久留米競輪場で開催された開設76周年記念「第31回中野カップレース(GIII)」は、7月1日に最終日が行われた。S級S班の郡司浩平、地元の北津留翼ら好メンバーによって争われた決勝は、3車の中四国勢が主導権。最終3コーナーからインを進出した南修二が、押し切り図る太田海也をゴール前で追い込んで優勝。15年8月の富山記念以来、通算2度目のGIII制覇を遂げた。
決勝戦 レース経過
号砲と同時に取鳥雄吾が飛び出して、太田海也-取鳥-松本貴治の中四国勢が誘導員の後ろを占める。前中団が郡司浩平-和田真久留の神奈川勢で、南修二-三谷将太の近畿勢がこの後ろから。北津留翼-和田圭が後攻め。
青板周回のバックストレッチから北津留が上昇し、太田を押さえて赤板過ぎで先頭に立つ。この動きに近畿勢が続き、神奈川勢も5番手に切り替える。7番手に車を下げた太田は、2コーナー出口から一気にスパートする。太田の凄まじいダッシュに取鳥、松本は口が空きながらも追い掛けて、最終ホーム過ぎには中四国3車が出切るが、ホーム手前から中四国勢の動きを追うような形から郡司が仕掛ける。バックストレッチでは郡司がスピード良くまくり上げていくが、松本のけん制を受けて勢いが鈍る。その動きを見て和田真、南が内へ進路を取り、和田真は取鳥を捌こうとするが、和田真と接触した松本が落車。2センター付近では逃げる太田の後ろに南が入る形となり、4コーナー出口で太田に並びかけた南が直線半ばで太田をとらえて約10年ぶり2度目の記念制覇。南に交わされるも太田が2着に逃げ粘り、3着には2センター手前で外に膨らむも直線で伸び返した取鳥が入った。

南修二選手
初めて記念を制した富山から、およそ10年ぶりでのGIII優勝。それでも南修二(写真)は、開口一番、厳しい表情でこう言った。
「内容のないレースなんで、悔しいです。(久しぶりのGIII優勝は)とにかく内容がなかったんで、なんとも言えないです…」
同地区の脇本雄太が18年に初タイトルを獲得してから、7年足らずでグランプリスラムを達成。同じ大阪の後輩、古性優作もグランプリをはじめ数々のタイトルを手にしてきた。それだけに彼らがいない時のシリーズでは、結果もそうだが、近畿の南として内容も追求してきた。
「(決勝では自分がラインの先頭で)流れに乗りながらと思ってた。けど、全部、立ち遅れていたので情けない」
7番手に下げた太田海也が、赤板2コーナー過ぎからフルダッシュ。取鳥雄吾、松本貴治も離れながら追いかける驚がくのスピードに、南はただただ彼らが通過するのを許してしまった。
「(太田との)力の違いを感じました。どうにかできるスピードじゃなかった。(最終3コーナーで)外をのぼると、やめたようになるスピード域だった。(三谷)将太には申し訳なかった」
中四国勢が出切り、それをまくりで郡司浩平が追いかける。南は最終2コーナー手前で郡司、和田真久留の後ろにスイッチ。郡司が松本のブロックで失速すると、和田真が3コーナーでインを進出。和田真が取鳥をさばいて空いたコースを南が突いて、直線の入口で太田に並びかけた。
「とにかく結果だけでした。力のなさしか感じない」
和田真の動きで松本、三谷将太が落車。ゴール前で太田をとらえた南が優勝。大舞台での経験が生きた瞬時の判断ではあった。が、ラインにチャンスのある仕掛けができなかったことは、悔いが残る大きな要因の1つだろう。
「トレーニングをするしかない。近畿はみんな強いので迷惑を掛けないように。練習仲間がいっぱいいるんで、切磋琢磨していければ。(課題は)底上げですね、地道にやるしかない」
脇本、古性らとともに近畿勢を盛り立てたい。その強い気持ちがあるかぎり、南の進化が止まることはない。
前受けから7番手まで引いて巻き返した太田海也は、エンジンの違いを見せて打鐘4コーナーで主導権を奪取。ラインでの上位独占を目論んだが、最終2センターでアクシデント。最後は南の追い込みに屈した。
「自分の行けるところから一撃でと思ってました。仕掛けた感じは悪くなかったんですけど、後半タレたのが良くなかった。(取鳥が追いついたのは)見えてました。(取鳥)雄吾さんが後ろにいてくれたんで、ラインから優勝者が出るように踏んでいました。残り1周をオーバーピッチで入った感じでした。もっと精度を上げていきたい」
太田の踏み出しには車間が空いた取鳥雄吾だったが、最終ホーム過ぎには追いついて絶好の態勢。しかしながら、和田真にすくわれて、立て直しての3着が精いっぱい。GIII初制覇が、またしてもするりと逃げた。
「(太田に追いついてから松本)貴治さんがいるよなって確認して、落ち着こうとしたら(最終)2コーナーではもう郡司さんが来ていた。(郡司を)振らないとと思った。振って、戻って、追い込んで、ピッタリ(ゴール)かなと思ってたら、南さんと(和田)真久留さんが入ってきちゃった。(太田が)もつと思ってたし、それぐらい掛かってた。郡司さんさえ(止められれば)と思っていたけど甘かった」






青板周回のバックストレッチから北津留が上昇し、太田を押さえて赤板過ぎで先頭に立つ。この動きに近畿勢が続き、神奈川勢も5番手に切り替える。7番手に車を下げた太田は、2コーナー出口から一気にスパートする。太田の凄まじいダッシュに取鳥、松本は口が空きながらも追い掛けて、最終ホーム過ぎには中四国3車が出切るが、ホーム手前から中四国勢の動きを追うような形から郡司が仕掛ける。バックストレッチでは郡司がスピード良くまくり上げていくが、松本のけん制を受けて勢いが鈍る。その動きを見て和田真、南が内へ進路を取り、和田真は取鳥を捌こうとするが、和田真と接触した松本が落車。2センター付近では逃げる太田の後ろに南が入る形となり、4コーナー出口で太田に並びかけた南が直線半ばで太田をとらえて約10年ぶり2度目の記念制覇。南に交わされるも太田が2着に逃げ粘り、3着には2センター手前で外に膨らむも直線で伸び返した取鳥が入った。

南修二選手
「内容のないレースなんで、悔しいです。(久しぶりのGIII優勝は)とにかく内容がなかったんで、なんとも言えないです…」
同地区の脇本雄太が18年に初タイトルを獲得してから、7年足らずでグランプリスラムを達成。同じ大阪の後輩、古性優作もグランプリをはじめ数々のタイトルを手にしてきた。それだけに彼らがいない時のシリーズでは、結果もそうだが、近畿の南として内容も追求してきた。
「(決勝では自分がラインの先頭で)流れに乗りながらと思ってた。けど、全部、立ち遅れていたので情けない」
7番手に下げた太田海也が、赤板2コーナー過ぎからフルダッシュ。取鳥雄吾、松本貴治も離れながら追いかける驚がくのスピードに、南はただただ彼らが通過するのを許してしまった。
「(太田との)力の違いを感じました。どうにかできるスピードじゃなかった。(最終3コーナーで)外をのぼると、やめたようになるスピード域だった。(三谷)将太には申し訳なかった」
中四国勢が出切り、それをまくりで郡司浩平が追いかける。南は最終2コーナー手前で郡司、和田真久留の後ろにスイッチ。郡司が松本のブロックで失速すると、和田真が3コーナーでインを進出。和田真が取鳥をさばいて空いたコースを南が突いて、直線の入口で太田に並びかけた。
「とにかく結果だけでした。力のなさしか感じない」
和田真の動きで松本、三谷将太が落車。ゴール前で太田をとらえた南が優勝。大舞台での経験が生きた瞬時の判断ではあった。が、ラインにチャンスのある仕掛けができなかったことは、悔いが残る大きな要因の1つだろう。
「トレーニングをするしかない。近畿はみんな強いので迷惑を掛けないように。練習仲間がいっぱいいるんで、切磋琢磨していければ。(課題は)底上げですね、地道にやるしかない」
脇本、古性らとともに近畿勢を盛り立てたい。その強い気持ちがあるかぎり、南の進化が止まることはない。
前受けから7番手まで引いて巻き返した太田海也は、エンジンの違いを見せて打鐘4コーナーで主導権を奪取。ラインでの上位独占を目論んだが、最終2センターでアクシデント。最後は南の追い込みに屈した。
「自分の行けるところから一撃でと思ってました。仕掛けた感じは悪くなかったんですけど、後半タレたのが良くなかった。(取鳥が追いついたのは)見えてました。(取鳥)雄吾さんが後ろにいてくれたんで、ラインから優勝者が出るように踏んでいました。残り1周をオーバーピッチで入った感じでした。もっと精度を上げていきたい」
太田の踏み出しには車間が空いた取鳥雄吾だったが、最終ホーム過ぎには追いついて絶好の態勢。しかしながら、和田真にすくわれて、立て直しての3着が精いっぱい。GIII初制覇が、またしてもするりと逃げた。
「(太田に追いついてから松本)貴治さんがいるよなって確認して、落ち着こうとしたら(最終)2コーナーではもう郡司さんが来ていた。(郡司を)振らないとと思った。振って、戻って、追い込んで、ピッタリ(ゴール)かなと思ってたら、南さんと(和田)真久留さんが入ってきちゃった。(太田が)もつと思ってたし、それぐらい掛かってた。郡司さんさえ(止められれば)と思っていたけど甘かった」







次回のグレードレースは小松島競輪「阿波おどり杯争覇戦」が7月3日~6日の日程で実施されます。
今シリーズは古性優作、犬伏湧也、岩本俊介、松浦悠士のSS班4名をはじめ、菅田壱道、山田庸平、松井宏佑、嘉永泰斗、藤井侑吾など全国各地から強豪が参戦して覇を競います。勝ち上がり戦から激戦が繰り広げられるのは間違いなく、ファン必見の4日間です。
6月23日時点の出場予定選手データを分析した、小松島「阿波おどり杯争覇戦」の主力メンバー及び狙い目選手を紹介する「プロスポーツ号外版」は以下をクリックしてください。
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今シリーズは古性優作、犬伏湧也、岩本俊介、松浦悠士のSS班4名をはじめ、菅田壱道、山田庸平、松井宏佑、嘉永泰斗、藤井侑吾など全国各地から強豪が参戦して覇を競います。勝ち上がり戦から激戦が繰り広げられるのは間違いなく、ファン必見の4日間です。
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