『施設整備等協賛競輪in松山(GIII)レポート』 前検日編

配信日:8月7日
 第10回施設整備等協賛競輪in松山が、道後温泉本館全館営業再開・改築130周年記念「道後温泉杯争覇戦(GIII)」と銘打って松山競輪場にて8月8日に4日制シリーズの幕を開ける。
 オールスター競輪直前のシリーズながら、グランドスラマーで、サマーナイトフェスティバルでは連勝で優参するなどトップスターのオーラがギラギラの新田祐大が参戦して大会を盛り上げる。また、地元勢は門田凌、吉田智哉の111期コンビに、売り出し中の真鍋智寛、塩崎隼秀の121期の2人等、総勢9名が参戦。強敵を相手に結果を出すべく気合を入れて臨む。
 GIIIシリーズ開催中は、けいりんサンサンフェスタとして毎日、先着300名様に来場者プレゼントがあるほか、地元選手会によるお楽しみイベントも予定されています。まだまだ猛暑が続くなかですが、松山競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

<1R>

塩崎隼秀選手
塩崎隼秀選手
 1レース1番車の期待枠に地元の塩崎隼秀(写真)が登場。今期から初のS級で今回が初のGIII出場。前回の弥彦FIの予選はうまい立ち回りから1着突破をしているだけに動向にも注目したい。
 「S級はA級と違ってスキがないですね。(9車は初めてで)後手を踏まないように。(1R1番車が期待枠だということは)最近まで知らなかったですけど、頑張ります。力を出し惜しみしないように」
 寺沼拓摩は6月の大垣FIを最後に約60日間の期間が空いてレースに臨む。練習はできたようだが、久しぶりの実戦になるだけに、どこまで戦えるかは未知数。
 「体調不良と練習中に落車をしました。練習は1カ月くらいできたけど、夏ですし、走ってみないとわからない。思い切って頑張るだけ」


<2R>

 2レースの競走得点トップは川口公太朗だが、平塚FIの初日を失格、前回の和歌山FIも初日に5着で欠場。今シリーズで悪い流れを変えたいところ。
 「最近の感じはそこまで悪くないんですけど、悪い結果が続いているので取り戻したいですね。中10日なんですけど、腰痛とかもあったので調整しながらいつも通りやってきました。直前の感じだと体は大丈夫だと思います。(伊藤)裕貴とは良かったり悪かったりですけど、イメージはすごくいいですね。3人で決められるように」
 近況好調の木村佑来。7月は小松島記念の一次予選をまくって圧勝。その後の西武園FI、和歌山FIの予選は先行逃げ切り勝ちを決めている。今回で4場所連続の初日1着を狙う。
 「最近はしっかりと自分のレースができている。フレームを堀江省吾さんに借りていて、得られるものがあるし、成績がついてきた。感覚がいいのかな。練習はできているし、状態は問題ない」


<3R>

 池野健太はFIシリーズで好成績を残しているが、6月久留米記念、7月別府記念と9車立てでは一次予選をクリアできていない。今回こそはと気合を入れて参戦。
 「今回こそは、初日を突破できるようにと思っています。前回の後からも練習は休まずにやってきた。街道がメインですけど、2日前にはバンクにも入りました。状態はキープしている」
 松村友和は地元の岸和田で行われた高松宮記念杯の最終日に落車。今回が復帰戦となるが、練習はできた様子で表情は明るい。
 「右鎖骨、右肋骨の骨折に肺気胸でしたけど、練習は1カ月半しっかりやってきた。練習はバッチリだし、問題ない。フレームも大丈夫でした。こける前より良くなっているくらい練習をやってきた」


<4R>

 菅原大也は3月武雄GIII、6月奈良GIIIで決勝に進出。ビッグレースに出場するメンバーが不在のGIIIは連続で優参しているだけに、今回も上位進出を目論む。
 「1着を取れているし、ずっと状態は維持できていると思います。特に何かを変えたわけじゃないんですけど、コツコツ練習してきた結果ですかね。(地元の平塚でのGIは出られず)ここが僕のオールスターだと思って頑張ります。9車で後手を踏むと苦しいので、前々に攻めていきたい」
 菅原マークは近藤保。今期はスタートダッシュに失敗しており、ここから巻き返したい。
 「7月に落車をしてしまって、サマーナイトはそこまででしたね。前回は少し上向いてきた感じはあります。ずっと開催が詰まっていたので、ここまでようやく2週間ほど空いたし、いろいろと練習はできました。菅原君とは連係も多いですし、信頼して付いていきます」


<5R>

林慶次郎選手
林慶次郎選手
 林慶次郎(写真)は前回の別府記念で4941着。9着だった二次予選では山口拳矢と壮絶な踏み合いをして見せ場を作るなど、着以上に競走内容は良かった。FIではコンスタントに優参しており、今回はGIIIでも結果を求めていきたい。
 「前回の別府は力を出すレースはできたんですけど、二次予選を勝ち上がれないのが今の課題ですね。別府は暑さにやられた感じもあるので、暑さに備えて練習は外で乗ってきました。暑さに慣れてトルクが出る感じはあるし、今回は悪くないと思います。松山は安定して成績を残せていないイメージがあるので、まずは初日に勝ち上がりたいですね」
 末木浩二は6月の大垣FIで優勝しているが、その後の2場所は成績がイマイチ。別府記念を欠場してから今シリーズに参戦しており状態も気がかりだ。
 「今期はスタートの前橋でつまずいてしまって、腰痛も出たので、前回は休みました。しっかりしたスタートを切りたかったので。大垣は初めて自力でS級優勝できたのに、その後は悪かったですし、成績の波が大きいのは自分でもわからない」


<6R>

 飯野祐太は前回の川崎FIで準決勝、決勝と郡司浩平をマーク。他地区の超一流選手についたことで、得られたことはあった様子。
 「ここまでは普通に練習してきて、調子は変わらずいいと思います。前回の川崎は2日間郡司(浩平)君と連係させてもらって、踏み出しとか加速とかいい勉強になりました。松山のイメージはそんなにないですけど、暑いのは苦手ではないです。北日本の先頭でしっかり自力でやりたいですね。」
 今期初めてS級戦士になった昼田達哉。前回の久留米FIの予選はまくってS級初勝利。準決は新田祐大に敗れたが、S級トップのスピードを肌で感じたことは今後の成長につながる。ここはペースで駆けることができれば、一次予選突破が見えてくる。
 「前回の久留米で(S級)初勝利はできたんですけど、まだ道中でのタイミングが早くてS級に慣れていない。ここで仕掛けて来るんだという感じで、A級とは全然違いますね。9車立てはレインボーカップで走ったぐらい。体はいい方向に向いていると思うし、調子自体は悪くないです。松山は好きなバンクですし、しっかり出し切りたいですね。新田(祐大)さんのスピードを上がりたてで経験できたことはよかった。あんなすごいスピードは初めてでした」


<7R>

橋本瑠偉選手
橋本瑠偉選手
 近況の橋本瑠偉(写真)は決勝進出が遠ざかっているが、スピードを生かしたカマシ、まくりは迫力満点。直前には第2子も誕生し、さらに責任感が芽生えていた。
 「昨日、子どもが産まれたんです。いつ産まれるか、わからなかったのでバタバタしていたが、立ち合えてよかったです。2人目で、最初が男の子、今回は女の子でした。頑張らないといけないと思いました。ここまでの練習量は多くはなかったです」
 竹内翼のパワーも侮れない。今回も連係する三宅達也とは別府記念の2日目にも連係しているが、その時は竹内が先行逃げ切りのワンツーを決めている。
 「前回、三宅さんとワンツーした時にも『気持ちだけ』って言われているし、自分でもそこが課題というのはわかっている。ここまでは空いていたし、街道メインに練習をしてきた。脚が上がる感じがあるし、状態はいい」


<8R>

大矢崇弘選手
大矢崇弘選手
 大矢崇弘(写真)はS班不在の6月奈良でGIIIを初制覇。2人目の子どもが生まれたばかりで公私はともに順調。初日は細切れ戦で唯一の3車となり、充実の援軍を生かして攻略しよう。
 「別府が終わってからは練習をしっかりやっていたんですけど、暑くて体調を壊してしまって。直前は体調を戻す感じで練習してきました。練習量はもう少し増やせれば良かったですけど仕方ないです。最近は人の後ろも増えてきて、前の選手が頑張ってくれるので点数も上がってきました。まずは関東3人で上がれるように」
 日々成長している日高裕太はFIシリーズではコンスタントに1着を取っている。GIIIでは初日が壁になっているが、一次予選を突破しても不思議ではない。
 「最近は先行だけじゃなくて、まくりも出るようになってきたし、少しずつ戦法の幅は広がってきていると思います。毎回セッティングはいじっているんですけど、今回はギヤ盤を変えて走ってみようと思います。松山はS級に特進させてもらっているバンクですし、イメージはいいですね」


<9R>

真鍋智寛選手
真鍋智寛選手
 真鍋智寛(写真)は今年3月の松山記念を無念の当日欠場。今回が初の地元GIII出場になる。近況はダッシュを生かして攻めに磨きがかかっており、地元で奮起を誓う。
 「佐世保は初日にいい感じで走ることができた。その後に腰痛とか体調を崩したりしたけど、しっかり治して練習もできた。3月は胃腸炎で当日欠場しているし、今回はしっかり走りたい。地元は緊張するけど、勝ち上がって結果を残したい」
 大石剣士はスランプに陥っている感じもあり、まだまだ万全の状態とはいかない様子。
 「落車はしていないんですけど、3月くらいに体調を崩してからですね。腰痛はずっとあるし、体がイメージ通りに動いてくれない。普通に練習はしているし、少しずつ上向いているとは思うんですけどね」


<10R>

蕗澤鴻太郎選手
蕗澤鴻太郎選手
 3場所連続優参中の蕗澤鴻太郎(写真)が中心。7月前橋FIでは惜しくもS級初優勝を逃してしまったが、前回の青森FIでは223着で準決、決勝と力強い逃げを見せた。
 「状態は良くなってきていると思います。セッティングとかよりは、練習がしっかりやれているのが大きいですね。練習でもタイムも出てきているし、力を出し切れればいいのかなと。松山は久々なんですけど、前回来た時は落車しているのでそのイメージを払拭できるように」
 後藤悠は6月佐世保FIを217着で決勝に進出。7月青森FIでも予選を1着でクリアするなど、成績が安定してきた。
 「前回の大宮は暑くてあまり力を出し切れなかったです。もともと暑いのが苦手なので、暑さに慣れないですね。体的にはそこまで良くないんですけど、成績は何とかまとめられている。前期は点数もギリギリだったんですけど、今期は貯金を作りたいですね。後ろもしっかりしているので、いつも通り出し切れるように」


<11R>

 佐藤一伸は5月に地元で行われたダービーで躍動。そこに向けてやってきた練習は継続しており、競走得点も急上昇。2班で特選スタートとはならないが、シード組と同等の点数を保持している。
 「いつも通り練習はやってきて、調子は変わらない。最近は割と安定してきたんですけど、今回いる飯野(祐太)さんと練習をやらせてもらっているのが向上の要因ですかね。松山はすごくキレイなバンクですし、走り易い印象ですね。まずは自分のできることをやって、後手を踏まないように走りたい」
 菊池圭尚の近況は安定感が戻っていたが、直前は思うような練習をすることができずに不安も抱える。
 「前回が終わってから咳が出て、あんまり練習ができなかった。走ってみないとですね。一伸はいつも頑張ってくれているし、次に函館もある。そのためにも、ここでしっかり頑張りたい」


<12R>

新田祐大選手
新田祐大選手
 今シリーズの目玉はなんと言っても新田祐大(写真)。GI全冠制覇の偉大なるオリンピアンが、オールスター競輪に出場できなかった分まで、松山バンクを盛り上げる。
 「久留米が終わってからは、次の日に練習をして、その次の日は休んでという感じで過ごしてきました。いい感覚はつかめているのかなと思います。松山はいつもナイターのイメージがあって、デイのイメージはあまりないんですけど風だけ気になりますね」
 菊池岳仁は一時期の不振を脱した様子。松山は21年6月のGIIIで5333着と決勝に進出した実績がある。
 「前回の別府はその前の練習した感じからあまり良くなかったですし、走り方とか気持ちの面も良くなかった。今回はいつも通り練習をやってきて、前回よりはいいのかなと思います。松山はけっこう軽いイメージがありますね。今年だけでもう3回目ですし、地元の弥彦よりも走っています(笑)」
 片岡迪之は前回の玉野FIを211着で優勝。地元Vの勢いを保ったまま強敵に挑む。
 「ここまでは休みを入れながらしっかり練習してきました。あとはシリーズを通して仕上げていければと思います。特にセッティングとかは変えないですし、体を自転車に合わせていければいいかなと。松山に嫌な印象はないですね」