『松山競輪開設69周年記念(GIII)レポート』 3日目編

配信日:3月9日

 松山競輪場を舞台に開催されている開設69周年記念「金亀杯争覇戦(GIII)」は、3月9日に3日目を迎えた。ファイナルをかけた準決では、迫力のバトルが瀬戸風バンクで展開された。渡部哲男、橋本強の2人が、地元から決勝進出を果たした。また、S級S班の平原康多、村上博幸も順当に勝ち上がった。シリーズもいよいよ大詰め。10日の最終日にはシリーズを勝ち抜いた9選手による決勝と「第113回生ルーキーチャンピオンレース(若鷲賞)」が行われる。
 本場では10日の最終日も、様々なファンサービスとイベントでお客様をお待ちしています。「じゅんいちダビッドソン」のお笑いステージ、「HUGっと!プリキュア」ショー、先着300人に「2WAYネックウォーマー」をプレゼント、オリジナルクオカードなどが抽選で150人に当たるラッキーカードを先着500人に配布。競輪小僧vsAIロボット予想対決、キッチンカーによるグルメコーナーなどが予定されています。ぜひ、本場へ足をお運びください。

<10R>

太田竜馬選手
太田竜馬選手

橋本強選手
橋本強選手
 赤板の2コーナーで押さえて出た山田久徳が先行態勢に入ると、3番手は佐伯辰哉と太田竜馬(写真)で併走。外でタイミングを取った太田は、打鐘の2センターから仕掛けて主導権を奪う。そこからは別線に反撃の隙を与えず、通算100勝のメモリアルの逃げ切り。
 「100勝は気にしていなかったけど、節目ですからね。とりえあず決勝に乗れてホッとした。出切るまでが勝負で出切ってからは流れていた。疲れはあるけど体は問題ない。自分のタイミングで行けたのが良かったと思う」
 踏み出しで太田との車間がわずかに空いた橋本強(写真)だったが、懸命に食らいついて3走オール2着で優出。
 「太田君は以前に付いた時よりも強くなっている。回して回してグイっといくので踏み方がわかっていて良かった。最近の太田君が強すぎるし、付いていけるか不安はあった。でも、付いていけて自信になった」
 3番手に飛び付いた山田は前の2人との車間がなかなか詰まらない。直線で山田の外を踏んだ村上博幸が3着。
 「(山田)久徳が前々に踏んでくれたおかげ。自分はあんまり調子が良くないけど、内、外を来られてスイッチが入った。練習の疲れが大きいし、筋肉は緩んでいるけど、筋張っている感じがある」

<11R>

郡司浩平選手
郡司浩平選手

山田英明選手
山田英明選手
 赤板1センターで元砂勇雪をドカして長島大介を叩いた山田英明が元砂の打鐘過ぎ先行を受ける。3番手を取った山田は車間を詰めた勢いで最終バックから持ち出すと中近コンビを飲み込んだが、2コーナー、8番手からまくった郡司浩平(写真)が前を行く2車を鋭くとらえた。
 「しっかり位置を取んなきゃなってレースだった。(最終)ホームで長島さんが仕掛けてくれたんでね。行かなきゃ自分が早めに行かなきゃと思ってた。長島さんが止まって、その勢いでうまくまくりに行った感じです。感じうんぬんより2日目に長い距離を駆けたぶん、準決は楽でした。1着なんで失礼かもしれないけど、まだもっとイケるっていうのがある。自転車の微調整とか体の細かい部分をやってですね」
 渡部哲男は2着で7年ぶりの地元記念優出を決めた。
 「(打鐘前で山田が切った)あれがひとつ勝因だったね。作戦で後ろ(攻め)はなかったし、どうするかと思ったけど、ヒデ(山田)がいい判断をしてくれた。郡司はまくり追い込みだし、スピードが違ったからね。決勝は(優勝を)あんまり意識せずに流れに乗れるように」
 判断良く動いた山田英明(写真)は地元の渡部と決勝進出を決められたことにホッと胸をなで下ろす。
 「(渡部)哲男さんが地元で一番のメインの選手だし、前を任されたのはありがたかった。(責任が)重たかったけど、いい刺激をもらった。それだけですね。自分のレースをして勝ち上がるってことだけでした。ワンツーを決めたかったけど、郡司君が強かったですね」

<12R>

中村浩士選手
中村浩士選手

平原康多選手
平原康多選手
 松本貴治を7番手に置いて、根田空史が赤板の2コーナーから山降ろしで踏み込む。打鐘手前で主導権を握った根田が緩めることなく逃げて、3番手が平原康多と松本で重なる。最終1センターで外の松本が力尽き、3番手を取った平原がまくりを打つ。平原を止めた中村浩士(写真)は、返す刀で内の岡光良も阻んで追い込んだ。
 「(根田を)残せるかと思ったけど、自分の力不足です。あれでもう1回来れる平原君っていうのは、やっぱりSSですね、違いますよ。(岡が)入ってきたし、内はあんまり空けられないと思ってた。根田が強かったし、また一緒に頑張りたい」
 「最悪の展開だった。けど、あきらめなかった」とは、中村のブロックでまくりが止まった平原康多(写真)。直線では湊聖二と絡みながらも、しぶとく2着に入った。
 「松本君をさばくのに結構、脚を使った。3番手から無理やり仕掛けてまくったけど。悪いタイミングで(中村を)押しちゃった。よくリカバリーできた。内容は微妙だけど、感覚的に準決が一番良かった」
 中村が振ったインを突いた岡光良だが、締め込まれて3着がやっと。
 「中村さんの2回目(のブロック)で平原もキツいだろうと。あの外は絶対に着がないんで、ああなりました。どのタイミングで入っていくか余裕はあった。調子はいいですね」

<最終日9R ルーキーチャンピオンレース(若鷲賞)>

松井宏佑選手
松井宏佑選手
 5人いるS級のなかでも、同期の中で一番乗りを果たしている松井宏佑(写真)は、いつものナショナルチームでのトレーニングメニューをこなしての参戦。
 「(世界選が終わって)ナショナルチームのトレーニングはないけど、自分はこのルーキーチャンピオンがあるんで、普通にいままで通りやってきました。いつもの流れを崩したくなかったし、今回のためというよりパワーアップするためですね。疲れはいつもよりないくらい。直前までカーボン(の自転車)で練習をやってたんで、(指定練習で)こっち(競輪用)の自転車でちょっと慣れさせたい」
 昨年末に3場所連続の完全Vで特進した宮本隼輔は、S級の壁にぶつかることなくFIシリーズを連続優出。しかしながら、続く前回の広島FIは521着と初日予選で敗退した。
 「ここまではしっかり追い込んで練習をしてました。前回の広島では自分のなかで調子が落ちてた部分があるんで、しっかり気を引き締めてやりたい。(後ろは)曽我(圭佑)に任せて、あとは信じて走ります」
 前回の西武園でS級特進を決めた藤根俊貴は、S級選手としてこれが初のレース。
 「(追加が)入るかと思ったんですけど、来なかったですね。練習はボチボチやってきました。A級では決勝以外はちゃんと(ラインを)連れて来れるようにってやってました。(ルーキーチャンピオン出場の同期で)S級の選手を多くしたいっていうのがあったし、失敗している人もいた。だから、(前回の西武園での特進は)俺が頑張らなきゃっていうのはありました」