『被災地支援競輪松山競輪開設67周年記念(GIII)レポート』 2日目編

配信日:1月20日
 平成28年熊本地震被災地支援・松山競輪開設67周年記念「金亀杯争覇戦」は2日目。今日は優秀の「道後マドンナカップ」をメーンに二次予選6個レースで準決勝進出が争われた。「道後マドンナカップ」は南関5車の番手を任された近藤隆司が単騎でまくった原田研太朗を追いかけて直線で逆転。二次予選回りの地元勢からは濱田浩司、渡部哲男が準決勝に勝ち上がった。
 明日、3日目からはイベント盛りだくさん。魔法つかいプリキュア!ショーやBMXパフォーマンスショー。スピーチーズライブに地元の109回生や、ガールズの松尾智佳をゲストに井坂彰のケイリントークショーなどが予定されています。明日もぜひ松山競輪場へお越しください。
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松浦悠士選手
松浦悠士選手
 小林則之が動いたうえを矢野昌彦が打鐘前から叩いて主導権を握る。人気の松浦悠士(写真)はすんなり4番手を確保すると、2コーナーまくりで前団を飲み込んだ。
 「風で道中踏んだり止めたりでキツかった。上りは12秒半ばか後半だと思います。スタートで前から2番目が取れたのがよかった。矢野さんも思い切り踏んで、小林さんも引いてくれたんで。風が強くて脚の感触は参考外。位置取りで勝ったようなものですね。車間を空けてきれいに踏めてたら西岡(拓朗)さんと決まったかもしれない。決められなかったのが悔しいです」
 西岡が離れて松浦は単騎まくり。矢野の番手を回った稲村成浩が展開を生かして2着に食い込んだ。
 「矢野君が強かったです。後ろはみんなキツいんじゃないですか? 風がすごかったんで、これはキツいなと思ったけど、僕はスタートの位置だけであとは全部矢野君がやってくれた。でも矢野君が3着までに入れなくて。自分も余力がなかったし、技量もなかった」
 関東ライン3番手を回った松根真が3着に流れ込んだ。
 「矢野君がめちゃくちゃ強かった。僕は最終ホームでビリビリしちゃってた。恵まれましたね」
 高橋和也は8番手のまま仕掛けられず。直線鋭く伸びた稲川翔だったが、さすがに前は遠かった。
 「(高橋は)仕掛けるところがあっただろうし、僕は後ろで脚を溜められるぐらいだったんで。2コーナーで前が遠いなと思った。仕方ないですね」

<7R>
山崎芳仁選手
山崎芳仁選手
 打鐘前から小林史也が飛び出し、ラインで出切ると全開で踏み上げていく。中村一将がバックで満を持して番手まくりを打つが、上手く中団を確保していた山崎芳仁(写真)が直線外を追い込んだ。
 「位置を取るのに脚を使っていたし、向かい風で脚にきていた。近畿の2段駆けであれ以上は早く仕掛けることができなかったけど、勝ち上がれてよかった」
 番手まくりを決めて準決勝への切符をつかんだのは中村一将
 「小林君がいいレースをしてくれた。1コーナーで後ろを見た時に誰か来たと勘違いして早めに踏んでしまった。もう少し待ってもよかったかも。脚は悪くない」
 山崎を追走した諸橋愛が3着に入った。
 「山崎君が脚を使っていい位置を取ってくれた。あとはどこで仕掛けるかだったね。自分もスタートで脚を使っていたけど、勝ち上がれているし悪くない」

<8R>
伊藤正樹選手
伊藤正樹選手
 後攻めの巴直也が早めに動いて、中団の竹内翼にフタをする。前受けの小嶋敬二が打鐘前に誘導員を交わして踏み込むと、巴が中団に収まり、竹内は7番手まで下げる。後続の出方をうかがいながら小嶋はホーム前から一気にペースアップ。4番手からまくった巴は不発。番手絶好となった伊藤正樹(写真)が粘る小嶋をゴール前できっちり捕らえた。
 「小嶋さんは中団という感じだったのに、この強い風のなかで、あんなに行ってくれました。自分は前に任せていただけで、何もしてません。小嶋さんが強かったです」
 小嶋敬二はベテランの底力を発揮。強風のなかで先行して2着に粘った。
 「前を取ってレースを組み立てて、中団を取ろうと思っていたんですけどね。引いて竹内君がカマして来ると思っていたし、目いっぱい踏めば最低でも4番手には入れるかなって。思いのほか消極的で助かりました。ペースというか一生懸命踏んだだけですね」
 竹内は後方7番手で凡走。大ピンチとなった地元の渡部哲男だが、最終3コーナーから内を進出すると、なんとか3着で準決勝に勝ち上がった。
 「焦った。小嶋さんがあんなに踏むとは思わなかった。竹内は風と前のあおりもあって、タイミングが取れてなかったね。必死で、もうよく分からなかった。ひとつクリアできたし、明日もうひとつクリアできるように」

<9R>
濱田浩司選手
濱田浩司選手
 矢口啓一郎、菅田壱道の順で動いたところを、打鐘から太田竜馬が叩いて主導権を握る。ホームから伊藤信が巻き返すが濱田浩司のけん制で不発に。菅田は近藤修康を飛ばして3番手を奪うが、空いた車間をなかなか詰められない。強風のなかでも太田のペースは落ちず。番手の濱田浩司(写真)がゴール前で太田を交わしてワンツーを決めた。
 「菅田君の粘りもあるかなと思ってたし、粘られたらしょうがないと思ってた。いい展開になりましたね。伊藤君が飛んできたのもしっかり仕事できたし悪くはないのかな。昨日、エアロスポークを使ったらただ重たいだけだったんで車輪を戻した。それがよかったですね」
 太田竜馬は前回の千葉とは別人のような走り。強風を物ともせず2着に粘り、記念で初の準決勝へ勝ち上がった。
 「寒いのと風は苦手です。でも、そこそこ踏めてたら、後ろも来れんと思ったんで。ちょっとホッとしました。(連日)先行できて残ってるんで、いいかなと思います」
 前々に攻めた菅田をマークした佐藤慎太郎が3着に食い込んだ。
 「併走が長引いたし、壱道は脚を使ったと思うよ。太田も落ち着いて駆けてたし、壱道が頑張ってくれて僕は脚を溜められた。前回、立川よりは余裕があります」
 空いた車間がなかなか詰まらなかった菅田壱道は「脚負けです。全然追いつかなかった」とレースを振り返った。

<10R>
川村晃司選手
川村晃司選手
 打鐘前で小笹隼人が仕掛けて主導権。出切ってから全開で飛ばすと、中川誠一郎や別線の機動型は動けない。小笹後位で車間を空けて援護した川村晃司(写真)がゴール前で一気に追い込み白星を飾った。
 「小笹君のおかげ。風が強い中よく行ってくれた。残せなかったのは自分の技量不足。昨日セッティングを変えて脚はすごく良くなっている」
 3番手を確保した亀井久幸だったが動けず。その後ろから内を突いた東龍之介が2着に食い込んだ。
 「作戦どおりにいい位置が取れたけど、風が強いのもあって亀井さんはふん詰まって行けるタイミングはなかった。最後は勝ちにいって、シビアに内を突かせてもらいました」
 岡部芳幸は中川誠一郎ラインに切り替えて懸命に内を突く。外を迫った中田雄喜と3着同着だったが、何とか準決勝に駒を進めた。
 「(打鐘過ぎで)誠ちゃん(中川誠一郎)が引かなかったし、中田も無理矢理外を行っていた。風も強かったし入れることはできなかった。その後は誠ちゃんが行ってくれると思ったけど、行かなかったので橋本(強)には悪いけど内を突かせてもらった」

<11R>
岩津裕介選手
岩津裕介選手
 岩津裕介(写真)がS班の貫禄を示した。レースは根本哲吏が打鐘前からスパート。すかさず反撃に出た取鳥雄吾と激しくもがき合う。取鳥は叩けずに後退するが、北日本コンビの後位で態勢を立て直した岩津が直線一気に追い込んだ。
 「相手(根本)が先に動いて、そのスピードに乗って(取鳥が)仕掛ける。読みどおりの展開だったんですけどね。(取鳥に)あれをねじ伏せてほしかった。風が強くて、みんな脚を使ってましたからね。簡単ではなかったけど、最低限のことはできました。調子自体はちょっとずつよくなってます」
 根本哲吏は強風をものともせずに果敢に風を切った。強地脚を存分に発揮して2着に粘った。
 「自分の持ち味は出せたと思います。きつかったけど、地脚は得意なんで、駆け方によって有利に運べました。取鳥君には前に逃げ切られているんで、倒せたのはよかったです。明日もしっかり頑張ります」
 根本マークの内藤宣彦は追走いっぱいの3着だった。
 「根本が強かった。超地脚タイプだから、こういう条件は強いですね。抜けないと思いながら走っていたら、やっぱり抜けなかった。余裕がなかったし、きつかった」

<12R>
近藤隆司選手
近藤隆司選手
 浅井康太が早々と上昇するが、南関5車の先頭を任された根田空史は赤板前から誘導員を下ろして浅井を出させない。合わされた浅井は根田の番手狙いに作戦を変更する。最終ホームから原田研太朗が単騎まくりで前団を飲み込んだが、根田の番手を死守した近藤隆司(写真)が原田を追いかけると直線で逆転した。
 「(原田が)行ったところも早かったし、1周(まくり)なら届くかなと。2センターの追い風で伸びたんでギリギリ自分だけは届くかなと思ったけど、結果南関で上位独占できたんで。全ては5車で結束してくれたおかげですね。優秀で1着取れても明日(準決勝で)3着まで行かないと意味がないんで頑張ります」
 近藤マークの中村浩士が2着に流れ込んだ。
 「近藤が上手く抜け出してくれた。(原田に行かれたが)近藤なら根田の気持ちをくんで行くだろう。たぶん追いついて行っちゃうんだろうなと思ってました」
 単騎でまくった原田研太朗は直線で失速し5着に敗れた。
 「久々にまくりが止まりましたね。ホームの向かい風を2回受けてだったし、キツかった。全然進まんかったです」
 根田後位で併走していた浅井康太だったが、強烈な向かい風もあり外で力尽きた。
 「根田が引いてくれたらよかったけどね。重注はつけたくないし、標識線からの勝負だと思ってたので。ハラケン(原田)が行ったところで、もう脚も残ってなかった。明日はしっかり仕掛けていい勝負ができるようにしたい」
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