『松山競輪開設75周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:12月6日

 松山競輪場で開催されている大阪・関西万博協賛・開設75周年記念「金亀杯争覇戦(GIII)」は、12月6日に2日目が行われた。二次予選では、地元の佐々木豪が犬伏湧也とのワンツーで白星を挙げて、佐々木を含めて地元からは4人が準決に進出した。シリーズは早くも勝負どころ、12月7日の3日目には、ファイナルをかけて準決で熱戦が展開される。
 記念シリーズは開催中の毎日、300人様に先着プレゼント。ゲスト解説に山田裕仁さん、坂本勉さんを招いてのレース展望会、地元選手会によるお楽しみイベントなどが予定されています。また、12月7日のシリーズ3日目には、「仮面ライダーガヴショー」、ふれあい動物園、キッチンカーの出店、大阪・関西万博PRブースなどもあります。松山競輪場では、様々なイベントでみなさまのご来場をお待ちしております。テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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横山尚則選手
横山尚則選手
 中団の伊藤旭、7番手の真鍋智寛も動くが、赤板で橋本瑠偉も踏み込んで出させない。そのまま橋本が主導権を握り、7番手に戻った真鍋が打鐘過ぎに仕掛ける。それを察知した橋本が、ペースを上げて逃げる。橋本が合わせ切り、最終1センター過ぎに真鍋は後退。外田心斗もあおりを受ける。4番手の伊藤が2コーナーから仕掛けるも、志村太賀が外に振って伊藤は車体故障。バックで松川高大が、志村の内に入ってさばく。番手の横山尚則(写真)が、逃げる橋本と間合いを計り追い込んだ。
 「(スタートは)緊張したけど、なんとか取れたんで良かった。(赤板の)1センターくらいで、これは橋本君の先行だなって。真鍋君も仕掛けてきたけど、あそこを突っ張ったのは(橋本)瑠偉のダッシュ力。持ち味を出してくれた。(真鍋に)やめられちゃったんで、次の伊藤旭君が嫌でしたね。そのあとはアクシデントがあったんで、自分は付いていっただけです。勝ち上がれているんで(調子も)いいと思います」
 目標の伊藤が志村との接触で車体故障。松川高大は空いたインから志村を弾いて追い込んだ。
 「(伊藤)旭も切りたかったと思うけど、瑠偉もヤル気でペースが上がって厳しかった。(別線が)踏み合ってたんで外に行くかと思って、自分はしっかりと付いていかないとって。そしたら旭が内に行ったんでキツかった。そのあとは横山も車間を切っていたんで、自分も思ったよりは出なかった。(競走としては初日の)昨日の方が楽だったけど、(感触は)そんなに悪くない」


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高橋晋也選手
高橋晋也選手
 切って出た畑段嵐士を赤板2コーナーで押さえた林昌幸が主導権。ラインの4人が出切り、畑段は5番手。8番手になった高橋晋也(写真)は、打鐘4コーナーから反撃に出る。林も全開で踏み上げるが、高橋のスピードがいい。渡部哲男のけん制を乗り越えて、高橋が最終3コーナーで逃げる林に並びかける。まくり切った高橋は、ラインの大槻寛徳とのゴール勝負を制して押し切った。
 「車番が悪いし、後ろからだと突っ張られると思った。大槻さんにスタートを取ってもらえたんで、突っ張りも含めて臨機応変になんでもやろうと思ってました。畑段さんが落ち着く前に行かないとと思って行った。畑段さんに先に出られると厄介なんで、そこは気合で行きました。感覚はすごい良かったです。昨日(初日)よりも良いと思います」
 高橋がロングまくりで別線を沈めて、大槻寛徳は危なげなく続いた。
 「(高橋が)めっちゃ強かった。変に別線とやり合うよりは、踏んだりやめたりよりも一撃で行った方がいいんじゃないかと思ってた。相手は4車だし、畑段も、(三谷)将太が付いているし積極的にいくと思ってたんで。林君も強くて掛かってたのに、それをねじ伏せるんだからヤバいっすよね。追走は問題ないけど、差し脚が物足りない。ペダリングを修正します」


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浅井康太選手
浅井康太選手
 前受けの取鳥雄吾が誘導を残して下げて、赤板手前で浅井康太(写真)が誘導後位に入る。取鳥を警戒しながら2コーナー過ぎに出た堀内俊介が、そのまま先行策。いったん中団まで踏み込んだ取鳥は、最終ホーム手前でさらに加速する。1センター過ぎに取鳥が南関勢をとらえるが、そこに浅井がまくりで襲い掛かる。3コーナー過ぎに小倉竜二を乗り越えた浅井は、直線で取鳥をとらえて1着。
 「スタートが取れなかったので、後ろからなら1回押さえてセオリー通りにと思っていました。堀内君が来た時に、しっかり4番手を取り切ろうと。そこからは(取鳥が出切って)緩んだところを思い切り行こうと。(岡本)総君まで連れていけないかったのは残念だけど、しっかりと踏み切れた。今日(2日目)は自信をもって仕掛けようと思っていたので、それができたのかなと」
 最終3、4コーナーではあおりもあった川口公太朗だが、直線は外を踏んで2着。自転車面での不安を払しょくできていないだけに、それ次第ではまだ上積みが見込めそうだ。
 「浅井さんを信頼して付いているだけでした。堀内君が頑張ってくれて、叩き合いになった。それで僕らにはいい展開になった。それでも浅井さんの力があってこそですね。浅井さんがすごかった。自分は小倉さんがハウスしながらでももってくるのかなって、そこを考えながらでした。自転車はもう少しいいところをってさわったら、むちゃくちゃ悪かった。まだ初日の方が感じが良かったけど、それにも戻せないくらいいじってしまった」


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松井宏佑選手
松井宏佑選手
 松井宏佑(写真)が赤板1コーナーで押さえるが、そこを稲垣裕之、北津留翼の順番で出る。打鐘過ぎに踏んだ照井拓成が叩きに出るも、北津留との踏み合いになり最終周回。後方に置かれた松井だったが、まくり展開になり1コーナーから踏み出す。自力に転じた山崎芳仁を松井があっさりとらえる。4コーナーで山賀雅仁と山崎が接触して、そのあおりで稲垣裕之、志智俊夫が落車。3番手以下が離れて、追い込む山賀を振り切った松井が1着。
 「ほぼ突っ張られると思ってたんですけど、なんか切れちゃったんでどうしようかなって感じで走ってました。すかさず稲垣さんが切ってきたんで、踏んで出させて様子を見ようと。すぐ照井君も行ったんで、踏み合いになるかなと思った。いいところで仕掛けられました。山崎さんが前に踏んでるのもわかったけど、自分もいいスピードだったんで乗り越えられるなと。(2日目から)フレームをいい時のものに戻したんで、感じも良かった。ペダルがしっかり回って、踏み返ってくれるし流れますね」
 アクシデントはあったものの、松井のまくりに付け切った山賀雅仁が2着。
 「北日本が前だと突っ張られると思ったんで、ヤバいと思った。切れたんで、安心しましたね。ガツンとスピードが上がって、そこから(松井が)行ってくれたんで、僕としては付きやすかった。松井君に2回離れてた。でも、今回は調子がいいと思ってたし、今日(2日目)は付け切れて良かった。年間2回離れる選手って、なかなかいないんでね」


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池田勇人選手
池田勇人選手
 4車の四国勢が前団に構える。松本貴治は赤板過ぎに坂本周輝を突っ張ってからペースを落とす。2コーナーから踏み込んだ小池千啓が、打鐘で先頭に立つ。関東勢の3車を受けた松本は、すんなり4番手で最終ホームを迎える。松本が仕掛けると、番手で車間を空けていた池田勇人(写真)が2コーナーから詰めながら発進。合わされた松本が池田を追い、橋本強が内を突く。地元コンビを退けた池田が1着。
 「(小池は)ちゅうちょしている感じもあったんですけど、切ってくれていい感じになりました。(松本のまくりを)外に張りながらって感じだった。先行選手としての気持ちもわかるし、本当は(番手まくりを)したくはないんですけど。不本意な形だったけど、後ろに吉田(勇人)さんがいるんで、2人で決まれば小池のためにもなるかなと。まだ(落車の怪我で)手術した鎖骨のピンの部分が痛い。それで絶好調とは言えないけど、悪くはないのかなと」
 結果的には関東勢のペースになり、人気を背負った松本貴治は2着。
 「あの並びなら(北日本勢を)1回、突っ張ってっていう感じでした。(小池が)もうちょっと思い切り行ってくれれば良かったけど、うまい感じのペースにハマってしまった。うまく駆けられてしまった。脚自体は余裕があったんですけど、あんまり自転車が出てなかった。初日を走った分、感覚は良かったです」


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佐々木豪選手
佐々木豪選手
 赤板手前で簗田一輝に併せ込まれた犬伏湧也は、中団に固執することなく6番手に引いて反撃の態勢を整える。打鐘でも誘導が残っていたが犬伏が仕掛けて、根本哲吏が誘導を降ろして合わせて踏み込む。柏野智典は付け切れず、最終ホームで根本を叩き切った犬伏に佐々木豪(写真)の追走。3番手に根本が飛び付くも、前との車間が空く。犬伏を追走した佐々木は、間合いを取りゴール前できっちりと交わした。
 「スタートは結構、本気で取りにいったけど、新山(将史)さんが早くて取れなくて申し訳なかった。中団からなら、こうなるだろうっていう想定内のレースだったし、落ち着いてました。犬伏君がカマしてくれたし、自分も車間を切って、後ろを確認してけん制した。自分が前でやる時にやってほしいことを、やってあげたいって思ってた。(犬伏の)踏み直しがすごかったけど、差せて良かったです」
 地元の佐々木とのワンツーも、4車のラインだっただけに犬伏湧也はこう振り返る。
 「(佐々木)豪ちゃんはどうなっても付いてこれるけど、後ろが追走できないところで仕掛けてしまった。中四国で4車で固めてもらったのに、迷惑を掛けてしまった。3、4番手のことを考えて、落ち着いて走れば良かったなと思います。(最終)バックに向かって加速できたんで、悪くないです」


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松谷秀幸選手
松谷秀幸選手
 赤板では城戸俊潔との踏み合いになるも、前受けから突っ張り切った深谷知広が別線に主導権を渡さない。4番手は市橋司優人も、打鐘で山形一気がすくって位置を確保。5番手に宮崎大空が入る。風の強いバンクコンディションを、深谷は最終ホーム手前から徐々にペースを上げて駆ける。2コーナー過ぎからまくった宮崎は好スピードで前団に迫ったが、松谷秀幸(写真)がけん制。直線半ばで失速気味の深谷を松谷が交わした。
 「深谷は前を取ったら8割方、突っ張るみたいな感じだった。すごい心強かったですね。(深谷は)2回、ホームの向かい風を受けて重そうで、いつもの掛かりじゃなくて気持ちで走っている感じだった。(あの展開で)宮崎君か山形君が来るかなっていうのはありました。ただ、深谷が全部やったんで、自分は付いているだけでした。それで1着を取らせてもらった。昨日(初日)より感じが良かったです」
 突っ張り先行策を取った深谷知広にとっては、厳しいバンクコンディション。それでも踏ん張って2着を確保した。
 「(突っ張り先行をして)今年では一番、掛かりが悪いなって感覚で、流れるところがなかった。かなり長く感じました。トレーニングができてないなかでの長い距離だったんで、耐性がついてない。(自分のコンディションとバンクのコンディションの)両方があるんですけど、あと2日間、しっかりと走りたい」