『第14回大阪・関西万博協賛競輪in小倉(GIII)レポート』 前検日編

配信日:8月7日
 小倉競輪場を舞台に昼開催の4日制シリーズで大阪・関西万博協賛「第19回吉岡稔真カップ争奪戦(GIII)」が、8月8日に開幕する。S級S班は不在だが、地元の林大悟をはじめ、原田研太朗や芦澤辰弘など個性豊かな実力者が集結し、シリーズをおおいに盛り上げる。前検日の7日には参加するすべての選手が小倉競輪場に到着して、翌日からのレースに備えていた。
 GIII開催中は毎日、北九州グルメなどが当たるバラエティ抽選会、大阪・関西万博PRブース、「小倉けいりんキャッシュレス投票MEMBERS CARD」に新規加入、またはメンバーズカード提示で先着100人に電子マネーをプレゼント、特設スタジオで橋本ゆうすけ、津田三七子、どりあんず平井、内田浩司、片山彰らによる日替わりゲストを招いたYouTube公開LIVE配信などが予定されています。また、8月8日の初日は、日野未来さんによるトークショーもあります。小倉競輪場では、みなさまのご来場をお待ちしております。また、テレビ、インターネット中継などでの観戦もお楽しみください。

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柳詰正宏選手
柳詰正宏選手
 柳詰正宏(写真)は前回のサマーナイトフェスティバルを8347着で終え、中16日空いての地元参戦。ホームバンクでのGIIIは19年3月以来となるだけに、好結果を残したいところ。
 「(前回は)熱中症明けだったけど、流れには乗れていたと思うし、悪くはなかった。(前々回の)四日市で胃腸炎になって、その後に熱中症でしたね。前回後は体力を戻すような練習をしてきたし、調子も悪く感じないです。地元はいつも気合が入ります。地元(小倉)で4日制のGIIIに出るのは初めてだけど、気持ちで頑張りたい」
 梶原海斗は、前回の久留米FIを231着。3日間、最終バックを取る内容のある走りで、成績をまとめている。
 「前回の久留米は、最後まで踏めていたので感触は良かったですね。前に練習で使っていた(自転車を)前回で使ってみたんですけど、それが良かったかもしれないです。今回も同じ自転車でいってみます。小倉は走りやすいバンクですし、一番得意なバンクかなと思っているのでまずは勝ち上がれるように。ラインも3人ですし、主導権を取りたいですね」


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 佐藤博紀は6月四日市GIII、7月小松島記念、弥彦記念と一次予選をクリアしていて、いい流れが続いている。
 「(近況は)そこそこですね。前回(熊本FI)は行こうと思ってそのタイミングだけ狙って仕掛けていけたのでいい。(7月に40歳になって)疲れは抜けにくくなりました。最近はケアの方が多くなりました。特に何かを変えてなくて、いつも通りやっている結果が出ていると思う。熊本が終わってからは休むところは休んで、いつも通りの練習をしてきました」
 横山尚則は前々回の弥彦FI、前回の京王閣FIと初日は白星スタートを決めている。優出から遠ざかってはいるだけに、この辺りから復調のキッカケをつかみたい。
 「何が原因で調子が落ちたのかもわからないんですけど、一時期は決まり手がマークの1回だけしかなくなってしまっていた。その時に比べればちょっとずつですけど良くなってきているのかなと思います。治田(知也)君とは前回の最終日も番手を回っているし、強いのもわかっている。しっかり仕事をして、自分のできることをします」


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 瀬戸晋作は6月別府記念で優出するも、その後は3場所連続で決勝進出を逃している。ここは競走得点上位者として、鋭い決め脚をアピールしたい。
 「前回の久留米の前に体調を崩して、練習ができていなかったのが成績に出てしまった。悔しくて、中3日ですけどしっかり練習はしてきました。バンクに井上(昌己)さんと荒井(崇博)さんが来ていて、一緒にいい練習をさせてもらいました。小倉は元々好きなバンクなんですけど、最近はあまり良くないので今回はいいイメージに変えたいですね」
 上杉嘉槻は前回の京王閣FIで決勝に進出。バック本数も維持していて、積極的な姿勢を貫いている。
 「前回の京王閣は自分なりにレースができたと思うし、決勝にも乗れたので感触は悪くなかったですね。練習は基本1人でやっているんですけど、ここまでもいつも通りやってきました。小倉は周りの選手もどんどん掛かっていくし、あまり成績が良くないんですけどね」


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 橋本瑠偉は前々回のサマーナイトフェスティバルを8989着。前回の久留米FIは173着で、今シリーズに乗り込んできた。
 「サマーナイトフェスティバルがボロボロだったので、自信をなくしていたんですけど、久留米は意外と走れた。初日の1着で少し気が楽になりましたね。中3日ですけど、練習と休みをとって調整してきました。小倉は久々なんですけど、風がなくてスピードも出ますし、自分は好きなバンクですね。(初日は)ラインが長くなるのはありがたいですし、力を出し切りたいですね」
 石塚孝幸は近況、差し脚が冴えており、前々回の川崎FIと前回の京王閣FIは初日に白星を挙げている。
 「4月に大宮で落車をして、フレームが壊れてしまったので次の場所から新車に換えた。それがようやく良くなってきました。川崎からサドルを換えたんですけど、それがハマった感じです。野口(裕史)君とはその時(川崎)の準決勝で連係しているし、昨年の青森では優勝もさせてもらっている。相性は抜群ですし、しっかり付いていきたいですね」


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 木村弘は3場所前の小倉FIで決勝に進出。前々回の小松島記念は2954着だったが、3日間バックを取るなど成績以上に動けている印象。前回の富山FIも324着と成績をまとめている。
 「(前回は)2日目は良かったけど、最終日はモヤモヤが残る感じだった。いろいろ覚悟が足りなかったです。(中8日で)やりたい練習はできたので、いつもと違って上積みはあるかな。普段はカーボンを使うけど、鉄のフレームでもモガいてきた」
 佐藤一伸は前回の高知FIを446着。リズムを崩してしまっただけに、復調の足がかりを見つけたい。
 「ここ最近はいろいろやりすぎてしまって、それが逆に悪い方向に出てしまった。今はセッティングを含めて戻したので、練習の感じも少し良くなりましたね。軽いバンクはそこまで得意ではないんですけど、小倉はわりと成績はいいです。木村君とは何度も連係しているんですけど、自分だけがいつも成績がいいので、何とか2人で決まるように」


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岩谷拓磨選手
岩谷拓磨選手
 岩谷拓磨(写真)は、前回の富山記念で2日目に落車に見舞われた。途中欠場を余儀なくされたが、今シリーズに参戦。状態面が気がかりも、師匠の冠シリーズとなるだけに気合は人一倍だ。
 「(落車の影響は)腰まわりの打撲ですね。今回に出られる範囲の怪我でした。怪我を治すことに集中して、ケアをしてきました。富山の前に練習をしているので、その貯金があるかなと思う。富山で新車を使ったけど、落車で自転車がダメになってしまったので、(前々回の)弥彦の時に乗っていたモノを使います。小倉GIIIで師匠の冠レースなので、優勝できたらいい」 
 松尾透は6月小倉FIで134着。今シリーズで今年3度目のホームバンクシリーズを迎える。
 「ここ3場所は決勝に乗れていないですけど、展開ですね。7車立てで最終バック7番手だと、やっぱり厳しい。展開が向けばモノにできるような状態で来られたと思います。地元でのGIIIは最初で最後だと思っていますし、誰よりも気合いは入っていますね。この日のために練習してきましたし、何とか連にからめるように」


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南潤選手
南潤選手
 南潤(写真)は6月平塚FIを117着、続く前々回の平FIは141着、前回の別府FIは115着と近況白星を増やしている。
 「(別府の感触は)持ち味を生かせて走れているなって思う。(近況は)恵まれているなって思う。自転車の進みや、力の入り具合はいいし、踏めているなって思います。フレームを平塚から換えていいし、すごく力が入る感じがする。(9車立ては)特に意識することはないです。(小倉のイメージは)ドーム自体、風がないので好き。33バンクは苦手なので、小倉の方が好きです。天候にも左右されないので」
 小原丈一郎は前回の小松島FIを524着。ムラこそあるが、ダッシュの鋭さと強気な攻めは目を見張るものがあるだけに、今シリーズこそ好結果を残したい。
 「S級に戻ってから、脚がないなと感じますね。特に調子は変わっていないですし、これが現状なのかなと。3分戦だとまだやりようはあるんですけど、2分戦だと相手にやられている感じです。GIIIを走りたいと思っていたので、追加ですけど調子自体は問題ないと思います」


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阿部英斗選手
阿部英斗選手
 地元のホープである阿部英斗(写真)が、ホームバンクでのGIIIに初出場。師匠の冠レースということで、兄デシの岩谷とともに気合は十分入ることだろう。
 「(落車の怪我から)6月の久留米で復帰して、その時からフレームを換えているんですけどようやくポジションが決まって感じも良くなってきました。A級時代から小倉でGIIIをやるというのを聞いていて、S級に早く上がりたかったのもここを走りたかったからです。100%の状態ではないと思うんですけど、やれることをやれたらなと。岩谷さんか自分が優勝できれば一番いいんですけど、まずは小倉勢で結果を出せるように頑張りたい」
 阿部をマークするのがいぶし銀レーサーの大坪功一。近況は前回の高松FIで落車したが、地元戦で完全復帰をアピールできるか。
 「(怪我の具合は)左の横突起を3本骨折しました。それ以外は大丈夫でしたけど、1カ月入院でした。練習は1カ月バリバリやってきました。ここに向けてというよりは、ちょうどここが復帰戦だった。レース勘はあるけど、練習の感じはいつも通り。期待を裏切らないように気合を入れてやってきた」


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 橋本壮史は直近の別府FIを欠場。前回の京王閣GIII以来、3週間、空いてのレースを迎える。
 「(前回は)自転車が届いてなくて走れなかった。体がどうとかではない。(京王閣に関しては)初日は自分の不甲斐なさが出たけど、その後は自分らしさが出せました。(3週間空いたが)しっかり自分のできることをやってきました。(9車立てでも)落ち着いて出し切れるレースを心がけたいです。自転車を換えてから、自転車の進みも良くなっているし、今回もそのフレームでいきます」
 高橋和也は、前回の高知FIを711着と大敗する時もあるが、白星も増やしており、勝率も上々だ。
 「前回の高知の初日は距離が長すぎたので残れなかったですけど、その後連勝できているし調子は悪くなかったのかなと。小倉はかなり前ですけど、S級で初優勝したバンクですし、軽いイメージがあって自分は好きですね。周りは若手が相手ですし、しっかり展開を見極めて組み立てます」


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林慶次郎選手
林慶次郎選手
 林慶次郎(写真)は4月の高知記念で落車し、その後は約2カ月間の欠場。6月の別府記念で復帰してからは、3場所前の小倉FIで716着、前回の静岡FIは513着と徐々に復調している。
 「(静岡までの感じは)脚の感触は良かったけど、レース勘が戻ってなくて、それが良くないところで仕掛けたことにつながった。(24日間空いて)できる練習は全部やって、スピードやパワーなど基礎からここに向けてやってきました」
 渡邉豪大は福岡に移籍しておよそ3年半。ホームバンクのGIIIに初出場となるだけに、集中力を高める。
 「調子は特別いい感じではないですけど、悪くもないので普通ぐらいですかね。今回は急な追加なので、自転車とかは練習用なんですけど小倉でのGIIIはめったにやらないと聞いているし、頑張りたいですね。(林)慶次郎とはだいぶ久々ですけど何回か連係はあったと思います。地元で恥ずかしくないレースをしたいですね」


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渡邉一成選手
渡邉一成選手
 タイトルホルダーの渡邉一成(写真)が一昨年11月の競輪祭以来、約2年ぶりに当所に登場。近況は前々回の静岡FIを途中欠場。前回の富山FIは727着と大敗が目立っているが、これまでの戦歴は断トツなだけに底力発揮なるか注目。
 「静岡は熱中症になって途中欠場した。そのあとの富山も引きずっていて、2着もあったけど、ただ流れ込んだだけでした。体調をどうにか戻して、熱中症の影響を受けないようにケア中心にやってきました。今回はドームなのでありがたいし、初日は嵯峨君の番手というのもありがたいです。富山は中と外の気温差もあると思うけど、急に体が動かなくなる感じがあったし、今回はドームで良かった」
 嵯峨昇喜郎は3場所前の熊本FIを131着や、前々回の京王閣GIIIを811着など好気配が漂っている。
 「脚自体はいいけど、練習の中で右股関節の痛みも出たりしてケア不足でダメな時もある。ちょっとでも無理して練習しちゃうと痛みが出る。(今回までは)しっかり練習してケアもしてきた。変に緊張せず走れれば。(小倉は)室内で風もなくて走りやすい」


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林大悟選手
林大悟選手
 今節のシリーズリーダーは地元の林大悟(写真)。6月の四日市GIIIで2日目に落車。今節がおよそ2カ月ぶりの実戦になる。
 「(怪我は)ろっ骨が1本折れていた。左手の腱が見えていたので縫ったけど、長引きました。(2カ月空いて)練習はしっかりできたし、直前もモガけた。ギリギリ間に合ったかなって感じです。ここ最近の流れは転ぶか優勝するか。しっかり4日間を走りたいです。地元戦はめちゃめちゃ緊張します。競走得点トップでの参加は今までないですね」
 原田研太朗の底力にも注目。前々回のサマーナイトフェスティバルでは4867着だったが、前回の7月別府FIでは132着と成績をまとめてきた。
 「別府の手応えは良かったと思う。長い距離も行けたし、調子もいいのかな。ずっと街道で練習しているので、暑さ対策もできているのかな。直前は少し休んだので、それがいい方向にいってくれれば。(小倉は)優勝もあるし、1回スピードに乗ればいいバンクだと思う」
 若手成長株の岸田剛は、前回の富山記念でGIII初決勝を手にして存在感をアピール。勢いそのままに、今シリーズを迎える。
 「(富山で初のGIII決勝で勝ち上がりの)3日間バックを取れて、連日いい走りはできたんじゃないかなと思う。その後は1日休んで1日練習してきた。体調は崩してないです。小倉は試験以来で、レースでは初めて。まずは指定練習を走ってみてですね。今回は競輪祭の権利取りを目標に頑張りたいです」