『松山競輪開設66周年記念(GIII)レポート』 前検日編

配信日:3月25日
 松山競輪開設66周年記念「金亀杯争覇戦」が明日から開幕。名古屋ダービーを制した村上義弘にGP覇者の浅井康太、平原康多らが参戦する注目のシリーズだ。地元勢は総勢7名。橋本強、渡部哲男らベストメンバーをそろえて強豪たちを迎え撃つ。
 本場では様々なイベントで開催を盛り上げます。初日は動物戦隊ジュウオウジャーショー(11:00~、13:05~)や愛媛出身グラビアアイドル原田真緒&人気パーソナリティ井坂彰トークショー(12:11~、15:15~)、愛の葉ガールズのライブ(12:40~、14:00~)などのイベントが予定されています。明日から始まる「金亀杯争覇戦」をぜひ本場でお楽しみください。
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日野博幸選手
日野博幸選手
 オープニングレースの1番車に抜てきされたのは日野博幸(写真)。これが地元記念初出場。昨年後半は鎖骨骨折にバセドウ病で体調を崩し、今年もここまで苦しんでいるが、今回は違いそうだ。
 「仕上がりました。前回終わってから2週間がっつり追い込んで、しっかり調整もした。トップスピードと脚の入り具合は完璧に近いです。あとは緊張しないこと。あとに続く地元勢にしっかり流れを作りたいですね。勝ち上がって準決勝ぐらいで濱田(浩司)さんと走りたい」
 番手の吉永和生は前回(小倉747着)の悪い流れを断ち切りたい。
 「着は叩いたけど、状態は悪くない。流れが悪いときでもどうにかしないといけないんでしょうけどね。練習はしっかりできてるし、日野君とは何回もある。しっかり仕事したいですね」

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 前回の3月平予選で戦ったメンバーが多くそろったこのレース。その中でも中心となるのは鈴木謙太郎だろう。平では振るわなかったが、状態もしっかり戻してきた。
 「前回は疲れが溜まっていました。今回は休みを入れて良い状態ですね。平の初日と一緒のメンバーなんで同じことはしないように。松山は軽いけど、風もあるんでそこらへんも考えながらいきたいですね」
 対するのは九州勢か。田中誠もメンバーをみて苦笑いを浮かべていた。
 「(平と)一緒ですね。調子はあまり変わらずです。平のあとはトレーニングは1日だけです。まずは一走してみてです。バンクの特徴をつかんで何でもやっていきたいです」
 北村信明はフレームを換えて調子が上がってきていることを実感している。
 「フレームを先輩から借りて車が進むようになりました。調子はまあまあですかね。僕は細切れの方が得意なんで。ただ松山はここまで相性が良くないので、そのイメージを払拭したいです」

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 世界選手権チームスプリントではリオオリンピックの出場を逃がした雨谷一樹が気持ちを新たに本業の方での活躍を胸に誓う。
 「良くもなく、悪くもなくといった感じですね。それでも調整はしっかりしてきました。細切れなんで流れの中で前々にいて力を出し切れるようにしたいです。世界選手権が終わったあとは、ふわっとした気持ちにもなったんですけど、気持ちも切り替わりました。今回はアピールするチャンスだとも思うので楽しんで走りたいです」
 川口公太朗は直前の玉野記念を2、2着で初めて記念の準決勝に進出した。
 「準決に進んだのは初めてでしたね。でも準決に進んだのは良かったんですけど、戦法としては良くない走りでした。なので気持ち新たに内容も伴うように。玉野終わったあとは、筋肉痛になるくらいウエイトもやってきました。雨谷も強いし、坂本(修一)さんも力あるんで勝てるように走りたいです」

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上田学選手
上田学選手
 変幻自在のレース運びをする佐藤龍二は、前場所の玉野記念で二次予選で敗退も2勝をマークするなど状態は悪くない。検車場でもいつものスマイルを見せていた。
 「調子は悪くないんですけど、飛行機が早かったんでまだ眠いです(笑)。今回の追加は玉野記念の前検のときに言われました。疲れも感じないですね。玉野でも悪かったわけではないので。1着も2回取れていますし。あとは自分でしっかり切り開けるようにしていきたいです。自分がしっかり中団を取れるように組み立てていきたいですね」
 高久保雄介は持ち味である積極策を毎回披露し、徐々に結果にも結びつきはじめている。今回も自慢の機動力を発揮し、一次予選突破を狙う。
 「3、4日前に違反訓練から帰ってきました。学校では浅井(康太)さんや片寄(雄己)さんと走りました。それが終わって帰ってきてからは、自分なりに練習はできましたし、上積みもあると思います」
 S級では苦戦が続いている上田学(写真)だが、実に13年ぶりとなる地元記念の正配分に気合を見せる。
 「(12月松山の落車で鎖骨骨折)まだ骨がくっついてなくて、レースでもビビッてる。でも、そうは言ってられないしここからですね。S級は7年ぶりだし、地元記念を走るのも7年ぶり。この成績だけど、気持ち8割です。年末(松山で落車、失格)のリベンジ頑張ります」

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嶋津拓弥選手
嶋津拓弥選手
 昨年12月にS級特進した嶋津拓弥(写真)は今シリーズが記念初参戦。昇級後、F1戦では一度も初日の確定板を外していない安定感をここでも見せるか。
 「状態は前回よりいいです。前回は先月末にノロ(ウィルス)になった影響があった。体重もちょっと落ちたけど、今は大丈夫です。記念は初なんで楽しみですね。チャレンジャーなんで力を出し切りたいです」
 三ツ石康洋は2月岐阜の落車から1カ月ぶりの実戦となる。
 「落車で肋骨と股関節を打ち込んだ。あんまり練習もできてないけど、これ以上休めないんで。練習の感じは悪くはなかったけど、いい感じでもなかった。とりあえず初日も前次第ですね。しっかり食らいついていきたい」

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 小川祐司は3月広島、福井と予選を2着で突破。補充出走の玉野記念でも185着と地元記念を前に調子を上げてきた。
 「玉野の補充は追い込んでるときに電話がかかってきたので、競走で休もうと思って受けました。仕上がりはいつもどおり。でも、今までと違って気負いはないですね。前回で修正点を確かめられたのがでかい。終わって2日で思ったよりよくなったので。それを競走で出したいですね」
 堤洋は追加参戦。前回、別府の最終日に久々の勝ち星を挙げるなど、こちらも上向きか。
 「追加は3日前。入ってもいいように練習はしてたけど、入ってよかった。最近はフレームを色々換えたりしてたけど、前回の準決勝からアタリが出た。最終日は久米(康平)も抜けたしね」

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 ここは金子幸央の自力が人気の中心。昨年6月のF1戦で116着と松山の相性もいい。
 「明日になったらわからないけど、指定練習で乗った感じはめっちゃ軽かった。状態もいいと思うし、余計なことを考えずに力を出し切ります。松山もいいイメージですね」
 地元の高市訓但は昨年10月奈良の落車以来、170日ぶりのレース。状態が気がかりだ。
 「右肩の骨頭が根本から折れて、まだ完全に腕も上がらない。でも自転車に乗る分には問題ないし、1カ月は練習できました。感じは悪くないし、それなりにモガけるようにはなってるんで。あとはレース勘ですね。走ってみないことには」

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 1月久留米から納得しなければ人の後ろは回らない荒井崇博はここも服部克久とは分かれて別線勝負。ダービー2走目にはまくりも出すなど調子も上がっている。
 「4日制の記念で予選は初めて。ダービーは初日がもったいなかったですね。2日目はまくりも出たし、自分でもあんなに仕上がってるとは思わなかった」
 服部克久は昨年7月の当所F1でカマして優勝。最近はやや調子を落としているだけに、相性のいい松山で流れを変えたい。
 「ダービーが終わってから空いたので、それなりに乗り込みやスピード練習をやってきた。奈良記念のあとに胃腸炎になって体重も5キロ落ちたし、まだ体重は戻ってないけどダービーに比べたらいいと思う。今回から練習で使ってたフレームを使う。感じも悪くなかったし、あとは気持ちとレース展開がかみ合えば」

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新山響平選手
新山響平選手
 一次予選のメーンを任されたのは新山響平(写真)だ。2月岐阜で完全優勝するなど、S級での存在感も抜群。年頭の和歌山では3日目の落車で途中欠場しているだけに、2度目の記念では結果を出したい。
 「中3日なので調子は維持できてると思う。平も悪くなかったので、しっかり走れば勝てるかな。しっかり主導権を取って、ラインで決められるように」
 荒澤貴史は初連係の新山の番手に戦々恐々といった様子だ。
 「一番いい位置だけど、一番キツイ。みんな狙う位置だからね。前回、飯野(祐太)が離れたの見てるし、ダッシュのない俺じゃ…。けっこう空いたので練習はしてきたけど、まずは走ってみないとですね」

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平原康多選手
平原康多選手
 奈良記念、ダービーと落車が続いている平原康多(写真)だが、休むことなく松山記念に参戦。体調の不安もないようだ。
 「怪我自体は大丈夫。(落車は)奈良のときほうがひどかったぐらいです。(ダービーのあと)手首のプレートを抜いてスッキリしました。練習では問題なく走れそうな感じだったし、日にちがないわりにはケアできたと思う」
 山田英明は1月高松記念で決勝2着、ダービーでは準決勝に進出するなど上位戦でも安定してきた。
 「ちょっとずつですけどね。やれる感がある。あともう少し自分のレースができたらいいですね。もっと自分で組み立てて、なおかつあの仕掛けならもっといい。まずは空回りしないように頑張ります」
 川村晃司はダービーで決勝2着と大活躍。それに満足することなく、今回は新車を投入してさらに上を目指す。
 「決勝2着は(三谷)竜生のおかげでもあるし、あとでビデオで見たら村上(義弘)さんの仕事がすごくてビックリした。今回はフレームを換えたので、それがどう出るか。でも、調子はいいので」
 地元の濱田浩司は前回の平F1を途中欠場したが、ここへ向けてやれることはやってきた。
 「前回で悪い膿は出しつくした。状態は大丈夫です。自転車も感触がよくなかったので、静岡(記念)のやつに戻しました」

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渡部哲男選手
渡部哲男選手
 三谷竜生、川村晃司の頑張りもあったが、気迫のさばきでダービーを制した村上義弘。初日は脇本雄太の番手から人気に応えるか。
 「(ダービーが)終わってからは向日町に脇本とかが来てくれて。相手になりませんでしたけどね(苦笑)。ダービーに関しては目の前の一戦、一戦を全力で頑張って挑んだのが結果につながったと思う。ダービー優勝したからって脚力が上がるわけじゃないしね。今回も目の前の一戦、一戦を気持ちで頑張るだけ」
 脇本雄太は世界選に出場するなど、オリンピックが開催される今年は競技がメーン。今回は全日本選抜以来、1カ月半ぶりの実戦となる。
 「オリンピックに向けて、五輪対応にスイッチしてる感じ。(直前は)16日から向日町でちょこちょこと村上さんと合宿したりした。1カ月以上空くのは久々。久々にこっち(競輪)の自転車に乗ったら感じ悪すぎて、そこだけが不安です」
 渡部哲男(写真)は近畿3番手を選択。地元記念で最近の悪い流れを変えるために、カラーリングも新たに新車を投入する。
 「イメチェンです。パイプも全部換えたし、サイズは自力の頃に戻した。届いて1週間ぐらい乗った。硬いけど、レースは流れがあるんでそこは大丈夫かなと。タテのフレームにしてヨコの不安はあるけど、ついて行かないことにはヨコもないので。そこから考えようと思った」
 1月平記念では守澤太志に2度前を任せて勝ち星を挙げた山崎芳仁だが、今回は前回りを選んだ。
 「ダービーは気持ちが入りすぎてたのかな。疲れてましたね。SS班になってから真面目に練習しようと思ってたんですが、気持ちと成績が裏腹で。今年は決勝にも乗ってないですからね」

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原田研太朗選手
原田研太朗選手
 GPを制して、その走りにさらに凄みが増した浅井康太。ダービーは準決勝で2着失格と残念な結果に終わったが、気持ちを切り替えて今シリーズに挑む。
 「前回、準決勝の失格は反省して、1着を取ってファンの方に貢献できるようにしたい。今シリーズは(中部の自力が手薄で)自力になりそう。感じを見ながらになると思うけど、仕掛けどころを見つけながら走りたい」
 原田研太朗(写真)が今シリーズの四国勢をリードする存在。初日から浅井との対戦になったが、ライン3車の利を生かしたい。
 「ダービーは全日本選抜よりいいかなと思いましたね。体の状態も上がっていたので。基本的には次のダービーに向けてやってるんだけど、(このあとは高知記念で)地元開催が続くし、気は緩められない。練習は積んできたつもり。地元の橋本(強)さんに任せてもらえたので自力で頑張ります」
 橋本強はインフルエンザでダービーを途中欠場したが、もう体調の不安はないようだ。
 「熱は9度何分は出てたと思う。でも、ひと晩で熱は下がったし、練習は1週間ぐらいみっちりやって来ました。直前の感じも全然大丈夫でしたよ」
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