「前を取って引いてカマシだと思ってて、遅かったら突っ張りも頭に入れてました。いいタイミングでカマシ気味に押えに来られたので、対応しきれなかった。ちょっと迷いながらだったけど、下りを使っていけた。単騎勢に追い上げられる前に早めにカマせましたね。最近は逃げて残れていなかったので、2着でも感じはよかった」

<9R>

 前受けの佐々木豪は、別線の上昇を受けて7番手まで車を下げ切る。打鍾で主導権を握った鈴木薫がペースを上げるが、佐々木は最終ホームから巻き返す。じわじわと前をまくり上げていった佐々木がバックで鈴木をとらえる。ピタリとマークした橋本強が佐々木を差し切って地元記念を白星でスタートさせた。
 「(佐々木)豪の得意パターンでした。(自分は)前回よりいい感じ。明日(2日目)からレベルがグッと上がるので、ケアをして気を引き締めていきたい。今年は成績をまとめられていなくて、自分でもやばいなって思っていたけど、(地元記念の前に)気合が入って、気持ちも入った。練習でもアドレナリンが出ていたし、今節はやれそう。(連覇は)意識しないで、一戦、一戦、頑張ります」
 佐々木豪が2着で地元ワンツーが決まった。
 「後方よりかは、前でも前中団でもと思っていた。松山は前回の10月のGIIIで初日にまくりに構えて苦い思いをした。後ろは一番お世話になっている(橋本)強さんだし、しっかり行こうと。やっぱり地元から決勝に乗らないと盛り上がらないし、そこを目指して。(追加で)急なレースになって内心、緊張していたけど、ホッとした」

<10R>

上田国広選手
上田国広選手
 谷元奎心が赤板で押さえ、吉田茂生が九州勢に続く。根田空史は7番手に下げて構えたままで、打鍾になってもスローペース。痺れを切らした吉田は最終ホームで中団からカマシを敢行。中部勢が出切って主導権を奪う。根田も2コーナーから仕掛けるが、吉田の掛かりも良い。笠松信幸が外に張って抜け出すかに、上田国広(写真)が中部ライン3番手から中を突き抜けた。
 「吉田君が良いところで仕掛けてくれた。付いてく感じも悪くなかったし、吉田君の掛かりも良かったからそう簡単にはまくれないだろうなと思ってた。根田さんも自分の横まで来れない感じだった。とりあえず3着まではと思って一生懸命踏んでただけですよ。コースが空いてくれた」
 笠松信幸は上田に伸び負けるも2着はキープ。
 「根田君が強いんで、カマシか、突っ張りもあるなと思って、まずは中団からと思ってました。根田君が来る前に仕掛けようってことで、(吉田)茂生も体が動いてますよね。根田君は3コーナーで止まったかなと思ったら、松谷(秀幸)君が来てて、慌てて4コーナーで踏んだ感じになった。セッティングを大幅に変えてきて、練習と同じ感じがしたし悪くないですね」

<11R>

松本貴治選手
松本貴治選手
 八谷誠賢が切った染谷幸喜を押さえる。松本貴治(写真)は引いて7番手で仕掛けの気をうかがう。中団の染谷は最終ホームから仕掛ける。松本は冷静に南関勢を追いかけて、勢いのままに最終2コーナーからまくる。豪快にまくり切った松本がそのまま押し切った。
 「染谷さんが行かなければ、カマしに行っていました。染谷さんが行ったので、そこは冷静でしたね。脚も使っていなかったので。(渡部)哲男さんが後ろだったっていうのもありますし、いつもの感じではなくて、緊張したけど、この1走でほぐれました。あとは体調を整えたい」
 渡部哲男が2着に続いて、またしても地元ワンツー。
 「最悪の展開になりかけたけど、染谷君が行ってくれて僕らのラインもでしたね。(松本は)掛かっていたし、4コーナーからの踏み直しもできていた。(状態は)前回よりはマシですけど、そこまでいい感じはない。まくりに付け切ったあとの感覚が、いい時と比べるとそこまでではないですね。あと3日でなんとかしたい」

<12R>

松浦悠士選手
松浦悠士選手
 坂井洋が赤板で切ってレースが動き出す。郡司浩平が坂井を押さえると、清水裕友が打鍾過ぎに叩く。出させた郡司だが、前と車間が空いてしまい追い上げた坂井に最終ホームで入られてしまう。それでも郡司は外の守澤太志をさばいて3コーナーから仕掛けるが、松浦悠士(写真)が外に張る。松浦は返す刀で前に踏み込み抜け出した。
 「カマシか、まくりだと思っていたので、まずしっかり前を取って。(清水は)ちょっとロング(の仕掛け)だったけど、良いペースで回してた。でも(最終)3コーナーではきつそうな感じでしたね。(郡司が)止められない感じで来たので、踏ませてもらいました。感覚は良いけどバンクは重かった。自力になった時にどれくらい持つかってところを、明日(2日目)以降で感じたい。体重が落ちた分、ダッシュの余力はありましたね」
 郡司浩平は苦しい展開をしのいで2着。
 「流れの中で先頭に立って、そこから考えようと思ってました。(清水が)出させるか、突っ張るかギリギリのタイミングで来たので、迷ったら出させるしかないなと思って出させた。内を走りながら踏み遅れてしまったんですけど、(坂井)洋もバックを踏んで降りてくる感じだった。あれは想定外だったけど、入れてはいけない場面だし、油断した。苦し紛れで踏んで、自分のタイミングではなかったので出はイマイチだった。感覚自体は悪くないですけど。前回は500をつかみ切れずに終わったけど、400に戻っていつも通りの感覚。不安はないですし、体のメンテナンスと気持ちを入れ直すだけですね」
 松浦追走の香川雄介が3着に入った。
 「連係を切らさないことだけがポイントでした。清水の蛇行先行で、自分も脚を使ってた。内が危くて、締めながら抜きにいったからきつかったですね。まあでも、今日(初日)は3着なら上出来でしょう」