『松山競輪開設76周年記念(GIII)レポート』 最終日編

配信日:3月8日

 松山競輪場で開催された開設76周年記念「金亀杯争覇戦(GIII)」は、3月8日に最終日が行われた。四国勢6人が優出して、ラインが2つに分かれた決勝は、犬伏湧也がカマして先行策。別線の石原颯を目標に追い込んだ松本貴治が、突き抜けて優勝。一昨年12月の松山記念以来、通算5度目のGIII制覇で3度目の松山記念優勝を飾った。また、一発勝負で行われた「第127回生ルーキーチャンピオン(若鷲賞)」は、人気の尾野翔一が落車のアクシデント。地元の長野魅切がまくりに転じて優勝を果たした。

決勝戦 レース経過

 号砲と同時に松本貴治、和泉尚吾が飛び出すが、最内枠を生かして松本が誘導員を追う。石原颯-松本-橋本強が前を固め、犬伏湧也-佐々木豪-和泉が中団。森田優弥-吉田拓矢の関東勢は後ろ攻めで、最後方が新田祐大の順で周回を重ねる。
 青板1センター過ぎから森田が上昇を開始。石原は誘導員との車間を切って後方の動きを警戒する。森田は石原を押さえて赤板過ぎに飛び出すが、石原は内から応戦して先頭を譲らない。そこを犬伏が、2コーナー手前から一気に踏み込んで先手を奪取。佐々木は犬伏の仕掛けにピタリと追走するも、和泉は追走が遅れ、3番手には石原が収まる。石原は空いた車間を次第に詰めていき、最終2センターで前の2車に追い付いたが、そこでいっぱい。石原に乗った松本は、石原の内のコースを通って4コーナー手前で外に持ち出すと、直線では鮮やかに伸びてV。松本に続いた橋本が2着。犬伏の番手を回った佐々木は直線では伸び切れず3着までだった。


松本貴治選手
松本貴治選手

 大挙6人が勝ち上がった四国勢は、準決と同じ2つのラインに分かれて犬伏湧也と石原颯で力勝負。ただ、他地区には初日特選から無傷で勝ち上がったS級S班の吉田拓矢、さらにはグランドスラマーの新田祐大までが単騎でスタンバイしていた。松本貴治(写真)は、石原とのタッグ。突っ張りを試みて森田優弥を阻んだまでは良かったが、スピードが一瞬緩んだ隙を逃さず別線の犬伏が強烈なカマシで襲い掛かった。
 「(犬伏に)いいタイミングで行かれてしまって、石原君も脚を使っていたしキツいかなと思った」
 打鐘3コーナーで犬伏が主導権を奪い、佐々木豪の追走。犬伏ライン3番手の和泉尚吾は付け切れずに、3番手に入った石原だったが前の2人との車間は大きく空いた。後方に置かれた吉田、新田に出番が巡ってくることはなかったが、松本にとってもチャンスといえるポジションではなかった。
 「僕も余裕がなくて、最後はたまたまって感じだった」
 最終3コーナー付近で石原が意地で追いつくが、タテ脚兼備の佐々木が犬伏の番手で絶好の展開。松本は、2センターで石原がわずかに空けたインを突いて追い込む。直線半ばで犬伏、佐々木をまとめて交わして、後ろの橋本強まで引き込むワンツー劇だった。
 「周りのおかげで優勝できた。自分の状態はそこまでいいってわけじゃなかったけど、こうして結果を残せて良かったです」
 終わってみれば、地元3人が上位を独占。ただ、6人が2つに分かれたライン形成には、葛藤もあっただろう。一昨年12月に次ぐ地元記念連覇は、4日制では誰も成し得てない3度目の松山記念優勝。8月には松山でのオールスターが待っているだけに、松本のリーダーシップが四国勢浮沈の鍵にもなってくる。
 「連日たくさん応援してもらって、それが力になりました。応援してくれる人がいるので、その人たちのためにも、自分のためにも頑張りたい。より一層これから頑張っていこうと思いました。(四国は)強い自力選手がたくさん出てきて、責任のある位置を回るようになった。けど、力不足だと思う。(四国を引っ張っていくことを)自分は意識していないけど、周りからそう思ってもらえるように頑張りたい」
 今年こそタイトルを奪取。四国の主軸の足がかりとしては、最高の地元記念連覇だろう。

 石原ライン3番手の橋本強が、松本の立ち回りに対応して流れ込んだ。
 「犬伏はあそこが行きごろだし、飛んでくるだろうなと思った。追い風に乗って、すごいスピードでいってた。(松本)貴治が吉田君を飛ばして、僕のコースを作ってくれたので追走できた。(脚のたまり具合は最終)バックくらいでは、もうひと踏みできるなって感じだった。(松本)貴治を全信頼して、後輪だけを見ていました。貴治が突き抜けてくれたので、僕も2着までいけた」

 犬伏のカマシが決まり、願ってもない流れになった佐々木豪は、伸びを欠いて3着。
 「(犬伏との)息も合っていて付いていけたけど、和泉が付いてこれなかったのは予想外だった。石原君が離れていたし、ゴールまで追いつけないんじゃないかと。松本さんも持ち出せないんじゃないかって。(犬伏が)ゴールまでもつんじゃないかと思って、ちょっと早めに(外に)出して、(松本の)音も聞こえなかった。どうしてかなと思ったら、内から吸い込まれるように来ていたんですね。犬伏君が気持ちよくいってくれて、同級生が強いレースをしてくれたのに、獲れなかったのは僕の責任です」







9R ルーキーチャンピオンレース



長野魅切選手
長野魅切選手

 赤板1コーナーで在所ナンバーワンの尾野翔一が、落車に見舞われるアクシデント。中団外併走から丸山留依が、赤板2コーナー手前で踏み込む。先行態勢の伊藤涼介も突っ張り、両者の踏み合いで打鐘。4コーナーで丸山が叩き切るが、諸隈健太郎がすかさず襲い掛かり最終周回へ。南関勢と四国勢が重なり、離れた5番手に伊藤。丸山に合わされた諸隈の余力を確かめて、長野魅切(写真)は自力に転じて2コーナーで外を踏む。バック過ぎにまくり切った長野が、後続を離して勝ち切った。同期9人での一発勝負を地元の長野が制した。
 「素直にうれしいです。地元だったので気合が入っていたし、諸隈さんも心強かった。(丸山と諸隈で踏み合って)スピードが緩くなったので、(諸隈には)悪かったんですけど、すかさず踏ませてもらいました。スピードを殺さずに行けました。車間を切っていたので、踏みやすかった。ルーキーチャンピオンは一生に一度ですし、最高の同期の仲間と戦えて楽しかった。優勝できたので、弾みにして次につなげたいです」
 伊藤を叩き、諸隈を合わせて丸山が奮闘。しかしながら、最後は長野の自力に屈して直線は失速。野中龍之介が、丸山マークから2着に入った。
 「脚には余裕があったんですけど、諸隈さんがすぐに来ていて対応できなくて、(丸山)留依が頑張ってくれた。(長野)魅切が踏んだのが見えたけど、僕は諸隈さんと車輪が掛かっていて持ち出せなかった。留依が伸びて行って、僕は間を縫ってだった」
 伊藤が一守大葵を張って空いたコースを踏んだ中田拓也が、追い込んで3着。
 「(伊藤が切ってから)南関勢が来たので、突っ張るだろうなと思いながら、野中君を飛ばすことも考えた。南関と諸隈君が踏み合っていて、(伊藤)涼介が(最終)1センターから踏み上げていったので、いい流れだなと思った。でも、一守君とも踏み合っていた。これはと思って、内が空いてたのがわかったので内を行った。ほぼ涼介頼みだったし、涼介が踏んでいなければ、3着もなかった」





取手競輪GIII 第1回ワールドサイクリスト支援競輪
次回のグレードレースは、「第1回ワールドサイクリスト支援競輪」が3月12日~15日、取手競輪場において開催されます。

トップクラスは少ない中、G戦線で存在感を示している松浦悠士の戦歴はひときわ光ります。優勝争いをリードしそうですが、村上博幸、佐藤慎太郎ら百戦錬磨の大ベテランもいるので、一筋縄ではいきそうにありません。記念すべき第1回大会覇者としてその名を刻むのは果たして誰なのでしょうか。

2月28日時点の出場予定選手データを分析した、取手競輪「第1回ワールドサイクリスト支援競輪」(GIII)の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。

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西武園競輪GIII ブルーウイングナイトレース
次回のグレードレースは、「ブルーウイングナイトレース」が3月12日~15日、西武園競輪場において開催されます。

地元の武藤龍生をはじめ、山崎芳仁、守澤太志、岩本俊介、志智俊夫、取鳥雄吾、小倉竜二、阿部将大ら、ビッグ開催でも名の通った実力者たちが、全国の各地区から集まります。傑出した選手が不在で、それぞれの力が拮抗。シリーズの流れ次第では、どの地区にも優勝のチャンスはありそうです。それだけに激戦は必至で、初日から目が離せません。

3月2日時点の出場予定選手データを分析した、西武園競輪「ブルーウイングナイトレース(GIII)の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。

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