『久留米競輪開設60周年記念(GIII)レポート』 最終日編
 
配信日:6月14日


 久留米競輪開設60周年記念「第16回中野カップレース」は今日14日が最終日。好天の下、激戦を勝ち抜いたベストナインによる決勝戦が最終第11レースで争われた。レースは川村晃司が和田圭を突っ張って先行。和田の番手から自力に転じた菅田壱道が力強くまくって記念初優勝を達成した。竹内智彦が2着に入り、宮城勢で連独占。地元の紫原政文は3着に敗れた。

決勝戦 レース経過
  スタートで笠松信幸が飛び出し、誘導員後位に入る。川村晃司を受けて、中近コンビが前団。矢口啓一郎-紫原政文の即席ラインが続き、和田圭-菅田壱道-竹内智彦-谷津田将吾の北勢、単騎の和田健太郎が最後方で周回が進む。
 赤板前から和田圭が上昇を開始すると、矢口が大きく外に牽制する。打鐘手前に和田健が内を踏んで、川村ラインにスイッチ。打鐘と同時に和田圭がスパートするが、正攻法の川村が和田圭を突っ張り先行態勢に入る。隊列がバラけて、最終ホームは川村-笠松-和田健-竹内となり、その後ろで内に矢口、外に菅田で併走状態。出切れずの和田圭は外を後退していく。バック手前で外併走から菅田がまくりを敢行、紫原が追いかけたが、一瞬早く竹内が再度菅田後位にスイッチした。四角からは粘る菅田と追い込む竹内のマッチレースも、菅田が振り切り記念初Vを達成。離れながらも懸命に追い掛けた紫原が3着をキープした。


菅田壱道選手
菅田壱道選手
 4人で並んだ北日本勢は川村晃司に突っ張られてバラバラとなったが、菅田壱道が中団外併走の態勢から仕掛けると前団を一気に飲み込み、記念初優勝を飾った。
  「記念どころか、これがS級初Vです。やっと親父(彰人・47期)を越えられましたね。親父は記念の決勝2着が最高ですから。今日は北日本が4車だし、自分に有利になると思っていました。打鐘で突っ張られて和田(圭)先輩が外に浮いたので、外併走からまくろうと思いました。バックの直線で踏んでいけたし、勝負ギアの3・85に上げていたから楽でした。最後は竹内さんに尻を押してもらったし、優勝できたのは運が良かったからだと思います。宮城は新人も出てきたし、自分の優勝で活気がもっと出てくれればいいですね」

 北日本の三番手を回った竹内智彦は和田健太郎の後位に切り替えるも、真後ろからまくってきた菅田に付け直して直線で鋭く迫った。
  「まくりに飛び付く形になったのできつかったです。(笠松のブロックを)乗り切れれば2着だと思っていたし、根性でした。最後は(菅田と)接触がなければチャンスだったけど甘くないですね」

 地元の紫原政文は目標の矢口啓一郎が不発の展開で3着に入るのが精一杯だった。
  「矢口がホームですんなり引いてくれればチャンスはあったんですけどね。悔しいけど展開もきつかったし、しょうがないです。なかなか中野カップは獲らせてもらえませんね」

 矢口啓一郎はサバサバした表情でレースを振り返る。
  「紫原さんと決めたかったんですけどね。6(川村)が突っ張っていい展開になったと思ったんですが…。結果的にホームで引いていれば良かったかもしれません」

 記念初優出の川村晃司は強力な北日本勢を突っ張って主導権を奪い、見せ場を作った。
 「和田(圭)君が思い切って行くようなら、やりあう気持ちはなかったけど、ちょっと来るのが遅かったですからね。腹をくくって先行しました。力は出し切れたし、また次のレースで頑張ります」

 突っ張られて大敗した和田圭は「川村さんは突っ張る気でしたね。矢口さんにあおられて、1回斬るのかとか、色々と考えてしまった。それでも行けると思ったけど中途半端だったし、もっと強引に行くべきでした」と反省の弁。

ゴール




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情報提供:日刊プロスポーツ新聞社
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