『松山競輪開設65周年記念(GIII)レポート』 初日編

配信日:10月31日
 今日から松山競輪開設65周年記念「金亀杯争覇戦」が開幕した。一次予選では地元勢が大活躍。濱田浩司、溪飛雄馬が1着、大崎飛雄馬が3着で二次予選に勝ち上がった。明日は優秀の「道後マドンナカップ」をメーンに二次予選6個レースで準決勝進出が争われる。
 2日目からはご当地グルメin松山競輪場と題して、全国各地のご当地グルメが楽しめるスペースが出会いの橋エリアにオープン。さらに歌って、踊って、耕す!ご当地農業アイドル、「愛の葉ガールズライブ」(12:40~、14:00~)や菊池仁志氏によるイチ押し予想会(14:05~)などのイベントが予定されています。明日もぜひ松山競輪場で迫力あるレースをお楽しみください。
<1R>
疋田敏選手
疋田敏選手
 オープニングレースは松山桂輔の逃げに乗った疋田敏(写真)が自画自賛のレースで快勝。加賀山淳の巻き返しを止めることはできなかったが、番手にスイッチするとゴール直前で逆転した。
 「出来すぎ。久々に競輪やりました(笑)。3コーナーからけっこう流れたんでね。キツかったけど、練習したかいがありました」
 まくった加賀山淳は惜しくも2着に。
 「1コーナーだったらダメだったと思うけど、ブロックされたのが2コーナーの下りだったんで。叩きにいくのが遅れたから、ああなってしまった。いつものレースをしてないので状態は分からないですね」

<2R>
 打鐘で前に出た北野良栄を高城信雄が強引に叩くが松山勝久が続けず、北野が番手にスッポリ。すかさず番手から巻き返すと、そのまま押し切った。
 「来られてる時点で先行屋としてはダメですね。突っ張らないといけないところだけど、やり合うとまくり頃になるし難しいところです。余裕はあったし、自分で思ってる以上にすかさず行けてた。練習してる分が出たかな。セッティングを後閑(信一)さんに見てもらって出た気がします」
 2着には外を強襲した坂本健太郎が入った。
 「今回は調子がけっこういいし、フレームもいいですよ。今回は調整方法を変えて3日間何もせずに来たんで初日は軽い。要所、要所で体も動いてましたね。あとはだんだん重くなっていくでしょう(苦笑)」
 ホームで松山勝久に内をすくわれた栗原厚司だが4コーナーから内をすくい返すと3着に食い込んだ。
 「外を警戒して、(高城後位に北野を)入れようとしたら内から来てて対応できなかった。何とか(松山を)抜いてやろうと思ったけど、健太郎が外を伸びてきた。感じとしては悪くないけどホームでしたね。もったいなかった」

<3R>
大崎飛雄馬選手
大崎飛雄馬選手
 房州輝也がまくり快勝。「出が悪かった」と納得の走りではなかったようだが、しっかりと人気に応えた。
 「仕掛けるときにちゃんと車間を切って仕掛けてるし、出は悪かったけど川口(聖二)君も強いんで。4コーナーから踏み返したけど、(ラインで勝ち上がれたのが)丸山(貴秀)さんだけになっちゃって。(状態は)問題ないと思うけど、出が悪いんでそこを気にしてます。でも二次予選になると気持ちもさらに入ると思う」
 川口聖二の逃げに乗った大庭正紀が丸山貴秀を飛ばして2着に食い込んだ。
 「川口君のおかげですね。(スピードを)落とさず踏み上げていったので、できれば(房州を)止めたかったけど…」
 山中貴雄にもらったスピードを殺さず地元の大崎飛雄馬(写真)が3着に突っ込んだ。
 「頑張ったですね。バックじゃ早いと思って、3コーナーからどこに入ろうかと思ってた。地元だし今回はやらないといけないですからね」

<4R>
土屋壮登選手
土屋壮登選手
 内に封じ込められ齋藤友幸の先行を許した土屋壮登(写真)だが、持ち出すコースが空くとホームからまくり発進。番手から出て抵抗した武田憲祐をあっさりと飲み込んだ。
 「本当は先行したかったけど、打鐘前にサンドイッチみたいになったので。でも(コースが)空いたらすぐに仕掛けました。1着が取れてるし感じはよかった。脚はいいみたいですね」
 番手から出た武田と小坂敏之がからむと、武田後位の飯田辰哉が外を伸びて2着に突っ込んだ。
 「武田君が内で勝てばそっちだったけど、危なかったので外に行った。展開が向きましたね。最近のなかでは抜けたほうだし、来る前はよくなかったけど今日は余裕がありました」

<5R>
 小橋秀幸が切った上を水谷好宏が押さえて主導権。地元の渓飛雄馬、小川巧まで抜かりなく続いて、水谷はそのままペースアップ。願ってもない展開の渓が、後続との間合いを図って直線で渾身の追い込み。番手を生かして、勝機をモノにした。
 「お客さんの声援がすごく聞こえたし、(1着で)よかったです。自分はあんまり緊張しない方なのに、今日はアップの時から緊張した。(久し振りの地元記念で)こんなに緊張するもんかって思った。今日初めて4.17のギアを使ったけど、脚自体は余裕があった。それまでは4倍だったけど、ここに向けて(ギアを)上げる練習もしてきたんで」
 4番手の小橋秀幸は、最終2センターからの追い込みで2着に伸びた。
 「(最終)バックあたりは詰まっていたんですけどね…。僕の点数と相手(水谷)の点数を考えたら、悪い方に考えて(まくりに)行けなかった。来期はA級だし動いて、(脚を)戻したい」

<6R>
 打鐘過ぎに主導権を握って出た黒川茂高が、逃げ切りで久々の白星を飾った。しかしながら、最終2センターでは落車のアクシデント。番手の小林卓人の失格もあって、黒川は複雑な表情で振り返る。
 「落車がなかったら、まくられてたと思います。最初に吹かし過ぎてしまって、最後はバテました。タイムも悪いと思うし、今日は運だけです。なんで練習の通りに駆けられないのかな…」
 踏み遅れて広島勢に好位を明け渡した今井裕介は、最終2コーナーから内、内へと進路を取ってしぶとく2着。
 「出足が遅れることがあるから、(今回から)シューズを換えてみた。それでいつもの感じで踏んだんですけど、踏み遅れてしまいました。そこが修正できれば、このシューズでも戦えそうです」

<7R>
 ホームからカマシ先行に出た濱田浩司が押し切り。前のレースで地元勢が勝ち上がるプレッシャーをはねのけ、ホッとした表情を浮かべた。
 「自力で勝つのは気持ちいいですね。地元がみんな勝ち上がってたから緊張しました。打鐘で締められたときに転びそうになったし、ホームでしゃくられそうになったけど、あそこで行けたからよかった。久々に先行で感触を確かめられたし、フレームもいいと思う」
 米澤大輔は濱田とのワンツー決着を素直に喜んだ。
 「いつもあそこで行かないからいかんだけで、やっぱり濱ちゃんは強い。逃げ切りだし、気持ちもいいでしょう。久しぶりに濱ちゃんとワンツーしましたね」

<8R>
 単騎での仕掛けになった永田隼一の番手に奥平充男がはまったが、村上直久が全く気にせず1センターからまくる。豪快に前団を飲み込むと、ラインで上位を独占した。
 「あの展開でもっと楽かと思ったけど、足がけっこう一杯だったですね。早めに仕掛けたけど、あおりもあったのでちょっと出が悪かった。あまりよくないですね」
 白戸淳太郎はわずかに村上を交わせなかった。
 「抜けるなと思ったけど、最後にケツを上げられたんで。でも村上君はすごく強い。加速力がね。とりあえずよかった。記念の初日は緊張しますね」
 4着に突っ込んだ松尾信太郎だが、永田との連結を外してしまい表情は浮かない。
 「センターでスピードが合ってたし、出られないと思った。先に降りて入れようとしたら行ってしまった。永田さんに悪いことをしました」

<9R>
平石浩之選手
平石浩之選手
 絶対的な人気を集めた伊藤裕貴がまさかの不発。柳詰正宏のイン斬りを受けて3番手を確保した網谷竜次が伊藤をけん制しながら、内から抜け出したが、片折亮太マークから鋭い伸びを見せた平石浩之(写真)が鮮やかに突き抜けた。
 「みんな内に行く人ばっかりだから冷静に外を踏んで伸びたのでよかった。久々の1着だし、これで明日以降も気持ちが乗って来ますね」
 上手くレースの流れに乗った網谷竜次は2着で二次予選に勝ち上がった。
 「伊藤君の番手も考えてました。1回斬って伊藤君が来たら飛び付くつもりだったけど、柳詰君だったので。(バックで伊藤をけん制した)あそこが全てですね。前々に踏めたし、行成(大祐)さんと一緒のときは迷惑をかけてたんでよかったです」

<10R>
竹内雄作選手
竹内雄作選手
 特選最初のレースは、ホームから矢野昌彦を叩いて主導権を握った竹内雄作(写真)が力強く押し切り。中部ライン3車で上位独占の結果に、満足げな表情を見せた。
 「ここ最近のなかで一番体が動きました。4コーナーで一杯だったけど、思ったより伸びてくれた。ラインで決められたのもよかったです。直前はあまりよくなかったけど、追い込んだり休んだりせず普通にやってきたのがよかったですね」
 番手すんなりの山内卓也だったが逆転はならず。
 「前が強い。余裕で抜けると思ったけど、抜きに行こうとしたら踏み直された。あれはまくられんね」
 3着で優秀行きを決めた坂上忠克も笑顔が絶えない。
 「最高です。こんなに恵まれていいんですか? 距離が長かったので、最後踏み込んだら脚がガクガクしちゃいました」

<11R>
石井秀治選手
石井秀治選手
 後閑信一、菊地圭尚の順で動いて、打鐘過ぎから原田研太朗がすんなりの先行。これを1センター、8番手から石井秀治(写真)がまくると林雄一と南関ワンツーを決めた。
 「よかったです。展開にも恵まれました。記念の特選で1着は初めてだし、(2日目の)優秀も初めて。疲れが不安だったけど、明日も1日調整できるし、ちょっと有利ですね。やっぱり二次予選だと緊張がすごいので」
 駆け出しで口が空いた林雄一だが、つけ直すときっちり食い下がった。
 「打鐘でちょっと接触したけど、ひと安心したら2コーナーで秀治が前とスレスレのところをまくって行ったので。見て口が空いたし、追いついても抜けないと思ったので2着は最低限確保しないとと思った。前が強いけど、自分の状態も悪くないですね」
 南関コンビを追った菊地圭尚が3着をキープした。
 「(石井が)来ると思ったけど、思ってたよりツーテンポくらい早く行かないといけなかった。踏み込んでたけど、もう(石井が)横にいたんで。感触は悪くないけど、無理して出ないといけなかったですね。(佐藤)慎太郎さんに迷惑をかけました」
 すんなり先行をまくられた原田研太朗はショックを隠せない。
 「ええ展開だと思ったけど…。この展開で残れないのはキツイですね」

<12R>
平原康多選手
平原康多選手
 動いて、動いて3番手を確保した平原康多がバックからまくると、番手の神山雄一郎が直線鋭く抜け出した。
 「平原は押さえてキツかっただろうし、すぐにまくりに行ったからね。まくり追い込みでもよかったのに。吉村(和之)に飛びつかれそうだったので、そこだけ気をつけてました。しっかり調整してきたし、いい感じで走れてると思う」
 2着に敗れたとはいえ平原康多(写真)も持ち味を存分に発揮したレースだった。
 「5番手にはならないようにと思ってたし、あれで一杯になりました。こんなに苦しいのは久々。休むところがなかった。今日は力勝負をして、それで行き切れたのでよかった。でも神山さんには抜かれますよね」
 関東コンビに続く形で松岡貴久が3着に入線した。
 「友定(祐己)さんが位置を取ってくれたおかげ。平原さんは後ろを見てたし、神山さんもいるから。神山さんは余裕がありそうだったし、前回(宇都宮F1)も止められてるから。状態はよくもないけど、悪くもない。前に出てないので何とも言えないけどね」
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