『東日本大震災被災地支援 松山競輪開設62周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:3月12日
 「東日本大震災被災地支援 松山開設62周年記念 金亀杯争覇戦」の3日目が開催され、遂に決勝戦で激突する精鋭9選手が決定しました。出場メンバーを見てもらえればお分かりになると思いますが、特別競輪決勝の様な超豪華メンバーの上、自力選手の多さがかなり際立っています。出入りの激しいレースになることが予想され、どの選手が中団を確保するのかが大きな鍵を握ることでしょう。激戦必至のレースを是非本場にてお楽しみになってみてはいかがでしょうか。
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安部貴之選手
安部貴之選手
 細切れ戦の中、唯一のライン3車とその有利さを生かした安部貴之(写真)が逃げ切り。
「展開に恵まれました。逃げ切っての1着なので、気持ちの面でもかなり大きいですね。自分から動かないことにはどうしようもなかったですから。相手の佐藤(清之)君は連日積極的に動いていましたけど、今日は2車だったし、そこまで積極的なレースはしないんじゃないかと思って、思い切って駆けてみて正解でしたね」
 その佐藤清之は見せ場を作れずの9着に悔しさを滲ませる。
「本当はもうちょっと積極的なレースをしたかったんですけどね。僕のところが2車だったし、変に考えすぎてしまったせいもあって、予想外の展開になってしまいました。やっぱり、悔しさは残りますよね…。とりあえず、あと1日あるので、気持ちを切り替えて、自分のレースが出来る様に頑張ります」

<2R>
佐藤幸治選手
佐藤幸治選手
 絶好位・3番手を確保した佐藤幸治(写真)が捲りで快勝。
「初手では本当は中団か3番手が欲しかったんですけどね。結果的にいい位置が取れたので良かったです。今日は86のギアを初めて踏んだんですけど、けっこういい感じで、アタリがあったし、これは正解でしたね。あとは、この重いギアを踏みこなしていける様なパワーを付けていかないといけないですね」
 最終バックで内に切れ込むなど巧みなコース取りから直線で差し脚を伸ばした内田英介が2着。
「たまたまコースが空いただけですよ(笑)。でも、そこを冷静に突っ込めているし、レースは見えていたと思いますね。脚も軽いですし。ただ、最後に船曳(義之)さんに当たりすぎちゃって。あれでスピードを殺されてしまったところがあったし、あれさえなければ突き抜けもあったかもしれないので、もったいなかったですね。いつもは外を踏んでばかりで内から行くことがないので、その辺の経験不足が出てしまいましたね。その辺はこれから勉強していかないといけないですね」

<3R>
宮越孝治選手
宮越孝治選手
 竹澤の先行に乗って追い込んだ宮越孝治(写真)が1着。
「本当に前のおかげです。新聞とかを見たら、どこもけっこう重い印が僕についていたからかなり緊張したんですけどね(苦笑)。それにしても竹澤君は打鐘でよく行ってくれましたよ。その気持ちが嬉しかったです。僕も何とかギリギリまで引き付けてから交わしにいこうと思っていたんですけど。ワンツーは決められなかったけど、竹澤君も3着に残ってくれたので良かったです。とりあえずは、初日落車の影響は大丈夫そうです」
 3着に残った竹澤浩司は疲労困憊といった様子。
「この2日間はちょっと不甲斐ないレースをしてしまっていましたし、今日はメンバー構成的にも自分が主導権を取らないといけない様な番組だったので、自然と気合いは入っていました。その中で、しっかりと自分の仕事をすることが出来たと思いますし、3着に粘れたのは少し自信になりました」

<4R>
吉岡篤志選手
吉岡篤志選手
 逃げる山原務マークを巡り小橋正義との番手戦となった吉岡篤志(写真)だが意地の番手死守から抜け出して1着。
「この番組だったら、誰かしらは競りに来るだろうと思ってましたし、そうなったら僕は死守するのが仕事ですからね。本当は山原を残してあげたかったんですけど、4コーナーからの踏み直しがいまいちだったみたいで。ワンツーできなかったのは残念だったけど、とりあえず山原の気持ちに応えられての1着は良かったかなと思います」
 吉岡後位に入って態勢を立て直した小橋マークの岩崎大和が3着に突っ込む。
「本当は自分が小橋さんの前で勝負しないといけなかったんですけど、今回のデキでは迷惑をかけてしまう様な気がして…。ちょっと気持ちの弱さが出てしまいましたね。それでも、小橋さんという超一流の人の番手勝負を真後ろから見ることが出来たのはいい経験になったので、これを次に生かしていける様に頑張ります」

<5R>
上野真吾選手
上野真吾選手
 後位のもつれを尻目に先行一車の利を生かした上野真吾(写真)が押し切り。
「今日は昨日より楽に駆けられたし、マイペース先行に持ち込めたのが1番ですね。あとは石毛さんが番手を守り切ってくれることを信じて先行していました。その結果として石毛さんとワンツー決められて最高です。これで、明日は特選になるし、今日以上に厳しいメンバーになると思いますけど、3連勝出来る様に頑張ります」
 番手死守の石毛克幸が2着に続き南関ワンツーを決める。
「もう、死守した時点でいっぱいでしたね。余裕なんてまったくなかったですし、抜ける気配もなかったですから(笑)。それでも、今日は番手を守り切ったことに意味があると思うし、その上で2着をキープできたので、とりあえずはホッとしました。まあ、今日は上野君が強かったということですよ」

<6R>
山内卓也選手
山内卓也選手
 昨日と同じく伊藤との連係となった山内卓也(写真)が伊藤の先行から抜け出し白星。
「考えていた展開とは違っていたんですけど、伊藤君は引いてからすぐ仕掛けてくれたし、強かったですね。後ろに付いてて安心できましたし。これで、昨日のリベンジを2人揃って果たすことが出来たかな。初日落車の影響は、まだ首が痛いので、ないとは言えないですけど、今年初勝利できたことは大きいですね。明日も頑張って、共同通信社杯に向けていい弾みをつけたいですね」
 2着には伊藤信が残り中部近畿ワンツーで2車単1番人気に応える。
「昨日も山内さんとの連係で何も出来ずに終わってしまって、迷惑をかけてしまったので、今日はワンツー決めることが出来て良かったです。昨日はアップの時点から気負ってしまっていたので、今日は冷静に仕掛けようと思ってましたけど、それにしても今日も重かったですね」

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明田春喜選手
明田春喜選手
 ホームガマシの鈴木謙太郎マークの明田春喜(写真)が林の捲りを牽制しつつ直線で差し脚を伸ばし1着。
「謙太郎が強かったですね。僕は謙太郎のダッシュに離れない様にということだけ気をつけていたんですけど、付ききってからはけっこう余裕があって、林君の捲りも見えていましたし、上手く牽制できたかなと。ただ、その牽制で謙太郎との車間が開き過ぎちゃったんで、交わせるかどうか微妙なところだったんですけど、ギリギリ交わせてよかったです。脚の感じは悪くないので、あと1日頑張ってこの先のレースに繋げていきたいですね」
 明田に捲りを牽制され9着となってしまった林巨人は組み立てミスを悔やむ。
「自分ではいいスピードだと思ったんですけどね。もう、ワンテンポ早くいけばよかった。そうすれば、コーナー登りで明田さんの牽制をくらわずに、バックの直線部分での牽制になっていたと思うんですよ。それなら持ちこたえられた可能性がありますからね。その前のホームでバックを踏んだのが響いちゃいました。ただ、昨日の落車の影響はなさそうですね」

<8R>
神山拓弥選手
神山拓弥選手
 実力上位の神山拓弥(写真)が鮮やかな捲りできっちりと勝機をモノにする。
「メンバー的に負けられないレースではあったんですけど、その分緊張はしましたね。それに、位置取りでけっこう脚を使ってしまっていたので、何とか捲り切れて良かったかなと。昨日まではファンの方の車券に応えられなかったんですけど、今日やっと1着を取れたのは精神的にもかなり大きいですね」
 主導権奪った戸伏康夫マークの宇根秀俊が捲った神山マークにスイッチしての2着入線を果たす。
「これも戸伏君が頑張ってくれたおかげですよ。ただ、神山君のスピードが違いすぎて、あれはもう止められなかったですし、戸伏君には悪いけどスイッチさせてもらいました。まあ、でも上手く2着には入れたし、戸伏君の頑張りに応えることは出来たかな」

<9R>
浅井康太選手
浅井康太選手
渡部哲男選手
渡部哲男選手
 桐山敬太郎を捌いて3番手キープした浅井康太(写真)が最終2コーナーからの捲り発進で快勝。
「2コーナーで(桐山を)捌いた瞬間に哲男さんが見えたんで、すかさず行かないと3着以内は厳しいと思って。判断も間違っていないですし、体の反応もいいと思います。昨日、先行したことで、今日は脚も軽かったですね。セッティングは初日と2日目である程度見えていたので、ギアは明日の体調次第で決めていこうと思います。朝起きた段階での疲れ次第ですよね。その上でしっかり(優勝を)狙っていきます」
 後方から捲った渡部哲男(写真)が浅井マークとなりそのまま2着に続く。
「自分では精一杯やったつもりですけど、梶應(弘樹)さんを連れ込めればよかったんですけどね。踏んだのは(最終)1コーナー過ぎ。もうちょっとゴチャついてくれればよかったんですけどね…。正直、開催前は決勝に乗る自信はそこまでなかったんですけど、自分が思ってた以上に体のバランスが良くなっているし、自転車の伸びもいいですね。あとは、やっぱり声援の後押しが大きい。切れかかった気持ちを繋ぎとめさせてくれますから。最低限のノルマは達成できたので、もう1日頑張ります!」
 ライン2車ながら積極的に動いた屋良朝春マークの飯嶋則之が3着で決勝へ。
「屋良君があそこまで頑張ってくれるとは。僕は番手として何もできずに申し訳ないことをしてしまいましたけど、何とか3着に入れてよかった。梶應さんに直線で当たられたんですけど、そこを粘って3着に入れているので、ここ最近にはないくらい状態はいいと思いますよ」

<10R>
小嶋敬二選手
小嶋敬二選手
菅原晃選手
菅原晃選手
 小嶋敬二(写真)が最終2コーナー8番手から放った捲りが中団捲りの菅原の上を豪快に捲って1着。
「最終ホームで(佐藤)友和が出切れなかったのがちょっと予想外でしたね。ここまで3日間走ってきて、3連勝できているけど、段々とダービーの疲れが抜けているんだと信じたいですね。」
 最終バック4番手から捲った菅原晃(写真)は小嶋にその上を捲られながらも2着に粘りこむ。
「細切れでの後ろ攻めだったんでキツかったですけど、僕も中団を譲る訳にはいかないですからね。その上で小嶋さんより早く仕掛けないといけないですから。踏んだ感触は前回よりかはいいですね。それにしても小嶋さんは強いですよ。自分の上を捲られはしましたけど、そんなにショックということはなくて。あれ、いつもだったら小嶋さんの圧勝パターンですからね(苦笑)。それでも、何とかいい勝負が出来たので、悪くはないと思いますよ」
 最終ホームで小川に突っ張られ不発となった佐藤友和マークの渡邉晴智だが、上手く小川ライン3番手に切り替えての3着入線。
「今日は友和が頑張ってくれたから自分が生きただけ。そこは友和には本当に感謝しています。ただ、自分としてのレース内容はよくないので、力不足だった部分は否めないかなと。結局、小倉(竜二)が小川を残そうとしていた分、自分が伸びただけの様な気もしますしね」
 地元記念の準決勝でライン2車ながら先行勝負に打って出た小川祐司は惜しくも4着で優出を逃す。
「友和が来た時にそのまま出させちゃうと自分にとって苦しくなるし、それに合わせれば友和ラインが自分の後ろに入って小嶋さんが仕掛けにくくなるかなと思ったんですけど、なかなか上手くいかないですね(苦笑)。もちろん、悔しいですけど、このメンバーで、しかもライン2車で先行できたっていうことは、次に繋がっていってくれるんじゃないかなと思うので、その点は良かったかなと思います」

<11R>
武田豊樹選手
武田豊樹選手
稲垣裕之選手
稲垣裕之選手
 中団4番手を確保した武田豊樹(写真)が吉本卓仁の先行を力でねじ伏せる。
「先行した吉本君も強いですし、自分も脚を使って中団を取っていましたから、そこまで楽なレースではなかったですけど、今日は組み立てが上手くいきましたね。初日は4着と失敗しましたけど、昨日は先行して、今日は捲りで両方とも1着が取れているので、初日の反省を上手く生かせているかなと思います。決勝メンバーに関しては相手にとって不足はないですし、本当に楽しみなレースです」
 武田マークの兵藤一也は吉本マークの小野俊之の牽制に遭うもそこを何とか凌いで2着に続く。
「小野さんと絡んだ時はヒヤッとしましたけど、しっかり付いていけて良かったですよ。ちょっと離れ気味の2着になっちゃったけどね(笑)。武田さん→俺で人気にもなっていたし、それに応えられて良かった。初日に落車した影響で、体はちょっと重いけど、ここまで来たらそんなことも言っていられないしね。明日は関東の3番手ですけど、しっかり付いていって直線勝負できる様に頑張りますよ」
 3着は最終2コーナー7番手からの捲り追い込みが届いた稲垣裕之(写真)
「打鐘前の2コーナーで武田さんに踏み遅れてしまって、武田さんに完全にしてやられたなと。今日もそうですけど、この3日間はどうしても組み立ての甘さが目立ってしまってますね。明日はそこをしっかり頭に入れていかないといけないですよね。新しいフレームは乗り心地が良いので、そこに関しては問題ないと思いますよ」
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